昨年好評だったLINN recordsのハイレゾ無料音源のクリスマスプレゼントを今年も実施しています。今年のテーマは映画音楽で、必ずしもサントラではありませんが映画にちなんだ曲を選んでいます。
http://www.linnrecords.com/recording-movies.aspx?__utma=237059741.297752916.1448574765.1448574765.1448574765.1&__utmb=237059741.1.10.1448574765&__utmc=237059741&__utmx=-&__utmz=237059741.1448574765.1.1.utmcsr=Twitter|utmccn=Christmas2015|utmcmd=post&__utmv=-&__utmk=209031505
昨年同様にこれから毎週一曲ずつ増えていくようです。録音自体とても優秀ですのでリファレンスにも重宝しますね。ぜひダウンロードしてみてください。
Music TO GO!
2015年11月27日
2015年11月25日
Campfireのチューブレス設計のJupiterと、シンプルイズベストのOrion登場
JupiterとOrionはALOのKenさん率いる新ブランドであるCampfire AudioのLyraに続く新製品です。Lyra(こと座)と同様に、それぞれJupietr(木星)、Orion(オリオン座)と、キャンプファイヤーを囲む夜空に見える星から名前を取っています。
Lyraはシングルのダイナミックドライバーでの性能をつきつめたイヤフォンでしたが、JupiterとOrionはバランスド・アーマチュアドライバーを採用しています。JupiterはBAを4ドライバー搭載で、OrionはBAのシングルです。
*2016/7/8
Orionについて改稿しました
![IMG_8670[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86705B15D-thumbnail2.jpg)
Jupiter(左)とOrion
KenさんがはじめにLyraでシングルのダイナミックドライバーでの高性能をつきつめたのは、Kenさんがダイナミックドライバーの音が好みであるというほかに、複雑化するマルチBAイヤフォンへのアンチテーゼと言う点もありました。つまりオーディオはシンプル・イズ・ベスト(less is more)というわけで、それがKenさんの信条にもなっています。
![IMG_0784[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_07845B15D-thumbnail2.jpg)
右が設立者のKen Ball
今回JupiterとOrionでBAを採用したのは、バランスド・アーマチュアにはやはりダイナミックにない良さがあるので、それにless is moreの思想を盛り込みたいという思いがあったようです。そしてそのために新機軸を採用しています。それがJupiterに採用されたレゾネーター・チャンバーをもちいたチューブレス設計です。
* BAドライバーの本来の音を出すチューブレス設計とは
チューブレス設計というのは文字通りチューブがないということですが、ここでは音導管(サウンドガイド・チューブ)がないということです。
通常見るBAユニットには四角い箱に出っ張った突起がついています。これは音導管(チューブ)につないで音を外(耳内)に出します。
しかしJupiterに採用されているBAドライバーユニットにはこの出っ張りがなく、すっぱりと切られています。Jupiterにはいわゆる音導管がなく(チューブレス)、その通常の音導管の代わりに、BAユニットには「レゾネーターチャンバー(またはアコースティック・チャンバー)」という音響室(空間)がくっつけられています。レゾネーターチャンバーからイヤフォンの音の出る穴(ポートまたはボア)まではストレートです。ちなみにこのチャンバーは3Dプリンタで実現されています。この構造を「Resonator assembly( レゾネーター・アセンブリー)」と呼んでいるとのこと。
![IMG_1137[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_11375B15D-thumbnail2.jpg)
ヘッドフォン祭の時に書いてもらったレゾネーターアセンブリーの模式図の一部
真ん中の四角がレゾネーター・チャンバー、上の四角がBAドライバ、下側がポート(ボア)
このレゾネーターチャンバーの目的は音響空間を設けることで帯域特性の改善と拡張をすることです。これによってシンプルにワイドレンジ化が可能となります。
ポイントは従来のサウンドガイド・チューブを使用しないことで音響フィルターも省くことができ、高周波域のレスポンスを向上させる働きがあるということです。つまり従来のチューブによる周波数特性の変化をふせぎ、音響フィルターを使わないことによって高周波域の劣化を防ぐわけです。音響フィルターは帯域特性を改善しますが音を濁らせてしまいます。
チューブレス設計ではBAドライバーの音が直で出るのでバランスド・アーマチュアドライバーが本来持つ周波数特性をより正確に再現することができます。その成果として、高域に角が立たない(歪の少ない)明瞭感ある高域が得られるということ。高域の特性が改善されたことにより、中域(ヴォーカル領域)の表現がより開放的でリアルになり、より自然な階調再現性が得られています。特に中高域の伸びがスムーズで自然になり、能率も改善されると言うことです。
* Jupiter
Jupiterは4基のBAドライバーを採用しています。4基のBAドライバーは2Wayで、低音域に2基、高音域に2基のBAドライバーが配置され、クロスオーバーでつないでいます。低域用は中低域をカバーするもので、高音域用は新型だと言うことです。
国内ではミックスウェーブから発売され、メーカー希望小売価格は税別で114,500 円です。
![IMG_8676[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86765B15D-thumbnail2.jpg)
筺体はニッケルメッキのアルミ製です。やや大柄ですが、見た目より軽くて耳への装着感も良好です。
チップはフォームとラバーがついていますが、Jupiterについてはフォームを主に使いました。
箱はLyraと共通の簡素なものですが、アウトドア志向のブランド名を考えると環境対応の一環と思えます。なかにはLyraのようなレザーケースと2.5mmバランスケーブルがはじめから付属しています(バランスケーブルはJupiterのみの付属品です)。またレザーケースの質感もLyraやJupiterに比べるとより年季の入ったような枯れたというかエージングされた感じの質感がある革を使っています。全体に高級モデルと言うことを意識させてくれます。
イヤホン側端子にはLyra同様にベリリウム銅で加工されたMMCX 端子を採用していてかなりがっちりとしています。
![IMG_8675[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86755B15D-thumbnail2.jpg)
主にMojoと標準ケーブルで聴きましたが、Jupiterは正確で緻密な音再現のMojoが向いていると思います。わりと能率は高い方です。
