Sneakyはアンプなどが内蔵されていますので単純比較はできませんが、そうした意味ではDSシリーズの真の普及機と言えます。
わたしがはじめてLINN機材を買ったのがプリメインアンプのMajikですが、いまでは機種名というよりもグレードを表すブランド名として使われています。最後の文字がMagicではなくMajikとわざとcとkを変えてなまっているのがスコットランドのLINNの遊び心です。
以前LINN銀座ショールームに行ったおりに試聴をお願いしていたところ、到着したとの連絡をもらい、さっそく行って試聴をさせてもらいました。
LINN銀座のホームページ
http://www.linn-ginza.jp/
LINN銀座の試聴機は下記のとおりです。

プレーヤー
Senaky DS、Majik DS、Akurate DS
Akurate CD
プリアンプ
Majik Control
パワーアンプ
Majik 2100
(以前のC2100とほぼ同等でチャクラ回路搭載)
スピーカー
Akurate 212
試聴曲はDSシステムなのでHD(NAS)に入っている曲を基本的には聴かせてもらいます。(CDクオリティで聴きました)
この前行った時にジャズの試聴盤としてLINNレコードのAmbulanceというバンドはありませんか、とリクエストしたところその時はなかったんですが、今回はきちんとそれを覚えていてくれて曲をNASにいれて聞けるようにしていてくれました。LINN銀座の方はこうしたところが親切です。
Arnie Somogyi's Ambulance "Accident and Insurgency"
http://www.linnrecords.com/recording-accident-and-insurgency.aspx
それとヴォーカルものとしてはジャズと言って良いのか異色のミュージシャンですが、やはりLINNレコードのBarb Jungr(バーブ・ヤンガー)というヴォーカリストの最新アルバムをやはりRIPしてくれました。
こちらの方はダウンロードでも買っていたんですが、今日は来たついでにCDも買ってしまいました。
Barb Jungr "Just like a woman - hymn to Nina"
http://www.linnrecords.com/recording-Just-like-a-woman-hymn-to-Nina.aspx
このふたつのアルバムはとてもお勧めです。(上記リンクで試聴が出来ます)
上記サイトではダウンロードで買えますが、LINN銀座にいけば直接買えるCDもあります。
試聴はアンプ・スピーカーは固定してプレーヤーをSneaky,Majik,Akurateの順でつなぎかえて行きました。すべてアナログアウトから出力を取り、デジタルストリーム・DACとしての運用です。
以下の写真では一番上が各DSプレーヤーで、真ん中はmajik Control、下はAkurate CD(今回未使用)です。

Sneaky DS
Senakyも一体型という点や価格的なものからするとよくまとまっていて、Ambulanceのスピード感ある演奏を小気味良く再現します。
解像力的なものも文句ないと思います。

MAJIK DS
Majik DSは大きさと形はほとんどAkurate DSと同じです。特にMajikはデジタルアウトも装備されていますのでトランスポートとしても使えます。またアナログの可変出力も可能です。
Majikに変えると空間表現に余裕のような物が感じられ、Ambulanceの演奏では楽器の音がよりリアルに聴こえ、Barb Jungerのヴォーカルはより肉質感が高くなります。ベースのピチカートはより締まって歯切れ良く、IKEMIの感覚に近いものを感じます。
ただ届いたばかりと言うことでエージングがないせいかやや伸びに欠ける感じもしました。ちなみにMajik DSは届いたばかりということです。

Akurate DS
次にAkurate DSです。
大きな性能的な違いと言うよりは細部のニュアンスがAkurateではよりスムーズで角の取れた柔らか味を感じます。より静粛感があるともいえるかもしれません。
Majikは比べるとやや硬めですが、Majikは先鋭的というプラスの言い方もできるようにも思います。ここはエージングの違いもあるとは思いますが、キャラクターの差としても残ると思います。
DSファミリーの中ではAkurate DSがオーディオ的な意味では一番洗練されているようにも思いますが、Majik DSとAkurate DSは、性能の差というよりは個性の差に近いように思えます。
たとえて言うと似たような演奏レベルだけれども、Akurate DSはベテランでより洗練された音楽表現を聴かす老練なミュージシャン、Majik DSはちょっと粗削りだけれどもその分で鮮鋭感も感じられる若いミュージシャン、という感じでしょうか。
Majik DSはアナログ回路と電源はAkurate DSとほぼ同じで、デジタルのレシーバー部がSneaky DSと共通だそうです。つまりAkurate DSとSneaky DSの混在的なものですが、アナログ回路の多くがAkurateと共通だとするとかなりコストパフォーマンスは高いと言うことになります。
こうしてみるとAkurate DSと差はないとはいえないけれども、かなりMajik DSはお得だと思います。デジタルアウトつき、回路もほぼAkurateと同じ、音も実際に良い、価格はお手頃というかなり魅力的なモデルです。今回はCDクオリティでしたが、これがスタジオクオリティの96k/24bitデータだったら、、と考えるとわたしもかなり気持ちは傾いて買いたいモードに入って来ました。

NOKIAのコントロール端末(LINN GUI画面)
今回はNOKIAの端末からコントロールを行いましたが、あとはiPhoneからコントロールができるようになったら面白いところです。
ついでにiPhoneをNASにみたててストリーム再生できるようになると、iPhone内部の音楽だけでなく、インターネットからも直接再生できます。アプリ次第で可能性は大きく広がりそうです。
オーディオの世界はCDが出た時にデジタル化は済んだと思われていますが、本当のデジタル化はまだまだ今から始まるという予感がしてきました。
DSをiPhoneでコントロールできるアプリケーションがApple App storeにありましたので、1万円という高価なアプリながら使用してみました。Sneaky Music DSで試しましたが便利なものですね。まだiPhoneがスリープに入った際に戻れなくなったり不具合もありますが、取り合えず満足です。
http://bookshelfapps.com/songbook.php
Mac版もまもなく出るようですね。