ラズベリーパイのポータブルオーディオ運用日記です。
前の記事でポータブルアンプとラズベリーパイを組み合わせたポータブルオーディオの記事を書きましたが、ケーブルをライトアングルに変えたらスッキリと今までの2段重ねアンプっぽく収まって妙に実用的になってきました。ジャケットのポケットにもすっぽり入ります。
ラズベリーパイだけ取り出すと下のような感じです。Raspberry PI2にHAT DACとしてHiFiBerry DAC+のPhono仕様を取りつけて、積層型のケースでガードしています。(このケースにはプロセッサの放熱フィンも付属しています)
こうしてラズベリーパイをポケットに突っ込んでる人もそういないでしょう。シールドしなくてよいのかと言うと、それほど影響はないように思います。微妙なノイズフロアへの影響は図れませんが、少なくともWiFiアクセスのたびにプチプチしたノイズが入ると言うことは全くありません。
ポータブルアンプはあいかわらずPortaphile627を使用しています。理由はサイズ的な相性と、音性能の高さ、音の相性などでしょうか。
ソフトウエアも変えました。
こうしてDAPやスマートフォンではなくコンピューターをポータブルアンプにくくりつけるメリットのひとつはソフトウエアをごそっと基本ソフトウエアから入れ替えられることです。スマートフォンだとアプリを変えれる程度ですね。
たとえばVolumioやRune Audio、Moode Audioを好みに応じて入れ替えられますが、実のところこれらはいずれもMPDを使ったディストリビューション(Linuxのバリエーション)なので似たり寄ったりではあります。そこで今回は根本的に異なるものとしてpiCorePlayerを使ってみました。これのMPDに相当する部分はSqueezeliteとLMSというソフトウエアです。
* piCorePlayerとは
piCorePlayerはかつてあったSlim DevicesのSqueezeboxプレーヤーのソフトウエア版と言ってよいソフトウエアです。Squeezeboxは割と古いと言うか先駆的なネットワークオーディオシステムですが、Slim DevicesからLogitechに移った後に2012年に製造中止されています。その後は再生エンジンの部分がLinuxに移植されてSqueezeliteとなり、それを元にしたのがこのラズベリーパイ用のpiCorePlayerです。
ホームページは下記です。
https://sites.google.com/site/picoreplayer/home
piCorePlayerは現在では2.0がリリースされていてわりと活発に更新されてる方ではないかと思います。少し荒削りでマニアックに寄っていて、メニュー上でオーバークロック設定なんかもできます。出力デバイスもI2SのHAT DACが使えるのでHifiberryやiQAudioが使えます。もちろんUSB DACも使えます。
以下はコマンドを使ったりファイルを書き換えたりしませんが、全体の難易度はVolumioよりはやや難しいかもしれません。
Squeezeboxのシステム構成は基本的にはサーバーとプレーヤーから成り、サーバーが音源をプレーヤーにストリーミングしてプレーヤーが音楽を再生します。ただしプレーヤーは実際にはDLNAでいうところのレンダラー(音楽再生エンジン)とコントローラとに分離できます。このレンダラー部分がSqueezeliteつまりpiCorePlayerにあたります。
Squeezeliteは非常に軽量でRAM上に展開できるので、電源をぶち切りしてもよいという利点もあります。軽量と言う点からオーディオマニアなら、音質が良いのではないかと期待するでしょう。
これ(Squeezelite)単体では使えないので、他にLMS(Logitech Media Server)というサーバーが必要です。またコントローラ(リモート)も必要です。
このため、ポータブルで使うにはひとつ問題があります。それはさきに書いたようにサーバーであるLMSが必要であるということです。
普通のSqueezeboxシステムの使い方はLMSをPCにインストールしてpiCorePlayerをラズパイにインストールしてラズパイにDACを設置し、PC上のLMSとラズパイをネットワークでつなぐと言うのが一般的な使い方です。
しかしながら、この3/19にリリースされた2.03からLMSがpiCorePlayerと同一のラズパイにインストールできるようになりました。このため、
DLNAでいうとレンダラーとサーバーが同一筐体で動作しているようなもので、他のVolumioのようなMPDディストリビューションと変わりません。これでSqueezeboxシステムのポータブル運用(と言うか一体型運用)ができるようになりました。
またリモートコントロールはVolumioのようなWebUIも使えますが、Squeezeboxの良さは優れたリモートクライアントアプリが出ていることです。私はiPengというiPhoneの有料アプリを買いました。MPD系で使うMPodに比べるとかなり使い勝手は向上します。
* インストール手順
ラズパイ2にpiCorePlayerをLMS込みでインストールし、無線LANの設定をする方法を書きます。
0. mysqeeze.comでアカウント作成しておきます。無料です。これはLMSを使うために必要です(ステップ17)。
1. 下記サイトからpiCorePlayerの最新版イメージをダウンロードします。
https://sites.google.com/site/picoreplayer/home/download
download 最新(2.0.3以降)
いったんインストールすると以後の更新は設定ページからできるようになります。
2.イメージをWin32 disk imagerなどでMicroSDに書きます。(8GBもあれば十分かと思います)
3. ラズパイ2にMicroSDを入れます
4. ラズパイ2に有線LANを接続します
5. 電源投入します
6. ここがまず難かもしれませんが、
htt://(ラズパイのローカルアドレス)
でpiCorePlayer設定ページを開きます。
本来はhttp://picoreplayer.localで開くはずですが、Rune audio 0.3と同様に名前解決にやや難があるようで、これで開かないかもしれません。ただ自分のローカルアドレス(192.168.xx.xx)はだいたい同じで2つか3つ振れる程度なので、見当がつくと思います。確実にはモニタとキーボードを付けてuser:tc, passwd:piCoreでログインしてipconfigして確認してください。
あとで実用に使うときはクライアントからは自動検出なのでipアドレスの確認は不要です。
以後の設定ページでの操作はボタンを押してすぐに適用される時もあれば、ボタンを押してからインストールが始まって少し待つこともあります。
挙動と言うか画面表示を少し見て慣れてください。
piCorePlayer設定画面
7. 設定ページが出たら中段のSqueezelite settingsタブをクリックしてI2S設定からDAC+やDigi+を設定する。
(これが間違っているとSqueezeliteが停止します)
8. ここがポイントなのですが、一番下のタブに行って、betaをクリックする。
すると選択肢が大幅に増えます。
9. Main Pageタブをクリックする。
10. Expand FSをAutoのままで実行する。(FSはファイルシステムのことでしょう)
これはLMSをインストールする領域を確保するためです。これをしないでinstall LMSとしても領域不足ではねられます。
LMSを一緒にインストールすればポータブルで使えると言うのはすぐ気付いたんですが、このExpand FSのことが分かるまでちょっと悩みました。これでMicroSDカードいっぱいまで領域が大きくなります。
数分かかります。
11. LMSタブをクリック
LMS設定画面
12. Install LMSを実行します。
多少時間がかかります。
ボタン押してリブートします。これでレンダラーとメディアサーバーが両方ラズパイ上で動いている状態になります。
13. WiFi Settingsタブをクリック
SSIDとパスワード入力します。
14. ここはオプションですが、Tweaksタブをクリック
Tweaksは小技とか言う意味です。この辺に魅惑の設定がたくさんあってわくわくします 笑
オススメは次の二点です。
Tweaks設定画面
14-1 Overclockオプション
この辺はまたあとで書きます。Advanced overclockというオプションもありますが、別ボタンになっていて、動かなくなったときの回避方が書いてあるのが恐怖をそそります 笑
14-2 Shairport-syncオプション
これでAirPlayが使えるようになります。これをオン(enable)にするとモジュールがダウンロードされます。
なおたまにこれやってもAirPlayがオンにならない場合がありますので、次の14-3でShairportがオンにならなかったら、この設定をいったんオフにしてリブート、もう一度オンにしてリブートしてください。
14-3 Mainタブをクリックして、
squeezelite、LMS、Shairport(AirPlay)が動作していること(緑のチェック)を確認する
なるべくひとつの機能をオンにしたらリブートして、これを繰り返した方が無難です。
* ALACとWMAを再生するためにはMain PageタブのSelect and update Squeezeliteの項目でffmpeg versionをインストールしてください(ただしSqueezeliteのサイズが大きくなります)
15. LMSタブをクリック(中段ではなく最上段のタブ)
17. LMSタブでログイン画面を出してMySqueezeboxのアカウントを入力
一番下のNextまたは「次」を押す
19. 音源はいっているフォルダを指定する(選択する)
一番下のNextまたは「次」を押す
20. プレイリスト作るフォルダを指定
一番下のNextまたは「次」を押す
21. Finishで終わり。
これ以降は右下のSettingでLMSの設定を変更します。するとLMS設定の別画面が出てきます。
LMS設定画面
* 操作方法
piCorePlayerの操作はWebUIによる方法と、アプリによる方法があります。WebUIはVolumioやRuneaudioとは少し違います。設定画面でも基本的な操作は可能ですか、実際に使うにはLMS側の画面(一番上のタブで切り替え)を使うことになります。これはスマートフォン対応がなくやりにくいのでアプリをお勧めします。
LMSのWebUI操作画面
WebUIはPCだと使いやすいので動作確認時か家で使う時がよいでしょう。
実際このpiCorePlayerを使う大きなメリットが優れたリモートアプリを使えると言うことです。お勧めは定番のiPengで、これはMPDにおけるMPoDとは接続安定性、操作性、機能性のすべてでレベルが違います。iPengはClassicと最新の9がありますが、私はiPeng 9(1000円)を使っています。後でふれますが、iPhoneをLMSのレンダラーにできるオプション(600円)があります。
音源はUSBメモリに入れておきます(LMSが現在USBメモリしか読めません)。
立ち上げはラズパイにバッテリー電源をつなぐとスイッチオンです。立ち上げからWiFiに認識されるまでにはたぶん数分かかります。Squeezeliteは10-15秒で立ち上がるそうですが、LMSとネットでの認識が時間がかかってると思います。
iPengプレーヤー画面
iPeng(私はipeng9)を立ち上げるとしばしして自動的にpiCorePlayerを見つけてきます。数分程度かかります。
このプレーヤー画面では最上段のpiCorePlayerがLMS(サーバー)のことで、中段のpiCorePlayerはレンダラーであるSqueezeliteのことです。この状態で単体プレーヤーとして機能しています。下段のiPhoneはiPengをレンダラーとして使う場合にここを選択してスイッチします。このときはLMS(ラズパイ)の音源をiPhoneでストリーミング再生できます。
WiFi接続もVolumioにMPodを使っていると外でよくフリーズしたり動かなくなりますが、iPengはかなり安定して接続しています。まるでiPhoneの単体音楽再生アプリのように使えます。これは高いアプリだけありますね。
iPeng操作画面
iPeng(piCorePlayer)の接続が確立したら操作画面に移ります。piCorePlayerと書かれた上下のバーで画面切り替えをします。
再生画面は3枚の画面があって、フリックで切り替えます。真中は再生画面、左は歌詞画面、右は曲リスト(キュー)です。歌詞はメタデータではなくサーバーから取ってきているようです。詳細は省きますが、使えない場合はLMS設定でプラグインが足りない場合があります。
再生画面ではアルバムアートを長押しするとコンテキストメニューと言うか別画面に行ってお気に入り登録などができます。
iPnegアルバム、アーティスト選択画面
再生から<"で戻ると上のようにアルバムやアーティスト、ランダム再生やフォルダー再生などができます。すべて説明しませんが、ポイントはアルバムの曲リストを開いているとき、右上の再生マークアイコンをクリックで切り替えることでモードが切り替えられます。これでMPD系で言うところのPlay nextやClear&Play Nextの使い分けができます。すぐ再生したい場合はアルバム表示のモードで再生モードにし、追加モードにするとキューにたまります。
iPengでは日本語表示はできますが、文字化けすることもありここが難点ではあります
iPengの有料オプションでiPhoneがレンダラーになれるものがあります。EXtrasからたどれます。この場合はラズパイは単なるサーバーとなり、iPengでの再生はiPhoneから出力されます。これもけっこう音が良いので試してみるとよいと思います。
これはこれでラズパイをポータブルミュージックサーバーに使用して、iPhoneで再生ができますので応用は広がります。
iPengはあくまでSqueezeboxのプレーヤーなので、piCorePlayerの設定はできません。
piCorePlayerの設定はさきに書いた設定画面、またはLMSの設定画面になります。つまり設定はpiCorePlayer画面とLMS画面では別々になります(もともとは別のソフトなので)。
LMS側の操作(管理)は次のようなものです。
USBメモリの音源の指定、プレイリストの格納場所、ライブラリの再スキャン、プラグインのインストール
これらの音源関係の管理はLMS設定で行います。
シャットダウンは正式にはラズパイのpiCorePlayer設定WebUIからShutdownを選択します。piCorePlayerはメモリ展開なので電源ぶちきりでも良いと言いますが、LMSがあるので本来はShutdownした方がよいと思います。シャットダウン時にアクセスランプがつくのでなにかライトバックして同期してます。
ただいちいち設定UIにつなぐのも面倒なのでたいていはアクセスランプがついてないのを見て電源をぬいちゃってます。
またこのほかにもRoonからもSqueezeboxがゾーンとして認識できるので、Squeezeboxゾーンで見えるはずですが、いまのところうまく見えていません。
* 音質
かなりワイドレンジで、超低域も高域も驚くほど出ます。音像はキッチリしてシャープです。特に感じるのは平面的ではない音の深みと言うか立体感で、これは前にVolumioで聴いてた時とも共通してます。価格以上の音質で、まず文句はでないでしょう。Volumioとくらべてもこちらの方がよりよいように感じられます。
透明感も高く、背景も静粛な方だと思います。ノイズだらけと言われるコンピュータをそのまま入れてますが、そう問題があるようには思えないですね。知覚できるようなプチノイズはもちろんないし、微妙なノイズでノイズフロアが上がってSNが下がるという感じでもないです。
音質はもちろんPortaphile627の高音質込みだけれど、Portaphile627やLayla UFのように最高レベルで聴いてても十分負けない音をDAC+とラズパイが出している点に驚かされます。
このソフトのよいところはオーバークロックが簡単にできる点です。オーバークロックすると音がより先鋭に変わります。
mildでエッジがキリッとして、moderateでさらにアタックも強くなりますが、ちょっとガチャガチャ聞こえる感もあるかもしれません。好みもあるかもしれません。また予想通り電池消費は増えてMildでも2500mAhの電池は3時間弱程度しか持ちません。まだ見ていませんが、VolumioよりもpiCorePlayerとLMSの組み合わせ自体が電池消費が激しいのかもしれません。二つ違うものを動作させていますからね。
またこのオーバークロック設定を見てみると、raspi-configでの設定と似ているので、もしかするとラズパイ2では実はアンダークロックで動いているのかもしれませんが(mildでarm_frq=800だから)、この辺はまた調べてみます。いずれにせよ音質は標準状態から変わりますので試してみると面白いと思います。
音質を変えると言う点では、設定ページでのMainタブにふた通りのpiCorePlayerのビルドバージョンが用意されていて、これを変えても微妙に音質が変わるので変えてみても面白いと思います。
* まとめ
まとめると、piCorePlayerを使用してできることは以下の4点です。
1. USBメモリの音源を呼んで再生する
2. AirPlayでiPhoneから音楽を再生する
3. USBメモリの音源をiPhoneにストリーミングする
4. Roonからストリーミング再生する(未確認)
piCorePlayerを使う利点はと言うと、音質が良い(好みもありますが)とSqueezeboxの資産としてクライアントが充実しているので使いやすいと言う点だと思います。iPengだけではなく、他にもいろいろとあります。
RAM上にすべて展開するので電源ぶち切りできると言う利点はこの形態ではLMSと同居させているのであまり言えないかもしれません。(ぶち切りしていますが)
SqueezeliteとLMSの併用は便利ではありますが、ブート速度やぶち切り可能などSqueezeboxの家電的な有利さをちょっと損なってはいるかもしれません。
またVolumioなどのMPDディストリビューション系に比べると設定などでマニアックな追い込みもできます。(MPD系もファイルを手でいじればできますが)
もちろんポータブルだけではないので、今までMPD系のVolumioなどを使ってた方も試してみてください。
ラズベリーパイを使うというと、いままではDIY系の人が多かったと思いますが、ここに書いてきたことははんだごては必要ありませんので誰にでも試してみることができます。
それと今回Squeezboxのことをまじめに調べてみて、かなり優れたコンセプトだったということに改めて気がつかされました。使ってみるとそのコンセプトやユーザビリティ、音質などかなり優れていると思います。LMSからiPhoneにストリーミングできるところもSqueezeboxらしい良さで、これだけでポータブルアンプ無しで運用するのもアリだと思います。
Squeezeboxは時代に早すぎたと思いますね。いまのストリーミング時代ならちょうどよいかもしれません。また操作性に関しても、iPnegのような高度なクライアントアプリでの操作はVolumioやRune AudioのWebUIやMPoDとは別次元の快適さです。この辺は一度は商品として世に出ていたシステムのことはあります。
ちょっとこのSqueezeboxエコシステムの中で少し使ってみようと思ってます。
このラズパイ使ったポータブルアンプのシステムもなかなかまじめに使えるようになりました。操作はiPhoneで快適にでき、電源落とすときに難がありますが、音質も価格にしてはかなり良いですね。
ポケットにコンピュータいれてポータブルアンプで、サーバー設定変えながらリブートを繰り返し、あーでもないこーでもないと音質のチューニングやってるとあっという間に駅に着きますので、乗り過ごしにご注意を。(実際やりました。。)
Music TO GO!
2016年03月30日
2016年03月29日
JH Audio LaylaII,RoxanneII,AngieII発売!
すでに発表はされていますが、いよいよJH AudioのSirenシリーズの第二世代である「フルメタルシリーズ」JH Audio LaylaII,RoxanneII,AngieIIが発売されます。発売日は4/2ということです。「Rosie」につきましては、準備が整い次第の発売となるということです。
この新シリーズ機はフルメタルジャケットの名の通りにハウジングがメタル素材を使ってます(ちなみにフルメタルジャケットの元の意味は貫通力が高い被覆弾のこと)。LaylaIIはチタンシェル、RoxanneIIとAngieIIはアルミシェルです。またRoxanneIIはクロスオーバーがLayla同様に4次に変わっています。
左からLaylaII,RoxanneII,AngieII
この第二世代ではケーブルも刷新されています。この辺をMoon AudioのDrewさんに聞いてまとめた記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/432056785.html
音的にもみな個性的です。端的に言うと、LaylaIIは一番整っていてワイドレンジ、RoxanneIIは至高のロックンロールサウンド、AngieIIはヴォーカルの良さで真価を発揮する、などでしょうか。Rosieもまたちょっと違います。
ジェリーは実に入念に考えてこれらのキャラクターを作り分けて設計していると思います。この進化したSirenシリーズをぜひ聴いてみてください。
この新シリーズ機はフルメタルジャケットの名の通りにハウジングがメタル素材を使ってます(ちなみにフルメタルジャケットの元の意味は貫通力が高い被覆弾のこと)。LaylaIIはチタンシェル、RoxanneIIとAngieIIはアルミシェルです。またRoxanneIIはクロスオーバーがLayla同様に4次に変わっています。
左からLaylaII,RoxanneII,AngieII
この第二世代ではケーブルも刷新されています。この辺をMoon AudioのDrewさんに聞いてまとめた記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/432056785.html
音的にもみな個性的です。端的に言うと、LaylaIIは一番整っていてワイドレンジ、RoxanneIIは至高のロックンロールサウンド、AngieIIはヴォーカルの良さで真価を発揮する、などでしょうか。Rosieもまたちょっと違います。
ジェリーは実に入念に考えてこれらのキャラクターを作り分けて設計していると思います。この進化したSirenシリーズをぜひ聴いてみてください。
Edition7を復刻したTribute 7発表!
なんとあのUltrasoneの名作、Edition 7を復刻したTribute 7(トリビュート・セブン)が発売されるということです。世界限定で777台ということです。オリジナルのEdition7 のサウンドを忠実に復刻
(Edition7 との周波数特性比較測定グラフを同梱)して、現代のニーズにマッチした特徴を備えているということで、細かい仕様や日本での発売時期は未定ということです。画像からはケーブルがオリジナルとは異なるのがわかります。
Tribute 7
Edition 7といえば世界限定で999台生産で当初は驚くほど高価なヘッドフォンとして知られていました。当時はオーテクのL3000と双璧をなしていたハイエンドヘッドフォンの嚆矢にしてeditionシリーズの元祖と言えます。そしてなにより、このEdition7からいまのこの隆盛を極める「ヘッドフォンオーディオ」が始まったとも言っても過言ではありません。質の高いヘッドフォン製品だけではありません、ここからその文化が始まったんです。
当初は指をくわえていた私も価格が下がってから購入しました。記事はこちらにあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/7499810.html
その後にバランス化もしました。いまではバランス駆動なんて当たり前のことですが、これはまだ2007年でした。とにかく最高の音を求めていたんです。そうした「今までとは違う」という感覚は私だけではなく、連鎖的にこの世界を活性化させていくことになります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/47389041.html
のちにEdition9、Edition10と続いていくこのシリーズですが、やはり「7」は特別な存在だったと思います。
そしてそれが帰ってきます。
(Edition7 との周波数特性比較測定グラフを同梱)して、現代のニーズにマッチした特徴を備えているということで、細かい仕様や日本での発売時期は未定ということです。画像からはケーブルがオリジナルとは異なるのがわかります。
Tribute 7
Edition 7といえば世界限定で999台生産で当初は驚くほど高価なヘッドフォンとして知られていました。当時はオーテクのL3000と双璧をなしていたハイエンドヘッドフォンの嚆矢にしてeditionシリーズの元祖と言えます。そしてなにより、このEdition7からいまのこの隆盛を極める「ヘッドフォンオーディオ」が始まったとも言っても過言ではありません。質の高いヘッドフォン製品だけではありません、ここからその文化が始まったんです。
当初は指をくわえていた私も価格が下がってから購入しました。記事はこちらにあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/7499810.html
その後にバランス化もしました。いまではバランス駆動なんて当たり前のことですが、これはまだ2007年でした。とにかく最高の音を求めていたんです。そうした「今までとは違う」という感覚は私だけではなく、連鎖的にこの世界を活性化させていくことになります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/47389041.html
のちにEdition9、Edition10と続いていくこのシリーズですが、やはり「7」は特別な存在だったと思います。
そしてそれが帰ってきます。
2016年03月24日
Astell & Kern AK380 アンプ Coppperレビュー
ポタ研の記事にも書きましたが、いよいよAK380の合体アンプのCopper版である「Astell & Kern AK380 アンプ Coppper」が発売されます。予約は先週開始していて、今週の土曜日に販売開始されます。価格はオープンですが、参考の直販価格は149,980円(税込)です。
これは機能的には既発売のAK380アンプと同等ですが、ボディ素材をAK380 Copper同様に99.9%純銅で製作したものです。これによってAK380 Copper同様に音質の向上が図れます。
* 外観
箱はAK380 Copperの箱を少し薄くした感じで、箱自体が明るい銅色をしています。
外箱、内箱にくるまれた本体はAstell & Kernの標準どおりに高級感のあるものです。
AK380 Copperと組み合わせると、きらきらとした輝きがいっそうきわだつと共に、ずっしりとした重みを感じます。AK380 アンプ Copperは背面も銅なので、AK380 Copperよりも全体のきらきらした感じはかなり高くなります。美しく、独特でオーラが際立ってますね。まるで金塊を持っているようです(持ったことありませんが)。
重さはバッグに入れられないほどではないと思いますが、手に持つと重さで落としそうになるので注意したほうがよいですね。
音質はJH Audio Layla UFにMoon AudioのBlack dragon v2で聴きました。これとAK380 copperは最近のお気に入りですので、その慣れた組み合わせで聴いてみます。いままではAK380 Copperに通常の380アンプをつけるとcopperの良さがなくなるように思えて、もっぱらcopperは単体で使ってました。そのためこのCopperのためのアンプ、「 AK380 アンプ Coppper」rは待望の品だったわけです。
* 音質
AK380 アンプ Copperは2日くらいエージングしてから聴きました。まず低ゲインで聴いてみます。聴いてみるとやはりCopper同士の音の相性は素晴らしく、AK380 Copperの良い個性をそのままに、音性能をさらに高みに引き上げてくれます。
まず透明感がひときわ高くなり、楽器の音もさらに美しく響くようです。ベイヤーのバロックヴァイオリンの音は何回も聴いたトラックなんですが、はじめて感じるその鮮やかさにハッとしてこんな良録音あったっけと思ったほどです。Laylaにしてはじめての音体験を味わわせてくれます。最高のさらに上があると言う感じ。
試しにアンプを切って普通の端子から聴き比べると、やはり380 Copperらしい良い音ではありますが、さっきの聴いたことのない鮮明さ・美しさはなくなってしまいます。
女性ヴォーカルの細やかな声がさらに気持ちよく、ピアノの調べの美しい曲なんか惚れ直すでしょう。中高域だけではなく、低域もより低い音がぐっと沈み込むように深く量感も感じられます。さらなるワイドレンジ感も高く、高い音域はさらに高く伸び、低い方はさらに低い方まで出るように感じます。
また音の切れの良さがよりシャープでかつ滑らかになり、強弱のコントラストがより明瞭に感じられます。この切れの良さはそのままロックでのダイナミックなアタック感の気持ち良さにもつながります。
実のところ、標準のAK380に標準の380専用アンプをつけても低ゲインでこれだけ大きな差は出ません。このアンプCoperの低ゲインでの差は標準380に標準AMPをつけた時より大きいと感じます。一応アンプのありなしで比較してみましたが、380持ってる人なら比べなくても分かると思うくらいの差があります。私には回路設計を変えたか、パーツをよりグレード高くしたとしか思えません。
* アンプ組み合わせ
次にAK380 Copper、AK380標準、AK320と、標準380アンプと380アンプ Copperを組み合わせていろいろと試してみました。
AK380標準+標準アンプで聴いてから、アンプだけをアンプ Copperに変えるとAK380標準がAk380 Copperのような感じの(同じではありませんが)広がりが増して豊かで厚みある表現に変わり、個性が変わる感じです。アンプ Copperの音の支配力はそれなりに大きいと言えます。
AK380 copperに標準アンプはメリットが少ないと思うけれど(鳴らしにくいものを鳴らすという意味以外では)、AK380標準にアンプcopperの組み合わせは良いと思います。音に上質な豊かさと広がりが加わります。AK380標準+アンプcopperからアンプ標準にもどすと、なにかもの足らなくなります。
AK320に関しては380に比べるとはじめから味付け(低域と高域の強調)がされていて、単体でも聴きやすい音になっているとは思いますが、アンプを付加すると音質はまた良くなります。AK320に標準アンプを加えると、音全体の厚みが増すと言うか重みが乗り、それをアンプcopperに変えるとさらに厚みとスケール感を増す感じとなります。段階的に良くなっていくという感じでしょう。
* まとめ
AK380 Copperにアンプ Copperの組み合わせはたしかに重いけれど、この音を聴くと重さは忘れると思います。重くても良い音を聴きたいときはこれ、という感じですね。なにしろこの良い音というのは透明感やワイドレンジという性能的な面と、音の響きが美しいの両方とも満たしてくれます。
AK380がAK380の型番のままでさらなる高みに到達したといえばよいでしょうか。一度この世界にひたると、高ゲインが必要でないカスタムでも、常にアンプcopperを手放せないと思います。
はじめはAK380 Copperは単体でも重いから能率が低い鳴らしにくいヘッドフォンのために合体アンプを付け、高能率イヤフォンでは単体で聴こう、と考えるかもしれません。しかし、この組み合わせを聴いてしまうとおそらくはずっとアンプ copperをつけたままにするでしょう。そうした意味ではcopperの良さの個性を保ったままさらに突き詰めた感じで、やはりこのアンプCopperとAK380 Copperの組み合わせはAK380 copperの完成系と言えると思います。
これは機能的には既発売のAK380アンプと同等ですが、ボディ素材をAK380 Copper同様に99.9%純銅で製作したものです。これによってAK380 Copper同様に音質の向上が図れます。
* 外観
箱はAK380 Copperの箱を少し薄くした感じで、箱自体が明るい銅色をしています。
外箱、内箱にくるまれた本体はAstell & Kernの標準どおりに高級感のあるものです。
AK380 Copperと組み合わせると、きらきらとした輝きがいっそうきわだつと共に、ずっしりとした重みを感じます。AK380 アンプ Copperは背面も銅なので、AK380 Copperよりも全体のきらきらした感じはかなり高くなります。美しく、独特でオーラが際立ってますね。まるで金塊を持っているようです(持ったことありませんが)。
重さはバッグに入れられないほどではないと思いますが、手に持つと重さで落としそうになるので注意したほうがよいですね。
音質はJH Audio Layla UFにMoon AudioのBlack dragon v2で聴きました。これとAK380 copperは最近のお気に入りですので、その慣れた組み合わせで聴いてみます。いままではAK380 Copperに通常の380アンプをつけるとcopperの良さがなくなるように思えて、もっぱらcopperは単体で使ってました。そのためこのCopperのためのアンプ、「 AK380 アンプ Coppper」rは待望の品だったわけです。
* 音質
AK380 アンプ Copperは2日くらいエージングしてから聴きました。まず低ゲインで聴いてみます。聴いてみるとやはりCopper同士の音の相性は素晴らしく、AK380 Copperの良い個性をそのままに、音性能をさらに高みに引き上げてくれます。
まず透明感がひときわ高くなり、楽器の音もさらに美しく響くようです。ベイヤーのバロックヴァイオリンの音は何回も聴いたトラックなんですが、はじめて感じるその鮮やかさにハッとしてこんな良録音あったっけと思ったほどです。Laylaにしてはじめての音体験を味わわせてくれます。最高のさらに上があると言う感じ。
試しにアンプを切って普通の端子から聴き比べると、やはり380 Copperらしい良い音ではありますが、さっきの聴いたことのない鮮明さ・美しさはなくなってしまいます。
女性ヴォーカルの細やかな声がさらに気持ちよく、ピアノの調べの美しい曲なんか惚れ直すでしょう。中高域だけではなく、低域もより低い音がぐっと沈み込むように深く量感も感じられます。さらなるワイドレンジ感も高く、高い音域はさらに高く伸び、低い方はさらに低い方まで出るように感じます。
また音の切れの良さがよりシャープでかつ滑らかになり、強弱のコントラストがより明瞭に感じられます。この切れの良さはそのままロックでのダイナミックなアタック感の気持ち良さにもつながります。
実のところ、標準のAK380に標準の380専用アンプをつけても低ゲインでこれだけ大きな差は出ません。このアンプCoperの低ゲインでの差は標準380に標準AMPをつけた時より大きいと感じます。一応アンプのありなしで比較してみましたが、380持ってる人なら比べなくても分かると思うくらいの差があります。私には回路設計を変えたか、パーツをよりグレード高くしたとしか思えません。
* アンプ組み合わせ
次にAK380 Copper、AK380標準、AK320と、標準380アンプと380アンプ Copperを組み合わせていろいろと試してみました。
AK380標準+標準アンプで聴いてから、アンプだけをアンプ Copperに変えるとAK380標準がAk380 Copperのような感じの(同じではありませんが)広がりが増して豊かで厚みある表現に変わり、個性が変わる感じです。アンプ Copperの音の支配力はそれなりに大きいと言えます。
AK380 copperに標準アンプはメリットが少ないと思うけれど(鳴らしにくいものを鳴らすという意味以外では)、AK380標準にアンプcopperの組み合わせは良いと思います。音に上質な豊かさと広がりが加わります。AK380標準+アンプcopperからアンプ標準にもどすと、なにかもの足らなくなります。
AK320に関しては380に比べるとはじめから味付け(低域と高域の強調)がされていて、単体でも聴きやすい音になっているとは思いますが、アンプを付加すると音質はまた良くなります。AK320に標準アンプを加えると、音全体の厚みが増すと言うか重みが乗り、それをアンプcopperに変えるとさらに厚みとスケール感を増す感じとなります。段階的に良くなっていくという感じでしょう。
* まとめ
AK380 Copperにアンプ Copperの組み合わせはたしかに重いけれど、この音を聴くと重さは忘れると思います。重くても良い音を聴きたいときはこれ、という感じですね。なにしろこの良い音というのは透明感やワイドレンジという性能的な面と、音の響きが美しいの両方とも満たしてくれます。
AK380がAK380の型番のままでさらなる高みに到達したといえばよいでしょうか。一度この世界にひたると、高ゲインが必要でないカスタムでも、常にアンプcopperを手放せないと思います。
はじめはAK380 Copperは単体でも重いから能率が低い鳴らしにくいヘッドフォンのために合体アンプを付け、高能率イヤフォンでは単体で聴こう、と考えるかもしれません。しかし、この組み合わせを聴いてしまうとおそらくはずっとアンプ copperをつけたままにするでしょう。そうした意味ではcopperの良さの個性を保ったままさらに突き詰めた感じで、やはりこのアンプCopperとAK380 Copperの組み合わせはAK380 copperの完成系と言えると思います。
2016年03月21日
ラズベリーパイとポータブルアンプのアナログ接続 (HiFiBerry DAC+)
前の記事ではHiFiBerry Digi+を使ってデジタル出しでMojoと組み合わせましたが、今度はアナログ出しでDAPのようにポータブルアンプに組み合わせてみました。iPodではなくコンピュータをバンドでポータブルアンプに固定するわけです。ポータブルPCオーディオみたいな感じですね。
I2S接続するHAT DACはHiFiBerry DAC+です。DAC+には通常のRCA版もありますが、これはミニ端子のアナログ出力版で、出力端子がHAT基盤の下に実装されてるので高さが抑えられて普通のケースが使えます。下記リンクのDAC+ Standard Phoneです。私はこのサイトで買いました。
https://www.hifiberry.com/dacplus/
使われてるDAC ICは記載がありませんが、ラズパイ側から確認するとIQAudioと同じくバーブラウンのPCM5122のようです。下の写真はRaspberry Pi2につけた状態です。
ラズパイのソフトウエアは今回はVolumio 1.55を使ってます。始めはMoode Audioを使ったんですが、なぜかDigi+はオーケーなのにDAC+ではノイズが乗るのでVolumioにしたところ問題なくなりました。いずれにせよHiFiBerryは定番なのでドライバーサポートは問題ありません。
今回はVolumioのアップサンプルをオンにしてます。Fast/Medium/Bestと設定がありますが、いろいろ試してみるとBestだとグリッチのプツプツが出るのでMedium(中品質)にしました。
Mediumでも192だとグリッチしますので、Medで96/24変換するのが最も良いと思います。
AirPlayでもアップサンプル効いてると思いますが、この辺がポータブルアンプに普通のコンピュータであるラズパイを載せるメリットになるでしょうね。
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile Micro
今回はケースとバッテリーを工夫してポータブルアンプに乗せやすいようにして実際に外で使ってみました。
ケースは普通のケースに側面を空けても、けっこう上下のスペーサーの幅があるので積層型を使いました。なるべくコンパクトにするために標準の板の順番はちょっと変えてHATをカバーするのに底面用の板を使ったりしてます。
バッテリーは2500mAhの超薄型(5V/1A)を使いました。ラズパイ2とDAC+は1Aで大丈夫だと思います。
ケーブルは一般的なU字ケーブルを使いましたので、アナログ出力が横から出ているためにラズパイをアンプに直交させておく必要がありますが、L字コネクタ(ライトアングル)のミニミニケーブルを使えばラズパイをアンプに対して普通のDAPを置くように縦置きに出来ると思います。
ラズパイとポータブルアンプを縦に重ねた状態
ネットはWiFiルーターを使用してます。私はだいたいWiMaxルーターをいつも持ってるのでそれを使っています。WiFiルーター持ってればApple MusicもWiFi接続の高品質で再生できます。
操作はiPhoneからhttp://volumio.localで入ってウエブインターフェイスでも良いし、MPoDアプリでも可能です。動作自体はMPoDの方が快適ですが、たまに繋がりにくくなるのでもう少しよいアプリがあればよいのですが。(Rune AudioはAndroidで専用アプリがあります)
このラズベリーパイとポータブルアンプの組み合わせは実際やってみたら驚くほど音質が良い感じです。最高レベルポータブルアンプのPortaphile627と組み合わせてみましたが、いつものDAPともまた違う感じの良い音です。空間表現が広く音場に深みがあるのが特徴です。24bit変換してることもあるけど、独特の良さがあります。
透明感も高くクリアで、周波数の再現性もワイドレンジで低い方から高い方までかなり出てるようです。超低域も十分出ていると思います。解像力もわるくないようです。価格からはちょっと思えないくらい。
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile 627
バッテリーの持ちに関しては、2500mAhの容量だと持たないかと思ったんですが、思ったよりも持つ感じです。実測でつけっぱなしにすると、Vilumio 1.55 アップサンプルon、HiFiberry DAC+、Raspberry pi2、44/16音源再生という条件ですが先にアンプの電池が切れました。Portaphileはあまり持たないんですが、4.5時間ほどでした。ラズパイ自体はもっと行くでしょう。
特にCPUフィンとかつけてませんが、ずっとバッグに入れて熱暴走する感じでもなかったですね。
ラズパイ3ならアップサンプルもBestでできるかと思いますが、ただバッテリーが。。
ちょっとブートに時間がかかるのが難ですが、意外と普通に使えるので、これは取っておいてラズパイ2をもう一個買おうと考えてます。
以下今回買ったもののリストを上げておきます。
I2S接続するHAT DACはHiFiBerry DAC+です。DAC+には通常のRCA版もありますが、これはミニ端子のアナログ出力版で、出力端子がHAT基盤の下に実装されてるので高さが抑えられて普通のケースが使えます。下記リンクのDAC+ Standard Phoneです。私はこのサイトで買いました。