Jupiterはまず透明感が際立ち、ベールをはぐって言う言葉がふさわしいような、ちょっと独特の鮮度感と言うか生々しさを感じます。ぱっと聴きにLyraでも独特の音の質感表現を感じましたが、やはりJupiterでも独特の音像の質感再現理があります。ナレーションなどの話し言葉がとてもリアルというか自然に聴こえます。本当に耳元でささやかれてる感じがしますね。特に中高音域が透明感があって、よく上に伸びていく感じです。それでいて子音のきつさなどはあまり感じられません。
解像力も高くよくMojoの情報量を引き出すようです。振動版が良く軽く動いているという感じです。
![IMG_1087[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_10875B15D-thumbnail2.jpg)
次に感じられるのはとても広い帯域再現力、ワイドレンジ感ですね。高い音は突き抜けるように伸びてシャープです。中高域にかけての鮮明さは印象的です。低い音は深く沈み、超低域の量感もたっぷりあります。このためスケール感があって音に余裕がある感じます。高域もきつさは抑えられていて、低域が張り出して膨らむような感じはなく、良好な周波数特性を感じます。
プレーヤーをAK380AMPに変えるとインパクト感もあり、ダイナミックさも伝わってきます。ぱっと聞くとLyraにも似た音調を感じます。
またiPhone直でApple Musicなんか聞いていてもシャープでのびやかな透明感あふれる音が楽しめます。
![IMG_1077[2].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_10775B25D-thumbnail2.jpg)
JupiterはユニバーサルながらトップグレードのカスタムIEMを超えるほどの音質があり、その音の新しさはベテランの6ドライバー機であるUltimate EarsのUE18と比べるとよくわかります。ここでまず両方とも標準ケーブルで聴き比べてみます。
UE18と比べると、UE18は帯域的に寸詰まりに感じられ、音濁りが感じられます。UE18ではギターのピッキングの切れは鈍く感じられます。Jupiterでは特にヴォーカルが耳の近くにいるように生々しく鮮烈に聞こえるのが特徴的です。Jupiterでは音空間もより広く感じます。UE18はいまでもハイレベルのIEMで、これだけ聴くと良い音です。しかしJupiterと比べるとやはり差は歴然としてあります。
標準ケーブル同士で比較すると、ややケーブルでUE18が不利かとも思ったので、今度はUE18をWhiplashの8芯ケーブルに付け替えてみました。国内価格だと10万円くらいするでしょう。対してJupiterは標準のままで聴き比べてみました。Jupiterで標準として採用されているALO Tinselは26000円くらいですから今度はだいぶ差が逆転してしまいますが、こうするとたしかにUE18の音場の広さやシャープさは向上して差は縮まったようにも聴こえます。しかしこれでもまだJupiterの音の持つ鮮明さ・生っぽさには及びません。Jupiterと比較すると一枚ベールをかんでいるように聞こえますね。ここはもう設計の違いというしかないと思います。
マルチドライバーにする理由の一つは高音域を伸ばすことです。3Wayの6ドライバーよりも2Wayの4ドライバーの方がそれに関しても上に感じられますから、このように高い音の伸びや鮮明さではこのチューブレス方式はかなり効いていると思います。
* Orion
Orionは1基のみのBAドライバーを採用している求めやすい価格のモデルです。シンプルイズベスト(less is more)の設計思想のもとに開発されたと言えるでしょう。
メーカー希望小売価格は税別で38,700 円です。
![IMG_8671[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86715B15D-thumbnail2.jpg)
BA1基にしてはLyraより大きくやや大柄です。ただ装着感を阻害するほどではなく、装着感は良好です。
チップはフォームとラバーがついていますが、Orionについてもフォームを主に使いました。
箱はLyraやJupiterと同じものです。Orionには帆布製のケースが付属します。
![IMG_1089[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_10895B15D-thumbnail2.jpg)
たしかにJupiterと比べると音がコンパクトになり、高低の余裕がなくなるように思えますがシングルにしてはかなり優れているように思います。Jupiterで書いたような鮮烈さも持ち合わせています。
低域のアタック感や高域の伸びが両立してるのはシングルBAにしてはかなりワイドレンジだと思います。シングルダイナミックと違って、シングルBAは守備範囲が狭いのでたいてい高域よりか低域よりのどちらかになってしまいますが、Orionはよくバランスが取れていると思います。
様々な楽器のショーケースであり、ワイドレンジ性能が要求されるブリテンの青少年のための管弦楽入門なんか聞いても破綻なくまとまって聴こえます。
なおOrionにはチューブレス設計はなされてなく、音響フィルターや音導管の最適化設計でこの音質を達成しているということです。

Skyバージョン
またOrionにはSkyという日本のみのスカイブルーの限定カラーがあります。200個限定ですので販売店に確かめてくださしい。
* まとめ
Jupiterは上にすっきりときれいに伸びていく中高音域の美しさと、深みがあってソリッドな低音が魅力です。全体的な音質レベルはカスタムを入れてもかなり上位にあると言えるでしょう。BAドライバーの濁りのない純な魅力はこういうことかとも思います。
OrionはJupiterにも似た透明感と、シングルBAでこれだけ帯域が広い点がポイントでコストパフォーマンスは高いと思います。
3way以上が当たり前のようないまでも、2Wayやシングルでこれだけできるということが証明できたのはCampfire Audioの理念の正しさを感じます。
両モデルともワイドレンジであるとともに、独特の鮮度感の高い生々しい質感表現が特徴的です。ここでちょっと思い出したのはBursonのヘッドフォンアンプです。Bursonもシンプルイズベストをテーマにして最小の部品で構成して鮮度の高い生々しい音を可能にしています。Campfire Audioはイヤフォンのメーカーですが、どこか似たところがあるように感じられました。オーディオにおける洗練さ、シンプルさの価値を教えてくれます。
Lyraのときも思いましたが、Campfire Audioって新しい体験があると思います。
こと座(Lyra)は夏の夜空を代表する星座でしたが、オリオン座(Orion)と木星(Jupiter)は冬の夜空を飾る代表的な星ぼしです。これからひときわ明るく輝くことでしょう。
Lyraはシングルのダイナミックドライバーでの性能をつきつめたイヤフォンでしたが、JupiterとOrionはバランスド・アーマチュアドライバーを採用しています。JupiterはBAを4ドライバー搭載で、OrionはBAのシングルです。
*2016/7/8
Orionについて改稿しました
![IMG_8677[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86775B15D-thumbnail2.jpg)
![IMG_8670[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86705B15D-thumbnail2.jpg)
Jupiter(左)とOrion
KenさんがはじめにLyraでシングルのダイナミックドライバーでの高性能をつきつめたのは、Kenさんがダイナミックドライバーの音が好みであるというほかに、複雑化するマルチBAイヤフォンへのアンチテーゼと言う点もありました。つまりオーディオはシンプル・イズ・ベスト(less is more)というわけで、それがKenさんの信条にもなっています。
![IMG_0784[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_07845B15D-thumbnail2.jpg)
右が設立者のKen Ball
今回JupiterとOrionでBAを採用したのは、バランスド・アーマチュアにはやはりダイナミックにない良さがあるので、それにless is moreの思想を盛り込みたいという思いがあったようです。そしてそのために新機軸を採用しています。それがJupiterに採用されたレゾネーター・チャンバーをもちいたチューブレス設計です。
* BAドライバーの本来の音を出すチューブレス設計とは
チューブレス設計というのは文字通りチューブがないということですが、ここでは音導管(サウンドガイド・チューブ)がないということです。
通常見るBAユニットには四角い箱に出っ張った突起がついています。これは音導管(チューブ)につないで音を外(耳内)に出します。
しかしJupiterに採用されているBAドライバーユニットにはこの出っ張りがなく、すっぱりと切られています。Jupiterにはいわゆる音導管がなく(チューブレス)、その通常の音導管の代わりに、BAユニットには「レゾネーターチャンバー(またはアコースティック・チャンバー)」という音響室(空間)がくっつけられています。レゾネーターチャンバーからイヤフォンの音の出る穴(ポートまたはボア)まではストレートです。ちなみにこのチャンバーは3Dプリンタで実現されています。この構造を「Resonator assembly( レゾネーター・アセンブリー)」と呼んでいるとのこと。
![IMG_1137[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_11375B15D-thumbnail2.jpg)
ヘッドフォン祭の時に書いてもらったレゾネーターアセンブリーの模式図の一部
真ん中の四角がレゾネーター・チャンバー、上の四角がBAドライバ、下側がポート(ボア)
このレゾネーターチャンバーの目的は音響空間を設けることで帯域特性の改善と拡張をすることです。これによってシンプルにワイドレンジ化が可能となります。
ポイントは従来のサウンドガイド・チューブを使用しないことで音響フィルターも省くことができ、高周波域のレスポンスを向上させる働きがあるということです。つまり従来のチューブによる周波数特性の変化をふせぎ、音響フィルターを使わないことによって高周波域の劣化を防ぐわけです。音響フィルターは帯域特性を改善しますが音を濁らせてしまいます。
チューブレス設計ではBAドライバーの音が直で出るのでバランスド・アーマチュアドライバーが本来持つ周波数特性をより正確に再現することができます。その成果として、高域に角が立たない(歪の少ない)明瞭感ある高域が得られるということ。高域の特性が改善されたことにより、中域(ヴォーカル領域)の表現がより開放的でリアルになり、より自然な階調再現性が得られています。特に中高域の伸びがスムーズで自然になり、能率も改善されると言うことです。
* Jupiter
Jupiterは4基のBAドライバーを採用しています。4基のBAドライバーは2Wayで、低音域に2基、高音域に2基のBAドライバーが配置され、クロスオーバーでつないでいます。低域用は中低域をカバーするもので、高音域用は新型だと言うことです。
国内ではミックスウェーブから発売され、メーカー希望小売価格は税別で114,500 円です。
![IMG_8676[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86765B15D-thumbnail2.jpg)
筺体はニッケルメッキのアルミ製です。やや大柄ですが、見た目より軽くて耳への装着感も良好です。
チップはフォームとラバーがついていますが、Jupiterについてはフォームを主に使いました。
箱はLyraと共通の簡素なものですが、アウトドア志向のブランド名を考えると環境対応の一環と思えます。なかにはLyraのようなレザーケースと2.5mmバランスケーブルがはじめから付属しています(バランスケーブルはJupiterのみの付属品です)。またレザーケースの質感もLyraやJupiterに比べるとより年季の入ったような枯れたというかエージングされた感じの質感がある革を使っています。全体に高級モデルと言うことを意識させてくれます。
イヤホン側端子にはLyra同様にベリリウム銅で加工されたMMCX 端子を採用していてかなりがっちりとしています。
![IMG_8675[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86755B15D-thumbnail2.jpg)
主にMojoと標準ケーブルで聴きましたが、Jupiterは正確で緻密な音再現のMojoが向いていると思います。わりと能率は高い方です。
Jupiterはまず透明感が際立ち、ベールをはぐって言う言葉がふさわしいような、ちょっと独特の鮮度感と言うか生々しさを感じます。ぱっと聴きにLyraでも独特の音の質感表現を感じましたが、やはりJupiterでも独特の音像の質感再現理があります。ナレーションなどの話し言葉がとてもリアルというか自然に聴こえます。本当に耳元でささやかれてる感じがしますね。特に中高音域が透明感があって、よく上に伸びていく感じです。それでいて子音のきつさなどはあまり感じられません。
解像力も高くよくMojoの情報量を引き出すようです。振動版が良く軽く動いているという感じです。
![IMG_1087[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_10875B15D-thumbnail2.jpg)
次に感じられるのはとても広い帯域再現力、ワイドレンジ感ですね。高い音は突き抜けるように伸びてシャープです。中高域にかけての鮮明さは印象的です。低い音は深く沈み、超低域の量感もたっぷりあります。このためスケール感があって音に余裕がある感じます。高域もきつさは抑えられていて、低域が張り出して膨らむような感じはなく、良好な周波数特性を感じます。
プレーヤーをAK380AMPに変えるとインパクト感もあり、ダイナミックさも伝わってきます。ぱっと聞くとLyraにも似た音調を感じます。
またiPhone直でApple Musicなんか聞いていてもシャープでのびやかな透明感あふれる音が楽しめます。
![IMG_1077[2].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_10775B25D-thumbnail2.jpg)
JupiterはユニバーサルながらトップグレードのカスタムIEMを超えるほどの音質があり、その音の新しさはベテランの6ドライバー機であるUltimate EarsのUE18と比べるとよくわかります。ここでまず両方とも標準ケーブルで聴き比べてみます。
