最近LINNレコードのスタジオマスターをダウンロードしてPCやポータブルで聴いています。単に24bit品質の音がダウンロードできるというだけではなく、LINNレコードの楽曲はジャズ・クラシックを中心にかなり優れたものがラインナップされています。
なかでも、この曲は聴いているうちにCDで聴いて見たいという感覚にとらわれました。
Magnificat
Thomas Tallis: Spem in alium
これはイギリスの代表的な中世の作曲家、トーマス・タリスの代表的な声楽曲であるSpem in alium(40声のモテット)です。うちのLINNとDynaudio SP25でこの圧倒的といえるような分厚い荘厳な空間を演出してみたいと思った訳です。
そこでLINNレコードのCDもそろえている銀座LINNのショウルームに行ってきました。ショウルームではいろいろとSneaky DSやAkurate DS, Akurate CDを交えたデモも親切にしてもらい、いろいろ感化されてしまいましたが、それはちょっと後で。
わたしのオーディオ機器は90年代LINNのCDPのIKEMI、プリのKAIRN、パワーのKLOUTというラインナップですが、この組み合わせはまさに絶妙です。
LINNの音というのがあると思います。まさにどれが欠けてもLINNの音ではなくなります。DACにDLIIIを使うとたしかに鮮鋭度等はあがりますが、全体の音の完成度はというとちょっと考えてしまいます。そこでCDからDynaudioで聴く時はIKEMI直でDLIIIを使わないで聴いてます。
90年代のLINNの音はいまのようにHiFi指向を突き詰めたわけではありませんが、箱庭的な完成度と適度な湿りと陰りがHiFi的なというより、音楽的な立体感と厚みを感じさせてくれます。もちろんKAIRNやKLOUTは当時のフラッグシップですから性能もすばらしいのですが、方向性がやや違うということでしょう。
まえに小林貢氏の講演のことをかきましたが、タリスのこの録音はまさにダイナミックレンジの教科書のような良録音だと思います。特に3曲目の主題曲で時にはさざ波のようにちいさく穏やかに、時には大きな波のように激しく押し寄せる声の表現はすばらしいと思います。
LINNの機材は英国の音楽を英国の機材で聴くという愉悦を与えてくれます。
ただ、24bitで聴く空間の広がりはやはり圧倒的でCDとはひとつ違ったものがあります。そこでやはりDSのようなストリームオーディオが欲しくなってきます。
LINN銀座で聴いたDSのデモはなかなか印象的でした。Sneaky DSもDACとして価格数倍のAkurate DSと比べてしまうとさすがに聴き劣りしてしまいますが、それだけ聴けばなかなか立派です。やはりこれはアンプも含めてCLASSIKの新世代版として一体型で楽しむものかもしれません。
Sneaky DSも24bitマスタークオリティを使うと一段と輝き、グレードが上がったかのように思えました。今度はMajik DSが発売されたころにでもちょっとまた試してみたいものです。
とはいえ、やはり90年代LINNが好きな私としては、本当はIKEMI DSなんていうのが黒い箱で出てくるとなかなか面白いんですが、なにかの記念モデルにでも作って欲しいものです。まあ本当の意味での90年代はKARIL+NUMERIKでしょうから、Majik DS+NUMERIKという手もあります(^^
Music TO GO!
2008年07月13日
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