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2016年01月03日

Moon Audioの新しいJH Audio用交換ケーブルと標準ケーブルの関係

昨年末にJH AudioのSirenシリーズIEMがフルメタルとして一新されましたが、そのポイントの一つはケーブルが以前とは違うことです。フルメタルシリーズの(第二世代ともいうべき)標準ケーブルはうちのブログを読む方にはおなじみのDrewさんのMoon Audioによって再設計されています。しかし、同時にMoon AudioではJH Audio用の交換ケーブルも発売しました。この関係がわかりにくいのでDrewさんに直接確認しました。
さっそく新ケーブルも購入しましたので少し使ったインプレも書いていきます。

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* Moon Audioの新しいJH Audio用交換ケーブルと標準ケーブルの関係

Sirenシリーズ用のケーブルには以下の3つがあります。

#1. 第一世代Sirenシリーズ4ピン標準ケーブル(Roxsanne, Layla, Angie)
線材・パーツともMoon Audioとは関係ないそうです。

#2. 第二世代Sirenシリーズ4ピン標準ケーブル(Roxsanne2, Layla2, Angie2, Rosie)
線材・パーツともMoon Audioの設計によって、再設計されています。
まず弱いと言われていた4ピンプラグとロックナットを金属製でより圧力的にも化学的にも(汗とか)耐久力のあるものにしています。またベース調整ノブも間違って変わらないようにへこみがあり、位置がより分かりやすくなっています。それとケーブルのほつれにくさも改善されているようです。

IMG_8935_filtered[1].jpg  IMG_8943_filtered[1].jpg
ベース調整ノブの差

線材は米国製でMoon Audioの監修のもとに作られていますが、次に述べるBlack Dragonとは別ものです。

なおJH Audioでは今年出るJH13 pro v2もこの第二世代Sirenシリーズ標準ケーブルを採用するようですので、順次全ラインに切り替えていくのではないかと思われます。

#3. Sirenシリーズ用のMoon Audio BlackDragon V2 4ピン交換ケーブル
線材とYスプリットのロゴ以外は第二世代Sirenシリーズ4ピン標準ケーブルと同じです。つまり見た目はYスプリットのロゴ以外は同じです。違うのは線材で、新しいBlack Dragon v2が採用されています。

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Black Dragon v2のYスプリット

Drewさんの言によるとかなり高品質で標準ケーブルの線材とは価格的な差も大きいそうです。また以前のBlack Dragon v1に比べてもさらに改良されています。IEM用にはこれまではV1しかありませんでした。あとでも書きますが、v2では銀コート線らしい特性に変わっています。

JH Audioの交換ケーブルはBeatなども出しています。

* Moon Audio BlackDragon V2について

簡単にMoon Audioのケーブルを説明すると、Silver Dragon系はいわゆる銀線っぽい音で硬めでシャープ、Black Dragon系は銅線っぽい暖かく低域に深みがあります。以前はBlue Dragonという銅線で安価な系統がありましたが今はないようです。

Moon Audio BlackDragon V2交換ケーブルは下記Moon Audioのページで販売しています。
http://www.moon-audio.com/black-dragon-iem-headphone-cable-v2.html
3.5mm(ストレートとL)とAKバランス用の2.5mmストレートが選べます。
今回はMojoでも使うので3.5mmL字を買いました。プラグは将来的にはさらに選べるようです。

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Black Dragon v2のL字プラグ部分

$200と手軽な価格もよいですね。Paypalがあればあとはタイプを選んでボタンを押していくだけですので、ぜひどうぞ。私は国際送料はFeDexを選びました。送料があるので前から買おうと思ってたMojo光ケーブルもいっしょに買いました。

またMoon Audio BlackDragon V2交換ケーブルにはcustom resistor(抵抗値のカスタム設定)というオプションが新設されました。これはユーザーの好みの低音位置で抵抗値を固定してケーブルを作れるというものです。あらかじめベース位置を調整したケーブルの写真を撮ってMoon Audioに送るか、もっと正確にはセットしたケーブルを送ってほしいということ。

DrewさんはBlack Dragon v2の設計にあたり、Black Dragonの音の豊かさ・厚みを保ちながら、Silver Dragonの解像力とシャープさを取り入れて、それを求めやすい価格で生かすように設計したということです。このためにいわゆる銀コート銅線の銀メッキ(silver plated)の手法を使いながら、銀の量を増やす(15-18%)ことできつさを抑えてスムーズさを生かしたということです。

実際にいままで持っていた第一世代JH Audioの標準ケーブル(上の#1)とBlackDragon v2を比較レビューしてみました。Sirenシリーズではもっとも特性が平坦で再現域が広いLaylaカスタムを主に使用しています。

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Mojo, Layla CIEM, Black Dragon v2

まず全体的にBlack Dragon v2のほうがよりクリアで、細かい音の明瞭感も上がっています。またBlack Dragon v2のほうが高域がより伸びて、低域はより低い方にピークが沈んだように感じます。全体にBlack Dragon v2では滑らかさが増していて、従来の標準ケーブル(#1)はちょっと荒さがあったかと思います。
音楽を聴く上では楽器の音がより明瞭感を持って聴き分けられるようになって、より周波数的にもワイドになり整った音調になった感じです。

ちょっと気が付いたのは従来のBlack Dragon v1とは音の個性がやや変わったことです。従来のBlack Dragonほど低域よりの感じが少なくバランスが良く、よりシャープです。思ってたよりも銀成分が強い感じで、従来のBlack DragonとSilver Dragonを足した感じになったように思いますが、これは上に書いたように意図したことでしょう。Gray Dragonといった感じ?

なお第二世代(#2)標準ケーブルとはケーブルだけでは比較していないのでわかりませんが、Drewさんの言では同様に向上が見込めるとのこと。

また使用においてもよりナットがきちんと締まるようになり、かつスムーズに締められると思います。前のケーブルでは線がすぐにばらけてしまうのが難でしたが、このケーブルではそうしたことは少なくなったように思います(まだ1-2週間程度ではありますが)。ケーブルの柔らかさとか取り回しに関してはそれほどの差はない感じです。

総じて価格的にはよいように思いますし、JH AudioのSirenシリーズを使っていたけどJHはリケーブルができなくて、と思っていた人にはお勧めです。

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Silver Dragon opt cable

また、今回は海外送料の点もあって、いっしょにMoon AudioのMojo用のSilver Dragon光ケーブル($100)も買いました。ドラゴンマークが信号の方向性になっています。いままで使っていた元タイムロードの光ケーブルもわりと良いと思いますが、Moon Audioの光ケーブルは少しクリアで音場が広くなり、全体により整った音調になると思います。Sysopticとも音は違うように思いますので材質は異なると思います。また平らで太いケーブルなので、バッグでこちらを下にして置くこともできるのは便利です。ただ巷ではやっているMojoの天地逆の使用には使えませんので念のため
posted by ささき at 19:15 | TrackBack(0) | __→ JH13, JH16 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする