Astell & Kernから新しいラインナップであるKANNが発表されました。
また今までAstell & Kernを支えてきたジェームズ・リー氏が新しくiriverのCEOに就任することも発表されました。これはAstell & Kernがよりいっそう安定していくことが期待されます。
KANNもリー氏によれば日本からの意見をとりいれたもので、はじめは日本限定にしようかと思ったくらいということです。またブランドロゴも今回から少し変わっています。
KANNはできるという意味のcanから由来していて、一体型でいろいろ出来るというコンセプトです。
高性能アンプ、多彩な入出力、大容量バッテリー、高音質が新デザイン(氷壁をイメージした)でパックされています。
モデル番号の入らない、新しいパフォーマンスラインのプロダクトでクラスの上下わけというところからも独立しているように思います。(別な製品がミュンヘンのハイエンドショウで出るだろうことも示唆されていました)
AKM4490シングルでフェムトクロック採用、高出力ということで従来品で言えばAK300と専用AMPを合わせたようなモデルです。ただし比べると一回りコンパクトで、持ってみると思ったより軽く(278.7g)、逆三角形で持ちやすいですね。多少大きめですが、ポータビリティも十分あるように思えます。
メニューにはアンプの出力切り替え設定があります。出力端子は3.5mmと2.5mmバランスがラインアウトとヘッドフォンアウトが両方あります。
KANNとAk300/AMPのサイズ比較
また今まではDACボリュームオフでアンプ通すのがAKのラインアウトだったけど、アンプを通さずにDACから直で出るようになりました。(アンバランス、バランスとも)
これはボリュームもバイパスされます。ボリュームも今までのAK DAPではDACの電子ボリュームでしたが、AMP同様にアナログアンプが入ってるようです。
この機能を活かすためにマークレビンソンとJBLスピーカーでも負けないくらいの品質のサウンドをデモしてました。
出力インピーダンスもアンバランスで0.65オームと低くなり、ヘッドフォン出力自体は十分強力なので、改良されたラインアウトは据え置き的な用途で役に立ちやすいと思います。
またUSBが二系統あって充電しながらUSB出力できます。
出力側はUSBマイクロBで充電側は新しいCタイプになりました。データ伝送はCを使います。これも据え置き的に使うのに便利でしょう。
操作性系も一新されてボリュームがロータリーとなりました。おそらくエンコーダ経由でボリュームを変えてると思います。
大きな機械式のボタンをフロントに配置して、ホームボタンも機械式です。これはリー氏に聞くとアナログ感を活かしたかったと言ってました。
このようにフロントの大きな操作系、充電しながらのデジタル出力、そしてラインアウトの改良と考えると、たぶんデスクに置いて使いやすくなって、据え置き的な用途が今まで以上に使いやすくなると思います。
ソフトウエアは従来と同じですが、ロックやラインアウト出力の可変(実質ラインアウト時の音量調整だと思います)などが新規についてます。
アンプのHigh/Normalは変えてもボリュームが従来のようにリセットされません。ファームのMQA対応も今後ありそうです(従来機もそうだと思います)。
内蔵はAK300同様に64GBで、デュアルメモリーカード でSDとMicroSD(max 256GB、SDの512GBは検証中)も改良項目ですね。
実際に使ってみると、再生ボタンがはじめ戸惑いますがすぐ慣れるでしょう。
ボディは逆三角形で持ちやすく、ボリュームボタンは中指で回しやすいと思います。
音質はパワフルで力強く、音の歯切れよさが良好で、Michelleで聴いたけど気持ちよかったですね。
シルバーとブルーが用意され、USD999で日本では価格未定ですが12-13万円くらいのようです。
ポータビリティも保ったまま、据え置き的な要素も今まで以上につかえるようになったと思います。外ではポータブルで使って、家に帰ってからはデスクトップでパワードスピーカーと組み合わせるのもよいですね。
操作系も刷新されたことから、新しい層にアピールする要素もあるかもしれません。なかなか使い出のある新ラインナップと言えるように思います。