Music TO GO!

2006年03月11日

K701、音の第一印象

さて、到着してから数時間ずっと音楽をいろいろなジャンルで聴いていました。
システムはいつものLINN IKEMIとHD-1Lで聴いています。Luxman P-1で聴くとまた印象が違うかもしれませんが、今日はアンプを暖めていないので今晩はずっとHD-1Lで聴きます。
本来はエージングしてからコメントした方がよいという話もじゅうじゅう承知していますが、なにせ時間が経つとコメントを書く気も薄れてきますので(笑)この買ったあたりで興奮しているときが一番筆が走るわけです。
さすがにK1000のときは買ったばかりだとちょっと書くのに困るところがありましたが、これは箱から出してすぐいい音を出します。エージングが長く必要というコメントもありますが、全体に音がきつくないのですぐに楽しめると思います。

ルックスはさきの写真の通り大変きれいなものです。パーツはプラも多く使っていますが、仕上げがきれいでチープさは感じません。
サイズ調節はAKGの特徴的なゴムバンド方式で装着感は悪くないですが、全体に大きさがやや小さ目かもしれません。
能率の低さを考えても音はそう取りにくいというほどではありませんが、オーテクなどよりは確実にボリュームは高めになります。だいたいL-3000とかEdition7だとHD-1Lの8時から9時で聴いてますが、K701は9時から10時くらいになります。

ぱっと聴くと細かい音も拾うけど音数が多いというよりも音の響きがきれいなタイプに聴こえます。響きといっても木製ハウジングモデルのようなハウジングの響きではなく音の余韻(とか倍音)の部分をきれいに描くのでとても音がきれいに聴こえる感じです。
AKGの美点ともいえるかもしれませんが、K701のヴォーカルは秀逸です。LINNのIKEMIもヴォーカルには定評のあるCDPなのでシナジーもあり思わず聴きこんでしまいます。また楽器の音もとてもきれいです。K1000的な音色の良さはきちんと受け継がれていますね。
高域もきれいでバイオリンの鳴りもいいので高域の解像力もあると思います。ただ静電型などと比べるともう少し上の伸びがほしいと思うかもしれません。サ行(S音)チェックもいつものロザンヌ・キャッシュ(カントリーシンガー)の女声ナレーションで行いました。悪くはありませんが、いまの段階だと少し高域にきつさを残します。
低音は量的にも十分あってL-3000のようにありすぎるわけではないですが、人の好みによっては多いと感じるだろうくらいはあると思います。またかなり下に伸びるので低域の質は高く感じます。
またベースのピチカートのタイトさもそれなりに良いですしスピード感もわりとありますが、音の定位という意味でのイメージングも含めてこの辺はちょっとコメントを留保したいところでアンプを換えてからまたコメントしたいと思います。

K701は事前に伝え聞かれるコメントでも盛り上がってしまいました。音の広がりがすごいというコメントがわりと多かったように思いますが、二次元的な意味ではそれほどという感じはしません。ただしさきに書いたような豊かな広がり感があり、開放型の特徴とあいまって音響効果の良いコンサートホールで鳴っているという感じはします。
それと一番初めにGRADO的というコメントを引用したのがありましたが、GRADOの特徴を明るく軽いと捉えるとK701はちょっと違うかもしれません。もう少しニュートラルですね。
ノリがよいという言い方をするとそうかもしれません。そういう意味ではK701は室内楽に向いているかと思えば、エレクトロニカなんかでもかっこいいですし音楽のジャンルは意外とオールラウンドに鳴らすと思います。わたしはK501は持ってないのでそれに比べてというわけではなく絶対評価ですが、そのうち聴き比べしてみたいものです。
低音のインパクトも十分あるのでロックでもいいですが、ディストーションギターや暴力的なサックスで暴れて欲しいところでもきちんと抑制して上品にならすのでそういうむきには物足りなさを感じるかもしれません。ロックでも「大人のロック」になりますね。やはりそうした意味では行儀の良い音楽に向いているとはいえるかもしれません。さすがにオーストリアはウィーンの血筋を感じます。

全体に私はかなり気に入りました。とにかく聴いていて気持ちがよいと感じるヘッドホンです。
値段を忘れて少しハイレベルな文句を言うともう少しクリアな抜けの良さがほしいけれども、エージングというよりはケーブルのような気がします。ケーブル交換の価値は高そうです。わたしはラリーさん待ちですね。
HD650のような音の濃さとは違うけどクラシックやジャズをきちんと鳴らすような音の正確さと音色のよさ、それに音の迫力がうまくバランスされていると思います。K701の音の傾向を考えるに、低能率とインピーダンスの低さがいいバランスのような気がしますね。また抑制がうまくされていてとても聴き易く感じますし、音色の良さもあって長時間聴いていたくなります。

Edition7のような強烈さはないけれどもきつさもありません。K1000やL-3000のような個性的な音ではないけど、魅力的なルックスも含めて美しいかたちと美しい音で完成度と満足度はかなり高いと思います。
posted by ささき at 00:39| Comment(7) | TrackBack(1) | __→ AKG K701 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ファーストインプレ参考になります!
つきましては便乗記事を書かせていただきました(笑)
Posted by ためごろう at 2006年03月11日 02:55
百聞は一聴にしかず!ん〜聞いてみたい(T T)

まぁ、ウチでは鳴らす環境が整っていないので、購買欲は掻き立てられないのですが、このインプレッションを読むと一種の憧れ的な思いは膨らませられます。(^^;
エージング後、また環境を変えての記事も楽しみにしています。
Posted by rabbitmoon at 2006年03月11日 05:03
 写真もインプレもとても参考になりました。K1000のように時のようにアンプがあると構図が工夫しやすいでしょうが今回の単体はいろいろと悩まれたことと思います。何時も物欲を掻き立てる写真をありがとうございます。私見ですがAKG701は形がとても美しいですね。
 エージング後の(ささき様の)少し落ち着いたところでの記事を読ましていただくまでプチるのを我慢しておきます。(笑)
Posted by のん at 2006年03月11日 12:40
ささきさんの印象は、私のイメージしていた
妄想通りの音で(笑)、購買意欲をそそられます。

来週、やっとW5000が納品されそうですがCorda
の入荷が遅れてるみたいで・・・まだ、聴けないです(^^;
Posted by ゴーヤ at 2006年03月11日 16:38
みなさん、どもども。
こうして書いているときもDAC1やP-1とK701を聴いてますが、これもなかなかいいと思います。
買われてもきっと満足すると思いますよ!
Posted by ささき at 2006年03月11日 21:48
私も聴いてます〜。K701。
ささきさんの記事に同意。
こりゃ私が書くことないです、ってぐらい。
でも最近edition7聴いてたせいか音が薄い気が・・・むむぅ。
あと、やっぱり個人的にはRS-1やHD650ほどの魅力は感じられませんねー。
でもエージングでぐっと良くなってきてる感じなので、まだまだ今後に期待です。
それにトータルバランス的には最高なんじゃないか、と思える完成度の高さなんですよね。
Posted by He&Bi at 2006年03月12日 01:51
He&BiさんもK701ゲットおめでとうございます!
コメントありがとうございました。
たしかにK701ってかなり隙がなく完成度は高いと思うのであとは好みの問題かなという気はしますね。
Posted by ささき at 2006年03月12日 10:53
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Excerpt: ようやく国内にもK701が届き始めたようですね ヘッドホン集会でお会いした、ささきさんのブログ「Music TO GO!」で、 http://vaiopocket.seesaa.net/ K..
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