美しいデザインのUSB DACであるAurender FLOWです。しかしFLOWは選曲キーを装備していて、SSDを内蔵しているなど他にない特徴を備えています。しかしはじめはユニークでよくわからない製品に感じられると思いますが、実際はとても実用的な観点から設計されています。
その辺を実際の使用から書いていきたいと思います。
今回評価したのはデモ機で製品版ではないことを記述しておきます。音質は違いはないと言われています。
*AurenderとFLOWの開発について
Aurenderは韓国TVLogic社のオーディオブランドで、日本ではネットワーク・トランスポートを中心に展開されています。USB DAC内蔵ヘッドフォンアンプという形態のFLOWは異質なように思えますが、その開発のきっかけをAurenderブランドの総指揮官であるHarry Leeさんに聞いてみました。HarryさんはHi-Fiマーケットからヘッドフォンマーケットに参入するにあたり、市場にないようなユニークな製品で参入したいと考えていたそうです。Harryさんもオーディオマニアであり、家ではHD800を使用しているそうですが、市販のUSB DACを実際に使って試してみるとノートブックPCでの使いにくさに気がついたと言います。そこで自分が使いたいような実用性をもった製品を開発しようと思ったのがFLOW開発のきっかけだそうです。たとえばそれは操作性や音源の容量、電源の持ちなどです。
もともとはMacbook Airを使用していたのでスリムノートブックに合う製品ということをターゲットにしていましたが、計画をすすめていくうちにいまではスマートフォンがハイレゾ音源を扱えることや、カスタムイヤフォンの再現性の高さなどを考えて、スマートフォンとポータブルでの使用も視野に入れて実際の開発をしたということです。
*FLOWの特徴
FLOWは少し前まではWAVEと呼ばれていましたので、ネットで検索したい人はAurender WAVEのキーワードも合わせて検索するとよいでしょう。形式名はAurender V-1000です。
FLOWは基本的にはUSB DACを内蔵したヘッドフォンアンプです。
入力はデジタルのみで、USBと光入力が用意されています。USBは3.0ですが、マイクロ3.0端子ですので、従来のUSB2.0で使うMicroB端子のケーブルと互換性があります(アダプタなしでそのまま使えます)。
光入力は角(TOS)端子です。USBと光の入力切り替えは自動で行われます。
出力は標準ヘッドフォン端子一つのシンプルなものです。アナログ出力のRCA端子はありません。
DACとしてはESSのES9018K2Mを採用していますが、特にこのDACチップから最高の能力を引き出すことに注力を注いで何回も試作検討を重ねながら開発していったということです。FLOWではメニューからESSの内蔵デジタルフィルターを切り替えることが可能です。
他にICとしてはOPA1611とLME49600を使用しています。49600はかなり強力なバッファアンプですね。
USB DACとしてはFLOWはUSBオーディオクラス2.0に対応しているため、Mac(10.6.4移行)ではドライバーレスで使用ができ、Windowsではドライバーのインストールが必要です。
そしてFLOWは以下にあげるような他のUSB DACにはないようなユニークな特徴が際立っています。
1.mSATA SSD内蔵可能
FLOWはSSDを内蔵することでPCから外付けのストレージとして使うことができます。FLOW自体にプレーヤーソフトが入っていてFLOWが直接SSDを読むわけではありません。あくまでSSD(FLOW)->PC->DAC(FLOW)というデータの流れとなります。
この理由はUSBポートが少なく、内蔵ストレージも限られているMacbook Airなど薄型ノートPCの場合は音源を別途格納したUSBメモリなどをUSB DACと併用することで、USBポート不足に陥ることを防ぐためにあります。
PCからは外部ドライブとして認識されます。
底面をあけると中の基盤にmSATAスロットがあり、そこにはめ込む形でSSDを設置します。mSATAのSSDのみ使用できますので注意ください。mSATAはSATA形式の一種でケーブルではなくコネクタを使って薄型ノートPCなどに内蔵させるタイプのSSDです。私はSamsung製の512GB SSDを使用しました。
設置の方法に関しては後で別項で説明します。mSATA SSDはUSB3.0と組み合わせてかなり高速なアクセスが可能です。
2.バッテリー駆動
FLOWはDACとアンプのオーディオ回路はバッテリーで動作します。一方でUSBコントローラー回路はバスパワーで動作します。このためクリーンなバッテリー駆動のDACとして使えると同時に、バスパワーをあまり消費しないので、ノートPCにパスパワーのUSB DACをつないでしまいあっという間にノートPCの電池がきれるということを防ぐことができます。
またセルフパワーとして外部ホストからは認識されますのでiPhoneなどでの消費電力制限にもかかりません。
バッテリーチャージのオンオフはメニューからCHG項目を変えることで行います。また自動での設定(CHGA)も可能です。
バッテリー持続時間は公称7時間ということです。
3.ボリュームと操作ボタン
