Music TO GO!

2022年02月24日

HeadFI-TVに見る新製品

Head-FIの全国オフ会CanJamがニューヨークで今週末に開催されます。そこに出展される新製品や注目製品を主催者のJude Mansilla氏がYoutube上のHeadfi-TVにて紹介していますので、その中から興味あるものを取り上げてみます。数値は開始秒数です。



https://www.head-fi.org/threads/canjam-nyc-2022-february-26-27-2022.960696/page-28#post-16829853

10:23 Hihiman EF400
これは DAC内蔵型のヘッドフォンアンプで、HIFIMAN独自のヒマラヤDACを搭載しています。アンプ構成は フルバランスで、高感度イヤフォンにも向いているとありますのでノイズフロアも低いようです。
写真 2022-02-22 10 37 55.jpg


16:00 ABYSS DIANA TC
https://abyss-headphones.com/products/abyss-diana-tc?lang=ja
ABYSS DIANAの新型、ラムスキンのイヤパッドが豪勢です。

17:32 Campfire Audio SABER
今回Campfireはメーカー直でなく販売店がショウにくるようです。
写真 2022-02-22 10 45 34.jpg

19:12 Questyle CMA Fifteen
Questyleの本格的な据え置き難のDAC内蔵ヘッドフォンアンプ。
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27:02 CEntrance DACport HD
あのDACPortがこんなに小さく。USB-CでAKM DACの Aクラスアンプ内蔵。
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28:10 CEntrance Ampersand
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3W/chというトランスポータブルアンプ。

29:26 Eksonic T2静電型アンプ
これはKerry Gerontianosというheadfiメンバーが開発した「あの」STAX T2をベースにした静電型ドライバー。抵抗などは現在のものを使用したT2の近代化版とも言えます。
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Eksonic AerasというT2のコンパクト版もあります。
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33:23 Grellaudio TWS-1
ゼンハイザーのもと開発者で日本のヘッドフォン祭にもよく来ていたアクセル・グレル氏の完全ワイヤレス。ノイズ低減になにかポイントあり。Drop版もあります。
アクセル氏はセミナーにも参加予定でHeadFi界隈と活発に交わっているようです。
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38:13 Ampersand nautilus 真空管アンプ
KT88(変えれる)採用の真空管アンプ。インピーダンスごとにヘッドフォン端子があります。Red Octoberという300Bバージョンもあるよう。
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posted by ささき at 15:43| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アスキーに「最近増えているトランスポータブルなオーディオの魅力」の記事を執筆

アスキーに「最近増えているトランスポータブルなオーディオの魅力」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/083/4083429/
posted by ささき at 15:00| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月16日

CHORD Mojo 2国内リリース決定

先代のMojoから7年ぶりに待望の後継機Mojo 2が登場します。

Mojo2 サブ4.jpg

Mojo2は簡単に言うとMojoのサイズはそのままに、音質をさらに向上させて電源周りなど各部を改良し、USB-C端子やUHD DSPなどの新機能を追加したものです。正統的な後継機と言えるでしょう。Mojoとサイズや端子は共通なのでPolyもそのまま使えます(ファームウエアについては最新を適用)。

Mojo2 サブ1.jpg  Mojo2 Polyイメージ1.jpg

外観的にはUSB-C端子が追加され、様々な機能を管理するために4つめのボタンとしてメニューボタンが追加されています。これによりミュート機能、4 段階クロスフィード機能(Hugo2と同じアルゴリズム)、ボタンロック機能が可能となります。
新規追加されたUHD DSPとは従来64bitで行われていたデジタル計算を104bitで行うことで聴感的な音質ロスがほぼなくなるというもので、主にクロスフィードとイコライザーに使用されます。このため音質低下を気にせずに積極的にイコライザーを使用することができます。
またMojo2ではボリュームがハイボリュームモードとローボリュームモードに分かれているのですがこれでもDSPが活用されています。

15_Board_05_STILL SOLID REVEAL.tif

内部的には中核となるパルスアレイDACは40,960 タップに解像力が向上してノイズシェーバーは改良型が使われています。FPGAは引き続き剤リンクスArtix-7が使われていますが、Mojo2では電源の改良でフルキャパシティで使えるようになったので能力が向上しているようです。
またカップリングコンデンサーが廃止されています。これによっておそらく着色感もより少ないでしょう。
電源ではFPGA 管理の新バッテリー充電システムにより充電の改良が行われ、バッテリー容量は9%増加しています。また新規追加されたインテリジェントデスクトップモードは据え置き用として電源を繋ぎっぱなしにした時にそれを物理的に切り離してバッテリーを過充電から守るというものです。

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本革を使用したMojo 2専用ケースはジョンフランクスによってデザインされてもので、新しい4ボタンに対応しています。
やはり本革を使用したMojo 2 PolyケースはPolyと合体するためのケースで以前のものよりも高級なようですね。

