Sleek audioのSA6は日本でも発売されるようになりましたが、そのSleekのうわさされていたワイヤレスアダプターSleek Wirelessが先週発売されました。
わたしはプリオーダーを入れていましたので週末くらいに届きました。
http://beta.sleek-audio.com/products/sleek-wireless
これはBluetoothではなく、Kleer(クリアー) Audioというワイヤレス技術を使用しています。端的に言うとBluetoothに比較してKleerは音質が高く省電力です。またKleerは4台まで同時にストリーミングできます。
http://www.kleer.com/
SA6は着脱式のケーブルプラグがついていますが、そのためSleek WirelessはわたしのSleekカスタムでも使うことができます。ワイヤレス・カスタムIEMというマニアックな上にまたマニアックな感じではあります。
Sleek WirelessはプロトタイプではiPodのドックをトランスミッタにつけていたのですが、製品版では3.5mmプラグになりました。そのためiPodに特化したわけではありませんが、汎用性は上がってポータブルアンプでも使えます。また、iPhoneのコンパチビリティの問題もありません。
また、JasonさんによるとSleek Wireless自体がアンプ(イコライザー?)の機能も持っていて主に低域を少し持ち上げるようです。HeadfiではSA6は低域が足りない(++Bassアダプタがほしい)とよく評されるのでその対応というところなのでしょう。
Sleek Wirelessは立派な化粧箱に入ってきます。これなら店頭に置いても見栄えがします。
中のトランスミッタとレシーバーもなかなか製品としては質感高くよく出来ています。
他にはトランスミッタとアンプ/iPodを延長して結ぶためのコードとシステムを入れるポーチも入っています。また、USBでチャージするので先端が二股になった変ったUSBケーブルがついています。これで約2-3時間チャージします。
トランスミッターとレシーバーの両方に充電池があり、USBケーブルで充電をします。省電力のKleerのこと、スペック的には連続では10時間聞くことが出来るそうです。またスタンバイ状態では7日持つそうです。
電源スイッチは小さいディップスイッチのようなものがカバーに隠されています。こちらがメインでハードパワースイッチとも呼んでいます。
トランスミッタとレシーバーに大きく見えているスイッチはセカンダリーでソフトパワースイッチとも呼ばれています。こちらはスタンバイからの復帰と、他の機器とシンクロ(associate)するためのスイッチです。associateはBluetoothでいうところのペアリングです。一個のトランスミッタで4つのレシーバーをassociateできます。初期状態はassociateされているので、初期設定は特に必要ないようです。
もし他の無線と干渉するようなときにはassociateをし直すことでチャンネルを切りかえることができるようです。
手順としてはまずトランスミッタをヘッドホン端子に差し込み、メインスイッチを入れ、次にセカンダリースイッチを入れます。この状態でEnrollmentという通信待機状態になります。LEDの点灯で通信状態が分かります。そしてレシーバーのセカンダリーをオンにすると再生状態(data transfer)になります。
基本的にSleek Wirelessはオートパワーオフで電源をオフにします。オートパワーオフは音楽を鳴らしていないと5分で自動的に切れてスタンバイになります。完全に使わないときはハードパワースイッチをオフにしますが、こちらはディップスイッチなので精密ドライバーのような細いものが必要です。
装着はゼンハイザーのMX-W1のように分割されていないので、レシーバーを首とシャツの襟ではさむ形になります。レシーバーの左右のケーブルの長さも多少変えられます。20g程度なので重さはほとんどありません。多少首の違和感はありますが、ety8の項で書いたようにケーブルのない自由さは新鮮な感覚です。
ケーブルがあるとどうしてもiPodを入れたカバンを抱えていないとなりませんが、ワイヤレスではバッグを網棚に上げられるので、カメラバックみたいに大きいバックにiPodを入れているときはとても便利です。
音は驚くほどクリアで解像力が高く、これが無線とは信じられません。思わず手で探ってしまいました。Kleerおそるべし。。
もとのケーブルとも聞き比べましたが変わりません。あるいは線が短い分で抵抗が少ないんでは、なんて思わせます。ただアンプが入っているのでやや音の特性は異なりますので直接比較はあまりできません。低音は太くなっていて迫力を増しています。
ただしheadfiのフォーラムでもレポートされていますが、背景に少しノイズを引きます。これが残念です。回路の雑音のように思えますがよく分かりません。
ただ全般に背景を濁してノイズフロアをあげるようなものではなく、特定周波数に出ているようなので、全体のSNを下げるというものでないのは救いです。これだと多少うるさい音楽のときは気になりません。
それとこれもレポートされていますが、ごくたまに音が途切れることがあります。ただこちらは20-30分に一回程度なのでそう気になりません。
細かい点では手元でボリュームを変えられないのが不便とは言えます。
またBluetoothのety8と違ってレシーバー側からのコントロールが出来ません。そのため曲をスキップしようとしてもできないのがやや不便ではあります。
もともと有線なのでケーブルさえ用意していれば電池が切れても有線で普通に聞くことも出来ます。これも意外と便利かもしれません。
iPhoneでもかなり満足できますが、SR71A+iModなどを使い、バッグにいれて網棚においておくと手ぶらでいることができます。こんなに良い音で聴いているのに手ぶらというのはちょっと違和感を感じるほど新鮮な感覚です。
iPodもそのうちにKleerを搭載するのではともうわさされていますが(Kleerの会社がAppleの近くにあるらしい)、そうなるとかなり便利なシステムになるでしょうね。
Music TO GO!
2008年10月22日
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