UE18と比べると、UE18は帯域的に寸詰まりに感じられ、音濁りが感じられます。UE18ではギターのピッキングの切れは鈍く感じられます。Jupiterでは特にヴォーカルが耳の近くにいるように生々しく鮮烈に聞こえるのが特徴的です。Jupiterでは音空間もより広く感じます。UE18はいまでもハイレベルのIEMで、これだけ聴くと良い音です。しかしJupiterと比べるとやはり差は歴然としてあります。
標準ケーブル同士で比較すると、ややケーブルでUE18が不利かとも思ったので、今度はUE18をWhiplashの8芯ケーブルに付け替えてみました。国内価格だと10万円くらいするでしょう。対してJupiterは標準のままで聴き比べてみました。Jupiterで標準として採用されているALO Tinselは26000円くらいですから今度はだいぶ差が逆転してしまいますが、こうするとたしかにUE18の音場の広さやシャープさは向上して差は縮まったようにも聴こえます。しかしこれでもまだJupiterの音の持つ鮮明さ・生っぽさには及びません。Jupiterと比較すると一枚ベールをかんでいるように聞こえますね。ここはもう設計の違いというしかないと思います。
マルチドライバーにする理由の一つは高音域を伸ばすことです。3Wayの6ドライバーよりも2Wayの4ドライバーの方がそれに関しても上に感じられますから、このように高い音の伸びや鮮明さではこのチューブレス方式はかなり効いていると思います。
* Orion
Orionは1基のみのBAドライバーを採用している求めやすい価格のモデルです。シンプルイズベスト(less is more)の設計思想のもとに開発されたと言えるでしょう。
メーカー希望小売価格は税別で38,700 円です。
![IMG_8671[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_86715B15D-thumbnail2.jpg)
BA1基にしてはLyraより大きくやや大柄です。ただ装着感を阻害するほどではなく、装着感は良好です。
チップはフォームとラバーがついていますが、Orionについてもフォームを主に使いました。
箱はLyraやJupiterと同じものです。Orionには帆布製のケースが付属します。
![IMG_1089[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_10895B15D-thumbnail2.jpg)
たしかにJupiterと比べると音がコンパクトになり、高低の余裕がなくなるように思えますがシングルにしてはかなり優れているように思います。Jupiterで書いたような鮮烈さも持ち合わせています。
低域のアタック感や高域の伸びが両立してるのはシングルBAにしてはかなりワイドレンジだと思います。シングルダイナミックと違って、シングルBAは守備範囲が狭いのでたいてい高域よりか低域よりのどちらかになってしまいますが、Orionはよくバランスが取れていると思います。
様々な楽器のショーケースであり、ワイドレンジ性能が要求されるブリテンの青少年のための管弦楽入門なんか聞いても破綻なくまとまって聴こえます。
なおOrionにはチューブレス設計はなされてなく、音響フィルターや音導管の最適化設計でこの音質を達成しているということです。

Skyバージョン
またOrionにはSkyという日本のみのスカイブルーの限定カラーがあります。200個限定ですので販売店に確かめてくださしい。
* まとめ
Jupiterは上にすっきりときれいに伸びていく中高音域の美しさと、深みがあってソリッドな低音が魅力です。全体的な音質レベルはカスタムを入れてもかなり上位にあると言えるでしょう。BAドライバーの濁りのない純な魅力はこういうことかとも思います。
OrionはJupiterにも似た透明感と、シングルBAでこれだけ帯域が広い点がポイントでコストパフォーマンスは高いと思います。
3way以上が当たり前のようないまでも、2Wayやシングルでこれだけできるということが証明できたのはCampfire Audioの理念の正しさを感じます。
両モデルともワイドレンジであるとともに、独特の鮮度感の高い生々しい質感表現が特徴的です。ここでちょっと思い出したのはBursonのヘッドフォンアンプです。Bursonもシンプルイズベストをテーマにして最小の部品で構成して鮮度の高い生々しい音を可能にしています。Campfire Audioはイヤフォンのメーカーですが、どこか似たところがあるように感じられました。オーディオにおける洗練さ、シンプルさの価値を教えてくれます。
Lyraのときも思いましたが、Campfire Audioって新しい体験があると思います。
こと座(Lyra)は夏の夜空を代表する星座でしたが、オリオン座(Orion)と木星(Jupiter)は冬の夜空を飾る代表的な星ぼしです。これからひときわ明るく輝くことでしょう。
2015年11月24日
Astell & Kernの新スタンダード、AK320登場
少し前からネットで噂になっていましたが、本日Astell & Kernの新スタンダードというAK320が発表されました。

アユートさんの製品ページはこちらです。
http://www.iriver.jp/information/entry_860.php
見た目はAK380に似ていますが、筐体はアルミで内蔵メモリも128GBというところ、また320という型番からは従来のAK120のラインを継ぐようにも見えます。
AK4490のデュアルやフェムトクロックというところからは音質の基本的なところはAK380譲りのようにも思えますが、DSDはネイティヴではなくPCM変換というところなどいくつか差別ポイントがあります。スペックからはXMOSが省略されてるようにも見えますね。
あるいはAK240とAK120IIのようにDACは同じでもチューニングが違う可能性もありますが、これはわかりません。
AK380用の専用AMPがつけられるのは大きな魅力ですね。価格はわかりませんが、ベーシックなPCM再生のみを必要としてる人にはコストパフォーマンスのよい選択のように思えます。

アユートさんの製品ページはこちらです。
http://www.iriver.jp/information/entry_860.php
見た目はAK380に似ていますが、筐体はアルミで内蔵メモリも128GBというところ、また320という型番からは従来のAK120のラインを継ぐようにも見えます。
AK4490のデュアルやフェムトクロックというところからは音質の基本的なところはAK380譲りのようにも思えますが、DSDはネイティヴではなくPCM変換というところなどいくつか差別ポイントがあります。スペックからはXMOSが省略されてるようにも見えますね。
あるいはAK240とAK120IIのようにDACは同じでもチューニングが違う可能性もありますが、これはわかりません。
AK380用の専用AMPがつけられるのは大きな魅力ですね。価格はわかりませんが、ベーシックなPCM再生のみを必要としてる人にはコストパフォーマンスのよい選択のように思えます。
2015年11月23日
NHORHM - 西山瞳
NHORHMはジャズピアニストの西山瞳さんの新作です。NHORMHはNew Heritage Of Real Heavy Metalの略で、文字通りヘビーメタルの名曲をカバーしてジャズアレンジした新プロジェクトです。もともと西山瞳さんは学生のころからヘビメタやロックが好きだったようですが、どうしてもUKのIn the dead of nightがやりたくて選曲したということで、ヘビメタというかプログレもあり、ベビメタもありというなかなか面白い選曲になってます。オリジナル曲も一曲あります。
