今年はESSの話題から始まりましたが、ESSはMQA対応DAC ICに加えてMQA対応のオーディオCODEC ICも発表しています。これらはES9281Proなどです。
http://www.esstech.com/index.php/en/news/newsroom/ess-introduces-suite-usb-codecs-featuring-audiophile-sabre-dacs/
CODECというのは圧縮・伸張アルゴリズムを一般に差しますが、ここでいうCODECとはADCとDACの両機能をもったICのことだと思います。オーディオCODECとも呼ばれます。たとえばAKMのページではオーディオDAC、オーディオADCとならんでオーディオCODECという項目があるのがわかると思います。(すべてのDACやADCがオーディオ向けではないのでオーディオと接頭語でつけていると思います)
CODEC ICは主にスマートフォンで使われますが。ここではUSB-C対応ヘッドセットやUSB-C対応アダプター類などを考えているようです。これはマイク(ADC)もスピーカーも(DAC)必要だからです。
つまりUSBコントローラとSABRE DAC機能をもったCODEC ICということになります。またヘッドフォンアンプ(2.0Vrms出力)も内蔵しています。まさにESSの目指すところのワンチップソリューションに適合したものと言えますね。
しかもなんとこのES9281PROはMQAレンダラー対応もなされているようです。これはさきに書いたES9068PROの技術を汲んでいるようです。またアクティブノイズキャンセリング機能もあるようです。ES9028PROはそのMQA対応がないものです。ローコスト版のES9270などもあるようです。
つまりオーディオDAC(IC)であるES9068Qはオーディオファイル向けの機材でのMQA対応を簡単にし、オーディオCODEC(IC)であるES9281PROなどはヘッドセットやアクセサリー類でも高音質とともにMQA対応を可能にするものだということが言えるのではないかと思います。これらがESSのMQA戦略と言えますね。
Music TO GO!
2019年01月05日
ESSからMQAハードデコードをICで行うDAC ICが登場
ESSからMQAのハードウエアデコードが可能な能力を有するDAC IC、ES9068Qが登場しました。
http://www.esstech.com/index.php/en/news/newsroom/ess-introduces-worlds-first-codec-hardware-mqa-hi-res-rendering/
RoonやAudirvanaなどPCのソフトで行うソフトウエアデコードではx2である96/24までしか戻せませんが、DACのファームウェアで行うハードウエアデコードではx4まで戻せるので192/24まで再生することができます。
ボブスチュアートによればこの差はどうして起こるかというと、x4のデコードをするためにはDACのハードウエアに即したデコードが必要だからと言います。これはMQAがエンドトゥエンド(マイク/ADC to DAC/スピーカー)を包括的にカバーするシステムだからでもあります。
具体的にいうと、DAC製品のICだけではないアウトプットフィルターなどの設計によってそのチューニングが必要となります。これはファームウェアのコード(MQAレンダラー)で調整することになります。
この理屈でいうと、ただのDAC ICでしかないES9068Qはそのチューニングができないように思えますが、上のリンクではこのチューニングをES9068が(ファームの書き換えなしで)自動で行えるとされています。
この仕組みはいまひとつ明確ではないように思いますが、おそらくESSのアーキテクチャがワンチップ化に志向していて、本来外部に必要なDAC後段(I/V変換とか)をすでに含んでいることと関係ありそうに推測します。
いずれにせよ、これによってMQAの普及が一段と拍車がかかることでしょう。ES9068が低消費電力をうたっていることからも、ポータブルの分野でも来るでしょうね。
http://www.esstech.com/index.php/en/news/newsroom/ess-introduces-worlds-first-codec-hardware-mqa-hi-res-rendering/
RoonやAudirvanaなどPCのソフトで行うソフトウエアデコードではx2である96/24までしか戻せませんが、DACのファームウェアで行うハードウエアデコードではx4まで戻せるので192/24まで再生することができます。
ボブスチュアートによればこの差はどうして起こるかというと、x4のデコードをするためにはDACのハードウエアに即したデコードが必要だからと言います。これはMQAがエンドトゥエンド(マイク/ADC to DAC/スピーカー)を包括的にカバーするシステムだからでもあります。
具体的にいうと、DAC製品のICだけではないアウトプットフィルターなどの設計によってそのチューニングが必要となります。これはファームウェアのコード(MQAレンダラー)で調整することになります。
この理屈でいうと、ただのDAC ICでしかないES9068Qはそのチューニングができないように思えますが、上のリンクではこのチューニングをES9068が(ファームの書き換えなしで)自動で行えるとされています。
この仕組みはいまひとつ明確ではないように思いますが、おそらくESSのアーキテクチャがワンチップ化に志向していて、本来外部に必要なDAC後段(I/V変換とか)をすでに含んでいることと関係ありそうに推測します。
いずれにせよ、これによってMQAの普及が一段と拍車がかかることでしょう。ES9068が低消費電力をうたっていることからも、ポータブルの分野でも来るでしょうね。