ちなみに下記はすべてサンプル品のレポートであり、製品版とは異なるかもしれないことを注記しておきます。
なおiTransportについては私のブログのカテゴリーを参照ください。
これはiTransportのパッケージです。

写真に写っているのはGraceのm902ですがとりあえずこれをDAC/アンプに使うことにしました。見てのとおりm902とほぼ同じ大きさですが、高さはやや高いですね。


前面にはなにもなく、電源スイッチは見当たりません。下部のLEDに見えるのはリモコンの受光部のようです。リモコンは簡素なもので、最低限の機能しかありません。
底面を見ると足はスパイクになっていますが、やわらかい材質です。


背面はこのようになっていますが、デジタルアウトはSPDIF同軸です。これはデジタルケーブルと電源ケーブルを配線した状態です。
ここではアナログアウト(iPodの出力スルー)のLとRの色が反対ですが、文字の通りとのこと、製品版では直ることを祈りましょう。
さて、さっそく試聴するため接続しました。
機器はiTransport->同軸デジタル->m902->ヘッドホン出力->edition9です。

まずこのnanoの2Gを使おうとしましたが、なぜか認識しません。
ロックもあやしいし、本体も動きません。抜き出すとnanoは正常に動きます。

そこで取り出しましたるiPhone(笑)。
マニュアルの推奨機種には書いていませんが、そこはもちろん差し込みます。するとiPhoneドックの記事で書いたように「互換性がありません」のウォーニングが出ますが、ここも「いいえ」で無視します。
すると、何の問題もなく滑らかに動作します。m902もきっちりロックしてiPhoneも完全に動いているように見えます。はじめに認証チップとシンクするため10秒ほど必要と前の記事で書きましたが、それほどまたないようです。
ちなみに本記事の写真はiPhoneで撮っているため以降のiPhoneを接続している写真はありません。
そこで、音を出してedition9で聴きましたが、一聴してそのいままで聞いたことがないようなクリアな抜けのよさと、音のエッジのこれまた聞いたことがないようなタイトでシャープな切れの鋭さに驚きます。
全体に細身ですが、その独特の透明感とベースの切れ味は独特です。ベースの切れがよいということはジッター抑制もかなり良いということだと思います。
そこでCDトランスポートと比較しようと同軸ケーブルをそのままはずして、テーブルの下にあるエソテリックのX-03のデジタルアウトにつなぎました。X-03は書くまでもありませんが、国産ハイエンドCDPの代表格の一つだと思います。ちなみにX-03は定価約68万円くらいなので、iTransportの10倍以上の値段です。
同じ音源はないので、iPhoneで聴いたのと似ているジャズのCDをかけましたので、ケーブル以降はまったく同じとはいえ厳密なテストとはいえません。
しかし、、、なんとX-03が曇って切れが鈍く感じられます。よく言えばX-03の方が音楽的でやわらかく、豊かとはいえますが、iTransportの方がSNが非常に良く背景がより黒く、シャープです。X-03自慢のVRDS-NEOに比べるとiTransportの先につないでいるのは電話なんですが(笑)
端的に言うと最近流行のSHM-CDと比較用のCDのような違いがあります。
たしかに音の傾向が違うので好みもあるとは思いますが、トラポとしてみると価格にして10倍違うとはとても思えません。少なくともオーディオ性能のさまざまな部分ではiTransportの方が上だと思います。
思わずわたしの予約がきちんと入っているかを店長に確かめてしまいました(笑)
もうけっこう予約がはいっているようですが、この辺はフジヤさんのブログを確かめてください。
おそらくiTransportももう少しお金をかけてクロックや部品を吟味するとより厚みとか実体感が出てくると思いますが、そうなるとWadiaも製品展開がむずかしくなるでしょう。
CDとSHM-CDも物性的な差からああした差がでるというのは、CDトランスポートとハードディスクトランスポートを比べたときに、ジッターが一桁ハードディスクトランスポートが良いというのにつながると思います。そうするとHDオーディオより、メモリーオーディオのほうがさらに良いのかもしれません。
実のところこの辺はまだ分かりませんが、このさきにiPodのSSD化なんかがあれば面白いことになるでしょうね。
いずれにせよ、iTransportかなり楽しみです。