Music TO GO!

2021年09月28日

ダブルコイルの平面磁界型ヘッドフォン、Sendy Audio Peacockレビュー

PeacockはSendy Audioの木製ハウジングを採用した開放型の平面磁界型ヘッドフォンです。Jaben Japanで取り扱う予定があるということで今回レビューしました。メーカーのホームページはこちらです。国内での発売は10月中旬を目標にして価格は20万円以下を予定しているとのこと。

http://sendyaudio.com/product_d?id=3

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* 特徴

Peacockは88mmもの大型のドライバーを採用していますが、特徴的なのは振動板の両側にコイルがあるということです。つまりマグネットも両側にありますので、全部で4つのコイルとマグネットがあり、これをQuad-formerデザインと呼んでいます。これによって歪みの低減化を図るとともに生き生きとしたライブサウンドの再現を目指しているとのこと。
振動板そのものは独自の高ダンピング特性を持った素材のようです。これは40kHzの高域まで出すことが可能とのこと。
ケーブルも8芯で6N OCC線材のかなり高級なものが標準添付されています。端子はヘッドフォン側がミニXLRで、プレーヤー側は4.4mmバランスです。6.3mmとXLR4ピンのアダプターが付属してます。アダプターもケーブルに合わせたデザインの高級なものです(短いケーブルがつくタイプです)。

* インプレッション

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Peacockはシックなブラウンのケースに入ってきます。合皮ですが手触り良く高級感があります。がっしりとした質実剛健な作りでひと昔前のLCD-2を思わせます。木製のハウジングで高級感があり、けっこう重いです(578g)。パッドの側圧は強めでフィットはしっかりとしています。ケーブルもかなり本格的な作りのものが標準添付されています。ケーブルは8芯なのでかさばりますが、わりとしなやかです。

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試聴は4.4mm端子を使用してA&K SE180/SEM1を使用しました。
見た目の印象ほどは能率は低くなく、DAPでも少し上くらいで十分音量は取れます。ただ音量の問題でなく多少暗めな音なのでハイゲインにしたほうがより洗練されてコントロールされた音になります。アダプターを付けてHugo2でも聞いてみましたが、このくらいパワーがあると十分だと思います。

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音はまず音場が驚くほど広く、吸い込まれるような一種独特の三次元的な奥行きの広い空間表現力があります。特に囁くような女性ヴォーカルにはぞくっとくるものがありますし、弦楽四重奏などの室内楽では演奏の真ん中で聞いているような独特の良さがあります。
楽器音は端正でよく引き締まり、楽器の音色表現が美しく聞こえます。
音は分厚い感じで滑らかで多少暖かさがあり、モニター的なすっきり感とはわりと対極的な再現で音楽を楽しく聞く音です。
帯域再現性は少し低域よりに感じられます。低音はたっぷりとした迫力があってスケール感が感じられます。全体に空気が多く動いている感がありますね。中高音域はおちついていてきつさは少なく綺麗で端正です。倍音表現は豊かで古楽器の音が豊かに聞こえます。上品なジャズクラシック向けというわけではなく、ロックなどでも重みのある音で迫力たっぷりに楽しめます。

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本体の質感も音質も30万円くらいでも良いように思う内容で、価格からするとかなりお得なのではないかと思います。
少し重いのが難点ではありますが、音の豊かさ重みと音空間の広さに秀でていて独特のサウンドを楽しめるヘッドフォンです。モニター的というよりは高性能で音楽的な鳴りを楽しむヘッドフォンですね。
posted by ささき at 14:28| ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月24日

Oriolusのハイエンドイヤフォン「Mellianus JP」レビュー

OriolusのMellianus JPは生産終了した先代Mellianusのマイナーチェンジモデルです。Oriolusの「JPシリーズ」はOriolus本社から全面的なサポートを受けた上に、日本代理店と関連会社のノウハウで作り出したOriolusハイエンドラインナップということです。

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Mellianus JPは、先代Mellianusの音の傾向を維持しながら、低音域から高音域までさらにフラットになるようにチューニングされ、情報量とディテールをさらに増すという方向で音造りがなされたとのこと。そのポイントの一つとなるのがPW Audio社の特注のケーブルを採用するということです。これはPW audio社のノウハウを借りながら10数種類の候補を用意してもらい、その中で「Silver Liar」が一番目標に近いということで選ばれています。先代の片方10BAという構成は本機でも堅持されています。これは様々な試行錯誤の結果だということです。インピーダンスは36Ωで、出力音圧レベルは109dB/mWです。

Mellianus JPにはカスタムモデルもありますが、今回レビューするのはユニバーサルタイプです。カスタムモデルもユニバーサルモデルもチューニングは同じだとのことです。
ユニバーサルモデルは発売日が9月24日で価格はオープンですが推奨価格は税込みで385,000円。カスタムモデルは9月24日に受注開始(納期が2-3ヶ月ほど)で、価格はやはりオープンですが推奨価格は税込みで431,200円です。かなりのハイエンドモデルと言えます。

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インプレッション

Vannuysのヘビーデューティーなケースに格納されています。ソフトケースですが、ちょっとやそっとの衝撃では大丈夫そうです。高価なモデルなので安心感は高いでしょう。

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本体はシェルが透明で10個のドライバーが整然と配列されているのがよくわかります。シェルの透明度も高いですね。フェイスプレートはシルバーでOriolusのロゴが記されておりシンプルな感じです。
PW Audio製のケーブルはやはりシルバーで配色されていて豪華ですが、柔軟性は高く全体にそう重くはないので取り回しは大変ではないでしょう。プラグは4.4mm端子のみです。日本ディックス製Pentaconnブランドの立派なプラグで実際にかなりしっかりと接続できます。
ケーブルは2ピンのタイプで、旧UEやfinalのようにはめ込みのガイド溝のあるタイプですので2ピンでよく問題になる極性を間違うことはありません。これを買うクラスの人は多数ケーブルをお持ちだと思いますが、ガイド溝だけ気をつければ付け外しも硬くないのでリケーブルは簡単でしょう。

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特徴的なのはノズルの先端のボア(穴)が4つもあいていることで、3つは金属のチューブが挿入されていて、一つはアクリルの無垢です。そのためノズルが太いので少しイヤーピースは嵌め込みにくい感じです。

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デモ機には試用のイヤーピースが一組だけ入っていましたが(ウエブ画像はデモイヤピース)、SednaEarfit light shortが装着できました。装着感は良好で10ドライバーの割にシェルのサイズはそう大きくないので耳への座りも良いですね。重さもさほどではありません。

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試聴はAKのA&Futura SE180で行いました。AK4497のSEM2を使用しています。能率は適度で通常ゲインで十分に音量は取れます。
音は厚みがあって豊かなサウンドで高級オーディオのような品格高い音です。音はシャーブですが、マルチBAにありがちな細身な音ではなく、どっしりとした太身の音です。しかし、もちろんハイエンドイヤフォンですから大味なわけではありません。豊かで洋々としたサウンドですが、細かいところに耳を傾けると楽器の音や声質がよくわかります。アカペラの多声曲を聴くと煌めくようなソプラノからどっしりとしたバリトンやバスまで様々な声質が巧みに描き分けられています。着色感は少ない方でここはBAらしい音色です。
音の広がりも良く、ホールに響き渡るように広い音空間が感じられます。一方でヴォーカルはわりと耳に近い方ですから、広いホールの前方席で聴いている感じですね。
低域はたっぷりとあって迫力があります。これも音のスケール感の高さに貢献している感じです。

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AK SE180とMellianus JP

高再現性の音ですがモニター系の音ではなく、聴いて楽しむ系の音造りと言えるでしょうね。それでいて音楽の細部の表現までしっかりと再現されていて、音鳴り自体を楽しむハイ・ファイオーディオ向けのサウンドでもあります。
楽器音の再現はとても鮮明で、弦楽器のピッキングの切れ味も気持ち良く聞くことができます。良録音のサウンドチェック用音源で聴くとかなり細かい音まで抽出されて鮮明に聴き取ることができます。音が漆黒に消え入る時の残響感も見事で情報量の多さには圧倒されます。SE180/SEM2の性能を極限まで楽しめることでしょう。

