Music TO GO!

2009年07月13日

Jaben Crossroad - Quattro IEM

QuattroはシンガポールのJabenがこの5月に発売したIEMです。価格は送料込みでUS$88とお手軽です。

quattro1.jpg     quattro5.jpg

Quattroの特徴は後端のベースポートを取り替えることで、音の特徴を可変できることです。
パーツは1,2,3と三通りあって、数字を小さくすると音が甘くなるのと引き換えに低域が太くなり、全体の迫力は増します。

quattro3.jpg     quattro4.jpg

簡単に書くと、
3が一番シャープでフラット、クリアです。いわゆるジャズ・クラシック向き。
2はバランスが取れています。
1だと低域は太く迫力はあるけどやや甘く感じられます。ただ性能の基底がしっかりしているのであまり破綻はありません。ただしバーンインなしだと3は甘く感じられるかもしれないので、はじめはしつこくバーンインした方が良いです。

音質は3だとかなり細かい音まで聞こえます。3だと音は結構かちっとして締まっているし、全体的なシャープさを感じます。2にすると細かさとタイトさはやや後退して16オームらしいややゆるさが出ますが、低域の迫力はまします。
ポートを変えると低域は太くなりますが、低域自体は低インピーダンスなりにややアンコントロールという感はあります。ポートによる音漏れはあまりないと思います。
2が一番バランスが取れていますが、DAPやアンプによっては3でも十分です。はじめ3から使って、自分のDAPやアンプの音にあわせて低域が軽く物足りなく感じたら2にするのが良いように思います。
ジャンルによっては1もいいでしょう。またアンプを使っている人は2や1でもあんまり甘いとは感じないかもしれません。iPod直だと2でも少し甘く感じますが、AMP3だと2や1でもわりとかちっとしてます。

ちょっと驚くのはクラスにしてはレンジが広いということです。3だと高域も鋭く切れよく再現しますし、低域の量感はありませんがけっこう深く沈みます。オーディオベーシックにパイプオルガンの曲にわざとローカットをかけて、違いが分かるかという超低域テストの曲がありますが、それでもきちんと違いが出ます。
Quattroは基本的な性能はしっかりしていて、ベースポートを取り替えると性能が変わるというより味付けが変わると言ったほうが良いでしょう。

細身のスタイルと、3で聴いて感じる細かい解像感の高さにシングルのバランスド・アーマチュアかと思ってしまいますが、これはダイナミック型です。7mmという小さなユニットを使用してます。SE115よりさらに小さいですね。細身なのでフィットも悪くありません。

感度が95dBと低いので背景ノイズが多目のアンプにも向いています。このアンプはダイナミックで良いけど、背景ノイズが多くてIEMには向かない、と思ってた人にもいいでしょう。そういう意味ではダイナミック版のER4系と考えても良いかもしれません。
価格も高くないですし、基本性能もわりと高く、味付けを変えて楽しめるとユニークなIEMと言えます。
posted by ささき at 21:22 | TrackBack(0) | __→ AMP3, T51 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック