ハイレゾという言葉が広く一般にも浸透してくるとそもそもハイレゾとはなにかという「定義」が必要となってきます。
日本でも日本オーディオ協会と電子情報技術産業協会(JEITA)がハイレゾの定義を規定しましたが、以下の海外報道のようにアメリカでも同様な動きがあります。
http://www.twice.com/news/trade-groups/music-ce-industries-bring-clarity-definition-high-res-audio/45638
アメリカのオーディオ・コンシューマーエレクトロニクス団体であるDigital Entertainment Group (DEG)が Consumer Electronics Association (CEA) とRecording Academyとハイレゾの定義について合意したとあります。
これにはSony Music EntertainmentやUniversal Music GroupそしてWarner Music Groupなどのレーベルも参加しています。
ここではハイレゾを"CD品質以上のソースからマスタリングした音源の全帯域(full range of sound)を再現可能なロスレスオーディオ"と定めています。
また4つのマスタークオリティレコーディング(MQ)のカテゴリーを定義しています。
MQ-P: 48k/20bitより高いレートのPCMマスターを音源とするもの。96/24や192/24など。
MQ-A: アナログテープなどアナログ音源をマスターとするもの。
MQ-C: 44/16のCD品質をマスターとするもの。
MQ-D: DSDをマスターとするもの。
DEGではこれによって業界一丸となってこの分野に取り組めるとあります。
レーベルも制定に関与して、ハイレゾデータと言ってもマスターはそもそもなんなのか、という点を明確にしているのはよいかなと思います。
ADDとかDDDみたいな表示のハイレゾ版でしょうか。
日本オーディオ協会では再生機器についても定義してる点が良いところですが、例えばスピーカーなどでは単に40kHz以上、ではなく40kHzで-6dBなどの明確な規定がないと有名無実になりかねないのではないかとも思います。
個人的にはresolutionという言葉はもともと海外のスタジオ系で言われていて、ADCの処理幅つまりマスタリングデータのビット数と思っていました。それが24bitの場合はHigh Resolutionですね。ただ一般には1000万画素のデジカメ、192kHzのハイレゾ、みたいにサンプリングレートの大小の方が分かりやすいとは思います。
ちなみに最近では24bitを超えて32bitがありますがこちらも混乱してるように思います。
下記の記事を前に2011年くらいに書いてますので参考までに。
* 32bit音源の再生というテーマ
http://vaiopocket.seesaa.net/article/234221145.html
* 32bit 整数型と32bit 浮動小数点型
http://vaiopocket.seesaa.net/article/238154160.html
小数点だから細かいということではなく、256と2.56x10^2は表現が違うだけで同じ数です。表現が違うのは計算の都合です。
またDAC ICはCPUではなく、基本的に整数しか扱えませんので念のため。(CPUでも浮動小数点を扱うにはFPUコプロの内蔵が必要です)