すいません、またDVD付きCD3枚組ボックスセットとかいうトラップに引っかかってしまいました。
というわけで言い訳を書くんですが、これまずロックのライブものにしては音がいいんです。それとライブにつきものの観客の騒音を消していて、あたかもスタジオアルバムっぽく聴くことができるのが面白いところです。またあまりフリップ先生がやりたがらなかったRED以外の初期ナンバーも宮殿含めて多数入っているのもポイントです。
そういう意味でいうと、今風にちょいアレンジされたクリムゾン・リサージェンス的な新録音アルバムっぽくも聴けます。ただアネクドテンみたいにビンテージメロトロンまで使うようなサービスはさすがになくてシンセで代用してます。70年代ナンバーやるための21 Century Schizoid bandがちょっと気が抜けた感じでもあったのでやはりまあ正統派という感じで楽しめます。
クリムゾンというと最近ライブで40年ぶりに(フリップ先生に封印されたと思われていた)サーカスとかリザードをライブで演ったというのでニュースにまでなりました。デビットボウイのカバーもやっているようで、最近のロックレジェンドの急逝に触れてやはりいろいろと心境の変化というやつでしょうか。
演奏自体はトリプルドラムが印象的な通りにヘビーなもので、ここでは単にうるさいロックではなく、緊張感があってかっこいいというオールドロックの真髄を聴かせてくれます。太陽と旋律からの盛り上がりのパターンも相変わらずいいですね。CD3クラシックだけではなく、CD1もCD2もなかなかよいのでけっこう通して聴けます。買ったのはほとんど発売直後ですが、いまではポータブルアンプのロックリファレンスアルバムみたいになってます。
ただ観客の「ノイズ」がないのは賛否あって、ライブならではというところで盛り上がりの拍手とか声がないとかえって気抜けしたライブみたいな違和感があることもありますね。
ちなみにRoonだときちんと3CDとして分類表示がなされていました。さすがにアルバムコメントはないですね。アーティストコメントに関してもこの前のDhafer Jossefみたいなアーティストはともかく、こういうメジャーアーティストだと「俺の方が知ってるよ」と言いたい人も多いと思いますので、まああってもなくてもという気もします。
あとCD3枚のほかにDVDもしくはブルーレイの映像ディスクも入っています。(DVDは初期のみ)
映像でもけっこう音が良いと思います。ただDVDで48/24収録するなら、DVD-ROMでハイレゾも入れてよと言いたいところですが、まあオールドロックは44/16でいいかという気もありますね。