XPan説明会レポート
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/2002406.html
Xiaomi 実機レビュー
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/2004499.html
それは純粋なWiFiイヤフォンというよりも、BluetoothとWiFiのハイブリッド技術に近いと思います。つまり接続はBluetoothで行い、データ伝送はWiFiでやるという考え方です。
これは現在のワイヤレスイヤフォンの実態を踏まえてかつ、技術標準を活かしつつもBluetoothの限界を打破するという点で興味深いアプローチだと思います。
これについて連想できるのは最近サムスンが公開したUWBによるワイヤレスイヤフォン技術の特許です。
これはサムスンが提出したUS-20250039604-A1の「ワイヤレスイヤホンおよびその制御方法、コンピュータ機器および記憶媒体」です。

この中では下図fig3のように、まずBluetoothで左と右のイヤフォンとの接続を確立した後に、音楽データをUWBで直接左と右のイヤフォンに伝送しています。

この特許の背景では「BTテクノロジーは消費電力とオーバーヘッドリソースを節約し、ワイヤレスイヤホンのソフトウェア設計を簡素化するのに役立つが、進歩が遅いので高品質オーディオデータ伝送には向かない」ということが書かれています。
つまりBluetoothの簡易で標準という利点を活かして、かつUWBを併用することで高品質データの伝送を可能にするという「ハイブリッド・アプローチ」特許なわけです。
もしBluetoothを使わずにUWBのみだと、デバイス発見や接続確立、イヤフォンの操作にさらに独自プロトコルが必要となります。そこをBluetoothで補えば標準にも沿えるというわけです。
このUWBをWiFiに置き換えるとXPanに似たものであるということが言えるのではないでしょうか。ただしUWBとWiFiでは広範囲接続や精度などが異なりますので、そこからはまた別ものとなります。
こうしたハイブリッド・アプローチ技術がこれから伸びていくのか、Bluetoothの標準が高品質データを取り込むのか、まだわかりませんが着目して良い方向性であるとは言えると思います。