Nuforceは6moonsでとても人気があるブランドですが、NuforceのIconが出たときにあちこちでIconとの組み合わせが素晴らしいと評されたコンパクトスピーカーが、Mark & DanielのMiniでした。Mark & Danielは米在住の台湾系の人がやっているオーディオブランドです。
こちらにフューレンさんのページがあります。
http://www.mark-daniel.jp/
いまでは改良が加えられてMini+となっていてフューレンさんではMini+を輸入しています。
わたしもその人気を聞きつけていまのJB3を買うときに、これも考えたのですが止めました。これ、小さい割りに重いんです。送料がかなりかさむのでちょっと考えますが、こういうのは代理店さんで取り扱ってもらえるといいですね。
*ちなみにMark & Danielで検索すると会社のページが出てきますが、セキュリティに少し問題があるようなので、URLはあげません。
興味がある人は6moonsから記事を検索するのが無難です。6moonsではMark & Danielにかなり入れ込んでいてかなり詳細な記事がたくさんあります。
http://www.6moons.com/
Mark & DanielはデスクトップのminiからフロアスタンドのApolloまでさまざまな種類がありますが、みな2Wayです。これが実はポイントです。
マルチウエイになると周波数特性は楽になりますが、位相の問題が生じます。かといってシングル(フルレンジ)ではつながりは良くても、どうしても周波数特性に物足りなさが出ます。
また物理的に小型であれば点音源に近く望ましいことでもありますが、エンクロージャーのキャビネットが小さいということは低域再現に限界があります。
この辺はなかなかトレードオフが複雑にからんで悩ましいところです。
Mark & Danielは特徴的な技術を組み合わせで興味ある解決策を見せています。
まず、一番の特徴はDREAMSと呼ばれるツィーターです。一見リボンに見えますが、これはAMT(Air Motion Transformer)、通称ハイル・ドライバーです。(ちなみに現在ハイルドライバーの特許は切れているそうです)
Mark & DanielではこれをDREAMS(Directly Responding Emitter by Air Motion Structure)と呼んでいます。
YAMAHA HP-1のところで書きましたが、高域で問題になるのは分割振動ですので、基本的にツィーターは平面型か半球形(ドーム)が望ましいということになります。リボン型でも静電型でも駆動方式は違っても平面であるのは同じですが、ハイルドライバーはアコーディオンのような立体です。そのために空気を押す効率が高いというのがハイルドライバーの特徴の一つです。
ふつうのドーム型ツィーターに比べたハイルドライバーの利点はスピード、ダイナミックレンジ、指向性だそうですが、DREAMSでもっとも特徴的なのは広帯域ということです。
普通2Wayスピーカーで音楽を聴いているときにヴァイオリンの音がきれいだと、「ああ良いツィーターだ」と思うかもしれません。
しかし、通常のスピーカーのクロスオーバーはだいたい2k-3kHzくらいなのでそれ以下の音は主にウーファーが出していることになります。ヴァイオリンの帯域は通常200Hz-2.6kHzなので実はほとんどのヴァイオリンの音はウーファーから出ています。このように2Wayスピーカーの場合、たいていのスピーカーは3:7くらいでウーファーの受け持ちの方が多いわけです。
しかしMini+ではそれが900Hzと大幅に低くなっています。(他の大きなモデルではさらに低くなっています)
これは中域の重要な帯域をハイルドライバーという特性の良いドライバーでカバーできるということもありますが、もうひとつ重要な意味があります。
それはウーファーのカバーする範囲が小さくなったため、ウーファーが無理をする必要がないということです。無理をしないというより、より低いところに特化できるということでしょう。それが二番目の特徴のSXウーファーです。
SXとはSuper Xmax driverの略で、XmaxはMaximum Linear Excursionの略語であり、最大振幅範囲のことです。これは実際の分解図を見てもらうと分かりますが、普通のウーファーのヴォイスコイル部分はずんぐりとしていますが、SXでは非常に細長くなっています。
通常のウーファーよりも振幅を深くすることによってより低く深い領域の再生が可能になっています。この辺はよりスーパーウーファーに近いということのようです。そのため、Mark & Danielの周波数特性はサイズにしてはかなり低いところまで再現ができます。
最後の特徴ははじめに書いた重いキャビネットです。
これはCAM(compound artificial marble) という素材ですが、これはオーディオのアクセサリーではコーリァン(Corian)ボードとして知られているものと同じようです。簡単に言うと人口大理石です。これは重いはずですね。
エンクロージャの不必要な泣きというのは最小限になることでしょう。
実際に試聴してみましたが、たしかにまとまりがいいというか低いところから高いところまで整合性が良い感じです。2wayというよりフルレンジに近いようにも思えます。ヴォーカルもしっかり像を結んで宙に浮く感じがして、低域もスピードがあります。
音調はすっきりとしてニュートラル、少し柔らかい感じで聴きやすくもありますね。
PCシステムに組み合わせるコンパクトスピーカーとしてはとても良いように思いますが。。さて。
Music TO GO!
2009年07月25日
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