試聴は下記PVでどうぞ。
NHORHM PV
1. In the Dead of Night / U.K.
2. Walk / Pantera
3. Man On the Silver Mountain / Rainbow
本人もライナーにロックの反復性とジャズの即興性は相いれないけれども、と前置きしてますがかなり大胆に原曲からは変わってます。ヘビメタのアレンジとはいいますが、想像しているのとはちょっと違うかもしれません。原曲はテーマパートで微妙に残してあるくらいです。
In the dead of nightは原曲のテイストが残っていますが、タワレコで買ったCDRおまけについてたHighway Starなんかは、ほとんど美しいジャズピアノの落ち着いたバラード曲なんですが、良く聴くとベースラインにI'm a highway starって旋律が乗ってます。ほかもたぶん原曲を知らなければほとんどロックっぽいジャズのアルバムと思うでしょう。そうした意味でロック色の強いジャズの好アルバムに仕上がっていて、上原ひろみトリオのMOVEとかALIVEが好きな人にはお勧めです。
試聴は下記PVでどうぞ。
NHORHM PV
1. In the Dead of Night / U.K.
2. Walk / Pantera
3. Man On the Silver Mountain / Rainbow
本人もライナーにロックの反復性とジャズの即興性は相いれないけれども、と前置きしてますがかなり大胆に原曲からは変わってます。ヘビメタのアレンジとはいいますが、想像しているのとはちょっと違うかもしれません。原曲はテーマパートで微妙に残してあるくらいです。
In the dead of nightは原曲のテイストが残っていますが、タワレコで買ったCDRおまけについてたHighway Starなんかは、ほとんど美しいジャズピアノの落ち着いたバラード曲なんですが、良く聴くとベースラインにI'm a highway starって旋律が乗ってます。ほかもたぶん原曲を知らなければほとんどロックっぽいジャズのアルバムと思うでしょう。そうした意味でロック色の強いジャズの好アルバムに仕上がっていて、上原ひろみトリオのMOVEとかALIVEが好きな人にはお勧めです。
2015年11月12日
茶楽音人(音茶楽)の新機構A.I.R.採用の「ちょんまげ3号」
このユニークなネーミングのイヤフォンはTTR株式会社のブランドであり、音茶楽が技術提供した茶楽音人(サラウンド)の新作です。春のヘッドフォン祭でプロトタイプが展示されていたので覚えてる人も多いでしょう。
![IMG_8701_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8701_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
「ちょんまげ3号」の特徴は「トルネード・ターボ・A.I.R.」機構を採用したことです。
「トルネード・ターボ」は高音域のきつさを抑えるトルネード・イコライザーと、低音域を向上させるアコースティック・ターボ方式の複合技術で、これは前作dunguriなどにすでに採用された技術です。
今回新しく採用されたのはA.I.R.という技術ですので本稿ではまずそこを解説します。
ダイナミック型ドライバーを効率的に動かすためには、完全な密閉にしないで適度な空気抜きのベントを設けて外気と通じさせるのがドライバーを動きやすくさせ高音質を得るためのキーであることは、最近のハイブリッド方式のカスタムIEMでもよく出てくる話題です。
実際にちょんまげ3号も完全な密閉に見えますが、この下のリングのところに空気抜きのベント穴があります(下図のMc)。
![IMG_8753[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_87535B15D-thumbnail2.jpg)
ベントは外気と通じてるので、ドライバーが動きやすくなって高音質が得られるメリットと引き換えに、外からノイズとなる音が入ってくると同時に中の音楽が外に漏れてしまうというデメリットもあります。
そこで、ドライバーと外との空気の流れの経路に音響フィルターとなるチャンバー(気室)を設けてそのデメリットを軽減するのがこのA.I.R.技術です。

上図を見てもらうとまずドライバーユニットの前後が音響抵抗Ma,Raで連結されることでユニットの動きが軽減されますが、さらにドライバーの背圧を逃す必要があります。単に外部にベントで出すと先のデメリットの問題があるので、A.I.R.ではまず第一のチャンバー(Cb)に逃げた空気がダクトMbを通って第二チャンバー(Cc)に逃げ、さらにベント穴のMcを通って外に出ます。
Mb,Mcはハイカットフィルターとして機能して外向きと内向きのノイズを低減します。これで低音域が伸びるということです。またドライバーがより自由に動けることで音場を改善できるそうです。
春のヘッドフォン祭でプロトタイプをいくつか出展してユーザーの意見を聴いていたのは、このチャンバーの形などをいろいろと変えて工夫していたということのようです。
![IMG_8699_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8699_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
A.I.R.の応用で面白いのは今回同時にリリースされた「ちょんまげ君」です。これは語学学習に最適というイヤフォンですが、これはA.I.R.の特性を逆に利用してMb,Mcをふさぐことにより低音域を弱めているということ。さらに高域フィルターを使用して声の帯域に特化させているようです。
* 試聴
チップは好評のSpinfit大中小の3セットとコンプライが1セットはいっています。
中には金属ケースがあり、布に包まれてイヤフォン本体が入ってます。パッケージングは価格にすると丁寧な感じはしますね。
![IMG_8695_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8695_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
![IMG_8697_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8697_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
音に関してはチップはSpinfitのほうが特徴ははっきり分かるように思います。
iPhoneで聞いてみましたが、「ちょんまげ3号」でまず感じるのは、音の鳴り方というか、音色がちょっと独特だということ。抜けが良いというかこもり感が少ない感があります。ダイナミックだと厚みがあるようで実は重く濁った感があることも多いんですが、これはすっきりとして雑味が少ないという感じです。
密閉型ヘッドフォンでこもる感じが嫌な人に良いと思いますし、この辺が独特の開放感があります。
![IMG_8698_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8698_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
Spinfitでは帯域的にドンシャリっぽさは少なく洗練された帯域再現で、音茶楽さんらしいピーク低減の効果もあってか高音域のささり感も少ないですね。低音域は膨らみすぎず質の良いベースの音がします。低域は量感も結構ありますが、ワイドレンジというか超低域の低いほうの量が多い感じで中低域のベースの演出感は少ない方だと思います。音茶楽さんのイヤフォンに共通しますが、楽器の音色再現も自然でリアルだと思います