FLOWのデザイン的なポイントにもなっているのが大きなボリュームです。またFLOWの側面にはメニュー、電源ボタンのほかに、選曲のための操作キーが装備されています。選曲キーはFWD(曲スキップ)、Play/Pause(再生/ポーズ)、RWD(巻き戻し)です。
ボリュームリングの内側はディスプレイとなっていて、FLOWの動作状態や入力の周波数が表示されます。ただし曲名表示などはできません。
いままではボリュームがUSB DACについていても小さなアップダウンボタンであるとか、箱型筐体の前面の小さなボリュームノブであるということが多いのですが、FLOWは広い上面に大きくボリュームが設置されているためノートPCのそばに置いたときにマウスなどのように手を添えて使いやすい配置となっています。また大きなリングと"velocity sensitive operation(速度感知式)"と呼ばれる回す速さでステップが異なる方式を採用したことで、ボリューム操作が素早く精密に可能なものになっています。ゆっくり回すと0.5dB単位の細かい調整が可能です。ボリュームはDACのデジタルボリュームを使用しているようで、音楽再生ソフトとは独立しています。ボリュームはプレーヤーが停止すると低レベルの位置にリセットされます(安全のため)。
これと側面の選曲キーを組み合わせることによって、FLOWをiTunesのコントロールパッドのようにつかえるため、基本的な操作は画面を見なくても可能になっています。つまりは曲を変えるのにいちいち裏画面になっているプレーヤーソフトをフォアグランドに持ってくる必要がありません。
操作ボタンを押した信号はUSB HIDクラスという規格でPCに送られます。これはUSBキーボードやUSBマウスと同じです。つまりはMacならキーボード上に再生やスキップボタンがありますが、あれを押したと同じというわけです。音楽再生ソフトもiTunesなどのようにHIDクラスに対応している必要があります。
つまりFLOWはUSB機器として見ると、SSD(マスストレージクラス)、DAC(オーディオクラス)、操作ボタン(HIDクラス)という3つのUSB標準規格でPCと通信をしているということになります。それを電源内蔵のパワードUSBバスでひとつにまとめているのがFLOWであるということも言えます。この辺りからFLOWの設計意図が見えてくるのではないかと思います。
3.USB 3.0の採用
FLOWのもうひとつの特徴はUSB接続に普通使用されるUSB2.0ではなく、USB3.0を採用しているということです。このためFLOWのUSB端子はマイクロUSB3.0となっていますので注意ください。ただしこれはUSB2.0のマイクロBと互換性があります(アダプタなしで接続できます)。
FLOWはいままで書いてきたようにUSB外部機器を集約したような機材なので、高速のUSB3.0が必要だとも言えますが、オーディオ用途に限って言うとUSB3.0までは必要はないと思います。
たとえばFLOWの場合はPCMでいうと384kHz x 32bit x 2ch = 24.5M bpsが最大の帯域幅であり、SSD内の音源を使った場合でも双方向の場合には倍以上にオーバーヘッドがあるかもしれませんが、それでも十分に480M bpsというUSB2.0の規格に収まります。
これも実際にHarryさんに聞いてみたところ、オーディオ信号としてはその通りで、むしろ内蔵するSSDへのデータ移動を念頭に考えたということです。これはそのとおりで、mSATA SSDとUSB3.0の組み合わせは実際に驚くほど高速にデータを転送できます。FLOWを買ってまた音源ライブラリを何時間もかけて移動するのか、と悩む必要はないでしょう。
そのためデータ転送目的でないときにはFLOWの高音質を生かすためにもUSB2.0でよいのでオーディオ用のケーブルがお勧めです。実際に添付のUSB3.0ケーブルからオーディオ用のUSB高音質ケーブルに変えると驚くほど音質は向上します。
ちなみに簡単に言うとUSB2.0とか3.0というのはケーブル(伝送)の規格であり、USB class 1.0とかclass 2.0というのはUSB機器の接続形式(標準プロトコル)の規格です。FLOWはUSB3.0で伝送でき、USBオーディオクラスとUSBマスストレージクラス、USB HIDクラスに対応したUSB DACということができます。
*パッケージ開封
奥の深い箱に入れられて届きます。上段にはFLOWがケースに入った状態で収納されています。
下の部分にはケーブルが入っています(この辺は製品版と違うかもしれませんので念のため)。ケーブルはUSB3.0マイクロケーブル、USB OTGケーブルと、メスアダプタが余分についたUSB OTGケーブルが入っています。
FLOWはとてもシンプルでかつ高級感があります。デザインは微妙に波をうっていて、
細かな表面仕上げもきれいで、シンプルなデザインのなかに液晶表示とボリュームダイヤルをあしらったデザインが近未来的な映画に出てくるデバイスという印象を受けます。カッコよさという点では最近のなかでも秀逸な出来だと思います。この近未来的なルックスだけでもかなりほしくなってしまう魅力にあふれています。
デザインとしてはMacbook Airのような優れたデザインのノートPCの横に置いたときに映えるような形が考えられています。
また音を出す回路を箱で包んでボリュームを付けた、というような従来のオーディオDACの概念ではなく、まずとしてのボリュームと操作キーがあって、それをコントロールパッドとして使いやすいデザインとし、そこにDACを入れたという機能美があるのではないかと思います。
FLOWはずっしりとした重量でデスクトップに置いたときにはしっかり固定ができそうです。
ポータブル用途にはやや重いと思いますが、逆に言うとこのくらいのハイレベルのUSB DACを持ち出せるという点は面白い使い方ができそうです。
ポータブルがメインの目的には重いと思いますが、基本的にはノートPC用に買って、ときにはAK100やiPhoneと外に持ち出す、というくらいなら問題ないと思います。
*mSATA SSDドライブの設置
ここではFLOWへのmSATAドライブの設置について解説します。
まずSDカードと異なって、mSATA SSDは初期化とフォーマットが必要になります。私はディスク管理はWindowsが慣れているのでWindowsで初期化しました。以下はWindows8.1の手順です。
1. FLOW側の設定
FLOWの裏蓋をあけて、中のmSATAスロットにSSDを差し込みます。蓋を元に戻します。
FLOWの電源を入れてMENUキーを何回か押し、mSTを表示させます。FWDとRWDボタンで+/-を設定できるので、mSTを+に変えます。この状態でUSBでPCに接続します。
2. PCでの作業
PCがFLOWを認識するとOSがディスクの初期化を促してきます。「論理ディスクマネージャがアクセスできるようにするにはディスクを初期化する必要があります」というメッセージの下でMBRかGPTを選択するのですが、FLOWの場合はこれはどちらでも良いはずです。私はFLOWをMacとWindowsの両方で使うけれどもどちらかというとMac向けにしたかったのでGPTでやりましたが、FLOWのように2TBを超えない場合は互換性を考慮してMBRでも大丈夫なはずです(Win8ではGPTがデフォルトのはず)。
MBRとかGPTは起動するときの情報に関するもので、ざくっというとMBRはBIOS向けでGPTはEFI向けです。MacOSX 10.4以上、Windows7以上でGPTが使用可能です。ただしWin7の32bitでは起動ディスクにできませんがFLOWには関係ありません。また容量が2TB以下ならMBRでよいはずです。まさかまだXPを使用している人はいないと思いますが、その場合はMBRが必要です。
次にコンピューターの管理を立ち上げて、デバイスマネージャーを確認します。デバイスマネージャーのディスクドライブの下にAurenderの表示が見えているはずです。
次に記憶域からディスクの管理を開けて、いま設置したSSDディスクを選択して右クリックから「新しいシンプルボリュームウィザードの開始」を選択します。ボリュームサイズの指定はすべてでかまいません。ドライブ文字を適当に割り当ててください。
次はフォーマットです。ここはデフォルトではWindowsではNTFSですが、Macと共用するために私はexFATを使用しました。
これでPCからFLOWが外部ドライブとして見えるはずです。あとは通常通りに使用してください。
またmST+を選択してFLOWを外部ドライブとして使用した場合には、かならずWindowsでは「安全なディスクの取り外し」あるいはMacではごみ箱アイコンに移動させてから、または電源を落としてからケーブルをはずして下さい。
オーディオのみの使用の場合(mST-)では「安全なディスクの取り外し」は必要ありません。
*FLOWの音質
試聴はWindows8.1のJRMC19でまずしばらく聴いてみました。
まず標準添付のUSB3.0ケーブルで接続して、HD800で聴いてみました。
PCに接続するとFLOWの表示パネルに画面のアイコンが現れ、ヘッドフォンを接続するとヘッドフォンのアイコンが現れます。
はじめはかなり低いレベルから始まるので、ボリュームを上げて-30dB程度にします。
音質のレベルはかなり高く、上品で端正な線の細い音で、楽器の音はシャープで切れ味が鋭い感じです。音空間がクリアで透明感が際立っています。音の広がり方が広く立体的で、かつ自然な広がり方が感じられます。
周波数帯域的にはワイドレンジで、かつ低域や高域の不自然な強調がなくフラットなので、HD800の性能が存分に生かされる感じです。
低域も張り出さない程度にきちんとアタック感があります。
平面型のHE560も使ってみましたが十分に鳴らすことができ、HE560では動感あふれるダイナミックな音再現が可能です。
次にUSBケーブルを短めのオーディオ用ケーブルであるFitEarケーブルに変えるとかなり音質は向上します。
透明感が一層際立ち、ヴォーカルの声が空間にぱっと広がります。特に立体感の点で目を見張り(耳を)ます。3次元的でひとつひとつの楽器の音がきれいに分離して情報量という意味でも素晴らしいですね。低域の存在感も上がって重みがきちんと表現されます。
なんとなくカジュアルでデザイン重視のデスクトップDACという見た目ですが、音的にはかなり本格的でハイレベルであり、ハイエンドオーディオブランドの名にふさわしいレベルのハイグレードな音と言えるでしょう。価格的に考えてもかなり良いのではないかと思います。
次にPCとのUSB接続のまま、カスタムイヤフォンで感度の高いWestone ES60を使ってみました。-75dBあたりでもう音が聞こえてくるのでヘッドフォンをはずすと安全のためにリセットされる効果があります。
