このブログでは一万円前後のイヤホンってあまり書きませんけど、この前のヘッドホン祭りで販促品としていただいたDTX80を聴いてみたところなかなかいい感じでしたのでちょっと書いてみます。
良いポータブル機材を持って外出するときはカスタムIEMで聴きますけど、ぐちゃっとポケットにいれられたり、取り外しが面倒くさくないということで、こうしたイヤホンもiPhone直で使いたいときはけっこう重宝します。
はじめに書いておくとこのイヤホンを生かすのはチップ次第です。上の写真はHead Diect RE1についてきたダブルフランジです。
iPhone直で聴いてみました。
少し軽めな印象ですが、レンジ感がわりと広く、明るく抜けが良い感じです。広がり感も良くフラットに近くニュートラル基調です。私はベイヤーの音がどうこうとは言えませんが、ある意味チューニングの考えはT1に通じるものがあるかもしれません(音質は大幅に違いますが)。
楽器の音再現もかっちりとしてるのですが、低インピーダンス的な意味で少しふくらんで甘めではあります。音の細やかさもこのクラス的に悪くなく環境音の表現も上手で広がりもあるので、音楽によってはうまくマッチします。
ただ標準チップで聴くとおそらく多くの人は全体に高い方に寄っていて低域不足と感じるでしょう。
前回のFostexの販促品ミミモトのチップがあまってたのでそれをつけるとやや改善しますがやはり低域が漏れないためにはダブルフランジが必要です。
ダブルフランジで評判がわりと良いRE1について来たもの(写真)だと低域もしっかり出ていい感じです。これでも量感はありませんが、思ったよりも下も出るという感じです。
いずれにせよ標準チップがあっているSE115とは違って工夫が必要でしょう。
イヤホンは5000円前後以下が売れ筋ということですが、その辺だと言わば似たようなものになりがちで、この位の価格になると個性の差が出て来るように思えます。
DTX80はロックには軽くて迫力不足と思いますが、ジャズとかクラシック、アンビエント系にはよさそうです。区分けとしては一万円前後だとヒップホップとかロックみたいに低域に重点を置く人はこの前書いたShureのSE115、ジャズ・クラシックはDTX80が良いと思います。
それと数万円クラスならともかくこのクラスではまだダイナミックドライバーが良いと思います。ただこれもそうですが、しつこくエージングは必要です。
このクラスではマルチドライバー機と違って、何でもかんでも実現できないので、買う人はジャンルを絞って買うのが良いと思います。また作る方もターゲットを絞って作った方がよいのではないでしょうか。
Music TO GO!
2009年11月05日
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