Music TO GO!

2013年03月28日

AndroidでハイレゾUSB DACを使用可能にするアプリ USB Audio Recorder PRO

いままで書いてきたようにAndroidで一般のUSB DACを使うためにはUSBオーディオドライバーが有効化されていなければなりません。はじめからこれが可能なのはGalaxy S3など一部の機種です。たとえばNexus 7は標準状態ではUSBオーディオドライバーが有効化されていないので、Nexus 7でUSB DACを使うためにはroot化してからドライバーが有効化されたカーネルを入れ替えるという面倒でリスクのある手段を使う必要がありました。

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Nexus 7とDragonfly

しかし今回紹介するUSB Audio Recorder PROは(本来は録音アプリですが)単にこのアプリをインストールするだけでNexus 7のようにいままで対応できなかったものでもUSB DACを使うことができるという優れものアプリです。しかもハイレゾに対応していて、真に192/24bitのハイレゾをUSB DACに出力することが可能です。これでAndroidもようやくiPadなみにハイレゾ対応が可能になりました。

ダウンロードはこちらのGoogle Playから429円です。(USB Audio Recorderは別アプリです。USB Audio Recorder PROを買ってください)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.extreamsd.usbaudiorecorderpro&hl=ja

下記にアプリの解説が書かれています(Google Play画面です)。

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無料のお試し版もあります。こちらはサイトからダウンロードです。かなり低いレベル(ハードに近い)のソフトウエアなので、Android端末、USB DACとも機種によってはまず無料版で動作確認をしてからフルバージョンを買った方が良いかもしれません。
こちらの開発元サイトに動作可能のAndroid端末とUSB DACの組み合わせが書いてあります。
http://www.extreamsd.com/USBAudioRecorderPRO/

* USB Audio Recorder PROの実際の使用について

USB Audio Recorder PROの使用条件はUSBホスト機能が必要なのでAndroid4.0以上であるということ、USB OTG(On The Go)ケーブルが必要ということです。USB OTGケーブルはiPadのカメラコネクションキットに相当します。下記に書いたマイクロB-AメスのUSB OTGケーブルはAmazonなどで簡単に入手可能です。
またUSB DAC側は標準ドライバーで動作するものが必要です。USB DACの電力制限はiOSではないのでかかりませんが、よくはわかりません。
私は標準状態(無改造)のNexus 7(Android 4.2)で試してみました。USB DACと組み合わせる際には干渉を防ぐためにAirplaneモードにしてください。
iBasso DX100はAndroid 2.3ですので残念ながら使えません。(Google Playからダウンロードできません)

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再生はアプリ内でのみ可能です。USB audio recorder proを音楽再生アプリとして扱ってください。対応フォーマットはFLAC/WAV/OGG/AIFFです(録音はAIFFは不可ですが再生はできます)。MP3は使えません。他の音楽再生アプリからドライバーとしてだけ使うということはできないようです。iOSみたいにAudioBusみたいなのがあればできるのでしょうけれども。ただしUSB audio recorder proのサービス版を開発中ではあるということです。またもともとは録音アプリなので録音したデータを他の音楽再生アプリで再生するということは可能です。
音源を指定するにはフォルダアイコンをクリックして階層をたどってください。音楽再生用として使用するために簡単なプレイリスト機能がついています(わざわざこれは録音アプリだけど再生用のリクエストが多くてつけたと注釈が書いてあります)。

はじめにUSB DACをUSB OTGケーブル経由で接続してからUSB Audio recorderアプリを立ち上げてください。アプリの立ち上げ時にUSB DACを検知すると下左のようにUSB DACへのアクセスを聞いてきます。OKを押下してください。初期化に失敗すると下右のようにエラーが出ますのでそのDACは使えません。初期化に成功すると対応している出力ビットが16とか24のように表示されます。

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問題なければ左上のフォルダアイコンをクリックして音源ファイルを選択してから再生ボタンを押下してください。またPlay Listタブで簡単な複数ファイル再生も可能です。

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USB Audio Recorder PROでのハイレゾ再生

バッファは再生音に問題があるときに下記のように機種ごとに調整が必要です。再生音が異常のさいには下記のようにバッファ長を調整してみてください。動作の安定性は接続するDACにもよるようですが、やや安定動作に欠けるところもあります。動作が安定していないときにはリブートでたいてい解消できます。

ポータブルDAC : AudioQuest Dragonfly

Dragonflyが標準状態のNexus 7で使えています。なんと画期的ですね。これでハイレゾ再生も可能なポータブルオーディオシステムになります。Dragonflyの場合は片側AメスのUSB OTGケーブルを使います。

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ハイレゾ音源(Blue Coast)を再生しているときはDragonflyの色が変わってきちんと96KHzでロックしているのがわかると思います。緑が44kHzでマゼンタ(赤紫)が96kHzです。
なおDragonflyの時はバッファ設定を標準の4096 framesではなく44kHz音源はBuffer=8192 frames、96kHzのときは16384 framesに指定しないと音が安定しません。

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またDragonflyのように内蔵ボリュームがあるタイプでは上のようにボリュームの調整にはMixerタブを開いてchannel1と2のスライダーで音量を調整してください。

据え置きDAC : Wavelength Proton

このWavelength Protonのように据え置きタイプでももちろん使えます。片側AメスのUSB OTGケーブルを普通のUSBケーブルで延長してください。

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Protonでも96kHzでロックしているのが確認できました。ProtonでもDragonflyと同様にバッファ設定の変更が必要です(DragonflyとProtonはファームがほぼ同じです)。仕様としては192kHzまでいけるようです。

○ ポータブルDAC内蔵アンプ : xDuoo XD-01

xDuoo XD-01でも使用できます。(XP-01が調子悪いのでXD-01でXP-01のアクセサリーを使っています)
この場合はXP-01についていた短いUSB OTGケーブルを使用すると便利です。

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このUSB OTGケーブルには上下別で、プラグの向きによって折り返して使えるようにもなっています。

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XD-01の場合はバッファ設定にはよらず安定しています。XD-01でも96kHzまでハイレゾ出力が可能です(ロックは確認できませんが)。この場合はSRC(アップサンプリング)は切った方が良いでしょうね。XP-01ではUSBコントローラ(PCM27xx)の都合で48/16までになりますからXD-01の方が向いているかもしれません。


* USB Audio Recorder PROの仕組み

USB Audio Recorder PROがUSBドライバの有効化なしでUSB DACと接続できる仕組みは、アプリ内部にミキサーとオーディオドライバーのような音声システムをそっくり持っているからです。これは開発元のeXtreamが書いたものということで、通常のアプリですからユーザー空間に置かれています。それでAndroid標準の音声システム(Audio flinger)をバイパスしてOSのUSBホストドライバーにアクセスしているようです。感覚的にはDX100のiBassoアプリにも似ているかもしれません。

Galaxy S3やドライバー有効化改造されたNexus 7との違いは、USB Audio recorder proはユーザー空間を使用する普通のアプリであるためroot化する必要がないということです。対してNexus 7でのドライバー有効化はカーネル(Android的には別な言い方がありますが)を書き換える必要があるのでroot化(つまりカーネル空間にアクセス)する必要があります。rootというのは管理権のことですから通常のユーザーでは扱えないシステムレベルでアクセスできるということです。iOSなんかで標準添付のアプリが消せないのもこの理由です。

ミキサーなどのシステムモジュールはカーネル空間(つまりOS内部)にあるのが普通ではありますが、ユーザー空間にあってもおかしくはありません。たとえばWindows7(Vista以降)のミキサーであるAudio engineはユーザー空間にあります。そのためAudio engineをミキサーと呼ぶことは問題ありませんが、XPのようにカーネルミキサーと呼ぶことは誤りです。(ただしWindowsのAudio engineはユーザー空間にありますが特別なメモリ保護下にあります)ちなみにWindowsでミキサーをユーザー空間に出したのは当時のMSのOSアーキテクチャ戦略の一環です。

ユーザー空間にこうしたシステムモジュールを置くというのは欠点もあると思いますが、自由なAndroidならではの着眼点です。
Appleのがっちりとした管理下にあるiOSアプリに比べると、規制の緩いAndroidアプリは長短ありますがこうした自由度が高い点は面白いところです。これがiOSアプリだったらAppleに却下されているかもしれません。接続するDACも消費電力制限などが緩いのでいろいろ使えますしね。
あとはサービス化してくれて、他の音楽再生アプリから使えるようにしてくれれば、Androidのオーディオ利用もずっと広がっていくでしょうね。いずれにせよXP-01、ADL X-1などのAndroidを考慮したポータブル系の隆盛とも合わせてAndroidとUSB DACの組み合わせの分野もちょっと活気づいてきたように思えます。
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2013年03月25日

xDuooのDAC内蔵型ポータブルアンプ XD-01

xDuoo(エクスデュオ―)は中国の新しいブランドですが、DAC内蔵型のポータブルヘッドフォンアンプでポータブル機器とのデジタルの組み合わせで面白い使い方を提案しています。今回はXD-01を紹介します。下記はxDuooのホームページです。ホームページにはDAPなどの製品も見えます。
http://www.xduoo.com/xduoo/

