本日はまた評論家の角田郁雄さん宅の試聴室におじゃまして、様々な最新PCオーディオ機材の試聴会をやってきました。
わたしはミックスウエーブさんから借りている国内未発売のデモ機を待っていき、良い機材を使わせてもらい聴くことが出来ました。Devil Sound DACとSonicweld Diverterです。
自分の音源としては最近の定番Macbook Airを持参してAmarraで再生しています。また後述しますが昨日見つけた良録音のCDをあわせてCDでも使わせてもらいました。
Devil Sound DAC
まずはこれ、PCオーディオ展でもちょっと書きましたが、ケーブル一体型のUSB DACです。Devilsound labというところのDACということで名前は仰々しくもシンプルなものです。
片方にUSBケーブル、片方にRCAケーブルがあり中間にDACがあるという分かりやすくもシンプルな構成です。
こちらにホームページがあります。
http://www.devilsound.com/DAC/
48/16までの対応ですが標準ドライバーを使えるのでインストールの手間がなく、取り付けも簡単で場所も取りません。アンプとアナログケーブルの距離が短くなるのも良いですね。
なんとなく、見た目から初めは簡単さがメインのお手軽再生機器かと思いましたが、音を出してみると意外とかなり音が良いのでちょっと驚きます。
それまで後述するHegelのDA10で聴いていたんですが、比べてしまうとそれよりは少し性能的に劣るものの、角田さん宅のフォーカルとかアキュフェーズのハイエンドシステムに加えても聴き劣りしないくらいで、これでなにが不満あるんだという立派な音です。
こうしたシステムに加えたときに音の解像度が高すぎなくてもかえって聞きやすいと思わせるのは、とてもバランスよく作ってあるからと思います。コンシューマークラスのシステムに入れたときにはかなりの音になるでしょうね。普通のPCのサウンドカードに比べれば互角以上のものとなるように思います。アイディアだけではなく中身も立派です。
内部もなかなかこっています。
http://www.devilsound.com/DAC/design/
USBバスパワーだけどもPC内のノイズの影響を減らすために整流のためのチップを積んでクリーンにしてから使用していたり、SpActというDenDACと同じ技術を採用してジッター対策をしています。また、PCM2706の一発使いではなく、PCM2706はあくまでI2Sでデジタルデータを取り出すだけで、DA変換はLR別のAD1851で行われています。変換はノンオーバーサンプリング(NOS)というこだわりも見せてます。
DACのアナログ部のかなめであるI/V変換はさすがにオペアンプですが、それなりにこだわりのある考えで設計されているようです。
このように見かけよりは中身の音とか、中身の設計はかなり優れたものです。
価格は3万台半ばとなりそうですが、見た目よりも中身が充実しているのでそれを考えると納得できます。
これとアクティブスピーカーの組み合わせはノートパソコンを使うデスクトップオーディオにもなかなかお勧めです。簡単であまり知識が必要ないので、PCオーディオ入門にもよいですね。とりあえず手持ちのノートパソコンと手持ちのオーディオをつないでみるのもよいでしょう。
Sonicweld Diverter
この現代彫刻のような機材はUSBからSPDIFに変換するコンバーターです。リンデマンのDDCやhiFaceのような機材ですが、そのハイエンドバージョンといえるものです。デジタルアウトはBNCで、RCAアダプタが付属してきます。こちらに情報があります。
http://www.cryo-parts.com/sonicweld_diverter.html
これも標準ドライバーのためインストール作業は不要です。そのため96/24までの対応となりますが、これで十分といえる驚くほどの性能を発揮します。電源はバスパワーですが、これもノイズ対策のためにかなりしっかりした電源設計がされているようです。
Mac AirからはWireworldのStarlight5で接続して、CHORDのQBD76につなぎます。
これはまさにハイエンドの音の世界です。高低のレンジが広く、透明感と音の切れの良さが際立っています。贅肉もなく、整って品格がある音ですね。
Handsでのウッドベースの歯切れよくシャープでパンチのある音切れを聴かせてくれます。
USBでDDCをかましてるとはにわかに思えないくらいです。
これには角田さんも既存のUSB DDCに比べて変換精度が高いと絶賛でした。
USB DDCって安くて手軽なものが多いのですが、hiFaceなどで入門したあとにハイエンドシステムにUSB DDCを導入しようという人にはお勧めです。
ゾノトーン USBケーブル
ところで角田さん試聴室に見慣れないUSBケーブルがありましたが、これはあの前園さんのブランド、ゾノトーンのUSBケーブルのリリース直前モデルということです。いちおうメーカー許可をいただいたので情報として掲載しますが、プレスリリース前なので価格等は公開できません。
OFCに銀コートということですが、電源ラインは専用のシールドを設けるというこったものです。さすが製作者のこだわりが感じられますね。
まず自然で立体的に広がりがある空間表現と音像が見えやすいきりっとした明瞭感があります。それでいてきつくなく適度な聴きやすさを兼ね備えているようです。ヴォーカルの肉質感なんかもよいですね。
こうして優れたケーブルメーカーがどんどんUSBケーブルを出してくれるようになるとまたUSBオーディオの周辺ももりあがっていくのではないでしょうか。
Hegel D10
これは角田さん最近お勧めのHEGELのD10というDACです。
約16万くらいのDACということです。シンプルなDACですが、内部で192/24までアップサンプリングされます。またバランスの出力に優れているということです。
音がきれいで、性能が非常に高いというよりまとまりがよくて音学を美しく聴かせる感じです。
USBでも入力ができますが、上で書いたDiverterと組み合わせると素晴らしく良い組み合わせで、後で書くVia Crucisなんかはとても感動的です。自然でいて、かつHiFiというなかなかありそうでない組み合わせですね。
パソコンからの良い音の取り出しと、続くオーディオの世界への引き渡し、オーディオの世界ではそれを優れた回路で再生するというのがPCオーディオ システムのあり方という基本を教えてくれますね。
WEISS INT202
これはFireWireからSPDIFへのコンバーターです。
ここからは私のAirではFireWireがないので使えないので、角田さんのMacbook Proを使用します。
INT202のポイントはデジタルアウトがバランス・アンバランスとも二つあり、CHORDのQBD76のように二本のデジタルを受けられるものに適合しています。これは二本でそれぞれLのデータとクロック、Rのデータとクロックを伝送するということのようです。
実際に192/24の音源で聴くと、余裕が感じられる堂々とした音で、リアルさとそこから生み出される音楽の雰囲気の再現に圧倒されます。
これはもちろんQBD76の良さもあるでしょう。やはりこういうのを聴いてるとDAC64よりはっきり進化しているという感じがします。
今日はたくさん聴いて、ここに書いた以上にいろいろ差し替えたりしましたが、実り多い試聴の機会を得られました。
今日はたくさんのソースを聴きましたが、CDソースと44/16のRIPソースでは最近見つけたこのVIA CRUCISをメインに使わせてもらいました。
これは古楽のCDですが、録音も演奏も素晴らしいものです。広いレンジに楽器や声の抽出が自然でかつ透明感が高く、ちょっと現代感覚のある演奏も素晴らしいCDです。
試聴はこちらからどうぞ。
http://listen.jp/store/album_5099969457654.htm
Music TO GO!
2010年04月18日
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