Music TO GO!

2020年09月18日

Oriolus Rebornの美音チューンモデル、Crassirostris

CrassirostrisはJabenとOriolusのコラボモデルのイヤフォンで、JABEN CHINAの企画商品です。
名前はフウキンチョウという鳥のことのようで、箱絵にも鳥の絵が描かれています。おそらくは美しい声で鳴く鳥ではないかと思います。
価格はオープンで、実売は税抜122,000円前後を予定しているとのこと。

IMG_7099_filtered_s.jpg

Crassirostrisの構成はBA3+D1のハイブリッド構成で基本的にはOriolus Rebornと同じ系列で、BAの部分(ツィーター)が違う型番ということです。このイヤホンはモニター的ではなく、基本的に楽しく美音を聞いてもらうためにチューニングされたということです。Oriolus Rebornの派生モデルという感じですね。

IMG_7098_filtered_s.jpg  IMG_7100_filtered_s.jpg

シェルは3Dプリントで製作されています。感度は115dB/mW、インピーダンスは21オームで、周波数特性は10Hz-40kHzで箱にはハイレゾシールが貼ってあります。ケーブルの線材は銅,銀,銀メッキ銅線ということです。ケーブル端子は3.5mmです。シリコンイヤーピースとフォーム、ダプルフランジ(M)が付属しています。

IMG_7092_filtered_s.jpg IMG_7095_filtered_s.jpg IMG_7112_filtered_s.jpg

シェルが透明でドライバー配置がよくわかります。ベント穴が直接シェル空間に空いています。ベント穴にはなにかフィルターが入っているように見えます。シェル内空間はダイナミックドライバーにとって、全てチャンバーとなるとのこと。またノズル部分が広く作られています。
プラグがごっついのでマニアックな製品と感じますね。ケーブルはなかなかに凝った標準ケーブルで、しなやかで取り回しは悪くないです。

IMG_7109_filtered_s.jpg  IMG_7110_filtered_s.jpg  IMG_7116_filtered_s.jpg

大柄なシェルだけれども、わりと装着感はよく特にシリコンイヤーピースがよくできていて密着します。吸い付くような感触がありますね。かなり遮音性は良いと思います。能率は高めで鳴らしやすい方でしょう。

IMG_7113_filtered_s.jpg 

まず音がニュートラルで聴きやすいA&K AK380で試してみます。
音楽的にチューニングしたというだけあって、音はわかりやすく端的に言って低重心でベースの重みがあって、音の広がりがすごいサウンド、という感じです。

IMG_7291_filtered_s.jpg
AK380とCrassirostris

中高域はシャープでギターをつま弾く音が鮮明に聞こえますね。低域はかなり誇張されて量感がたっぷりとあります。ハイブリッド構成らしく、音に重みもずっしりと感じられます。この辺からもモニター的に聞くのではなく音を楽しんで聞く方向性が伝わってきます。ただ低域は強いけれども、ヴォーカルはわりとはっきりと聞こえると思います。
周波数特性はかなり誇張されていますが、音調自体は暖かすぎるものではなくわりとニュートラルです。この辺はケーブル特性も関係していると思います。
もう一つCrassirostrisのポイントは音の広がりが良いことです。左右にもわりと広い方ですね。奥行き感もあります。低音がたっぷりとあって音もよく広がるのでオーケストラものでのスケール感もいいですね。

音の個性がA&K SP1000CPに合いそうなのでプレーヤーを変えてみたところ大当たりという感じです。この組み合わせは最高にいいですね。
AK380からSP1000CPになってより音性能が向上したことで、こちらの方がCrassirostrisの力を引き出すという意味合いもあります。Crassirostrisは解像力もあってただのfunタイプのイヤフォンではなく、ポテンシャルも高いようです。これは元になったOriolus Rebornの性能の賜物でしょう。

IMG_7292_filtered_s.jpg
SP1000CPとCrassirostris

高域もSP1000CPで聴く方がより美しく感じられます。音場の良さとあいまって、エレクトロニカではベルの音やそれに近いような電子音が頭の中に響き渡り、豊かな低域と相まって美しい中高域が浮き上がったように聞こえます。音楽の作る世界に引き込まれるようです。
女性ボーカルのジャズでは囁くようなボーカルも細かく再現される側面もあります。例えば定番の"Spanish Harlem"だとバックのベースはやや大きめに聴こえますが、ヴォーカルは綺麗に声質もよく聞き取れます。アニソンだとやはりバックの演奏はやや大きく聞こえるけれどもやはり躍動的に楽しめます。こうしたヴォーカル主体のジャンルでは、ヴォーカルだけではなく演奏も楽しみたい人向けの再現のように感じられます。

特にパワーがあって、低域の再現力が高いので、一番向いているジャンルはロックだと思います。
パーカッションやドラムのパンチがあって、ダンダン・バンバンという音がパワフルで気持ち良いんですよね。畳み掛けるようなベースギターとドラムの絡みなんかは最高です。パワフルで躍動的な音の世界を楽しめます。なかなかここまでベースギターやバスドラの気持ち良さを再現できるイヤフォンもないのではと思います。ドラムやパーカッションの連打では気持ち良さを感じられる、かなり気持ちもハイになって上がっていくと思います。
例えばメタルとかだと、低いデス声のバックで聞こえる美しい女性ヴォーカルなんていう曲でもそれぞれが楽しめ、そこにドスッドンドンという破壊的なドラムが気持ちよく聴こえてきます。

Oriolus 1795で聴く相性もまた良いです。スマートフォンとBTで聴きたいならば、Oriolus 1795くらいの音の良さがないと面白くないと思います。
やはり音の広がりがよく、低音の迫力を堪能できます。音色もきれいに再現され、音も細かさもかなり高いと感じられます。おそらくこの組み合わせだとBluetoothを聴いているという感覚なく音楽に浸れます。Oriolus 1795はBTレシーバーにしては音のスピード感がある点もcrassirostrisを生かせるでしょう。

IMG_7293_filtered_s.jpg
Oriolus 1795とCrassirostris

音楽を分析的ではなく、躍動感あふれる最前列で楽しみたい人向けのイヤフォンと言えるでしょう。またOriolus Rebornを元にした基本的な性能も高いのでパワーのある高性能なプレーヤーに向いています。
音楽を楽しみたい人、パワーのあるハイエンドプレーヤーを持っている人にオススメです。



posted by ささき at 16:15| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする