Music TO GO!

2016年07月12日

Roonとメモリー再生

RoonフォーラムにRoonでのメモリー再生についての話題があり、開発者が回答していました。
https://community.roonlabs.com/t/does-roon-download-entire-track-into-memory-memory-playback-discussion/12397

まずRoonの人が言うには、真のメモリー再生とは本来はプレイリスト全部をメモリー上に展開しなければならない。つまり、ある曲がメモリーに展開されていても、メモリーに展開されてない曲を読むときにファイルアクセス動作が発生するから、再生される可能性のある曲(プレイリスト)はすべてメモリーにあるべきだということです。
しかし実際にそうするとプレイリスト全体をメモリ展開するのに時間がかかり再生が遅れる(これはRoonのユーザーエクスペリエンス重視に反する)。またプレイリスト以外の曲を選択できなくなる(その時点でファイルロードが発生するから)という問題点があります。だから真のメモリー再生というのはどのプレーヤーソフトでも実際には行われていないということ。

Roonで行われているのは、ある固定サイズのバッファを用いて、継続的に少しずつ曲データをメモリに読み込むというものだそうです。たとえば他のプレーヤーソフトのメモリ再生にありがちな、ある曲が終わったときに次の曲をメモリに読み込むと、その時点でPCに負荷がかかるため、Roonでは急に負荷がかかるのを避けるために継続的に少しずつ読むということをしているそうです。

いずれにせよRoonは軽量プレーヤーソフトではなくライブラリ管理など重いソフトなのでそうした「メモリプレーヤー」のようなソフトとは一緒にはできないということも言ってます。
たとえばライブラリを定期的に監視したり、TIDALとも連携が必要(Tidalキャッシュの管理も必要です)、さらにマルチゾーン・マルチユーザーのソフトなので、いつファイルを読んでもすぐに再生できるようにしなければならないことなど。
またそもそもRAATでメディアサーバーと聴く環境を切り離しているのはそうした機能面と音質面を妥協しないためだということ。つまりRoon Output(またはBridge)では(前にうちの記事でも書いたように)楽曲を読み込むという動作はないので、実質メモリープレイしているのと同じだということです。くわえて物理的・電気的にハードディスクと再生装置をRAATで切り離すことができます。

Roonの人が言うにはRoonはユーザーエクスペリエンス重視および多機能でありさらに新しい再生モデル(RAAT)を持っている、操作性お構いない軽量メモリプレーヤーソフトとは一緒に考えないでくれ、という感じではあります。
posted by ささき at 22:56 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする