1. 特徴
昨年cPlayを紹介したときにいっしょにPlayWASAPIというWASAPI専用プレーヤーにちょっと触れましたが、そのプレーヤーソフトがASIOにも対応してXPでも動作可能になりましたので紹介します。
*WASAPIはVista以降のみサポートされています
この対応によってプレーヤーの名称もStealthAudioPlayerと変わりました。こちらに開発者のブログがあってここがホームとなります。
http://andy-audioplayer.blogspot.com/
またこちらのAudioCircleあたりでもいろいろと話されています。
http://www.audiocircle.com/index.php?topic=68364.0
今回の記事は前回の美麗なグラフィックのOzone MPに比べると画像がなくていささかさびしいんですが、撮りたくても撮れないのです。
このプレーヤーの特徴は「操作画面がない」ことです。cPlayでさえ簡単なリスト画面がありましたが、StealthAudioPlayer(PlayWASAPI)ではなにもありません。それがステルスという名の由来でもあります。
どう再生するかというと、StealthAudioPlayerをインストールするとコンテキストメニュー(マウスの右クリック)に"Play With StealthAudioPlayer"という項目が追加されますので、再生したいファイルを選んだら右クリックしてこの項目で再生してください。
停止やポーズのときは他に用意されたバッチファイルを使います。
もうひとつの特徴は高音質志向であるため、cPlayのようにASIO/WASAPI専用であるということと、メモリにいったんすべて楽曲データをロードしてから再生するという点です。再生はすべてメモリー上で行われるメモリープレーヤーになります。このため再生指示してから実際に再生されて音が出るまでやや時間がかかります。
またメモリー領域は物理メモリ(RAM)上に固定してスワップアウトされないようにすることができます(後述)。
Atom1.3GのXP 1GBメモリでも走るので必要な環境としてはそれほどきつくないと思います。
再生ファイルフォーマットはWAVが基本です。FLAC、ape(Monkey's audio)、MP3はモジュールを別にインストールしておく必要があります。(2008/12/23のコラムにあります)
さて、ここまで読んできて「どうやって出力先を指定するんだろう? まさか..」と思われたかもしれません。そうです、そのまさかです。出力先はiniファイルで書かねばなりません。
ASIO4ALLを使う場合はASIO4ALLを指定して、他のASIOドライバの場合はその名前を書きます。ASIO4ALLではASIO4ALLの設定画面(タスクバー)から実際の接続デバイスを切り替えることができます。現実的な運用としてはこれが便利です。
またcPlay+cMPと同様にCUEファイル(同一ディレクトリのみ)を読むことができます。
肝心の音質ですがやはりなかなか良好で、音質が改良されたFoobar1.0に比べてもより厚みとか深みを感じられオーディオ的な意味での実体感とか重みがあります。開発者ブログのコメント欄にはいままでいろいろと(こうしたマニアックな)プレーヤーを使ってきたけど、これが一番音がいいという人もいます。
2. インストールと使用法
下記ページのリンクから最新版をダウンロードしてください。(リンク先でfreeでダウンロード可ですが時間帯によってはつながらないかもしれません)
ダウンロードするファイルも200KBと軽量です。
(2010.2.1現在で0.1.1)
http://andy-audioplayer.blogspot.com/2009/11/stealthaudioplayer-with-cue-sheet.html
解凍してinstall.batをダブルクリックしてください。「レジストリに書き込みますがいいですか」というダイアログが出るのでOKを押してください。するとフォルダ内にたくさんのbatファイルが出てきます。
Next trackバッチファイルはおそらくCUEファイルを使って管理しているときだと思います。ポーズとストップはCUEがなくとも動作します。
XPでASIO4ALLを使う例を説明すると、Stealthの解凍フォルダ内にiniファイルができるので、そこの[ASIO]セクションを書き換えます。
下記にXPとASIO4ALLでのiniファイルの例を書きました。ASIO4ALL以外ではASIOドライバー名をDriverListに記述してください。
[ASIO]
Enabled=1
DriverList=ASIO4ALL v2;
SelectedDriver=ASIO4ALL v2
[MemoryManagement]
AllowVirtualLock=1
上の[MemoryManagement]セクションのAllowVirtualLock=1で物理メモリ内にロードしたデータ領域がロックされて、ディスクにスワップアウトされなくなります。簡単に言うと音が良くなるでしょう。
高音質志向でミュージックプレーヤーを使う人は仮想メモリの設定でページングファイルなし(スワップをしない)を設定したりしますが、このプレーヤーではそれは不要ということになります。
またVista以降、特に7を使いの方は旧バージョンのPlayWASAPIの方が音が好みというユーザーも多々いるようですので、そちらの方を別に試してみることもお勧めします。(PlayWASAPIはXPでは動作しません)
リンクがブログの下のほうにあります。
PlayWASAPIの場合は
[AudioClient]
BufferSizeInMilliseconds = 30
が足されることになると思いますが、これは30固定が開発者の見つけたベストの値だそうですのでいじらないほうがよさそうです。
StealthAudioPlayerもいろいろと手間はかかりますが、いったん設定してしまえばいちいちアプリを立ち上げて選曲というステップがないので、ある意味便利に使えます。
Windows7ではリモート再生(Play to)というDLNAサポートのコンテキストメニューがありますが、意外とこういうタイプも増えていくかもしれません。
Music TO GO!
2010年02月02日
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