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XD-01はスリムでコンパクトなDAC内蔵のポータブルアンプです。
前面にはヘッドフォン出力とアナログ入力(ラインアウト兼用)が装備されています。またゲインも二段階で切り替えが可能です。背面にはデジタル入力として光(角端子)とUSB(マイクロB)、SPDIF同軸(RCA)が装備されています。また背面には2つのスイッチがあり、ひとつはデジタル入力を192kにアップサンプリングするものです。そしてもうひとつでUSBを充電用として使うかどうかが選択できます。実はこれがiPad使用においてポイントとなります。
USB DACとしては96/24までのハイレゾ対応でUSBコントローラはTAS1020です。同軸と光入力においては192/24まで対応しています。全面のラインアウト(IN/OUT)から別のアンプにケーブルで接続することでXD-01を単体DACとしても使用することができます。

* XD-01とAK100の光デジタル接続

AK100は単体でも音は良いですが、光デジタルアウトを備えているのも特徴です。それを生かすにはこのXD-01が好適です。XD-01はDACとしてWM8740を採用しています。これだけだとAK100と同じですが、XD-01ではシーラスロジックのCS8422を使用してASRC(非同期サンプルレートコンバーター)を使用して微妙にリサンプリングさせながらジッター低減をしています。これはポータブルならColorfly C4、または据え置きのBenchmark DAC1やDigital LinkIIIなどで使われた手法です。これに加えてわりと優れたアンプを搭載していますから、トータルシステムとしての音質はより優れているというわけです。またXD-01では44kのCDリッピングソースでも192kにアップサンプリングすることが可能です(たいていASRC機材とアップサンプリングは組みの機能です)。

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上の写真は付属のケーブルで接続したものです。市販の光接続ケーブルはたいてい長いので、こうしたポータブル機材に使うには向いていないので、この手のDACではまず光ケーブルを探すのが苦労なのですがXD-01ははじめから適度な長さの光ケーブルが付属してついているのが良いところです。音質としてはSys-conceptのものより透明感や解像感は落ちますが全体のバランスはそう悪くはありません。もともとXD-01の性能がなかなか良いので当面はこのケーブルを使っていても良いと思います。

そして物足りなくなったらSys-Conceptの90度ケーブルに変えると音質だけではなくケーブル側を下に出来るので取り回しも向上します。下画像ではSys-concept 1300 strandケーブルを使用しています。
sys-conceptの紹介ページは下記です(ここの日本語文を書いたのは私なんですけど)。
http://www.sys-concept.com/U-toslink_miniplug.html

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90度ケーブルはコネクタの向きや角度を指定して実測でケーブル長を指定するので面倒なのが難ですが、私と同じ構成の場合は下が私の注文したオーダーですので、同じでも良いと思います。中心間距離が3.6cmで角度は26度、シェルなしの1300 strandケーブルです。
ただし条件としては私と同様にAK100とXD-01の間にはスペーサーを入れてないということですね。クッションなどを入れて使っている人は長さや角度がずれますので実測が必要です。

1300-strands fiber, For AK100/xDuoo XD-01, Toslink to MiniPlug dia. 2.2mm - 3.6cm c2c 26deg. w/o shell

購入はこちらのページからadd cartしてコメント欄に条件を書いてください。条件は先の紹介ページに書き方が書いてあります。
http://www.sysconcept.ca/product_reviews_info.php?products_id=349&reviews_id=98&osCsid=pdln44fk1dc2vod5epobogmdp5

Sys-Conceptに変えると透明感が一段と高く再現力も細かくなり、周波数帯が上下に伸びてレンジが広がるように感じられます。また全体的により洗練されてリアルな音再現になります。

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AK100+XD-01は音質的にもレベルが高く、コンパクトであつらえたようなパッケージです。Sys-Conceptケーブルとの組み合わせではすばらしい再現力を発揮します。AK100の良さをそのまま向上させたようなニュートラル基調でリアルな再現力を堪能できます。いまのお気に入りはUE18/Whiplash TWagとの組み合わせです。

