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2024年08月07日
Campfire Audioがデュアルプラナードライバーの新IEMを海外発売開始
Campfire Audioがデュアルプラナー構成の新製品「Astrolith」を8月6日から海外発売開始しました。価格は$2199とハイエンド製品です。
ホームページはこちらです。
https://www.campfireaudio.com/pages/astrolith
(画像は上記ホームページより)
Campfire Audioは宇宙関係のネーミングなのでAstrolithとはカナダのモントリオールで開発中の月面探査機を意味していると思われます。
Astrolithは14.2mm低中域用のプラナードライバーと6mmの高域用のプラナードライバーの2基の平面磁界型ドライバーが搭載されています。
14.2mmのドライバーはSupermoonに搭載されたドライバーの改良型で、6mmの方は新規開発のようです。特に6mmのドライバーはPPRと呼ばれる新しいレゾネーターチャンバーを組み合わせているようです。Particle Phase Resonator (PPR)が採用された理由は新開発の6mmプラナーがとても高速な過渡応答特性を有していることによるようです(atypicalと書いているのでかなり特殊なようです)。その6mmドライバーを"smooths and tempers"とあるので音をスムーズに調整して和らげる働きをしているようです。TAECは高域を伸ばすように調整しますが、PPRはきつさを和らげるように調整するように思えます。
14mmドライバーはAAOIと呼ばれる音響チャンバーを兼ねた半透明のシェルに格納されています。
このPPRと6mmドライバー、14mmとAAOIがそれぞれ独立したコンポーネントに格納されていて、チャンバーによる音響的な調整がなされクロスオーバーレスで使用されています。Kenさんはシンプルイズベストが信条なのでクロスオーバーレスを好んで採用していますね。
性能的にはとてもインパルスレスポンスが高いのでグラフを見てもダイナミックドライバー(赤)と比べて音の正確性が高いことが見て取れます。またプラナーは帯域によるインピーダンス変動が極めて少ないので音が低域で膨らむということもないでしょう。
音質はいくつか海外でレビューが出ていますが、Astrolithはワイドレンジでスピードが速く解像力が高いが、高音域はとても洗練されてるという感じのようです。
イヤフォンにおける平面磁界型ドライバーのひとつのリファレンスとなりえるかもしれません。