https://www.hifiberry.com/dacplus/
使われてるDAC ICは記載がありませんが、ラズパイ側から確認するとIQAudioと同じくバーブラウンのPCM5122のようです。下の写真はRaspberry Pi2につけた状態です。
ラズパイのソフトウエアは今回はVolumio 1.55を使ってます。始めはMoode Audioを使ったんですが、なぜかDigi+はオーケーなのにDAC+ではノイズが乗るのでVolumioにしたところ問題なくなりました。いずれにせよHiFiBerryは定番なのでドライバーサポートは問題ありません。
今回はVolumioのアップサンプルをオンにしてます。Fast/Medium/Bestと設定がありますが、いろいろ試してみるとBestだとグリッチのプツプツが出るのでMedium(中品質)にしました。
Mediumでも192だとグリッチしますので、Medで96/24変換するのが最も良いと思います。
AirPlayでもアップサンプル効いてると思いますが、この辺がポータブルアンプに普通のコンピュータであるラズパイを載せるメリットになるでしょうね。
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile Micro
今回はケースとバッテリーを工夫してポータブルアンプに乗せやすいようにして実際に外で使ってみました。
ケースは普通のケースに側面を空けても、けっこう上下のスペーサーの幅があるので積層型を使いました。なるべくコンパクトにするために標準の板の順番はちょっと変えてHATをカバーするのに底面用の板を使ったりしてます。
バッテリーは2500mAhの超薄型(5V/1A)を使いました。ラズパイ2とDAC+は1Aで大丈夫だと思います。
ケーブルは一般的なU字ケーブルを使いましたので、アナログ出力が横から出ているためにラズパイをアンプに直交させておく必要がありますが、L字コネクタ(ライトアングル)のミニミニケーブルを使えばラズパイをアンプに対して普通のDAPを置くように縦置きに出来ると思います。
ラズパイとポータブルアンプを縦に重ねた状態
ネットはWiFiルーターを使用してます。私はだいたいWiMaxルーターをいつも持ってるのでそれを使っています。WiFiルーター持ってればApple MusicもWiFi接続の高品質で再生できます。
操作はiPhoneからhttp://volumio.localで入ってウエブインターフェイスでも良いし、MPoDアプリでも可能です。動作自体はMPoDの方が快適ですが、たまに繋がりにくくなるのでもう少しよいアプリがあればよいのですが。(Rune AudioはAndroidで専用アプリがあります)
このラズベリーパイとポータブルアンプの組み合わせは実際やってみたら驚くほど音質が良い感じです。最高レベルポータブルアンプのPortaphile627と組み合わせてみましたが、いつものDAPともまた違う感じの良い音です。空間表現が広く音場に深みがあるのが特徴です。24bit変換してることもあるけど、独特の良さがあります。
透明感も高くクリアで、周波数の再現性もワイドレンジで低い方から高い方までかなり出てるようです。超低域も十分出ていると思います。解像力もわるくないようです。価格からはちょっと思えないくらい。
Raspberry PI2、HiFiBerry DAC+、Portaphile 627
バッテリーの持ちに関しては、2500mAhの容量だと持たないかと思ったんですが、思ったよりも持つ感じです。実測でつけっぱなしにすると、Vilumio 1.55 アップサンプルon、HiFiberry DAC+、Raspberry pi2、44/16音源再生という条件ですが先にアンプの電池が切れました。Portaphileはあまり持たないんですが、4.5時間ほどでした。ラズパイ自体はもっと行くでしょう。
特にCPUフィンとかつけてませんが、ずっとバッグに入れて熱暴走する感じでもなかったですね。
ラズパイ3ならアップサンプルもBestでできるかと思いますが、ただバッテリーが。。
ちょっとブートに時間がかかるのが難ですが、意外と普通に使えるので、これは取っておいてラズパイ2をもう一個買おうと考えてます。
以下今回買ったもののリストを上げておきます。
2016年03月18日
CanJam SoCal 2016開催とプレビュー
今週末はHeadFiのCanJam(旧全国大会)がカリフォルニアのサウスコーストプラザで開催されます。SoCalはSouth Californiaのことでロサンゼルスとかサンディエゴあたりのエリアのことです。
これに合わせてJudeが新製品のプレビュー動画をアップしてます。
http://www.head-fi.org/t/784296/canjam-socal-2016-march-19-20-2016/700_50#post_12422692
全部で50分くらいありますが、ざっと見て興味を引いたものを少し抜き出します。先頭の数字は時間です。
2:35 Nobleユニバーサル 普及モデル tridentやsabanna同じモデルでもリチューンされてるそう
4:50 HiFimanシャングリラ 静電型
5:44 HiFiman Edition S クローズとオープンのコンバーチブル
7:30 MrSpeaker Ehter 1.1(マイナーチェンジ)
7:45 MrSpeakerの静電型プロトタイプ!
9:58 Stax SRM212(新) アナログメーター付き
14:50 JudeがDaveの測定をしてそのすごさに驚いています
15:50 Epire earsに興味ある人どうぞ
28:58 Cavalli Spark(cavalliのポータブル)
29:53 Cavalli タングステン 真空管で新フラッグシップ
33:11 Warwick Adio 静電型
39:41 Audeze SineとDAC内蔵ニングケーブル
一番の驚きはやはりMrSpeakerの静電型でしょうか。全体的にも平面型の中でもオルソダイナミックではなく静電型が増えてきた印象です。また海外品でもAstell&KernとJHAはやはり日本の方が情報は進んでいますね。
さてふたを開けてまたなにか出るのでしょうか。
これに合わせてJudeが新製品のプレビュー動画をアップしてます。
http://www.head-fi.org/t/784296/canjam-socal-2016-march-19-20-2016/700_50#post_12422692
全部で50分くらいありますが、ざっと見て興味を引いたものを少し抜き出します。先頭の数字は時間です。
2:35 Nobleユニバーサル 普及モデル tridentやsabanna同じモデルでもリチューンされてるそう
4:50 HiFimanシャングリラ 静電型
5:44 HiFiman Edition S クローズとオープンのコンバーチブル
7:30 MrSpeaker Ehter 1.1(マイナーチェンジ)
7:45 MrSpeakerの静電型プロトタイプ!
9:58 Stax SRM212(新) アナログメーター付き
14:50 JudeがDaveの測定をしてそのすごさに驚いています
15:50 Epire earsに興味ある人どうぞ
28:58 Cavalli Spark(cavalliのポータブル)
29:53 Cavalli タングステン 真空管で新フラッグシップ
33:11 Warwick Adio 静電型
39:41 Audeze SineとDAC内蔵ニングケーブル
一番の驚きはやはりMrSpeakerの静電型でしょうか。全体的にも平面型の中でもオルソダイナミックではなく静電型が増えてきた印象です。また海外品でもAstell&KernとJHAはやはり日本の方が情報は進んでいますね。
さてふたを開けてまたなにか出るのでしょうか。
Astell & kernからAK380 アンプ Copperとクリスタルケーブルの3.5mm版登場
アユートさんではAstell&Kern AK380 アンプのボディ素材に、AK380 Copperと同様の純銅を採用した「Astell&Kern AK380 アンプ Copper」を3月26日(土)より発売を開始するということです。本日から予約開始です。価格はオープンですが参考の直販価格は149,980円(税込)です。ポタ研で試した時は音がさらに豊かでぶ厚くなる感じでした。特設サイトは下記です。
http://www.iriver.jp/products/product_124.php
またAstell&KernとCrystal Cable コラボ製品である「Crystal Cable Next」に、3.5mm3極プラグモデルが加わりました。既発売の2.5mm4極バランスモデルと同様に、MMCXとカスタムIEM 2pinの2タイプがあるということです。これでMojoなんかと組み合わせやすくなりますね。
Nextは笑ってしまうくらい音を劇的に変えますが、もとのイヤフォンの個性も残したままグレードアップさせます。下右のJH Audio TriFi(2.5mm使用)でもその大きな変化はちょっと形容のしようがないけど、ドラムを蹴るごとに耳の中で爆発が起きる感じ、でも滑らかで全然荒さがないんです。これはちょっと笑っちゃうぐらいすごいとしか言いようがありません。
(ちなみに私が持ってるNextケーブルは昨年生産版なので2ピンの場合は現行とは極性によるLR表示向きが片方違うかもしれませんので念のため)
http://www.iriver.jp/products/product_124.php
またAstell&KernとCrystal Cable コラボ製品である「Crystal Cable Next」に、3.5mm3極プラグモデルが加わりました。既発売の2.5mm4極バランスモデルと同様に、MMCXとカスタムIEM 2pinの2タイプがあるということです。これでMojoなんかと組み合わせやすくなりますね。
Nextは笑ってしまうくらい音を劇的に変えますが、もとのイヤフォンの個性も残したままグレードアップさせます。下右のJH Audio TriFi(2.5mm使用)でもその大きな変化はちょっと形容のしようがないけど、ドラムを蹴るごとに耳の中で爆発が起きる感じ、でも滑らかで全然荒さがないんです。これはちょっと笑っちゃうぐらいすごいとしか言いようがありません。