ただSpinfitだとロックポップでやや物足りない感はあります。
コンプライだとベースの量感もたっぷりにロックポップに向いてる感じで、ヴォーカルもコンプライの方が良いように思います。
![IMG_8700_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8700_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
ちょんまげ3号
遮音性についてはたしかに電車で使ってると普通のカナルインイヤータイプのように周りの騒音が低くなるだけではなく、マイルドというか柔らかく優しく聞こえるように思います。特に高域の尖った感が少ないですね。ここもちょっと面白い特徴だと思います。
![IMG_8707_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8707_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
ちょんまげ君
ちょんまげ君の方も試してみました。iPhoneに入っているTOEIC対策のリスニングアプリを使ってみました。すると英語の発音がとても明瞭にわかるようになり、理解度が上がります。低音域がなくなることで、音声にかからなくなって発音のごにょごにょしたところがすっきりする感覚です。
難易度が上がると噂の来年から始まる新新TOEIC向けにもちょんまげ君で学習しておくと言うのは良いかもしれません。また語学だけでなく、ラジオ聴いたりいろいろと応用ができると思います。
ユニークなネーミングのちょんまげ3号は音もなかなかユニークなところがありますので、ぜひ試してみてください。
![IMG_8701_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8701_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
「ちょんまげ3号」の特徴は「トルネード・ターボ・A.I.R.」機構を採用したことです。
「トルネード・ターボ」は高音域のきつさを抑えるトルネード・イコライザーと、低音域を向上させるアコースティック・ターボ方式の複合技術で、これは前作dunguriなどにすでに採用された技術です。
今回新しく採用されたのはA.I.R.という技術ですので本稿ではまずそこを解説します。
ダイナミック型ドライバーを効率的に動かすためには、完全な密閉にしないで適度な空気抜きのベントを設けて外気と通じさせるのがドライバーを動きやすくさせ高音質を得るためのキーであることは、最近のハイブリッド方式のカスタムIEMでもよく出てくる話題です。
実際にちょんまげ3号も完全な密閉に見えますが、この下のリングのところに空気抜きのベント穴があります(下図のMc)。
![IMG_8753[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_87535B15D-thumbnail2.jpg)
ベントは外気と通じてるので、ドライバーが動きやすくなって高音質が得られるメリットと引き換えに、外からノイズとなる音が入ってくると同時に中の音楽が外に漏れてしまうというデメリットもあります。
そこで、ドライバーと外との空気の流れの経路に音響フィルターとなるチャンバー(気室)を設けてそのデメリットを軽減するのがこのA.I.R.技術です。

上図を見てもらうとまずドライバーユニットの前後が音響抵抗Ma,Raで連結されることでユニットの動きが軽減されますが、さらにドライバーの背圧を逃す必要があります。単に外部にベントで出すと先のデメリットの問題があるので、A.I.R.ではまず第一のチャンバー(Cb)に逃げた空気がダクトMbを通って第二チャンバー(Cc)に逃げ、さらにベント穴のMcを通って外に出ます。
Mb,Mcはハイカットフィルターとして機能して外向きと内向きのノイズを低減します。これで低音域が伸びるということです。またドライバーがより自由に動けることで音場を改善できるそうです。
春のヘッドフォン祭でプロトタイプをいくつか出展してユーザーの意見を聴いていたのは、このチャンバーの形などをいろいろと変えて工夫していたということのようです。
![IMG_8699_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8699_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
A.I.R.の応用で面白いのは今回同時にリリースされた「ちょんまげ君」です。これは語学学習に最適というイヤフォンですが、これはA.I.R.の特性を逆に利用してMb,Mcをふさぐことにより低音域を弱めているということ。さらに高域フィルターを使用して声の帯域に特化させているようです。
* 試聴
チップは好評のSpinfit大中小の3セットとコンプライが1セットはいっています。
中には金属ケースがあり、布に包まれてイヤフォン本体が入ってます。パッケージングは価格にすると丁寧な感じはしますね。
![IMG_8692_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8692_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
![IMG_8694_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8694_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
![IMG_8695_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8695_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
![IMG_8696_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8696_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
![IMG_8697_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8697_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
音に関してはチップはSpinfitのほうが特徴ははっきり分かるように思います。
iPhoneで聞いてみましたが、「ちょんまげ3号」でまず感じるのは、音の鳴り方というか、音色がちょっと独特だということ。抜けが良いというかこもり感が少ない感があります。ダイナミックだと厚みがあるようで実は重く濁った感があることも多いんですが、これはすっきりとして雑味が少ないという感じです。
密閉型ヘッドフォンでこもる感じが嫌な人に良いと思いますし、この辺が独特の開放感があります。
![IMG_8698_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8698_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
Spinfitでは帯域的にドンシャリっぽさは少なく洗練された帯域再現で、音茶楽さんらしいピーク低減の効果もあってか高音域のささり感も少ないですね。低音域は膨らみすぎず質の良いベースの音がします。低域は量感も結構ありますが、ワイドレンジというか超低域の低いほうの量が多い感じで中低域のベースの演出感は少ない方だと思います。音茶楽さんのイヤフォンに共通しますが、楽器の音色再現も自然でリアルだと思います
ただSpinfitだとロックポップでやや物足りない感はあります。
コンプライだとベースの量感もたっぷりにロックポップに向いてる感じで、ヴォーカルもコンプライの方が良いように思います。
![IMG_8700_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8700_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
ちょんまげ3号
遮音性についてはたしかに電車で使ってると普通のカナルインイヤータイプのように周りの騒音が低くなるだけではなく、マイルドというか柔らかく優しく聞こえるように思います。特に高域の尖った感が少ないですね。ここもちょっと面白い特徴だと思います。
![IMG_8707_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_8707_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
ちょんまげ君
ちょんまげ君の方も試してみました。iPhoneに入っているTOEIC対策のリスニングアプリを使ってみました。すると英語の発音がとても明瞭にわかるようになり、理解度が上がります。低音域がなくなることで、音声にかからなくなって発音のごにょごにょしたところがすっきりする感覚です。
難易度が上がると噂の来年から始まる新新TOEIC向けにもちょんまげ君で学習しておくと言うのは良いかもしれません。また語学だけでなく、ラジオ聴いたりいろいろと応用ができると思います。
ユニークなネーミングのちょんまげ3号は音もなかなかユニークなところがありますので、ぜひ試してみてください。
2015年11月09日
MaverickカスタムとBeat Signalリケーブル
Maverickカスタムは優れたイヤフォンですが、もちろんリケーブルで個性をさまざまに変えることができます。
前の記事ではBeatのSuper Novaとの組み合わせを書きましたが、今回はより正しい信号を伝達するために開発されたというBeat Signalを組み合わせてみます。
Beat Signalの特徴は誇張のとても少ないフラットな帯域再現と、精緻で透明感が高いリアルな音像再現力だと思います。
Signalでは弦楽器やパーカッションの鳴り・響きがリアルで忠実と感じられます。透明感がかなり高く、ヴォーカルなどは生々しく再現されます。解像力というか生っぽさ、リアル感はかなり高いと思います。試しているのは3.5mm版ですが、音の広がりもかなり広く、音像の立体的な移動が感じられます。
また帯域再現性は脚色感がないという感じです。高い音は伸び、低域は深いところも出るけど、ベースは少し抑え気味で、全体的な帯域バランスがフラットに聴こえます。低域の強調感は少なくなりますので、低域を抑えて音楽の正しい姿を聴きたいという人に向いてると思います。一方で量感たっぷりのベースを楽しみたいと言う人には物足りないかもしれません。
マーヴェリックらしく鋭く打撃感のあるベースやドラムスは健在なので、 このくらい低音域を抑えても迫力というか厚さがあるのはダイナミックハイブリッドの良いところかもしれません。また、マーヴェリックの開発思想と言うのも垣間見えるかもしれません。このマーヴェリックの組み合わせはマーヴェリック開発に参加したミックスウェーブ宮永氏のお勧めということですが、たしかに氏が語ったマーヴェリックの開発思想の一つである、リアルな再現性という言葉が思い出されます。
良い意味で虚飾を配した高性能ケーブルと言えると思います。
![IMG_7421_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_7421_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
高性能タイプでAK380AMPとかMojoなどを使いこなすハイエンドユーザーにももちろんお勧めですが、意外とiPhone直でも良い結果が得られます。iPhoneで聴いても低音域が足りないという感はないですね。素直な良さというのが出ているのかもしれません。こちらもお試しください。
前の記事ではBeatのSuper Novaとの組み合わせを書きましたが、今回はより正しい信号を伝達するために開発されたというBeat Signalを組み合わせてみます。
![IMG_7419_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_7419_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
Beat Signalの特徴は誇張のとても少ないフラットな帯域再現と、精緻で透明感が高いリアルな音像再現力だと思います。
Signalでは弦楽器やパーカッションの鳴り・響きがリアルで忠実と感じられます。透明感がかなり高く、ヴォーカルなどは生々しく再現されます。解像力というか生っぽさ、リアル感はかなり高いと思います。試しているのは3.5mm版ですが、音の広がりもかなり広く、音像の立体的な移動が感じられます。
また帯域再現性は脚色感がないという感じです。高い音は伸び、低域は深いところも出るけど、ベースは少し抑え気味で、全体的な帯域バランスがフラットに聴こえます。低域の強調感は少なくなりますので、低域を抑えて音楽の正しい姿を聴きたいという人に向いてると思います。一方で量感たっぷりのベースを楽しみたいと言う人には物足りないかもしれません。
マーヴェリックらしく鋭く打撃感のあるベースやドラムスは健在なので、 このくらい低音域を抑えても迫力というか厚さがあるのはダイナミックハイブリッドの良いところかもしれません。また、マーヴェリックの開発思想と言うのも垣間見えるかもしれません。このマーヴェリックの組み合わせはマーヴェリック開発に参加したミックスウェーブ宮永氏のお勧めということですが、たしかに氏が語ったマーヴェリックの開発思想の一つである、リアルな再現性という言葉が思い出されます。
良い意味で虚飾を配した高性能ケーブルと言えると思います。
![IMG_7421_filtered[1].jpg](https://vaiopocket.up.seesaa.net/image/IMG_7421_filtered5B15D-thumbnail2.jpg)
高性能タイプでAK380AMPとかMojoなどを使いこなすハイエンドユーザーにももちろんお勧めですが、意外とiPhone直でも良い結果が得られます。iPhoneで聴いても低音域が足りないという感はないですね。素直な良さというのが出ているのかもしれません。こちらもお試しください。
2015年11月07日
iOSの高音質プレーヤーアプリ、Relisten Player
ひさびさのiOS高音質プレーヤーアプリの紹介です。Relistenはなんと6000円もする高価なアプリです。(liteあり)
Relistenはビットパーフェクトのタイプではなく、以前紹介したDCTのように信号処理をメインにするタイプのアプリです。
RelistenではMp3化やADコンバーターでの歪み、録音不備などによる元の信号の変形を元に戻すというのが売りです。Hierarchy Process/Sound objects classification systemと称していて詳細はわかりませんが、高域補完とかMP3の非可逆圧縮信号を元に戻すというタイプの処理なんでしょう。lite版は無料で100分この効果が使えます。
