* Headfiers: I've already posted a review on the forum in English. You don't have to use babelfish, have a look here.
1. Box
Sleek customはDHLで送付されてきます。到着時間を指定したい時はDHLのカスタマーサービスに電話しておきます。
個人ユーザーは佐川が配達すると聞きましたが、週末のせいかDHLの人が配達しました。

Sleek customのアクセサリーとして革製のケースとポーチがついています。ほかにクリーニングスティックがついています。
付属品はなかなか悪くありません。

ケーブルとシェルが分離されて届きますが、シェルにはLR表示がないのでカスタムが初めての人は迷うかも知れません。もちろん当然片方にしかはまりませんので間違うと言うこともないと思います。
2. シェル
シェルはハードアクリルでなかなかよく出来ていると思います。わりとよい感じで耳に収まります。
細かく何を言うとUE11のほうが角があまりなくより滑らかに形成されているように思います。かつUE11のフィットはよりぴったりとして、あごなどの動きでのずれが少ないと思います。UE11はやや大柄ですが、これで逆に耳全体にはしっくり入るように思えます。反面でSleekは小柄な分で軽いようにも思えますが、耳にぴったりはいるというよりは少し動く余地があります。そのためSleekはベストポジションを決めるのにややコツが要りますが、UE11はするっと自動的に滑るようにはまっていきます。あとで書きますが、FreQもやや大柄で大きさの点ではなかなか悪くありません。ただしFreQはSleekと比べても工作が雑に感じます。いずれにせよこの辺はUEは一日の長があると思います。
またアイソレーションは問題ないとは思いますが、シェルがやや左側がゆるめではあります。はじめは右利きなので左がはめにくいのかと思いましたが、後で届いたFreQもそうなので、FreQとSleekは同時に耳型を作りましたのでそのときにちょっと口の開け方などが無意識のうちに左右非対称になってしまったかもしれません。わたしはもう5個も耳型を取っていますが、シェルの適合は思うに製作側の問題よりは耳型取得のときのこうした口のあけ方などで左右されるような気がします。
シーリングを確かめるには、さきに書いたゼンザ方式のシーリングテストをします。きちんとはまるようになれば問題なく50hzと500hzはほぼ同じくらいに聞こえます。UE11だとかえって50hzが大きく聞こえるくらいなので、ここでSleekはまずバランスはよいと予感させます。

ケーブルはSA6と同じと思いますが、このような細いプラグでスイバル式で回転します。
3. 音
システムは主にiMod5.5G + ALO SuperCotton + Xin SM4というものです。最近はIEMではSM4をよく使います。MOVEほどではないけれども適度にノイズフロアが低くて、MOVEよりはダイナミックに音楽が楽しめます。特にSM4とSleek Customの組み合わせは3次元的な音の立体感とシャープさがとてもうまくマッチします。
アンプなしのiPod直でもわりと悪くないですが、わずかにヒスが聞こえます。ただしUE11ほどではありません。
Sleekの音傾向設定は前の記事で書いたようにTreble+,Bass+です。
ぱっと聴いた感覚はちょっとこじんまりとしていますが切れがよく、やや明るく軽めでとてもリズムの刻みが小気味よいと言う印象です。もちろん小振りと言ってもUE11が頭にあっての話です。
Sleekは中域から高域にかけての表現が美しく、とても透明感が高く澄んでいます。きれいな音という感じです。
高域はTreble+のせいか、ちょっと強めのエッジがよいアクセントになっています。S音の擦れも少ないのですが、環境によってはややブライトにも感じられることがあるので高域は=でもいいかもしれません。ただ高域がとても抜けがよく爽快な音なので、これにフィルターを入れて=にしたいとはあまり思いません。(ただし実際に調整がフィルターで行われるかどうかはわかりません)
色つけはあまりなく特にウォームというわけではないけれども、ニュートラルで甘すぎない感じです。
低域はパンチがあってタイトで小気味よく、カスタムのおかげでわりと低い方まで沈みます。しかし、Bass+なので量感は不足には感じませんが、ちょっと不自然に盛り上げた、という感はあります。2Way以上の自然な量感とは違うかもしれません。SA6自体がどちらかというと低い方よりは高い方が得意なタイプだと思います。
また全体の音傾向もそうですが、少し低域は軽めに聞こえます。ただしよくしまった低域は質は高いと言う印象を与えてくれます。この辺はUE11とはまた違った小気味のよいリズム感が再現されているので、曲によってはとても相性がよいと思います。
解像力、情報量とか細部表現はユニバーサルモデルの高級機同等くらいでしょうか。ただしここもカスタムのゆえで細かい音はかなり明確に聞こえます。またこのドライバ自体も小さい音の明瞭感に優れています。
楽器の分離もよく、とてもシャープです。鮮度感が高く聴こえます。この辺は音楽を聴くという上でとても大切なところだと思います。
印象的なのははじめに書いたように明確な定位をもって3次元的に音像が展開することです。SM4も十分にウォームアップしてからという話ですが、特に3次元的な音表現に優れたSM4と組み合わせると感動的です。
さきに書いたようにUE11と比べるとスケール感が小さくちょっと小振りに感じます。もっとも、こじんまりとしていると言ってもUE11と比べての話なので、ユニバーサルIEMと比すると悪いわけではありません。UE11に比べると全般的に音も締まっていて、スピード感があって歯切れがよい感じです。
ただ全般的な音楽表現力はUE11の方が高品質で厚み感、テクスチャの書き分けもUE11が上に感じます。というか、この辺はUE11が他より頭一つ出ているという感じでしょうか。
UE11を聴いてからSleekを聴くとスケール感や細かい表現でちょっと物足りないような気がして、UE11に戻すと、ああこれこれ、という感じもあるけれども、UE11にするとSleekのときのシャープさやドラムのスナップの切れ、クリアさがなんとなくないので締まらないようにも思います。
UE11との違いは高性能ブックシェルフとフロアスタンドタイプのスピーカーの違いに似ているかもしれません。この辺はImageのところでも書きましたが、シングルならではのよいところと足りない点のトレードオフと言えるかもしれません。
表現するとImageのところで書いたような、サーキットで走るGTRの領域の広さと、峠で楽しむロードスターの軽快感といえるかもしれません。きびきびと良く音が早くクイックに反応するけれども横とか下とか領域に限界を感じるSleek Customと、どろどろという低域から繊細な高域までこなし音の広がりに圧倒されるがやや鈍重に感じるUE11というところでしょうか。
Sleekはもとのドライバーがよいので、なんだかSA6のユニバーサル版も買って見たくなりましたが、$250ならばLiverWiresのほうがやはり魅力的です。
それほどカスタムはいいし、それほどカスタムは安くなって来ました。