Music TO GO!

2017年04月28日

フェンダー新製品発表会ハイエンドIEM発表

本日フェンダーのIEMの新製品発表がありました。私は司会を務めました。
フェンダーでIEMをやるのはプレイをしないフェンダーファン向けということで、フェンダーの理念を伝えたいということ。

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発表されたのは二機種でまずローエンドのCXA1、これはリモコン付きでフェンダー初のコンシューマ向けモデルです。
注目はハイエンドのFXA9です。6ドライバー機でハイ1、ミッド1、ロー2、サブウーファー2です。
フェンダーIEMの母体であるAurisonicsはハイブリッドデザインで知られてますが、A9はオールBAデザインでハイブリッド的なノウハウも加えてるところがポイントです。これはミュージシャンがオールBAを望んだからということです。

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これはどういうことかというと、A9のポイントは低音で特に超低音です。まず気がつくのはオールBAなのにベント穴(ポート)が空いてます。これをデールロットに指摘したら「お前がそこに初めて気がついた」って言ってました。
サブウーファーは3Dプリントで造形されアコースティックチャンバーのように他のドライバーと隔絶されてます。ここに二基のサブウーファーだけ外部にベント穴(ポート)が通じてます。これで低域のレスポンスの良さ(60Hz前後)と開放感のある広がりがえられるとのこと。
ポート穴は外に通じてますが、試してみると外に音は漏れないようで、外の音もあまり聞こえません。IEMとして遮音性は極めて良い方です。たぶん超低域だけ隔離してポートに繋いでるからだと思います。
もう一つのポイントはA9ではサブウーファーのクロスオーバーがなく、音導管の太さと長さでアコースティックにローパスさせる方式を取っている点です。これもデールができるだけ電気的にクロスオーバーを使いたくないからだそう。ハイとミッド、ミッドとローは電気的にクロスオーバーがあります。
また低域以外では24金をノズルに使うことで音に変化がないことを狙ってるということ。デールからお墨付きのある熟練工(一人のみ)のハンドメイドの製作も良い点です。

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聴いてみると音の広がりが独特で開放感があります。躍動感もあってヴォーカルが良いですね。Aurisonicsらしい音ですがオールBAのためにもっと洗練されている感じです。

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ヘッドフォン祭ではぜひ完実さんのブースでお聞きください。

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2017年04月26日

ニールヤングがハイレゾストリーミングサービス、XStreamの開始を示唆

ニールヤングがPono Forumにおいてハイレゾストリーミングサービスの開始を示唆しています。
https://www.ponomusic.com/_ui/core/userprofile/UserProfilePage?u=005A0000005B8Wp&tab=sfdc.ProfilePlatformFeed&fId=0D51500002CulTQ

これはXstreamと呼ばれていて、回線の速度に応じたアダプティブ方式によって最大でハイレゾ品質を実現すると言うものです。
上でニールヤング自身が言ってますが、これはうちのサイトで前に紹介したOraStreamの技術を採用しているようです。
OraStreamの記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/274617721.html
技術で言うとMPEG4-SLSで、SLSはスケーラブル・ロスレスという意味です。私もMQAについてオーディオ折り紙とか知らないはじめ出た時はこのSLSかと思っていました。

一部報道ではPonoプレーヤーのためと書かれていますが、上のニールヤングの記事ではPonoで再生とは書いてないように思います。またPonoはWiFi非対応です。
いずれにせよちょっと興味あるところです。
posted by ささき at 08:38 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ最新技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

MQA-CDの検証記事をPhilewebに書きました

PhilewebでMQA-CDの検証記事を書きました。下記リンクを参照ください。
http://www.phileweb.com/sp/review/article/201704/17/2496.html

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内容はMQAの紹介から、今回特別に使わせてもらったMQAエンコードのあり/なしでの同じ曲の比較、MQA対応DACの使用と音質コメント、そしてMQA-CDをリッピングしてMacのAudirvana +3でソフトウエアデコードでの再生までカバーしました。Audirvanaのところでは製作者のダミアンさんにも直接話を聞いて情報を確認しています。
この広範な内容でMQA-CDのみならずMQAの実態に一歩迫ろうという記事ですのでぜひご覧ください!
posted by ささき at 11:29 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ最新技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月16日

秩父の桜

この週末は北上する桜を求めて、秩父に桜を撮りに行ってました。
ここはしだれ桜で有名な清雲寺です。桜はソフトフォーカスで撮るのがよく似合います。しかし久々にいったら西武線が秩父線に直通になっていたり駅前が様変わりして驚いてしまいました。

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ここの神社の神楽はまさに桜の花吹雪の舞う中で行われていて、素晴らしいものでした。なんだかタイムスリップした感もあり、時代を経ても変わらぬ日本人と桜の関係を改めて考えさせられました。

Riccoレーベルの日本語を美しく歌い上げるユニット、mizu amaneの新作は春と桜の歌です。こちらもこの時期におすすめです。
posted by ささき at 22:40 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月13日

Astell & Kernの新ラインナップ、KANN登場

Astell & Kernから新しいラインナップであるKANNが発表されました。

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また今までAstell & Kernを支えてきたジェームズ・リー氏が新しくiriverのCEOに就任することも発表されました。これはAstell & Kernがよりいっそう安定していくことが期待されます。

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KANNもリー氏によれば日本からの意見をとりいれたもので、はじめは日本限定にしようかと思ったくらいということです。またブランドロゴも今回から少し変わっています。

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KANNはできるという意味のcanから由来していて、一体型でいろいろ出来るというコンセプトです。
高性能アンプ、多彩な入出力、大容量バッテリー、高音質が新デザイン(氷壁をイメージした)でパックされています。
モデル番号の入らない、新しいパフォーマンスラインのプロダクトでクラスの上下わけというところからも独立しているように思います。(別な製品がミュンヘンのハイエンドショウで出るだろうことも示唆されていました)

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AKM4490シングルでフェムトクロック採用、高出力ということで従来品で言えばAK300と専用AMPを合わせたようなモデルです。ただし比べると一回りコンパクトで、持ってみると思ったより軽く(278.7g)、逆三角形で持ちやすいですね。多少大きめですが、ポータビリティも十分あるように思えます。
メニューにはアンプの出力切り替え設定があります。出力端子は3.5mmと2.5mmバランスがラインアウトとヘッドフォンアウトが両方あります。

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KANNとAk300/AMPのサイズ比較

また今まではDACボリュームオフでアンプ通すのがAKのラインアウトだったけど、アンプを通さずにDACから直で出るようになりました。(アンバランス、バランスとも)
これはボリュームもバイパスされます。ボリュームも今までのAK DAPではDACの電子ボリュームでしたが、AMP同様にアナログアンプが入ってるようです。
この機能を活かすためにマークレビンソンとJBLスピーカーでも負けないくらいの品質のサウンドをデモしてました。
出力インピーダンスもアンバランスで0.65オームと低くなり、ヘッドフォン出力自体は十分強力なので、改良されたラインアウトは据え置き的な用途で役に立ちやすいと思います。

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またUSBが二系統あって充電しながらUSB出力できます。
出力側はUSBマイクロBで充電側は新しいCタイプになりました。データ伝送はCを使います。これも据え置き的に使うのに便利でしょう。

操作性系も一新されてボリュームがロータリーとなりました。おそらくエンコーダ経由でボリュームを変えてると思います。
大きな機械式のボタンをフロントに配置して、ホームボタンも機械式です。これはリー氏に聞くとアナログ感を活かしたかったと言ってました。

このようにフロントの大きな操作系、充電しながらのデジタル出力、そしてラインアウトの改良と考えると、たぶんデスクに置いて使いやすくなって、据え置き的な用途が今まで以上に使いやすくなると思います。

ソフトウエアは従来と同じですが、ロックやラインアウト出力の可変(実質ラインアウト時の音量調整だと思います)などが新規についてます。
アンプのHigh/Normalは変えてもボリュームが従来のようにリセットされません。ファームのMQA対応も今後ありそうです(従来機もそうだと思います)。

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内蔵はAK300同様に64GBで、デュアルメモリーカード でSDとMicroSD(max 256GB、SDの512GBは検証中)も改良項目ですね。

実際に使ってみると、再生ボタンがはじめ戸惑いますがすぐ慣れるでしょう。
ボディは逆三角形で持ちやすく、ボリュームボタンは中指で回しやすいと思います。
音質はパワフルで力強く、音の歯切れよさが良好で、Michelleで聴いたけど気持ちよかったですね。

シルバーとブルーが用意され、USD999で日本では価格未定ですが12-13万円くらいのようです。

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ポータビリティも保ったまま、据え置き的な要素も今まで以上につかえるようになったと思います。外ではポータブルで使って、家に帰ってからはデスクトップでパワードスピーカーと組み合わせるのもよいですね。
操作系も刷新されたことから、新しい層にアピールする要素もあるかもしれません。なかなか使い出のある新ラインナップと言えるように思います。

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posted by ささき at 20:07 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

Windows 10 Creator updateでUSB2.0クラスドライバ導入

昨年WindowsでもとうとうUSB Audio class 2.0ドライバーが導入されるという記事を書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/441555955.html

問題はどの時点で一般に公開されるかでしたが、4/11から公開されているWindows 10 Creator Updateで入ったようです。
Creator Updateは4/5から先行でも公開されてたんですが、Computer Audiophileに試した人の記事があります。
https://www.computeraudiophile.com/forums/topic/31422-usb-audio-20-class-driver-in-latest-windows-10-rs2/
ただし問題点を指摘する人もいますので念のため。
posted by ささき at 08:41 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月06日

Hugo2とPolyのインタビュー公開

この前のHugo2/Polyの発表会の後に個別にジョンフランクス、ロブワッツ、ラジフ(Polyエンジニア)にわたしがインタビューしたものがPhilewebで公開されました。
下記Philewebへのリンクからご覧ください。
http://www.phileweb.com/sp/interview/article/201704/06/452.html

かなり濃い内容で、かつロブワッツの語るデジタルフィルターの使いこなしなどユーザーにも役に立つ情報がいろいろあると思いますのでぜひ読んでみてください。

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posted by ささき at 11:41 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月05日

CanJam 2017 SoCalプレビュービデオ

今週末に開催されるCanJam Socal(ロサンゼルス)のプレビュービデオがアップされています。
http://www.head-fi.org/t/822835/canjam-socal-2017-april-8-9-2017/350_50#post_13397511
今回は過去最大ということで、さまざまな新機種が1時間にわたり紹介されています。
みな見てませんが、一例をあげると、まず先頭のJH Audioの新製品のLolaです。
JH Audio初のハイブリッドです。たいていのハイブリッドと違いLolaは中域にダイナミックを使っています。中域はDOMEと呼ばれる二個のドライバーの対向型です。
カバー領域は低域が2xBAで10-200Hz、中域がダイナミックx2(DOME)で200-3kHz、高域が4xBAで3k-20kHzとのこと。
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画像は上記ビデオから

ちなみにLolaはKinksの曲ですのでSirenシリーズですね。
*訂正:Performanceシリーズのようです。

さて実際のショウが楽しみです。


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2017年04月02日

ヘッドフォンブック 2017に執筆しました

3/31発売のヘッドフォンブック 2017にいろいろと執筆しました。
いろいろ書かせてもらいましたが、まずヘッドフォンブックの10周年記念として、「この10年、私の印象に残った一台」でUltrasone Edition9を選びました(P62)。やはりいまのヘッドフォン世界をここまで持ってきた嚆矢だったと思うし、この辺はうちのブログを前から見てもらっている方には納得の選択だと思います。
またAstell & Kernの軌跡(P78)は営業S氏監修のもとに書き上げた4ページの大作です。文字数の多い原稿ですが、書いてみると足りないくらいで、Astell & Kernもここまできたかと思いながら書いてました。
ヘッドフォンアワード(P34)でも選定委員として参加しています。これはまた春のヘッドフォン祭で表彰式を行う予定です。
機材紹介では、CampfireAudioの新製品・ブランド紹介(P6)、64 Audioの18ドライハーのA18 Tzar(ツァー)の2ページレビュー(P18)はボリュームがあり、このほかでもNighthawkインタビューとレビュー、K10encoreやROSIEのレビューなどもあります。

このほかにも読みどころがたくさんありますので、ぜひ購入して読んでみてください。
posted by ささき at 09:55 | TrackBack(0) | ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする