Music TO GO!

2009年02月07日

ワオンレコードの高品質音源サンプラー

以前もLINNレコードのスタジオマスター(96/24 FLAC)をダウンロードしたりしましたが、ハイサンプリング・ハイダイナミックレンジの高品質ソースにも興味をもっています。
Minimaさんのところの記事で知ったのですが、ワオンレコードというところでデジタルオーディオ用のハイサンプリングソースをDVDで販売しているということで、さっそく注文しました。
ページはこちらです。 
http://www.waonrecords.jp/sampler.html
初回は品切れでしたが、二回目の増刷版がいま届きました。週末にあわせて速達で送ってくれるという親切なところも良いですね。

これはワオンレコードさんの古楽を中心としたアルバムを96Khz/24bit(一部は176.2Khz/24bit)のCDを超えるハイサンプリング・ハイダイナミックレンジの品質のデータをDVDで販売してくれるものです。
DVDにはWAVで収録されています。

わたしはPC上でSamplitudeで再生し、DAL CardDeluxe->NuForce Icon->JohnBlue JB3というシステムで聴いてみました。
(再生はWinAmpなどでも可能です)

音をだすと部屋が美しく鮮烈な音に包まれます。とにかく音がたくさんあふれるように出てくるという感覚で、ペダルなどを踏む音自体も生々しくリアルに聞こえます。
比較のためにSamplitudeでディザ処理をして44/16にダウンサンプリングしたものと比べてみると、たしかに44/16にするとこれがいつものCDの音という感じがします。
比べると96/24の音はより空間に深みがあり、より透明で響きがより豊かで芳醇です。音と音の間からさらに音が出てくるという感じで、細かい音の粉雪に包み込まれます。

録音は古楽がメインでビオラ・ダ・ガンバやバロックチェロなど古楽器が多く使われています。古楽器はいまの楽器よりもより倍音豊かで美しく艶やかな音色を奏でます。平均律以前の楽器なので純粋に美しい音の響きのみを追求したものといえます。
そうした古楽器の奏でる豊かな音色をこのハイサンプリング・ソースはあますところなく伝えているといえると思います。

もちろん録音もとても優秀です。
下の左側は波形エディターで見た「バロックな対話」の曲の一部分です。この曲はソプラノとカウンターテナーの二人によって歌われますが、真ん中のピークになっているところは二人の歌がユニゾンになるところです。このように音の強弱の幅に大きな余地があるので、ユニゾンでコーラスを太く迫力を増すという手法が効果的に聞き取れます。これがダイナミックレンジを効果的に使っている録音だと思います。
ちなみに右はポップスやロックで使われる一般的なコンプレッサーを使った録音です。強弱の差がまったくないので平板的になります。これはラジカセやミニコンポのような機器で迫力を出すためですが、こうなるともはやオーディオ側で原音忠実という言葉を弄してもあまり意味がありません。

waon1.gif     waon2.gif

収録曲の内容もとてもすばらしく、サンプラーとはいえとても美しく演奏も楽しめます。
古楽が主ですが、日本の作家の現代曲やO'Carolanのようにアイルランドの作曲家の作品もあります。オキャロランはうちのブログでも何回か書いていますが、いつも現代風にアレンジされたアイリッシュものばかり聴いているので、こうして当時の同時代的な演奏で聞くとかえって新鮮です。
個人的には上畑氏の曲やグリーンスリーブスの変奏曲なんかがとても気にいっています。

なかなかすばらしいサンプラーだと思います。もっといいシステムでも聴いてみたいものですね。
posted by ささき at 20:33 | TrackBack(0) | __→ ハイリゾリューション音源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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