(ちなみに私が持ってるNextケーブルは昨年生産版なので2ピンの場合は現行とは極性によるLR表示向きが片方違うかもしれませんので念のため)
2016年03月17日
ラズベリーパイとポータブルDAC付きアンプの接続 (HiFiBerry Digi+)
ラズベリーパイをMojoと組み合わせてみました。デジタルで取り出すためにHiFiberry Digi+をトランスポートとして使用してデジタル信号でMojoに入力し、ラズベリーパイにインストールしたMoode Audio PlayerでUSBの音源やAirPlayをiPhoneから受けて再生ができます。下記例ではWiFi接続しています。
左は光デジタル、右は同軸デジタルで接続
USBを使う手もありますが、USBとネットのバス競合問題を避ける意味もあって、今回はGPIO経由のHATを使ってみました。HATはラズパイの増設ボードのことでHardware Attached on Topの略です。これによってネットでストリーミングを受けて、競合せずに別ルート(GPIO)でMojoに信号を送ることができます。
今回使用したHATはラズベリーパイのオーディオ関係では老舗的なHiFiBerryのDigi+です。Digi+はラズベリーパイとI2S(GPIO)で接続して、デジタル信号を送ることのできるトランスポートとして機能します。これでラズパイが純粋なトランスポートになるわけです。
HiFiBerry Digiには旧ラズパイ(26ピン)用のDigiと40ピンタイプのDigi+があります。またアイソレーションを高める出力トランス(SPDIFのみ有効)がオプションで指定できます。
リンクは下記で、価格は標準が$34.9、トランス付きが$44.9です。いずれにせよラズパイと足しても一万円ちょっとくらいなものです。私は下記サイト直で買いました。
https://www.hifiberry.com/digiplus/
HiFiBerry Digi+ (トランス付き)
ソフトウエアはRune AudioやVolumioではなくMoode Playerを使いました。これは特に理由はなく、たまたま今Moodeをいろいろ試して慣れていただけです。Digiは古いので、たいていのこうしたMPD系のLinuxディストリビューションではサポートされているはずです。ちなみにMoode AudioはMoodeOSという刷新版が近々に予定されています。
Moode Audioはラズベリーパイに特化したMPD系のLinuxディストリビューションで、サイトはこちら。
http://moodeaudio.org/
こうしたソフトウエアを使うことでラズパイの柔軟性が活かされ、MojoをiPhoneからAirPlayで使ったり、DLNA(uPnP)で使用したりとネットワーク的な使い方も可能です。もちろんUSBやカード内の内蔵音源にも対応します。
Digi+は光(角・TOSLINK)と同軸デジタル(RCA)が出力できます。光の場合はMojoとは角-角なので、手持ちのミニ丸->角ケーブルを使うには変換プラグを使いました。同軸ではRCAからミニになるので、iBasso Coaxケーブル(1300円くらい)を使用しました。
Digi+とiBasso CoaxケーブルとMojo
ラズパイ/Digi+とMojoシステムの音質はかなり良くて、試しにFLACでAK100と光ケーブルでくらべて聴き比べしてみました。ぱっと聴きは同じくらいですが、良く聴くと低音域ではAK100の方がよく、中音域ではラズパイ/Digiが聴きやすいという感じもします。
同軸でMojoと組み合わせたいという人にはラズパイ/Digiはよい組み合わせになるでしょう。なにしろiPhoneからリモートで操作ができます。
またDiGI+はいま付けていませんが、専用ケースもあります。もちろんラズパイなのでバッテリーでも動作します。
Moode Audio Player再生画面(iPhone)
一点注意ですが、Digi+は新しいラズベリーパイ3では(そのままでは)使えません。なぜかというとラズベリーパイ3ではI2SとBluetoothの競合問題が一部あるからです。これはすべてではなく、たとえばIQAudioのPI DAC+はそのままラズパイ3で使えます。特定のチャネルあるいはドライバーが競合するようです。当面はConfigファイルをいじってBTをつぶすことで回避できます(やり方はHiFiBerryのサイト参照)。
https://www.hifiberry.com/2016/03/important-news-on-compatibility-with-the-raspberry-pi-3/
今回使用したもののAmazonリンクもあげておきます。
左は光デジタル、右は同軸デジタルで接続
USBを使う手もありますが、USBとネットのバス競合問題を避ける意味もあって、今回はGPIO経由のHATを使ってみました。HATはラズパイの増設ボードのことでHardware Attached on Topの略です。これによってネットでストリーミングを受けて、競合せずに別ルート(GPIO)でMojoに信号を送ることができます。
今回使用したHATはラズベリーパイのオーディオ関係では老舗的なHiFiBerryのDigi+です。Digi+はラズベリーパイとI2S(GPIO)で接続して、デジタル信号を送ることのできるトランスポートとして機能します。これでラズパイが純粋なトランスポートになるわけです。
HiFiBerry Digiには旧ラズパイ(26ピン)用のDigiと40ピンタイプのDigi+があります。またアイソレーションを高める出力トランス(SPDIFのみ有効)がオプションで指定できます。
リンクは下記で、価格は標準が$34.9、トランス付きが$44.9です。いずれにせよラズパイと足しても一万円ちょっとくらいなものです。私は下記サイト直で買いました。
https://www.hifiberry.com/digiplus/
HiFiBerry Digi+ (トランス付き)
ソフトウエアはRune AudioやVolumioではなくMoode Playerを使いました。これは特に理由はなく、たまたま今Moodeをいろいろ試して慣れていただけです。Digiは古いので、たいていのこうしたMPD系のLinuxディストリビューションではサポートされているはずです。ちなみにMoode AudioはMoodeOSという刷新版が近々に予定されています。
Moode Audioはラズベリーパイに特化したMPD系のLinuxディストリビューションで、サイトはこちら。
http://moodeaudio.org/
こうしたソフトウエアを使うことでラズパイの柔軟性が活かされ、MojoをiPhoneからAirPlayで使ったり、DLNA(uPnP)で使用したりとネットワーク的な使い方も可能です。もちろんUSBやカード内の内蔵音源にも対応します。
Digi+は光(角・TOSLINK)と同軸デジタル(RCA)が出力できます。光の場合はMojoとは角-角なので、手持ちのミニ丸->角ケーブルを使うには変換プラグを使いました。同軸ではRCAからミニになるので、iBasso Coaxケーブル(1300円くらい)を使用しました。
Digi+とiBasso CoaxケーブルとMojo
ラズパイ/Digi+とMojoシステムの音質はかなり良くて、試しにFLACでAK100と光ケーブルでくらべて聴き比べしてみました。ぱっと聴きは同じくらいですが、良く聴くと低音域ではAK100の方がよく、中音域ではラズパイ/Digiが聴きやすいという感じもします。
同軸でMojoと組み合わせたいという人にはラズパイ/Digiはよい組み合わせになるでしょう。なにしろiPhoneからリモートで操作ができます。
またDiGI+はいま付けていませんが、専用ケースもあります。もちろんラズパイなのでバッテリーでも動作します。
Moode Audio Player再生画面(iPhone)
一点注意ですが、Digi+は新しいラズベリーパイ3では(そのままでは)使えません。なぜかというとラズベリーパイ3ではI2SとBluetoothの競合問題が一部あるからです。これはすべてではなく、たとえばIQAudioのPI DAC+はそのままラズパイ3で使えます。特定のチャネルあるいはドライバーが競合するようです。当面はConfigファイルをいじってBTをつぶすことで回避できます(やり方はHiFiBerryのサイト参照)。
https://www.hifiberry.com/2016/03/important-news-on-compatibility-with-the-raspberry-pi-3/
今回使用したもののAmazonリンクもあげておきます。
2016年03月12日
ピアノ協奏曲第一番 - キースエマーソン
ロックレジェンドの急逝が相次いでいますが、ELPのキースエマーソンが銃で自殺したというショッキングなニュースが今日飛び込んできました。この4月に来日公演も控えてたんですが、ニュースによると病気により右手の一部の指が動かずにキーボードを8本の指で弾かねばならないことでうつ状態にあったようです。
http://m.tmz.com/#article/2016/03/11/keith-emerson-death-suicide/
ELPといえば前に書いた吉松隆も「カバー」したタルカスもありますが、展覧会の絵をはじめ庶民のファンファーレやナットロッカー、ホウダウン、トッカータ、聖地エルサレムのような現代音楽やクラシックのカバー(アレンジ)曲が多いのも特徴です。プログレは端的にクラシックのロックアレンジのように言われることもありますが、実のところ他のメジャーバンドではこうしたアプローチは意外とないですね。
ELPというよりキースエマーソンのそうしたクラシック志向の集大成はWorksのキースのソロパートで作曲した「ピアノ協奏曲第一番」でしょう。ロックミュージシャンが普通のクラシックの曲を作曲するというアプローチは話題となりました。
ここではそのキースの曲を逆にクラシックの演奏家が「カバー」したバージョンをいくつかあげます。キース演奏の原曲とはまた違った味わいがあります。いずれにしろこの第二番をもう聴くことはできないのは残念なことです。R.I.P.