Mojo2 Caseメイン.jpg Mojo2 Poly Caseメイン.jpg

発売日は2 月25 日(金)で先行予約の受付開始日が2 月18 日(金)11:00からとなります。価格は79,980 円(税込み)で、同時発売のMojo2用のケースが7,980 円(税込み)、PolyとMojo2の一体型ケースが12,980 円(税込み)です。
参考リンクは以下のとおりです。
Mojo 2 製品ページURL:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_3843.php
Mojo 2 Case 製品ページURL:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_3870.php
Mojo 2 Poly Case 製品ページURL:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_3871.php

販売はアユート直販サイト「アキハバラe 市場」及び「e☆イヤホン」「フジヤエービック」(50 音順)他、日本国
内正規取扱販売店において扱われるということです。
posted by ささき at 11:00| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月11日

高いコストパフォーマンスの平面型、HIFIMAN Edition XSレビュー

HIFIMAN EditionXSはHIFIMAN得意の平面磁界型ヘッドフォンで、2015年に発売されて性能の高さで話題となったEdition Xのアップグレードモデルです。
開放型の平面磁界型のヘッドフォンで、静電型ではないので独自の静電型ドライバーのようなヘッドフォンアンプは必要ありません。ただし後に述べるようにかなり本格的なヘッドフォンなので、普通のヘッドフォンアンプを推奨します。
価格は59,950円(税込)で、発売は2月11日からです。

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EDiton XSは外観のデザインからわかるように、HIFIMANの製品系列では図のようにEdition 1000の流れを組む平面磁界型のメインストリーム上にあります。直接的にはEdition Xの後継ですが、実質的にはAnanda同等ですから、それがさらに安くなったものと言うこともできます。

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Edition XSでは主に二点の大きな改良が加えられています。

1. HIFIMAN独自のステルスマグネット技術

従来の平面型ヘッドフォンにおけるマグネットはマグネット自体が回析減少で空気の流れを乱してしまい、音質を劣化させてしまいます。Edition XSでは特殊形状の「ステルス・マグネット」を採用して、空気の流れをあまり乱すことなく透過させることで音質劣化を防いでいるということです。つまり透過的なエアフローを、見えないステルスに例えているわけです。これによって歪みの少ない、ピュアでハーモニーを阻害しない音楽再現を実現しています。
下の図を見てもらうとわかりますが、従来のマグネットは四角く、ステルス・マグネットは丸くなっています。回析というのは波が回り込む現象を言います。回り込みが多いということは直進する成分が減っているということですので、これによってエアフローが最適化されているということでしょう。

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2. HIFIMAN独自のNEOスーパーナノ振動板

この新しいNsD振動板はSusvaraなどの高級モデルのために開発された技術でNEOスーパーナノ(NsD)振動板は以前よりも75%薄く、より歪みのないハイスピードサウンドを提供できるというものです。
HIFIMANはAUDEZEと並んで平面磁界型ヘッドフォンのパイオニアのひとつですが、こうした技術的な蓄積が生かされているということですね。

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* インプレッション

振動板の大きさを最大限にとるための楕円形のハウジングは本格的で大きな感じを受けますが、持ってみると意外と軽く感じます。実際に装着してみると側圧の柔らかさもあって長い時間つけていても快適な感じをうけます。

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音を聞くとすぐにDeva等とは大きく音が違うのに気づくことでしょう。ひとつは音質がよりハイエンドの平面型の音に近いということと、周波数特性がよりフラットでニユートラルな音造りがされていることです。つまりハイエンドに近い音であり、コンシューマモデルよりもよりプロっぽい音造りがなされているわけです。
その分で能率は低く、スマホだとぎりぎり音量が取れるくらいなのでヘッドフォンアンプ推奨です。試聴ではChord Hugo2で聴きました。

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音の印象は透明感がひときわ高く音空間が立体的に広大と感じられます。解像力が高く、ハイスピードで静電型っぽい平面磁界型の良さを味わえるような高いレベルの音質です。価格に対しての実力は相当高いと言えるでしょう。

音傾向はニュートラル・フラットで色付けも少ない感じです。音が遠すぎずにあまり客観的になりすぎないので、モニターというよりは多少リスニング寄りの音に聞こえます。
周波数特性はフラットで密閉型ダイナミックに慣れてると低音は一見軽めに感じると思います。ただし超低域はかなり低い方まで沈んでいてサブベースも含んだ低域の量感はけっこうあります。高音域はベルの音は鮮明だがきつさは少ないので良くチューニングされてるか特性が良いと思います。楽器音は澄んでいて歪みが少ない感じです。かなり自然なワイドレンジ感がありますね。
音の歯切れが良く、歪み感が少ないので楽器音はとても美しく聞こえます。下手に低音誇張してないのでヴォーカルもマスクされずにかなり明瞭感高く声がはっきりと聴こえます。とても細かい音までよく拾う解像力があり、迫力ある音までダイナミックレンジも広いことでしょう。

音楽ジャンルで言うとスケール感のあるクラシックのオーケストラサウンドを堪能したい感じの音です。楽器音の定位感がよく、スピード感もあるのでジャズトリオも良いですね。

