今回は本の紹介です。
「聴いて学ぶアイルランド音楽」はアイリッシュ音楽の解説本で附録にCDがついています。
わたしもよくこのコーナーでアイリッシュを取り上げますが、それほどきちんとした知識があるわけではないのでこの本で少し勉強しようと購入しました。
この本はオックスフォード大学の出版局がアメリカの大学の一般教養過程で使われるテキストとして製作したものということです。
実際に教科書的な良さとして包括的にアイリッシュの要素がカバーされています。また、要所に演習があってCDを聞きながら実際の曲を聴いてみたり、拍子を取ってみたりということができるようになっています。
しかし、教科書という言葉から連想するような堅さとか読みにくさはありません。たとえば、導入部分の第一章はアメリカからやってきた外国人である著者たちが地元のセッションに招かれるという設定で、アイルランドではいかに音楽が生活に密着しているかを回想的に語り、その理由を歴史的に考えるということで次章にスムーズにつなげていきます。
また、そこのセッションで演奏された音楽を解説しながら実際に付録のCDを聞いて本書の使い方を覚えて行くという導入部になって自然と本に馴染んで行きます。
そして伝統とは、歴史とはというところから伝統的な変奏や装飾音などの音楽理論的解説や、ジグやリールなど代表的な曲の種類の紹介とリズムパターンの違い、そして附録のCDを使って実際に聴いてみるというふうに進んでいきます。
また、ホイッスルやアイリッシュハープなど特有の楽器、そして伝統的な曲に最近の出来事を歌いこめたりする歌と表現、言語の問題、と続きアイリッシュ音楽の現状までカバーしています。
本書の翻訳はこちらのサイトとメーリングリストを主催されてる方です。
http://blog.livedoor.jp/yosoys/
先日の日曜日にイベントがあったので、わたしも拝聴しようと行ったのですが、部屋がもう満杯ではいれなかったので後で本だけ買ってきました。こうしたシーンが盛況ということは良いことですね。
ちなみに本書の公式ページはこちらです。
http://www.oup.com/us/companion.websites/umbrella/globalmusic/
Music TO GO!
2008年12月23日
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Music To Go! で紹介されました。
Excerpt: 時々覗いてはため息をつきながら勉強させていただいているブログ Music To Go! で、『 聴いて学ぶ アイルランド音楽』をとりあげていただきました。思いもうけぬことで、まことにありがとう..
Weblog: クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)
Tracked: 2008-12-24 07:58