驚くことにはFLOWはとても背景が静かでノイズが低くIEM専用アンプのようです。再生ポーズのまま音を上げていってもまったくノイズが聞こえてきません。バッテリー駆動の効果もあるのでしょうか、カスタムイヤフォンのためにも素晴らしい音再現が可能なことが印象的です。
また入力をはずした状態でFLOWを立ち上げるとMENUキーでさまざまな設定を変えることができます。pcm0,1,2などはESSのDACが持っているデジタルフィルターの設定で、これを変更することが可能です。
*FLOWの使いこなし
FLOWはさきに書いたように、単なるUSB DACというよりも、オーディオに必要なシステムをパックにしたオールインワンの機材ということもできます。
つまりはUSB DACのように単なる周辺機器とも言い難いので、あたらしいジャンルの機材としてはじめはとまどうかもしれません。しかしながらいままで書いてきたように、そのユニークな設計は実際の使用に基づいた不便な点を改善するためのものであり、実用的なものであると言えます。
- ノートPCと一緒に使う場合
まず第一にお勧めしたいのはHarryさんがもととも想定したような、Macbook AirのようなスリムノートPCを使っている人です。
たとえば私は外でもの書きするときなどMacbook Air11インチ(SSD64GB)を使っていますが、もうディスクがいっぱいで音楽を入れる余地がありません。そこでUSBメモリに音楽を入れておくのですが、今度はUSBポートが足りないのでUSB DACをつけるともういっぱいです。旧Macbook Air13インチのときはUSBポートがひとつしかなかったのでさらに問題は大きかったと言えます。
Macの場合はマウスはBlutoothが標準だからまだ良いとしても、Windowsノートでのマウス派はUSBポートにこまることになるでしょう。
いままではこのようにUSBポートをやりくりしていましたが、FLOWを使えばひとつのUSBポートで音源のストレージとUSB DACをつなぐことができますのでUSBポート不足の問題は解決されます。
また、こうしたスリムノートPCでは電池の持ちが少ないため、外で半日は仕事をしようと思ってノートPCを持ち出しても実のところ画面の明るさを落として節電しながら使うのに、電池食いのUSB DACを接続して音楽を聴こうものなら、電池残量がみるみると減っていくのにどきどきしたという経験があります。
いままではこのように少ない電池容量をやりくりしていましたが、FLOWを使えば電池を食うオーディオ回路はバッテリー駆動ですから電池容量不足の問題は解決されます。
ノートPCではさらに画面がせまく、ただでさえ原稿を書きながら資料をPDFで参照しながら、参考情報をWebで検索したりというと画面がウインドウでいっぱいになり、そこに音楽再生のiTunesの操作画面を出しておくともう大変です。曲をスキップして変えたいだけでも、iTunesの画面を裏から引き出して操作する必要があります。
いままではこのように狭い画面で操作が大変だったものを、FLOWを使えばボリュームの調整と再生・ポーズ、曲のスキップと巻き戻しという基本操作は容易になります。もっともMacbookの場合はキーボードで音楽再生の操作はできますが、集約されていた方が使いやすいとは言えるでしょう。
操作キーはiTunesとiTunesを使うPure MusicやAmarraなども完ぺきに使えます。ただAudirvanaなどプレーヤーソフトによってはPlay/Pauseのみ使えることがあります。ここは調査中とのことです。
mSATAストレージはPCプレーヤーソフトから外部ドライブとして見えるので、プレーヤーのライブラリにこのドライブを指定しておけば次からは音源のソースとして使うことができます。
もちろん上の利点は家で使うときにも当てはまります。タワー型PCではそれほどUSBポートの不足になることはないと思いますが、音源を集約して置けるというのはPC機種変更した時にも便利と言えるでしょう。この場合には少し長めのUSBケーブルがあるとよいですね。
- スマートフォンと使う場合
次に面白い使い方ができるのは外でも良い音で聞きたいというポータブルユーザーです。FLOWはバッテリー駆動であり、バスパワーの消費電力が少ないのでスマートフォンからUSBデジタルで音を取りだすことができます。デスクトップに置くときはしっかりした筐体ですが、反面で常に持ち歩くには大きすぎるとはいえます。反面でFLOWをノートPCと外に持ち出すときに、移動中でもFLOWはiPhoneやAK100と組み合わせて持ち歩きながら聞く、というのは十分考えられるユースケースです。
- iPhone/iPad
iPhoneの場合はiOS7.0以上でライトニングカメラアダプタ(またはカメラコネクションキット)を使用して接続します。iPadはiOS4.0からカメラコネクションキットでのUSB DAC接続に対応しています。FLOWの必要とするクラス2対応になったのはiOS4.2以降ですが、そんな古いのはもう残ってないでしょうから現在ではまず問題ないでしょう。
FLOW側のUSB端子はUSB3.0ですが、マイクロ3.0端子ですので、従来のマイクロB端子と互換性があります。
この接続形態(iPhoneをホストで使用)ではバスパワー上限がありますが、FLOWは主要部分はバッテリー駆動なので問題ありません。またiOS側でONKYOのHF PlayerやFLAC Playerを使用することでハイレゾ音源を再生することができます。またHF PlayerかhibikiであればDoPを選択することでDSDネイティブ再生が可能です。
下記にHF Playerからハイレゾ音源を出力している例と、DSDネイティブ再生をしている例を示します。ハイレゾでは192kでロックしているのが分かると思います。DSDネイティブの場合はまずPCMでのDoPのためのエンコードサンプルレートが表示され、中身がDSDとシンボルで示されます。
- Android
AndroidではWalkman ZX1でNWH10との組み合わせで出力ができました。なかなかいい音で再生してくれます。ZX1とNWH10にmicroB(USB2.0でよい)をFLOWのUSB3.0端子のUSB2.0側に接続。私は直結コネクタを使用しています。ここではZX1の標準Walkmanアプリで再生しています。
またUSB Audio Player proでも添付のOTGケーブルを使うことで再生が可能です。
* 光出力つきDAPと使う場合
光入力ももともとはMacの光出力を意識していたかもしれませんが、ポータブルでは光出力のあるAK100と組み合わせることができます。ケーブルはタイムロードさんの光ケーブルを使うとうまく組み合わせられます。
画面ではハイレゾでもきちんとロックされているのが分かります。
iBasso DX50だと光出力がついていて、USB OTGで外部ドライブの認識が可能なので、うまくいけばFLOWと合わせて面白い使い方ができるのではないかと思いますが、試せていません。
*まとめ
FLOWは端的に言ってかっこよいUSB DACです。しかしそのかっこよさは単なる見てくれではありません。
普通のUSB DACはまず回路ありきで設計され、その基盤を四角い箱に入れてボリュームを前面に付けて製品となると思いますが、FLOWの場合はまずこういう使い方がしたいということをHarryさん自身が考えて機能を設計し、さらにノートPCの横において手を添えて使いやすい形を考えて大きなボリュームを上に配置し、機能に合うように筐体をデザインしていったと思います。そこに工業デザイン的な機能美があると思います。
FLOWには機能ありきで設計された美しさがあります。
FLOWははじめはコンセプトが分かりにくいかもしれませんが、使いこなしを覚えるとかなり便利に使える、きわめて実用的な製品だと思います。それは機能ありきで設計されたからだと思います。もちろん音質も犠牲になってはいません。
その機能と音質の両立を美しいデザインに包んだのがAurender FLOWだと言えるでしょう。
3.ボリュームと操作ボタン
FLOWのデザイン的なポイントにもなっているのが大きなボリュームです。またFLOWの側面にはメニュー、電源ボタンのほかに、選曲のための操作キーが装備されています。選曲キーはFWD(曲スキップ)、Play/Pause(再生/ポーズ)、RWD(巻き戻し)です。
ボリュームリングの内側はディスプレイとなっていて、FLOWの動作状態や入力の周波数が表示されます。ただし曲名表示などはできません。
いままではボリュームがUSB DACについていても小さなアップダウンボタンであるとか、箱型筐体の前面の小さなボリュームノブであるということが多いのですが、FLOWは広い上面に大きくボリュームが設置されているためノートPCのそばに置いたときにマウスなどのように手を添えて使いやすい配置となっています。また大きなリングと"velocity sensitive operation(速度感知式)"と呼ばれる回す速さでステップが異なる方式を採用したことで、ボリューム操作が素早く精密に可能なものになっています。ゆっくり回すと0.5dB単位の細かい調整が可能です。ボリュームはDACのデジタルボリュームを使用しているようで、音楽再生ソフトとは独立しています。ボリュームはプレーヤーが停止すると低レベルの位置にリセットされます(安全のため)。
これと側面の選曲キーを組み合わせることによって、FLOWをiTunesのコントロールパッドのようにつかえるため、基本的な操作は画面を見なくても可能になっています。つまりは曲を変えるのにいちいち裏画面になっているプレーヤーソフトをフォアグランドに持ってくる必要がありません。
操作ボタンを押した信号はUSB HIDクラスという規格でPCに送られます。これはUSBキーボードやUSBマウスと同じです。つまりはMacならキーボード上に再生やスキップボタンがありますが、あれを押したと同じというわけです。音楽再生ソフトもiTunesなどのようにHIDクラスに対応している必要があります。
つまりFLOWはUSB機器として見ると、SSD(マスストレージクラス)、DAC(オーディオクラス)、操作ボタン(HIDクラス)という3つのUSB標準規格でPCと通信をしているということになります。それを電源内蔵のパワードUSBバスでひとつにまとめているのがFLOWであるということも言えます。この辺りからFLOWの設計意図が見えてくるのではないかと思います。
3.USB 3.0の採用
FLOWのもうひとつの特徴はUSB接続に普通使用されるUSB2.0ではなく、USB3.0を採用しているということです。このためFLOWのUSB端子はマイクロUSB3.0となっていますので注意ください。ただしこれはUSB2.0のマイクロBと互換性があります(アダプタなしで接続できます)。