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ゼンハイザーHD800に似たモニター的で素直な特性なので、HD800とも聴き比べてみました。
HD800と比べると重量はより軽くて側圧も抑えめなので、より快適さも高いと感じられます。フラットでワイドレンジなど音の個性はよく似ているんですが、Edition XSの方が全体により透明感があって楽器音がより鮮明に楽しめます。Edition XSのほうがより情報量があって音に厚みもあります。音傾向はHD800の方がやはりモニター的というかより客観的で少し奥の席で聞いてる感じです。Edition XSはもう少し前の席でよりリスニング寄りですね。

*まとめ

Edition XSはいわゆるドンシャリとは対極的なハイファイで音が良いヘッドフォンです。音もスピードがあり平面磁界型らしさが味わえます。おそらくリケーブルするとさらにひとランク上になるように思います。ミッドクラスの価格でいきなりハイエンドの音が味わえるコスパの良いヘッドフォンで、本格的な平面型の音を求めている人におすすめです。しかしこの価格でこんな音が手に入るようになったんですね。
posted by ささき at 10:00| __→ HifiMan HE5, HE6 平面ドライバ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月04日

ロバートワッツがMojo 2を語る

Mojo 2に関するDarkoとロバートワッツの対談がアップされています。
52分にわたりDarkoがロブワッツにインタビューする形式ですが、興味を引いたところを少し書きだします。

https://soundcloud.com/johnhdarko/rob-watts-on-the-chord-mojo-2?utm_source=clipboard&utm_medium=text&utm_campaign=social_sharing



Mojo2は2018年から4年かけて5つくらいのPCBデザインを試作した。(普通は2-3年のよう)

768kHzまで対応させたのはM Scalerを考慮してのこと。これには将来的にM Scalerが小型化することを見据えているようです。

Wattsが考えるDAC設計で重要なのは3点で、まず低シグナルの解像力・細かさ、測定できるようなノイズフロアモジュレーションがない(背景ノイズが低い)こと、トランジェントのタイミングの正確な再現(楽器の音色再現に重要で、これが他のDACとの一番の違いと言っている)。
FPGAはデジタルチップであり、DAコンバージョンはフリップフロップと抵抗のディスクリート回路で行われる。このためにノイズを切り離すことができる。

アンプなどのアナログ回路は先代と大きな違いはないが、パワーサプライが大きく変わっている。充電においてインテリジェントデスクトップモードが追加された。インテリジェントデスクトップモードにより、フルにチャージされると物理的にバッテリーが切り離される。これによってMojoをデスクトップにおいて電源を繋ぎっぱなしでもバッテリーが痛むことが少ない(ユーザー要求のよう)。これによってバッテリーの劣化による音質低下も防げる。

なぜUHD DSPをロスレスというかというと、従来の64bitのDSP処理では問題があり、例えばPCですべて+1dB設定にして、ボリュームを-1dBにすると変わらないはずだが、実際の出音は違う。これは64bit浮動小数点計算自体がノイズを生む元であり、極小シグナルの取り扱いがうまくないのでフェイズシフトも起こる。
このためDSPコアは64bitではなく104bitにした。これはFPGAならではということ。テストしても音質の低下が認められないのでロスレスと言っている。

Mojo2ではFPGAをフルキャパシティで使っている。前はリミテッドだった。タップ数は40,960。これはパワーマネージメントの改善によるもの(FPGAは同じよう)。これによってデジタルフィルターの向上、EQ追加ができた。クロスフィードはHugo2と同じコード。

Mojo2では低音がよりタイトになり、音場感とリゾリューションがよく聞こえるはず。
顧客の好みのサウンド傾向があるのでロスレスDSPによるイコライザーで音を積極的に変えて欲しい(それが製品の正しい評価にもつながる)。
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アスキーに「光通信を活用した低遅延なワイヤレスヘッドホン? アップル取得特許」を執筆

アスキーに「光通信を活用した低遅延なワイヤレスヘッドホン? アップル取得特許」を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/082/4082035/
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アスキーに「品薄と値上がりが進むオーディオ製品」を執筆

アスキーに「品薄と値上がりが進むオーディオ製品」を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/081/4081157/
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アスキーに「ヘッドホン向け空間オーディオ技術も多彩化の時代に、Dirac Virtuo」を執筆

アスキーに「ヘッドホン向け空間オーディオ技術も多彩化の時代に、Dirac Virtuo」を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/080/4080453/
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2022年02月01日

CHORDがMojo 2を発表

CHORDがいよいよMojo 2を発表しました。
https://chordelectronics.co.uk/mojo-2?hss_channel=tw-1065264836



詳細なスペックは公式ページにはまだありませんが、海外の情報をもとにすると以下のような改良点があるようです。

○USB-Cが付いている。他方でMicroBも残されているのでPolyとの互換性もある

○パルスアレイDACが進化している(おそらくタップ数が細くなっている)

○4つ目のボタンとしてメニューボタンが増えた。キーロックやミュートなど

○クロスフィード機能がある

○UHD DSPという「世界初のロスレス」DSPが追加。104bitのカスタムDSPで帯域別に変更可能というもの

○再生時間が9%向上

他にも電源周りとか細かい改良がたくさんあるようです。
posted by ささき at 07:12| ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする