Amarra(アマーラ)はSonic StudioというプロオーディオメーカーのミュージックプレーヤーでMac 専用です。http://www.sonicstudio.com/amarra/
Macのミュージックプレーヤーと言えばiTunesですが、iTunesは実際は楽曲管理をしているだけで、実際の音を出すのはMac OS XのマルチメディアエンジンであるところのQuicktimeです。Amarraはそこのところを独自のSSEエンジンという再生モジュールに置き換えて高音質をはかるというものです。そうしてiTunesの使いやすさと、高音質を両立できるという良いとこどりのシステムといえます。ただしサポートする楽曲ファイルの形式はiTunesで対応するすべてではありません。
この仕組みはあとで紹介するPure Music Playerも同じです。
Windows XPだとカーネルミキサーのバイパスという問題が常にあるのですが、Mac OS Xの場合はCore AudioというOSの中にそうした仕組みがすでにあるので、Amarraはそれを利用しているようです。そうしたところに頭を悩ませる必要がない点もMac OSXのよいところです。
*購入
Amarraにはフル機能版と機能限定版があり、フル機能版は$960、機能限定版(mini)は$360(ファイルライセンスは$300)となっています。
mini版は安い代わりに96/24まで、イコライザーなしなどの制限があります。ここで書いているのはminiの方です。
購入にはライセンスが必要ですが、これはiLokというUSBドングルを使用します。
しかしUSBポートをひとつ占有してしまうので、Airについてはファイルライセンスを購入しています。
そのため、一台でよい人はファイルライセンス、二台で差し替えて使いたい人はiLokドングルという風に使い分けることができます。
*音質
多くのプレーヤーソフトが無料なのにAmarraが有料というところに難を感じるところもありますが、無料で入手できてかつ音が良いCogやPlayと比べてもやはりAmarraの音の優位性は納得させられます。
音再現は明瞭でかつ細やか、なにより気品があり、繊細です。情報量の多さ細やかさが、音に厚みや豊かさ、質感も乗せています。
かつ無理なDSP違和感がなく聴いていて歪みなくクリーンで破綻がありません。こう書いているとクラシックかジャズ向きか、と思わせますが、低域方向にも手当てが厚く意外とロックポップにもあったりします。
*機能
わたしはminiを使っていることもあり、機能はそう豊富に選べるというわけではありませんが、まああまり細かい設定をいじり倒すタイプのプレーヤーではありません。そうした人には後で書くPure Music Playerの方がいいでしょう。
フル版ではボリュームコントロールにOzoneのところで書いたiZotopeの64bit volumeを使っているとのことです。
あとAmarraの裏技という訳ではないけど、Amarraではギャップレス再生のためにPlaylistモードというのがありますが、Playlistモードを使うとメモリーに楽曲をロードできるメモリープレーヤーにもなるようです。そのかわりPlay ListモードではiTunesからは切り離されます。
これはAmarraのマニュアルには記述ありませんが、Pure Music Playerの比較表のところに書いてあります。
対応フォーマットがまだ完全ではないので他のプレーヤーが介在する余地はありますが、やはりMacを代表するプレーヤーだと思います。
*AmarraとMacbook Airのポータブルオーディオ化計画
Amarraにはリモート機能が二通りあります。
ひとつはApple Remoteを使った赤外線による方法と、iPhoneを使った無線LANによる方法です。これにはRowmoteアプリが推奨されています。RowmoteはAmarra専用ではありませんが、Amarraを標準でサポートしているので安定感はあります。
Rowmoteのリンク
http://itunes.apple.com/jp/app/rowmote-remote-control-for/id300265786?mt=8
と、いうわけでさっそく試しました。Macbook AirのデカiPod化計画。PCオーディオのポータブル版です。先に書いたNECのWimaxポータブル無線ルーターを組み合わせています。
以前FoobarのuPnPコンポーネントを紹介したときにやはりポータブルシステムのリモコンとしてのDLNA(uPnP)の応用例を挙げましたが、このときはアドホックという直結タイプのネットワークを組みました。今回はさきのNECのポータブル無線ルーターを介して普通のルーターを使ったネットワークを構築しています。一概にネットワークといってもいろんな構成があります。
このシステムではAirを閉じてバックに入れたままで音楽を聴いて、iPhoneでポーズや音量調整が可能です。しかもAmarraをプレーヤーとして使えます。
RowmoteはuPnPネットワークシステムとは異なりただのリモコンソフトなので、できることは限られています。再生、ストップ、音量変更とスキップくらいで、楽曲情報の取得などはできません。この辺は簡単さと柔軟性のトレードオフですね。
なお現在のMacbookはWindowsノートと違い通常は液晶を閉じたまま動作できない仕様になっています(外部ディスプレイとキーボードをつけたときは例外)。
そのため液晶を閉じたまま動作させるにはInsomniaというソフトウエアをMacbookにインストールする必要があります。
DACPortとEdition8でこのシステムを使ってると終点になっても電車から降りたくないほどです(笑)。
Music TO GO!
2010年04月14日
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