FLOWはいままで書いてきたようにUSB外部機器を集約したような機材なので、高速のUSB3.0が必要だとも言えますが、オーディオ用途に限って言うとUSB3.0までは必要はないと思います。
たとえばFLOWの場合はPCMでいうと384kHz x 32bit x 2ch = 24.5M bpsが最大の帯域幅であり、SSD内の音源を使った場合でも双方向の場合には倍以上にオーバーヘッドがあるかもしれませんが、それでも十分に480M bpsというUSB2.0の規格に収まります。
これも実際にHarryさんに聞いてみたところ、オーディオ信号としてはその通りで、むしろ内蔵するSSDへのデータ移動を念頭に考えたということです。これはそのとおりで、mSATA SSDとUSB3.0の組み合わせは実際に驚くほど高速にデータを転送できます。FLOWを買ってまた音源ライブラリを何時間もかけて移動するのか、と悩む必要はないでしょう。
そのためデータ転送目的でないときにはFLOWの高音質を生かすためにもUSB2.0でよいのでオーディオ用のケーブルがお勧めです。実際に添付のUSB3.0ケーブルからオーディオ用のUSB高音質ケーブルに変えると驚くほど音質は向上します。
ちなみに簡単に言うとUSB2.0とか3.0というのはケーブル(伝送)の規格であり、USB class 1.0とかclass 2.0というのはUSB機器の接続形式(標準プロトコル)の規格です。FLOWはUSB3.0で伝送でき、USBオーディオクラスとUSBマスストレージクラス、USB HIDクラスに対応したUSB DACということができます。
*パッケージ開封
奥の深い箱に入れられて届きます。上段にはFLOWがケースに入った状態で収納されています。
下の部分にはケーブルが入っています(この辺は製品版と違うかもしれませんので念のため)。ケーブルはUSB3.0マイクロケーブル、USB OTGケーブルと、メスアダプタが余分についたUSB OTGケーブルが入っています。
FLOWはとてもシンプルでかつ高級感があります。デザインは微妙に波をうっていて、
細かな表面仕上げもきれいで、シンプルなデザインのなかに液晶表示とボリュームダイヤルをあしらったデザインが近未来的な映画に出てくるデバイスという印象を受けます。カッコよさという点では最近のなかでも秀逸な出来だと思います。この近未来的なルックスだけでもかなりほしくなってしまう魅力にあふれています。
デザインとしてはMacbook Airのような優れたデザインのノートPCの横に置いたときに映えるような形が考えられています。
また音を出す回路を箱で包んでボリュームを付けた、というような従来のオーディオDACの概念ではなく、まずとしてのボリュームと操作キーがあって、それをコントロールパッドとして使いやすいデザインとし、そこにDACを入れたという機能美があるのではないかと思います。
FLOWはずっしりとした重量でデスクトップに置いたときにはしっかり固定ができそうです。
ポータブル用途にはやや重いと思いますが、逆に言うとこのくらいのハイレベルのUSB DACを持ち出せるという点は面白い使い方ができそうです。
ポータブルがメインの目的には重いと思いますが、基本的にはノートPC用に買って、ときにはAK100やiPhoneと外に持ち出す、というくらいなら問題ないと思います。
*mSATA SSDドライブの設置
ここではFLOWへのmSATAドライブの設置について解説します。
まずSDカードと異なって、mSATA SSDは初期化とフォーマットが必要になります。私はディスク管理はWindowsが慣れているのでWindowsで初期化しました。以下はWindows8.1の手順です。
1. FLOW側の設定
FLOWの裏蓋をあけて、中のmSATAスロットにSSDを差し込みます。蓋を元に戻します。
FLOWの電源を入れてMENUキーを何回か押し、mSTを表示させます。FWDとRWDボタンで+/-を設定できるので、mSTを+に変えます。この状態でUSBでPCに接続します。
2. PCでの作業
PCがFLOWを認識するとOSがディスクの初期化を促してきます。「論理ディスクマネージャがアクセスできるようにするにはディスクを初期化する必要があります」というメッセージの下でMBRかGPTを選択するのですが、FLOWの場合はこれはどちらでも良いはずです。私はFLOWをMacとWindowsの両方で使うけれどもどちらかというとMac向けにしたかったのでGPTでやりましたが、FLOWのように2TBを超えない場合は互換性を考慮してMBRでも大丈夫なはずです(Win8ではGPTがデフォルトのはず)。
MBRとかGPTは起動するときの情報に関するもので、ざくっというとMBRはBIOS向けでGPTはEFI向けです。MacOSX 10.4以上、Windows7以上でGPTが使用可能です。ただしWin7の32bitでは起動ディスクにできませんがFLOWには関係ありません。また容量が2TB以下ならMBRでよいはずです。まさかまだXPを使用している人はいないと思いますが、その場合はMBRが必要です。
次にコンピューターの管理を立ち上げて、デバイスマネージャーを確認します。デバイスマネージャーのディスクドライブの下にAurenderの表示が見えているはずです。
次に記憶域からディスクの管理を開けて、いま設置したSSDディスクを選択して右クリックから「新しいシンプルボリュームウィザードの開始」を選択します。ボリュームサイズの指定はすべてでかまいません。ドライブ文字を適当に割り当ててください。
次はフォーマットです。ここはデフォルトではWindowsではNTFSですが、Macと共用するために私はexFATを使用しました。
これでPCからFLOWが外部ドライブとして見えるはずです。あとは通常通りに使用してください。
またmST+を選択してFLOWを外部ドライブとして使用した場合には、かならずWindowsでは「安全なディスクの取り外し」あるいはMacではごみ箱アイコンに移動させてから、または電源を落としてからケーブルをはずして下さい。
オーディオのみの使用の場合(mST-)では「安全なディスクの取り外し」は必要ありません。
*FLOWの音質
試聴はWindows8.1のJRMC19でまずしばらく聴いてみました。
まず標準添付のUSB3.0ケーブルで接続して、HD800で聴いてみました。
PCに接続するとFLOWの表示パネルに画面のアイコンが現れ、ヘッドフォンを接続するとヘッドフォンのアイコンが現れます。
はじめはかなり低いレベルから始まるので、ボリュームを上げて-30dB程度にします。
音質のレベルはかなり高く、上品で端正な線の細い音で、楽器の音はシャープで切れ味が鋭い感じです。音空間がクリアで透明感が際立っています。音の広がり方が広く立体的で、かつ自然な広がり方が感じられます。
周波数帯域的にはワイドレンジで、かつ低域や高域の不自然な強調がなくフラットなので、HD800の性能が存分に生かされる感じです。
低域も張り出さない程度にきちんとアタック感があります。
平面型のHE560も使ってみましたが十分に鳴らすことができ、HE560では動感あふれるダイナミックな音再現が可能です。
次にUSBケーブルを短めのオーディオ用ケーブルであるFitEarケーブルに変えるとかなり音質は向上します。
透明感が一層際立ち、ヴォーカルの声が空間にぱっと広がります。特に立体感の点で目を見張り(耳を)ます。3次元的でひとつひとつの楽器の音がきれいに分離して情報量という意味でも素晴らしいですね。低域の存在感も上がって重みがきちんと表現されます。
なんとなくカジュアルでデザイン重視のデスクトップDACという見た目ですが、音的にはかなり本格的でハイレベルであり、ハイエンドオーディオブランドの名にふさわしいレベルのハイグレードな音と言えるでしょう。価格的に考えてもかなり良いのではないかと思います。
次にPCとのUSB接続のまま、カスタムイヤフォンで感度の高いWestone ES60を使ってみました。-75dBあたりでもう音が聞こえてくるのでヘッドフォンをはずすと安全のためにリセットされる効果があります。
驚くことにはFLOWはとても背景が静かでノイズが低くIEM専用アンプのようです。再生ポーズのまま音を上げていってもまったくノイズが聞こえてきません。バッテリー駆動の効果もあるのでしょうか、カスタムイヤフォンのためにも素晴らしい音再現が可能なことが印象的です。
また入力をはずした状態でFLOWを立ち上げるとMENUキーでさまざまな設定を変えることができます。pcm0,1,2などはESSのDACが持っているデジタルフィルターの設定で、これを変更することが可能です。
*FLOWの使いこなし
FLOWはさきに書いたように、単なるUSB DACというよりも、オーディオに必要なシステムをパックにしたオールインワンの機材ということもできます。
つまりはUSB DACのように単なる周辺機器とも言い難いので、あたらしいジャンルの機材としてはじめはとまどうかもしれません。しかしながらいままで書いてきたように、そのユニークな設計は実際の使用に基づいた不便な点を改善するためのものであり、実用的なものであると言えます。
- ノートPCと一緒に使う場合
まず第一にお勧めしたいのはHarryさんがもととも想定したような、Macbook AirのようなスリムノートPCを使っている人です。
たとえば私は外でもの書きするときなどMacbook Air11インチ(SSD64GB)を使っていますが、もうディスクがいっぱいで音楽を入れる余地がありません。そこでUSBメモリに音楽を入れておくのですが、今度はUSBポートが足りないのでUSB DACをつけるともういっぱいです。旧Macbook Air13インチのときはUSBポートがひとつしかなかったのでさらに問題は大きかったと言えます。
Macの場合はマウスはBlutoothが標準だからまだ良いとしても、Windowsノートでのマウス派はUSBポートにこまることになるでしょう。
いままではこのようにUSBポートをやりくりしていましたが、FLOWを使えばひとつのUSBポートで音源のストレージとUSB DACをつなぐことができますのでUSBポート不足の問題は解決されます。
また、こうしたスリムノートPCでは電池の持ちが少ないため、外で半日は仕事をしようと思ってノートPCを持ち出しても実のところ画面の明るさを落として節電しながら使うのに、電池食いのUSB DACを接続して音楽を聴こうものなら、電池残量がみるみると減っていくのにどきどきしたという経験があります。
いままではこのように少ない電池容量をやりくりしていましたが、FLOWを使えば電池を食うオーディオ回路はバッテリー駆動ですから電池容量不足の問題は解決されます。
ノートPCではさらに画面がせまく、ただでさえ原稿を書きながら資料をPDFで参照しながら、参考情報をWebで検索したりというと画面がウインドウでいっぱいになり、そこに音楽再生のiTunesの操作画面を出しておくともう大変です。曲をスキップして変えたいだけでも、iTunesの画面を裏から引き出して操作する必要があります。
いままではこのように狭い画面で操作が大変だったものを、FLOWを使えばボリュームの調整と再生・ポーズ、曲のスキップと巻き戻しという基本操作は容易になります。もっともMacbookの場合はキーボードで音楽再生の操作はできますが、集約されていた方が使いやすいとは言えるでしょう。
操作キーはiTunesとiTunesを使うPure MusicやAmarraなども完ぺきに使えます。ただAudirvanaなどプレーヤーソフトによってはPlay/Pauseのみ使えることがあります。ここは調査中とのことです。
mSATAストレージはPCプレーヤーソフトから外部ドライブとして見えるので、プレーヤーのライブラリにこのドライブを指定しておけば次からは音源のソースとして使うことができます。
もちろん上の利点は家で使うときにも当てはまります。タワー型PCではそれほどUSBポートの不足になることはないと思いますが、音源を集約して置けるというのはPC機種変更した時にも便利と言えるでしょう。この場合には少し長めのUSBケーブルがあるとよいですね。
- スマートフォンと使う場合
次に面白い使い方ができるのは外でも良い音で聞きたいというポータブルユーザーです。FLOWはバッテリー駆動であり、バスパワーの消費電力が少ないのでスマートフォンからUSBデジタルで音を取りだすことができます。デスクトップに置くときはしっかりした筐体ですが、反面で常に持ち歩くには大きすぎるとはいえます。反面でFLOWをノートPCと外に持ち出すときに、移動中でもFLOWはiPhoneやAK100と組み合わせて持ち歩きながら聞く、というのは十分考えられるユースケースです。
- iPhone/iPad
iPhoneの場合はiOS7.0以上でライトニングカメラアダプタ(またはカメラコネクションキット)を使用して接続します。iPadはiOS4.0からカメラコネクションキットでのUSB DAC接続に対応しています。FLOWの必要とするクラス2対応になったのはiOS4.2以降ですが、そんな古いのはもう残ってないでしょうから現在ではまず問題ないでしょう。
FLOW側のUSB端子はUSB3.0ですが、マイクロ3.0端子ですので、従来のマイクロB端子と互換性があります。
この接続形態(iPhoneをホストで使用)ではバスパワー上限がありますが、FLOWは主要部分はバッテリー駆動なので問題ありません。またiOS側でONKYOのHF PlayerやFLAC Playerを使用することでハイレゾ音源を再生することができます。またHF PlayerかhibikiであればDoPを選択することでDSDネイティブ再生が可能です。
下記にHF Playerからハイレゾ音源を出力している例と、DSDネイティブ再生をしている例を示します。ハイレゾでは192kでロックしているのが分かると思います。DSDネイティブの場合はまずPCMでのDoPのためのエンコードサンプルレートが表示され、中身がDSDとシンボルで示されます。
- Android
AndroidではWalkman ZX1でNWH10との組み合わせで出力ができました。なかなかいい音で再生してくれます。ZX1とNWH10にmicroB(USB2.0でよい)をFLOWのUSB3.0端子のUSB2.0側に接続。私は直結コネクタを使用しています。ここではZX1の標準Walkmanアプリで再生しています。
またUSB Audio Player proでも添付のOTGケーブルを使うことで再生が可能です。
* 光出力つきDAPと使う場合
光入力ももともとはMacの光出力を意識していたかもしれませんが、ポータブルでは光出力のあるAK100と組み合わせることができます。ケーブルはタイムロードさんの光ケーブルを使うとうまく組み合わせられます。
画面ではハイレゾでもきちんとロックされているのが分かります。
iBasso DX50だと光出力がついていて、USB OTGで外部ドライブの認識が可能なので、うまくいけばFLOWと合わせて面白い使い方ができるのではないかと思いますが、試せていません。
*まとめ
FLOWは端的に言ってかっこよいUSB DACです。しかしそのかっこよさは単なる見てくれではありません。
普通のUSB DACはまず回路ありきで設計され、その基盤を四角い箱に入れてボリュームを前面に付けて製品となると思いますが、FLOWの場合はまずこういう使い方がしたいということをHarryさん自身が考えて機能を設計し、さらにノートPCの横において手を添えて使いやすい形を考えて大きなボリュームを上に配置し、機能に合うように筐体をデザインしていったと思います。そこに工業デザイン的な機能美があると思います。
FLOWには機能ありきで設計された美しさがあります。
FLOWははじめはコンセプトが分かりにくいかもしれませんが、使いこなしを覚えるとかなり便利に使える、きわめて実用的な製品だと思います。それは機能ありきで設計されたからだと思います。もちろん音質も犠牲になってはいません。
その機能と音質の両立を美しいデザインに包んだのがAurender FLOWだと言えるでしょう。