先日KenさんのALOがサイトの更新とともに新しいラインナップのケーブルを加えました。ALO Cryo SXCケーブルです。
ALOのサイトはこちらです。
http://www.aloaudio.com/
ラインナップは豊富でiPod LOD、iMod LODだけではなく、ミニミニ、ミニ-RCAやスピーカーケーブルまであります。また、先日紹介したようにヘッドホンのリケーブルでも用意されています。下の写真はSXCドックです。
この記事ではALOの看板のひとつでもあるiMod用のLOD(ライン・アウト・ドック)を他のわたしのいま保有している既存製品と比べてみることにします。
いままでiMod LOD(ライン・アウト・ドック)についてはあまりまとめて書いてなかったので、この機会にまとめてみようというわけです。
比較にはATH-ESW10とSR71AをiMod5.5Gを使っています。
使用した曲は主にFried Pried,、金子飛鳥、押尾コーターローなどですが、この方にもいろいろと加えて聴いています。
CryoXSilver
まずCryoXSilverですが、これは信号線が銅線で、グランドが銀という構成でクライオ処理をしています。クライオ処理はケーブルをいったん極低温にすることで信号の流れを向上させるというものです。
基本的な性格は銅線的なウォーム感を基調にしたもので、温かみは一番感じます。
音もシャープでかつ痛さは少ないという感じです。解像力もよく情報量豊かに聞こえます。
音場もわりと広いが、横方向に広い感じでホールに広がるような感覚はSuperCottonに譲ります。
ヴォーカルに関しては一番肉質感豊かに感じます。
欠点としては長く使いすぎると上の写真のように酸化して青くなってしまうというところで、この反省がSXCの設計にも生かされています。
GoldXSilver
ケーブルの素材というと銀か銅をベースにするというのが一般的ですが、これは金をベースにしています。そのため独特の音色を楽しむことができます。
これはiMod5.5Gの登場の時に限定品として販売していたものです。
ぱっと聴いたときの印象はどちらかというと銀系の特徴を持っていると思います。ただSuperCottonに比べると少し小振りでコンパクトな音表現であると感じます。ただし低い方の沈み方はなかなか侮れません。
とはいえやはり性能というよりもむしろ、特色としてはやはり味系として音色がきれいというのが特徴的です。ケーブルでヘッドホンの性能をより引き出すというよりは、すでに十分な性能を持ったヘッドホンから美しい音表現を奏でるという使い方があっているように思います。
Super Cotton
前二者はiMod5.5Gの導入時にそろえてからずっと使っているのですが、これは後で加えました。結果的には三者三様の良さがあると思います。
ALOのいくつかあるiMod LODの中で、どれかひとつにしたいときはこれを選ぶと良いとKenさん自身が書いていましたので、おすすめの一本と言えるでしょう。銀線というとシャープだけれどもドライできつくなりやすいんですが、Kenさん自身はウォーム感のあるものが好みということで、SuperCottonも銀線にしては柔らかい音になっています。そのため、性能的な面と聴き易さという点でバランスが取れたものになっていると思います。
Cottonの名の由来は文字通りにコットンをシースに使っているからですが、これが外界からのノイズを遮蔽するシールドとしてはかなり良い素材ということです。
SuperCottonは空間の広がりをよく再現します。ホールのような音の広がり感という点では一番であると思います。
銀系らしく、解像力もあり切れの良さもあり、音はタイトで歯切れの良い音を聞かせます。
銀系にしては柔らかいといっても、きつさがあまりないということで銅線のような暖かみがあるということではありません。反面で、さきに書いたようにあまり無機的な感じではなく、良い意味でニュートラルといえると思います。音に色を付けたくないときにも良い選択でしょう。
これに関してはプラグがカナレF12を使用していて太いので小さいアンプには注意か必要です。
SXC Cryo
さて、新製品のSXC Cryoですが、線の太さによって18G(ゲージ)と22Gがあります。
これは18G(太いほう)タイプです。
これはBeldenやKimberなど既製品のケーブルを使うものではなく、Kenさんが理想と思う音を目指してKenさん独自の仕様でケーブル設計をしたものです。アメリカではこうしたリクエストで独自のケーブルを作成してくれるようですね。下はむきだしのケーブルそのものです。
SXC CryoではOCCより対線に銀皮膜をしてポリエチレンで覆ったものです。これは銅の酸化を防止するとともに銀線らしい鳴りを加えることを意識したものです。
ケーブルはプラグも含めてすべてクライオ処理をしています。
聴いてまず気がつくのは銀のように明るく明瞭感があり、上も下もよく伸びるということです。
特筆すべき点は音のエッジの切れのよさとスピード感で、銀線のSuper cottonよりもさらに良いのには驚きます。ギターのピッキングなどの切れが素晴らしくよく、音の締まりも良くとてもタイトに聞こえるのでドラミングが小気味良く聞こえます。
解像力もかなり高く情報量豊かです。
音はドライではなく、CryoXSilverのように暖かい色がつくというよりもニュートラルですが、やや銅を思わせる質感があり音に厚みがあります。
音の広がりもSuper cottonに次ぐくらいに広く、良い意味で銀系と銅系の良さを併せ持っていると思います。ただし切れの良さがある分で少し高域にきつさも感じられるところもあります。
ちなみにSXC CryoのiPodバージョンもnanoにつけて使ってみましたが同様な音傾向です。
SXC Cryoはある意味で銀線であるSuperCottonを越えるくらいの切れ味がありながら、ちょっと銅線のような良さも残したおもしろい個性があります。そうした点で上の三つとも見事にかぶりません。
そこでこれもデモ用に送ってもらったんですが、このiMod SXC LODは買い取ろうと思っています。
ポータブルシステムのおもしろさのひとつは、手軽にいろいろな傾向の個性を持ったシステムをいろんなヘッドホンやイヤホンを組み合わせて作れるということです。
そうした意味で味付けを工夫できるケーブルもいろんな個性のものをそろえておくというのは良いと思います。
Music TO GO!
2009年01月18日
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