K340は個性的なヘッドホンではありますが、製作されたのが20年ほど前なので現代的にはやや古いところがあります。そこでいろいろな改造がほどこされたものが出回っています。
まず細かい内部を加工します。
パッシブ振動板のグリルを広げて、中の綿を取り除きます。また低域用のみネットワークをバイパスします。
2Wayなのにクロスオーバーネットワークをカットしてよいかという問題もありますが、実際にはさきの低音ダクトが余分な周波数をアコースティックにカットするローパスフィルターの役割をするようです。
全体的に初期状態では配線やコード類の品質が低いようで、改造していない状態だとおそらくブライトできんきんとした広がりの少ないがさつな音になっていると思います。
また静電側の高域ネットワークはトランスが含まれるため手をつけないということです。
ラリーさんのところではさらに得意のケーブル交換をします。昔はケーブル線の品質はかなり低かったようで、K340のケーブルはOFCではなくHD25-1のようにスチールのようです。
たとえばGrado HP-1000系はケーブルラベルが何回か変わっているというところがコレクターを悩ませている点ですが、これもケーブルがあまりよくなかったので短い歴史の中でも二度ほど変更があったという点によるようです。(John Gradoの弁によると二回目の変更ではRS-1のものと同じであるということです)
わたしはラリーさんのところのBlack Maxを選択して、端末をSAC K1000で使うためにXLR4極仕様にしてもらいました。もともとは片出しケーブルですが、この改造で両出しになります。
実際のところK340自体の流通価格は$100-150程度ですが、このケーブル交換だけでその倍くらいになってしまいます。ただしこれをやらないと単にビンテージ品ということで終わってしまいます。
ちなみに今回のベースになったものはヘッドバンドにAKGのラベルのない点からいわゆる初期型であると思われます。
Music TO GO!
2006年01月19日
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