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SE180のDACカードをES9038ProのSEM1に変更するとサウンドはもっとアクティブで音場により深みが感じられ、ヴォーカルはより鮮明に聞き取れるようになります。SEM2に比べるとよりシンプルな楽曲で音再現の凄みを感じられます。ES9038Proの圧倒的な性能をしっかりと再現している点はさすがです。
全体的に音性能はかなり高いのですが、あまり分析的にならずによく音楽の楽しさを伝えているサウンドです。

まとめ

個人的には帯域バランスや音色なども含めてかなり完成度が高く、あえてリケーブルする必要はないかなとは思います。そういう意味では今回採用したPW Audioのケーブルは十分狙い通りだったと言えます。
全体にBAらしい着色感のなさや音のタイトさを生かしながらも、ある意味でダイナミック的な迫力や分厚さを兼ね備えた音です。情報量の多さもあいまってハイエンドの凄みを堪能できるサウンドですが、客観的なプロデューサー向けの音ではなく週末に好きな音楽を楽しみたくなる感じの音です。最高クラスのDAPを持っている方で、音楽を楽しみたいイヤフォンを探している人にお勧めです。
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2021年09月23日

今週末にHeadFiのCanJam SoCAL開催、新製品プレビュー

今週末にHeadFiのCanjamのリアルイベントがSoCALで開催されます。SoCAL(ソーキャル=South California)はロスアンゼルス周辺を主に指す言葉です。HeadFiでそのプレビュー記事と動画が掲載されています。今回はJudeの他に2名が解説をしています。

以下いくつか新製品を紹介していきます。

https://www.head-fi.org/threads/canjam-socal-2021-september-25-26-2021.926435/

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目玉はAUDEZEからの二つのフラッグシップでひとつは静電型のCRBNともうひとつは平面磁界型のLCD-5です。

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HIFIMANからはHYMALAYA DACというR2R DAC ICが発表され、それを採用したR2R版のBlueminiが発表されています。

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64 AudioからはDuoという2ハイブリッドでAPEXなど技術を搭載したイヤフォンが発表。

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Centranceがまたやる気を出して懐かしいHIFI-M8のV2版が出ています。スイスアーミーナイフという通りにいろんな使い方ができます
またAmpersandというヘッドフォンアンプが参考出品され、3W/chというハイパワーです。

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面白いのはVZR Model Oneというゲーミング向けHiFiヘッドフォンが出ています。これもゲーミングヘッドフォンのハイエンド化を示すとともに、これはCrossWaveというAcousticLensという謎の板がドライバーの前についています。これも音響メタマテリアルの一種かも。

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アスキーに「秋のヘッドフォン祭 ONLINE 2021開催、気になる各社の新製品は?」の記事を執筆

アスキーに「秋のヘッドフォン祭 ONLINE 2021開催、気になる各社の新製品は?」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/069/4069746/
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2021年09月18日

アスキーに「テクニクスがLDAC対応で第2世代の完全ワイヤレス「EAH-AZ60/AZ40」」の記事を執筆しました

アスキーに「テクニクスがLDAC対応で第2世代の完全ワイヤレス「EAH-AZ60/AZ40」」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/069/4069083/
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アスキーに「Bluetoothでロスレス伝送が可能になる、aptX Lossless」の記事を執筆

アスキーに「Bluetoothでロスレス伝送が可能になる、aptX Lossless」の記事を執筆。

https://ascii.jp/elem/000/004/068/4068954/
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アスキーに「音の乱れを複雑な経路で整える音響メタマテリアル技術」の記事を執筆しました

アスキーに「音の乱れを複雑な経路で整える音響メタマテリアル技術」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/066/4066813/
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アスキーに「珍しいアクティブクロスオーバー対応のワイヤレスポータブルシステム、zionote」の記事を執筆しました

アスキーに「珍しいアクティブクロスオーバー対応のワイヤレスポータブルシステム、zionote」の記事を執筆しました。

https://ascii.jp/elem/000/004/066/4066748/
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アスキーに「高級イヤホン市場にひとつの区切りか、再編が進む海外有名ブランド」を執筆しました

アスキーに「高級イヤホン市場にひとつの区切りか、再編が進む海外有名ブランド」を執筆しました。

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