Music TO GO!

2016年01月30日

Roon補足2: 音楽ライブラリの見せ方について

Roonの魅力の一つは自分の音楽ライブラリをとてもわかりやすく管理してくれることです。普通のソフトウエアでもタグから読んでそれを表示したり、ソートするくらいはやりますが、Roonでは音源の管理がかなり徹底的に突き詰められていることも特徴の一つです。それが端的に表れるのがクラシック音楽だと思います。

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Roonではさまざまなジャンルを単にソートするだけではなく、視覚的に整列し、情報をネットから取り出して加えてわかりやすく見せなおしてくれます。これらはすべて私のライブラリに入っているクラシック音楽の音源ですが、情報はすべてタグに含まれているものだけではありません。Roonの持つクラウドデータベースによって情報が補完されます。

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たとえばチューブラーベルズがクラシックに入っていますが、これは私がタグにClassicalと入れているわけではなく、タグにはRockまたはProg-Rockって入れているのですが、上の画面を見るとわかるようにRoonのデータベースにはチューブラーベルズがClassicalを含めてさまざまな分類がなされています。そこでクラシックにも入っているというわけです。

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また、さらにクラシックをクリックすると下にアバンギャルドやオーケストラものなどさまざまなサブジャンルが構築されています。これらも私がタグで入れたりリッピングの時にCDDBから取ったものではなく、Roonが用意しているものです。

スクリーンショット 2016-01-29 20.13.27.png

さらにオーケストラものをクリックすると上のようにそのジャンルがクローズアップされます。アーティストハイライトにロンドンシンフォニーオーケストラ(LSO)がまず来ているところがワタシのライブラリらしいという話もありますが、ここではベルトの3番(上画像の下段の一番右)をクリックします。

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アルバム表示では指揮者、作曲者、演奏者がきちんと分かれて表示されます。この辺もクラシックには他のジャンルにない必要性があるところです。また交響曲では楽章ごとに分かれてグループ化されて表示されます。
ここで交響曲3番を見ると2 Performanceとありますが、これは私のライブラリに二つ、この交響曲3番があることを示しています。

スクリーンショット 2016-01-29 20.13.51.png

ここで交響曲3番をクリックすると、上のようにその詳細な解説とともに自分のライブラリにある他のアルバムも表示されます。

スクリーンショット 2016-01-29 20.13.54.png

そうして交響曲3番を含むほかのアルバムをこうしてすぐに見つけ出すことができます。
このようにRoonは音楽プレーヤーという枠を超えて音楽の多様な楽しみ方を見つけさせてくれます。自分の持つライブラリが増えるほどそれは多彩になりますし、ストリーミングのように多くの曲を扱えるようになるとさらに世界が広がるように思います。この辺もRoonの大きな特徴です。
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MQAの2Lサンプル音源

おなじみの2Lの音質比較サンプル音源のページにMQAのサンプルがアップされていました。下記にボブスチュワートのコメントともにAudioStreamの記事があります。
http://www.audiostream.com/content/supplementary-listeners%E2%80%99-notes-2l-test-bench#wGQHoVEbIKADUdX8.97

2Lのサンプルページは下記で、無料でダウンロードできます。さっそくいくつかダウンロードして聞いてみました。
http://www.2l.no/hires/index.html
ここで気が付く点がいくつかあります。

まずこのサンプルを見てMQAのファイル形式はFLACだということがわかりました。つまりMQAという方式でエンコード(コード化)された音楽データがFLACファイル形式に格納されているということになります。端的に言うと".flac"であって".mqa"ではありません。ここは重要なのにあまり触れられてきませんでした。ファイル形式というのは入れ物のことで、エンコード形式は中身の詰め方のことです。たとえば画像ではよくJPEGファイルって言いますが、実はJPEGファイルというのはなくて、たいていはJFIFファイル形式にJPEG圧縮エンコードされた画像データの入っているファイルの通称です。
たとえてフルーツの詰め合わせ贈答品でいうと、ファイルフォーマットというのは箱の形や仕切り、箱の「なんとかフルーツ」や製造月日という表示(タグ)のことです。エンコードというのは中のしきりにどうやってフルーツを詰めるかという詰め方です。フルーツの形や同じ種類の連続など工夫して上手に詰めればたくさん入ります。
MQAでは専用デコーダがなくてもCD品質の部分は再生できるとありますが、ファイル自体がFLACとして再生されるということがわかりました。ここはコンテナは任意という記述があったようにも思いますが、少なくとも2LではFLACでいくようです。

次にCarl Nielsen: Chaconne op 32を見てもらうとわかりますが、これはマスターが44/16なのに、それをMQA化したものはCD品質の音源よりファイルサイズが大きくなっています。元がDXDマスターでということならわかりますが、元のサイズより大きいというのはいったんアップサンプリングかなんかしているのではないかと考えてしまいます。
また、FLACのタグを見るとわかりますが、MQA音源は44KHz/24bitとして認識されています。44/16ではありません。CD相当とはいっても24bitの拡張部分はそのままにしているようですね。

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44/24の音源がMQA

実際に再生してみましたが、デコーダなしでもたしかに再生できます。興味深いことにデコーダがないためにCD相当音質のみ再生できるはずなのに、CD品質のサンプルと比べると音質が違うように思います。ボブスチュワートの解説を見ても測定的にもCD音源よりデコーダなしのMQA再生のほうがノイズフロアなどが低くなっています(凹凸ありますが)。
聴覚的にはより自然で滑らかに思えます。やはりこの段階でMPフィルタ系のアーティファクト取るデジタル処理がされているっぽいですし、24bit拡張の効果かもしれません。
RoonよりはJRMCのほうが差は小さいのでこの辺はよくわからないところもありますが、いずれにせよMQAの実物が出回ってきたことでよりMQAについてわかるようになったとは言えます。

それとMQAと関係ないですが、2Lレーベルもやっぱり良いですね。このSPES:Kyrieなんかは伝統音楽と宗教曲がうまく融合して見事です。古いものと古いものを掛け合わせて新しく聴こえるという、音楽のクリエイティブな側面が良く出ています。A/B比較でのMQA聴き比べはどうでもよくなってずっと聞き入ってしまいました。アルバムも買おうかと。でもMQA版を含めてどれを買えばよいのか、、悩みが深くなりました。
https://shop.klicktrack.com/2l/447077
posted by ささき at 08:53 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ最新技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする