Music TO GO!

2010年07月15日

Wadia 151 "Power DAC mini"

今回は角田さん試聴室でアクシスさん取り扱いのWadia 151の試聴をさせてもらいました。
これを見ているみなさんにはWadiaのiTransportは説明不要だと思いますが、iTransportはiPod/iPhoneからデジタル出力を取り出せるトランスポートです。
Wadia 151は、そのiTransportと組にするコンポーネントのひとつでプリメインアンプです。もうひとつはヘッドホンアンプ付きのDACが出る予定ですが、そちらはまだ分かりません。Wadia 151はすでに販売されていて好評のようです。

151b.jpg

Wadia 151はiTransportと同じ底面積でスタックできるプリメインアンプです。小さくともWadiaらしいデザインがなかなか良いですね。
デジタル入力が豊富でもちろんiTransportからもSPDIFで接続できますが、特別なアダプタが必要なわけではないので、基本的には一般的なスモールオーディオ製品と考えてよいと思います。
そこでここではiTransportをとりあえずおいといて、デジタル入力も豊富なのでWadia 151をデスクトップサイズのPCオーディオで使うシステムとして提案しようと思います。

まずWadia 151の特徴ですが、"Power DAC mini"という別名がついているように、入力から出力の最終段まですべてデジタルで処理されるところです。
こちらにメーカーページがあります。
http://www.axiss.co.jp/whatsnew_wadia151PowerDACmini.html

Power DACというのは普通のDACがデジタルデータをアナログ信号に変えるものであるのにたいし、デジタルを入力とするけれどもアナログに変換するのではなくそこでD級増幅をしてスピーカーを直接鳴らせるようにしたものということです。

デジタルオーディオのよくある質問のひとつに「CDがデジタルなんだから、デジタルアンプを使えばそのまま増幅できるのでは?」というものがあります。
たしかになんとなくそう思えますが、これはそう簡単ではありません。なぜなら、デジタルというのは単にデータをいったん符号化(数値化)する方式の総称であって、実際に符号化するやり方はたくさんあるからです。たとえばCDではPCMという方式で符号化されますが、D級アンプではPWMという方式を使います。これは前にこちらの「学研の大人の科学」の記事で少し書いたんですが、PWMという時間区分する方式はデバイスをアナログ的に制御するのに適しているからです。D級アンプの場合はパワーICの開け閉めということになります。
このため、全行程デジタルといっても実際にはPCMのデジタルデータをPWMに変換する必要があります。

Wadia 151の場合は前段にさる半導体メーカーと共同開発した「WD151D」というDSPチップを中心に、すべての入力をアップサンプリングして384kHz/24bitにしてから、PCM→PWM変換をします。それから後段でD級増幅をしてMOSFETでスピーカーを駆動できる電力を生み出します。
このようにアナログが途中に介在することはありません。


そこで実際の音ですが、こうしたコンピューターオーディオシステムを組んでみました。
ソースはMac AirとAmarra mini、そこからUSBケーブル(ゾノトーン)で直接Wadia 151のUSB入力につなぎます。
Wadia 151からはスピーカーケーブルでこの前書いたフォーカルのChorus Vにつなぎます。Macを除けばトータルで30万もしません。
こちら背面の写真です。かなり立派な端子が使われていますね。
151a.jpg

音はさすがに全行程デジタルのせいか気持ち良いくらい澄んだ端正な音を鳴らしますが、このアンプの一番のポイントは制動力というかスピーカーのコントロールだと思います。よくベンチマーク的に鳴らすアルヴォ・ペルトのオーケストラ曲でも実に堂々と鳴らします。低域もかなりよく出ます。このサイズの組み合わせですけど、ちょっと驚きます。もちろんフォーカルのスピーカーも価格の割にはかなり良いように思います。

次にUSB接続から変えてHalide Bridge(USB DDC)を使って、MacのUSBからWadia 151のSPDIF入力につなぎます。
Bridgeに変えると面白いことに音に厚みが増し、オーディオ的な艶っぽい美しさも感じられるようになります。USB接続ではちょっとデジタルアンプっぽいところもあったけど、これだと滑らかなまるでデジタルアンプとは思えないアナログアンプの音のようです。これくらいの音なら誰が聴いても納得するでしょう。
Bridgeで採用されているWavelengthのAsync方式のよさもありそうです。

ChordのCDトランスポート・コーダにもつないで見ましたが、ハイエンドCDトラポに変えても一層洗練された音になる伸びしろがあります。
ためしにフォーカルの大きなほう、スカーラにつないで見ても低域のコントロールが感じられるのはたいしたものです。こんなでかいスピーカーでもきちんとベースの制動感が感じられます。

組み合わせでだいぶ表情を変えるというのも面白いところです。ちょっとシステムを工夫すれば手ごろな価格で、これだけ音がよいシステムが組めるということですね。
iTransport用だからiTransportと組ませるということだけでなしに、iTransportから離れてもなかなか良いアンプです。このWadia 151を軸にいろいろなシステムを考えてみるのも面白いと思います。
posted by ささき at 23:39 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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