
本日のライカ公式Facebookから
もちろんライカの前からカメラはありましたが、ライカが画期的だったのはいままで大型で持ち運びが難しく三脚に据えて撮るという常識を、手に持てるようなポータブルなものにしたことです。これはカメラに撮る自由をもたらして写真文化を大きく変革しました。
そうした意味ではオーディオでいえば初代Walkmanに似ているかもしれません。Walkmanから外で音楽を聴くことが一般的なものとなり、音楽を聴くかたちを変革していきました(ちなみに3.5mmステレオミニプラグは初代Walkmanがはじまりです)。
そしてもうひとつライカには重要なポイントがあります。ライカの小型化をもたらしたのは、フィルムを映画の2コマ分を一コマとしたいわゆるライカ版(36x24 - デジカメでいうフルサイズ)と定めて小型化したことです。いままでの大型カメラのフィルム(あるいは乾板)ならそのまま印画紙サイズで鑑賞できたものを、小さくしたので引き伸ばしが必要となります。このためライカの発売とともに引き伸ばし機も標準で用意されています。つまりライカというのは実はカメラの小型化だけではなく引き伸ばし機と一体のシステムだったわけです。
そしてこの縮小・引き伸ばしというプロセスがライカの隆盛で写真の世界で当たり前になったのですが、縮小したことによる画質の劣化は避けられません。つまりこれは言い換えるとライカは利便性と引き換えに画質が落ちることを人々に納得させた、ということも言えます。
そういう意味ではオーディオでいえばよりiPodに近いのかもしれない、とふと思いました。あるものが革新的というのは、それが人々のコンセンサスを変えうる、ということなのかもしれません。