黒田亜樹(タルカスもカバーした)
Regina Strokosz - Michalak
Jeffrey Biegel(冒頭にキース本人が出ています)
http://m.tmz.com/#article/2016/03/11/keith-emerson-death-suicide/
ELPといえば前に書いた吉松隆も「カバー」したタルカスもありますが、展覧会の絵をはじめ庶民のファンファーレやナットロッカー、ホウダウン、トッカータ、聖地エルサレムのような現代音楽やクラシックのカバー(アレンジ)曲が多いのも特徴です。プログレは端的にクラシックのロックアレンジのように言われることもありますが、実のところ他のメジャーバンドではこうしたアプローチは意外とないですね。
ELPというよりキースエマーソンのそうしたクラシック志向の集大成はWorksのキースのソロパートで作曲した「ピアノ協奏曲第一番」でしょう。ロックミュージシャンが普通のクラシックの曲を作曲するというアプローチは話題となりました。
ここではそのキースの曲を逆にクラシックの演奏家が「カバー」したバージョンをいくつかあげます。キース演奏の原曲とはまた違った味わいがあります。いずれにしろこの第二番をもう聴くことはできないのは残念なことです。R.I.P.
黒田亜樹(タルカスもカバーした)
Regina Strokosz - Michalak
Jeffrey Biegel(冒頭にキース本人が出ています)
2016年03月07日
タイムロード・アユート合同Chord試聴会
先週木曜日に神楽坂のジャズライブハウスで、Chordの代表者ジョン・フランクスと設計者ロバート・ワッツを迎えてのChord技術についての講演会とメディア懇親会が開催されました。DAC64から日本にChordの良さを広めたタイムロードと、Mojoを中心にこれからポータブル方面にすそ野を広げていくアユートの合同開催になります。
ジョン・フランクス
前半はジョン・フランクス氏からChordの設立とワッツとの出会いからFPGAを用いたDACを採用してDAC64に至るまで、そしてMojoによってさらに裾野が広げられるまでを解説しました。ジョン・フランクス氏は情熱的と言うか、自分が持っていたオーディオの情熱をユーザーにも広げていきたいと言う感が良く伝わります。
後半ではロバート・ワッツ氏がChordのDAC技術について解説をしました。
ロバート・ワッツ
DACの音質を上げるためには時間精度が大事で、定位や楽器の音色も時間精度によって左右されるとのこと。サンプリングされたデータを時間精度良く元に戻せるかという点がキーだとのこと。そのためにはインターポレーションフィルターの補完精度が通常のDACでは不足していて、ワッツのデザインしたWTAフィルターにより正しく音色再現が可能だと言うことです。
Mojoでは採用したFPGAによる点が大きく、FPGAのコード自体はHugoと共通だが消費電力を大幅に減らせたそうです。またバッテリー技術の進歩も大事だったということ。
最新最高のDAVEについては通常のDACが100タップ程度の細かさなのに対して、164000タップものタップ長により高い補完精度を実現しています。またHugo開発においての経験からさらに細かい時間精度を追求したということ。またノイズシェーバーによって奥行きが変わると言うことで、新開発したがこれはノイズシェーパー単体でもHugoのFPGAには格納できないほどということで、さすがにDAVEは大きいだけのことはあります。結果は測定ができないほど低いレベルを達成したということ。
少し補足的に書くと、ChordのパルスアレイDACはFPGAを使ったDACのこと、と端的に書くこともありますが、実際はFPGAで行われてるのはこういったデジタルフィルタリング(WTAフィルターなど)のようなデジタルドメインの下ごしらえのようなもので、実際にデジタルをアナログに変換するのはFPGAを出たところにある抵抗などを組み合わせた回路です(HugoだとFPGAの左上あたり)。またFPGAではクロスフィードなども処理されます。
またChord製品ではDAC部分だけではなくアナログアンプの部分もロバートワッツの設計です(もとはアンプの設計者だったとのこと)。
全体にワッツはとても細かく小さな音レベルの世界にこだわり、そうした小さな音に着目することが大きな差をもたらすと言うことを言っているように思いました。
最後にDAVEをプリアンプとして使用してCHORDパワーアンプとTADスピーカーでマニフィカートを試聴再生しました。純粋で付帯音や着色がない感じで、自然な音色表現です。また言われているように奥行き感もよいように思いました。
ちなみにマニフィカートはDSDよりもPCMが良いそうで、PCM版で再生したのですが、これはChord側の意向ということです。終わってから懇親会のなかでなぜDSDよりPCMが良いのかと聞いたところ、ノイズシェーピングに関してDSDが良くないと言うことでした。これはロバートもジョンも同意見で、Mojo再生にお勧めはと聞いたところやはりPCMが良いだろうと言うこと。接続方法はUSBか光がお勧めだと言うことでした。
また懇親会のなかで流れで突如としてMojoのアクセサリーが紹介されました。
これはiFi MicroのようにiPhoneのCCKを直接接続できるアダプタです。端子はUSBの信号端子と電源端子が実装されていました。
この辺はきたる春のヘッドフォン祭で見られるとよいですね。
ジョン・フランクス
前半はジョン・フランクス氏からChordの設立とワッツとの出会いからFPGAを用いたDACを採用してDAC64に至るまで、そしてMojoによってさらに裾野が広げられるまでを解説しました。ジョン・フランクス氏は情熱的と言うか、自分が持っていたオーディオの情熱をユーザーにも広げていきたいと言う感が良く伝わります。
後半ではロバート・ワッツ氏がChordのDAC技術について解説をしました。
ロバート・ワッツ
DACの音質を上げるためには時間精度が大事で、定位や楽器の音色も時間精度によって左右されるとのこと。サンプリングされたデータを時間精度良く元に戻せるかという点がキーだとのこと。そのためにはインターポレーションフィルターの補完精度が通常のDACでは不足していて、ワッツのデザインしたWTAフィルターにより正しく音色再現が可能だと言うことです。
Mojoでは採用したFPGAによる点が大きく、FPGAのコード自体はHugoと共通だが消費電力を大幅に減らせたそうです。またバッテリー技術の進歩も大事だったということ。
最新最高のDAVEについては通常のDACが100タップ程度の細かさなのに対して、164000タップものタップ長により高い補完精度を実現しています。またHugo開発においての経験からさらに細かい時間精度を追求したということ。またノイズシェーバーによって奥行きが変わると言うことで、新開発したがこれはノイズシェーパー単体でもHugoのFPGAには格納できないほどということで、さすがにDAVEは大きいだけのことはあります。結果は測定ができないほど低いレベルを達成したということ。
少し補足的に書くと、ChordのパルスアレイDACはFPGAを使ったDACのこと、と端的に書くこともありますが、実際はFPGAで行われてるのはこういったデジタルフィルタリング(WTAフィルターなど)のようなデジタルドメインの下ごしらえのようなもので、実際にデジタルをアナログに変換するのはFPGAを出たところにある抵抗などを組み合わせた回路です(HugoだとFPGAの左上あたり)。またFPGAではクロスフィードなども処理されます。
またChord製品ではDAC部分だけではなくアナログアンプの部分もロバートワッツの設計です(もとはアンプの設計者だったとのこと)。
全体にワッツはとても細かく小さな音レベルの世界にこだわり、そうした小さな音に着目することが大きな差をもたらすと言うことを言っているように思いました。
最後にDAVEをプリアンプとして使用してCHORDパワーアンプとTADスピーカーでマニフィカートを試聴再生しました。純粋で付帯音や着色がない感じで、自然な音色表現です。また言われているように奥行き感もよいように思いました。
ちなみにマニフィカートはDSDよりもPCMが良いそうで、PCM版で再生したのですが、これはChord側の意向ということです。終わってから懇親会のなかでなぜDSDよりPCMが良いのかと聞いたところ、ノイズシェーピングに関してDSDが良くないと言うことでした。これはロバートもジョンも同意見で、Mojo再生にお勧めはと聞いたところやはりPCMが良いだろうと言うこと。接続方法はUSBか光がお勧めだと言うことでした。
また懇親会のなかで流れで突如としてMojoのアクセサリーが紹介されました。
これはiFi MicroのようにiPhoneのCCKを直接接続できるアダプタです。端子はUSBの信号端子と電源端子が実装されていました。
この辺はきたる春のヘッドフォン祭で見られるとよいですね。
2016年03月01日
RoonReadyとDLNAの構成と音を比べてみると
ラズベリーパイがRoonReadyとなることで、面白い実験ができます。
それはまったくハードウエア構成を同じにして、RoonとDLNAをシステムとして比較すると言うことです。
ラズベリーパイとIQAudio PI-DAC+ (専用ケース使用)
実のところ両者の位置づけは同一と言うわけではありません。Roonはネットワークがあってもなくても使えます。DLNAは基本的にネットワークでしか使えません、またネットワークを敷設しなければなりません。
よく日本ではUSB DACを使うものをPCオーディオ、DLNAネットワークプレーヤーを使うものをネットワークオーディオって呼んだりしますが、Roonの前にはそれは意味がありません。
しかしながら、RoonReadyという言葉はネットワーク機器に関する言葉であり、この観点からは比較ができます。
Roonは前回のAirPlayとの比較と同じです。DLNA(uPnP)はJRMCを使います。これでハードをRoonとDLNAでまったく同一にすることができます。ラズベリーパイでの違いはブートするMicroSDの中身だけです(RoonBridgeか、RuneAudio)。
プレーヤーがRoonとJRMCで違うじゃないかと言われるかもしれませんが、JRMCはコントローラとメディアサーバーだけで、実際に読んでデコードするのはRuneAudio(MPD)ですので違いはそこではなく、根本的な構成の差異になると思います。今回はハードウエアを同じにしているので、それらをどう使うか、そこで出る違いはRoonとDLNAのシステムとしての効率の違いと言っても良いと思います。
Roon側は下記のとおりです。
Roon
Roonの機器間接続と役割
PC : Roon - Control, Core
↓
有線ネットワーク - RAAT
↓
ラズベリーパイ : RoonBridge(Output) -> Pi-DAC+
Roonでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のRoon Controlの画面でライブラリから楽曲を選択
2.Roon Coreが選択された音源を読んでデコードします。(Coreは音源が何かを知っておく必要があります)
3.Roon Coreはデータストリームをネットワーク経由でRAATという手順でラズベリーパイのRoon Outputに送ります。
4.Roon Outputはデータを受けて、PI-DAC+ドライバーに送り音楽が再生されます。
JRiver Media Center
DLNAの機器間接続と役割
PC : JRMC - DLNAコントローラ、DLNAメディアサーバー
↓
有線ネットワーク - uPnP
↓
ラズベリーパイ : RuneAudio - DLNAレンダラー Pi-DAC+
DLNAでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のDLNAコントローラであるJRMC画面でライブラリから楽曲を選択します。
2.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioがDLNAメディアサーバーであるPC上のJRMCに楽曲を送るように要求します。
3.DLNAメディアサーバーであるJRMCがラズベリーパイのRuneAudioにデータを送ります。
4.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioが送られて来た音源を読んでデコードします。(RuneAudioは送られて来た音源が何かを知っている必要があります)
5.RuneAudio(MPD)がデータストリームをPI-DACドライバーに送り音楽が再生されます。
このRoonとDLNAシステムを試してみてわかったことは、まず音質については同じ音源で比較してみると、やはりRoonの方が全体にクリアでひとつひとつの楽器音が明瞭に聞こえます。これはハードが同じであるという点を考慮するとやはりRoonに分があるように思います。ソフトウエアにおいてRoonBridgeとRuneAudioを単純に比較できないと言うかもしれませんが、実のところRoonBridgeが軽量にできると言うのはRoonのコンセプトの一つですからこれも優位性に含めてもよいと思います。
また使い勝手・機能性と言う点ではJRMCは一般的な音楽再生ソフトのなかでももっとも多機能な方で、おそらく多くのDLNAコントローラより多機能ですが、それでもRoonにはライブラリ管理をはじめ使いやすさは及びません。(JRMCのなかでDLNAがおまけ的な機能でまじめに統合が考えられていないようにも思いますが)
設定でもJRMC上でレンダラーやサーバーの指定をするのも面倒ですが、Roonなら勝手に出力モジュール(RoonBridge)を見つけてきます。
構成と言う点ではRoonReadyシステムとDLNAシステムをくらべると、違いのポイントの一つは音源をどこで読むかということで、RoonReadyのラズベリーパイはFLACとかWAVの音源をどう読むかを知る必要はありませんが、RuneAudio(DLNA)のラズベリーパイは音源をどう読むかを知らねばなりません。
Coreはレンダラーとメディアサーバーを足したようにも見えますが、Coreはさらにたくさんのことができます。バックグラウンド処理でデータ解析をし、ライブラリのタグ情報データのメンテナンスもやります。CPU処理はかかってノイズがいっぱい出てファンが唸っても、Output部分とネットで切り離せば良いだけです。
RoonReadyの場合にはDSD512のデータを読もうと、768KHzのPCMを読もうと、オーディオ回路のある筐体のファンが悲鳴をあげることはないし、実のところRoonBridgeの場合にはラズベリーパイ2でも強力すぎなくらいだと思います。(パイ2だとやや発熱するので)
言い換えるとDLNAは分散型で、Roonは集中型です。それぞれの良い点もあるし、悪い点もまたあるかもしれません。
今回のDLNAシステム構成は標準的なタブレット+NAS+ストリーマーと言うものとは異なりますので、もしRoonでそれと同様なものを構成するとすると、タブレット+NAS+Roon Core Certified Device(SOtMのsMS-1000 SQなど)になると思います。ただしRoonの集中型としての利点を生かすのであればやはりハード的に異なりますが、タブレット+NAS+Roon(あるいはRoonServer)+RoonBridgeとしてCoreとOutputを分離するということになるでしょう。
それはまったくハードウエア構成を同じにして、RoonとDLNAをシステムとして比較すると言うことです。
ラズベリーパイとIQAudio PI-DAC+ (専用ケース使用)
実のところ両者の位置づけは同一と言うわけではありません。Roonはネットワークがあってもなくても使えます。DLNAは基本的にネットワークでしか使えません、またネットワークを敷設しなければなりません。
よく日本ではUSB DACを使うものをPCオーディオ、DLNAネットワークプレーヤーを使うものをネットワークオーディオって呼んだりしますが、Roonの前にはそれは意味がありません。
しかしながら、RoonReadyという言葉はネットワーク機器に関する言葉であり、この観点からは比較ができます。
Roonは前回のAirPlayとの比較と同じです。DLNA(uPnP)はJRMCを使います。これでハードをRoonとDLNAでまったく同一にすることができます。ラズベリーパイでの違いはブートするMicroSDの中身だけです(RoonBridgeか、RuneAudio)。
プレーヤーがRoonとJRMCで違うじゃないかと言われるかもしれませんが、JRMCはコントローラとメディアサーバーだけで、実際に読んでデコードするのはRuneAudio(MPD)ですので違いはそこではなく、根本的な構成の差異になると思います。今回はハードウエアを同じにしているので、それらをどう使うか、そこで出る違いはRoonとDLNAのシステムとしての効率の違いと言っても良いと思います。
Roon側は下記のとおりです。
Roon
Roonの機器間接続と役割
PC : Roon - Control, Core
↓
有線ネットワーク - RAAT
↓
ラズベリーパイ : RoonBridge(Output) -> Pi-DAC+
Roonでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のRoon Controlの画面でライブラリから楽曲を選択
2.Roon Coreが選択された音源を読んでデコードします。(Coreは音源が何かを知っておく必要があります)
3.Roon Coreはデータストリームをネットワーク経由でRAATという手順でラズベリーパイのRoon Outputに送ります。
4.Roon Outputはデータを受けて、PI-DAC+ドライバーに送り音楽が再生されます。
JRiver Media Center
DLNAの機器間接続と役割
PC : JRMC - DLNAコントローラ、DLNAメディアサーバー
↓
有線ネットワーク - uPnP
↓
ラズベリーパイ : RuneAudio - DLNAレンダラー Pi-DAC+
DLNAでの楽曲再生の流れは下記のようになります。
1.PC上のDLNAコントローラであるJRMC画面でライブラリから楽曲を選択します。
2.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioがDLNAメディアサーバーであるPC上のJRMCに楽曲を送るように要求します。
3.DLNAメディアサーバーであるJRMCがラズベリーパイのRuneAudioにデータを送ります。
4.DLNAレンダラーであるラズベリーパイのRuneAudioが送られて来た音源を読んでデコードします。(RuneAudioは送られて来た音源が何かを知っている必要があります)
5.RuneAudio(MPD)がデータストリームをPI-DACドライバーに送り音楽が再生されます。
このRoonとDLNAシステムを試してみてわかったことは、まず音質については同じ音源で比較してみると、やはりRoonの方が全体にクリアでひとつひとつの楽器音が明瞭に聞こえます。これはハードが同じであるという点を考慮するとやはりRoonに分があるように思います。ソフトウエアにおいてRoonBridgeとRuneAudioを単純に比較できないと言うかもしれませんが、実のところRoonBridgeが軽量にできると言うのはRoonのコンセプトの一つですからこれも優位性に含めてもよいと思います。
また使い勝手・機能性と言う点ではJRMCは一般的な音楽再生ソフトのなかでももっとも多機能な方で、おそらく多くのDLNAコントローラより多機能ですが、それでもRoonにはライブラリ管理をはじめ使いやすさは及びません。(JRMCのなかでDLNAがおまけ的な機能でまじめに統合が考えられていないようにも思いますが)
設定でもJRMC上でレンダラーやサーバーの指定をするのも面倒ですが、Roonなら勝手に出力モジュール(RoonBridge)を見つけてきます。
構成と言う点ではRoonReadyシステムとDLNAシステムをくらべると、違いのポイントの一つは音源をどこで読むかということで、RoonReadyのラズベリーパイはFLACとかWAVの音源をどう読むかを知る必要はありませんが、RuneAudio(DLNA)のラズベリーパイは音源をどう読むかを知らねばなりません。
Coreはレンダラーとメディアサーバーを足したようにも見えますが、Coreはさらにたくさんのことができます。バックグラウンド処理でデータ解析をし、ライブラリのタグ情報データのメンテナンスもやります。CPU処理はかかってノイズがいっぱい出てファンが唸っても、Output部分とネットで切り離せば良いだけです。
RoonReadyの場合にはDSD512のデータを読もうと、768KHzのPCMを読もうと、オーディオ回路のある筐体のファンが悲鳴をあげることはないし、実のところRoonBridgeの場合にはラズベリーパイ2でも強力すぎなくらいだと思います。(パイ2だとやや発熱するので)
言い換えるとDLNAは分散型で、Roonは集中型です。それぞれの良い点もあるし、悪い点もまたあるかもしれません。
今回のDLNAシステム構成は標準的なタブレット+NAS+ストリーマーと言うものとは異なりますので、もしRoonでそれと同様なものを構成するとすると、タブレット+NAS+Roon Core Certified Device(SOtMのsMS-1000 SQなど)になると思います。ただしRoonの集中型としての利点を生かすのであればやはりハード的に異なりますが、タブレット+NAS+Roon(あるいはRoonServer)+RoonBridgeとしてCoreとOutputを分離するということになるでしょう。