ちなみにライブラリに大きく手が入ったため、1.2リモートとはライブラリの互換性がないので、本体だけではなくアプリもすべて1.3に更新する必要があります。

1.3に関してはもともとは小規模な改良でメタデータの改良に特化したものにする予定だったが、フォーラムのユーザーのリクエスト状況をみて大幅な機能強化に切り替えたと言います。Roonははじめからそうなのですが、フォーラムの影響力が大きいと言えるボトムアップのユーザー主体の開発がなされています。私もRoonの情報にはフォーラムに頼るところが大きいですね。
特に今回の目玉はユーザーの音源ファイルの使い勝手の向上にフォーカスがあったようです。メタデータ管理は大きく変わり、データのインポートとエクスポートも改良されました。つまり音楽をどう管理するかというRoonの原点に立ち返ったとも言えます。
新機能はざっと書くと以下の通りです。
Tagの大幅な機能向上、Playlistの機能追加、Track Browser、DSP機能、マルチチャンネルのサポート、SONOSデバイスのサポート、SNS連携機能の追加、ComposerとCompositionの改良(WorksはCompositionに変更された)、自動バックアップ機能が付いた、性能向上、RAATに改良がなされた、Volume leveling、曲のダイナミックレンジ測定機能、インポート、エクスポート機能の強化、ライブラリ管理の強化、Roon APIの開示(ベータ版)などがあります。ROCK(RoonOS)はまだのようです。
実際にいくつかの機能を使ってみます。
まず再生画面ですが、下の左の画像で曲のところにStarlessなら3と6という数字が書かれています。これはStarlessという曲が自分のライブラリに3曲、TIDALを含めた全体では6曲あることを示しています。つまりこれでStarlessのカバーが何曲あるのかを知ることができるわけです。これはComposerとCompositionの改良によるものです。
これはかなり便利でオリジナルのStarlessを聞いて、AsiaのLive in MoscowのStarlessを聴き、さらには知らなかった他のアーティストによるカバーもわかります。下の右画像はライブラリ内のStarlessを含むアルバムの一覧です。


さらにこのときに曲をお気に入りに入れるとTIDAL側でも反映されるので、このカバーを見つけた曲を今度は明日の電車でAK380でも聴くことができます。つまりTIDAL体験も向上するわけですね。このシームレス感はちょっとすごいというか、音楽プレーヤーソフト始まって以来の発明かも。これで一晩遊べる自信ある。
それで見つけた知らないアーティストでこれいいなあとアルバムを通してきいちゃうという、これこそ音楽体験の向上。音楽世界が広がります。また、こういう体験をしてしまうとストリーミングのよさがよくわかります。やはりストリーミングなんですよ、ダウンロードでは不足でましてCDではない、こうしたところを知ってほしいと思いますね。
次にサンプルレートコンバーターですが、下の画像の設定の上のほうがどこまでサンプルレート変換するのかの設定で、下はフィルターです。ここではさっそくMPフィルターを使ってみます。ここで気が付くのはシグナルパスの表示にロスレスの上でenhancedという白い光が加わったことです。

たとえば下の画像のようにCDリッピング音源をシグナルパスの表示をするとまず16bitデータを64bit float化してサンプルレートを352kHzにアップコンバート、そしてGeekが32bit int受けできるので64bit floatから32bitに落としていることがわかります。

下はクロスフィードの画面ですが、このプリセットの項をご覧ください。Chu Moyの設定とか、Jan Meier(あのMEIER-AUDIOのマイヤーさんでしょうね)などがあります。私もMEIER-AUDIOのクロスフィードが一番優れていると思うのでこれは使いたくなります。この辺はマニア泣かせですね。なおクロスフィードなどは完全に内部の書き換えが行われています。

このほかにもVolume leveling(リプレイゲイン)においてEBU R128の音量感基準を適用した(テレビ業界とかの標準)ことなどの改良点もあります。曲情報を開くと下の画像の右側のようにダイナミックレンジの表示がR128基準でなされます。

下の画像はSNS連係機能のテスト(#Now Playingみたいなもの)。ここでは下左で画面を設定し、下中でどのSNSにポストするかを決めます。下右はTwitterで受けた側(iPhoneのechofonアプリ)でどう見えるかを示しました。



音質も多少良くなったような気がします。このほかについては少しずつ使っていこうと思います。