画面は下記のようなものですが、VUメーターがなかなか良い感じです。右は曲選択画面です。

LOUD CONTROLは音をコンプレスすることなく音圧を変えられるとありますが、ボリュームとは別に音量が変わります。
PRESETでいくつかパラメーターが変えられます。このAとかBというのは単なるタイプではなく、AからHに行くにしたがって信号処理の対象となるSound Objectsの大きさが変わるとあります(よくわかりませんが)。
Enhance Classicalを押下すると細かいニュアンスをより強調するとありますが、これはPRESETのどれとも併せてオンに出来ます。
左上の電源ボタンがバイパススイッチでこのHierarchy Processという信号処理技術をオンオフできます。

効果をオンオフしてみるとその差はMP3だとわりとありますが、CDリッピングだとそれほど大きくないように思います。MP3だと音楽の鮮明感がかなり良くなります。CDリッピング音源でも音質は少し上がりますが、それほど大きくはありません。Enhance Classicalはどの音源でも差はありますが信号処理している感はあります。
A-HのプリセットもMP3音源だとわりと差はあるように思います。右に行くと音圧も上がって割れやすくなるので、LOUDと組み合わせると割れる感じは減らせます。おそらくLOUDはイコライザーによくあるプリアンプ機能のようにあらかじめゲインを下げておく機能のように思えます。
AACやMP3を使う人だとそれなりの効果はあると思いますが、価格が高いのでまずlite版を使って試してみることを勧めます。
Relisten (iTunes Store)
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-music-optimiser/id976546848?mt=8
Relisten lite
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-lite-music/id1024114990?mt=8
Relistenはビットパーフェクトのタイプではなく、以前紹介したDCTのように信号処理をメインにするタイプのアプリです。
RelistenではMp3化やADコンバーターでの歪み、録音不備などによる元の信号の変形を元に戻すというのが売りです。Hierarchy Process/Sound objects classification systemと称していて詳細はわかりませんが、高域補完とかMP3の非可逆圧縮信号を元に戻すというタイプの処理なんでしょう。lite版は無料で100分この効果が使えます。
画面は下記のようなものですが、VUメーターがなかなか良い感じです。右は曲選択画面です。


LOUD CONTROLは音をコンプレスすることなく音圧を変えられるとありますが、ボリュームとは別に音量が変わります。
PRESETでいくつかパラメーターが変えられます。このAとかBというのは単なるタイプではなく、AからHに行くにしたがって信号処理の対象となるSound Objectsの大きさが変わるとあります(よくわかりませんが)。
Enhance Classicalを押下すると細かいニュアンスをより強調するとありますが、これはPRESETのどれとも併せてオンに出来ます。
左上の電源ボタンがバイパススイッチでこのHierarchy Processという信号処理技術をオンオフできます。

効果をオンオフしてみるとその差はMP3だとわりとありますが、CDリッピングだとそれほど大きくないように思います。MP3だと音楽の鮮明感がかなり良くなります。CDリッピング音源でも音質は少し上がりますが、それほど大きくはありません。Enhance Classicalはどの音源でも差はありますが信号処理している感はあります。
A-HのプリセットもMP3音源だとわりと差はあるように思います。右に行くと音圧も上がって割れやすくなるので、LOUDと組み合わせると割れる感じは減らせます。おそらくLOUDはイコライザーによくあるプリアンプ機能のようにあらかじめゲインを下げておく機能のように思えます。
AACやMP3を使う人だとそれなりの効果はあると思いますが、価格が高いのでまずlite版を使って試してみることを勧めます。
Relisten (iTunes Store)
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-music-optimiser/id976546848?mt=8
Relisten lite
https://itunes.apple.com/jp/app/relisten-player-lite-music/id1024114990?mt=8
2015年11月05日
Androidの6.0でのレイテンシーの向上とiOSとの比較について
前の記事で新しいAndroid6.0では(ネックだった)レイテンシーが大きく下がったことが特徴で、それによって6.0からAndroidでのプロフェッショナルオーディオの規定が出来たということを書きました。
Nexus 9ではAndroid 6.0で15msを達成して、2012年のOS4.1(Jerry Bean)以来の念願だった10ms台に突入してます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/428214917.html
それでは他のプラットフォームと比べるとどうかというと、下のサイトにテストアプリを使った比較表があります。
http://superpowered.com/latency/#table
見てみるとやはりiOS勢が圧倒的でAndroidが速くなったと言ってもさらにその半分が昔から達成できてたのがわかります。
またAndroidでもサムソンでは独自のプロフェッショナルAPIがあると以前書きましたが、(2013/11記事)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/380324596.html
このプロフェッショナルオーディオSDKの効果も高いことがわかります。
とはいえ素のAndroidも6.0でかなりこれらに接近したので、ここでAndroidはプロフェッショナルオーディオにも使えるよ、と宣言をしたくなったのもわかります。
Nexus 9ではAndroid 6.0で15msを達成して、2012年のOS4.1(Jerry Bean)以来の念願だった10ms台に突入してます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/428214917.html
それでは他のプラットフォームと比べるとどうかというと、下のサイトにテストアプリを使った比較表があります。
http://superpowered.com/latency/#table
見てみるとやはりiOS勢が圧倒的でAndroidが速くなったと言ってもさらにその半分が昔から達成できてたのがわかります。
またAndroidでもサムソンでは独自のプロフェッショナルAPIがあると以前書きましたが、(2013/11記事)
http://vaiopocket.seesaa.net/article/380324596.html
このプロフェッショナルオーディオSDKの効果も高いことがわかります。
とはいえ素のAndroidも6.0でかなりこれらに接近したので、ここでAndroidはプロフェッショナルオーディオにも使えるよ、と宣言をしたくなったのもわかります。