この一週間JH13を使ってみて、いまのお気に入りはSR71A/iMod/ALO Super Cottonという組み合わせです。
このほかにもiHP140/D10(8397)/Sys-Conceptも使いましたが、こちらで聞いているとHead-FiでよくJH13とHD800が比較されるという気持ちがわかる気がしてきます。広がりのある音場という点のほかでも、音再現のリアルさ、正確さという点でちょっと似た感じを受けるところがあるからです。
その引き締まった音からはまったくゆるみを感じることはなく、上から下まできれいにそろったフラットで過多のないきれいな音再現です。余剰がないので線が細く軽さを感じるかもしれませんが、それはアンプでも大きく変わります。
音はクリアでよどみなく、見通しの良い透明感の高さを感じます。歪み感がなく楽器の再現はリアルで忠実です。これらの点では他社フラッグシップカスタムIEMの中でも白眉といえるでしょう。
以前「JH-13のひみつ」という記事を書きましたが、その中で書いたように帯域ごとのデュアルドライバーの効果、歪みを減らしてクリーンな音を再生する力がここではいかんなく出ているように思います。
反面でiHP/D10あたりではポップやロックではきつさを感じることもありますが、これはJH13のせいではなく、録音そのものがきついということでしょう。JH13はそれを忠実に再生しているわけです。
この点でSR71Aの組み合わせでは寛容性をみせてくれます。
ポップやロックでも心地よく鳴らしてくれ、同時に高い情報量の豊かさも両立させています。ジャズやクラシックでも楽器の音を滑らかに美しく鳴らしてくれ、ピアノの響きは感動的です。
SR71Aのやや強調された低域も、ぴったりと正確なJH13でもう少し低域がほしいというときにほどよく感じられます。
D10に関してはUE11のときに考えたオペアンプ構成なので、インピーダンスの異なるJH13ではまた考え直す余地はあるかもしれません。
JH13はUE11やES3xと比べても個性の違いはあります。UE11は音楽的でES3Xはリアルでフラットと書きましたが、ES3XはJH13に比べるとより音楽的に思えてしまいます。
JH13の入手に先駆けてUE11とES3Xのクロスレビューを書いたのは、二者だと個性の対比が分かりやすく、三者のレビューにすると個性の書き分けがむずかしいと思ったからですけど、そういう意味ではJH13を待ってからそれらの位置付けというのを再考する必要があったかと、ちょっと思い直してしまいます。
Music TO GO!
2009年08月12日
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