AK100とXD-01の組み合わせにおいて、透明感が高いところはDAC・アンプ一体型の利点を感じさせます。特に透明感が高いからきつさもあるというのではなく、滑らかでロックポップのような粗い録音でも痛さはあまり感じないところが良いと思います。AK100単体で聴くよりももちろん高性能です。AK100単体では比較すると痩せた感じに聞こえます。
サミュエルズ・アンプのように個性的というわけではありませんが、中庸的にバランスのとれた高音質という感じですね。逆に音調的にもAK100と大きくかけ離れていないので、AK100の音質をそのまま深く豊かに細部をより浮き出させるように向上させるように感じられます。

電池の持ちについてはAK100とXD-01を両方フルにしておいて、同時に再生し続けていると先にAK100の方が切れるので、XD-01自体は十分な容量があると思います。

* XD-01とiPadのUSBデジタル接続

もうひとつのXD-01のポイントはUSB接続を生かしてiPadからのデジタル出力を受けることができるということです。これにはiPadとカメラコネクションキットを使用しますが、この問題点は消費電力の制限があることです。しかしXD-01の良い点はさきに書いたようにChargeのオンオフができるということです。そのため、Chargeスイッチはオフ側に倒してから接続するとこの問題を回避できます。このため電力供給ハブなどは不要で直で接続できます。下右の写真の左側のChargeスイッチの位置に注意してください。

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ただし性能の良いUSBケーブルで片側マイクロUSB Bという端子のものがないので、ここではオーディオ用のUSBケーブルにミニBとマイクロBの変換コネクタを使用しています。
ちなみにLightning-microUSBアダプターは使用できません。(実際にやってみました)

ちなみに少し前のGo-Vibe vestでもChargeボタンがあるのでやはりiPadと組み合わせて使えます(試してみました)。vestではミニUSB Bですのでケーブル選びは楽かもしれません。

AndroidでもGalaxy S3などはこの方式で接続ができると思います。
Androidにおいては接続が推奨されてるのはxDuooではXP-01の方ですが、XD-01でも大丈夫でしょう。ただしUSB OTGケーブルが必要です。(iPadではカメラコネクションキットがUSB OTGケーブルの役割をします)
この点でXP-01の方はさらにこのための短いUSB OTGケーブルが付属していますのでよりAndroidとの接続には向いています。XP-01で接続要件としてAndroid4.0以上とされてるのはホスト機能のためだと思います。以前書いたアクセサリープロトコル(2.0)を使う方式では4.1以上が必要です。ここは混同しないように注意ください。また4.0以上でも使用できるAndroid端末は限られています。この辺はこちらのリンク参照のこと。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/13805095-1.html
他にはGo-DAP、ADL X1(未発売)やFIIO E18(未発売)などもこの方式を使用しているでしょう。

xDuoo製品の良いところは買ってすぐ使えるように必要なアクセサリーが同梱されているところです。たとえばXD-01では短いサイズの光ケーブルが入っていますし、XP-1ではB-BのOTGケーブル、しかも組み合わせの自由が効くようにmicroBの端子の向きが反対のものが入って2つ用意されています。またXD-01ではAK100などと組み合わせるゴムバンドが入っていますが、XP-1ではスマートフォンと組み合わせやすいように両面テープとマジックテープまで入っています。
ポータブルアンプも市民権を得てきたと言っても短いケーブルなどのアクセサリーなどがけっこう入手できなかったりしますが、けっこう細かいところまで気配りされてる点には好感が持てますね。
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2013年03月24日

イヤフォン・ヘッドフォンの最適化を行うiOSアプリ、accudio pro

最近のスマートフォン音楽再生アプリの流行はDirac HDやaudyssey music player、Onkyoアプリに見られるようにイヤフォンの周波数特性をイコライザーで補正して最適な音質に調整する方式です。これによって周波数特性の凸凹を打ち消してより正しい音の再現性を得るというわけです。これをイヤフォンの機種ごとに用意して、それぞれの機種ごとに最適な補正を行います。
今回紹介するaccudioもそうしたiOSアプリです。またDiracやaudyssey music playerとは異なりaccudioではFLACの再生も可能です。FLAC Playerの高品質音源再生とDiracのイヤフォン最適化を同時に実現したアプリと言えます。

* Reference Mode

accudioでは"Reference Mode"がこの最適化を行うモードです。
accudioではたくさんのイヤフォン、ヘッドフォンのプリセットが用意されています。audesseyと違い、馴染みあるイヤフォン・ヘッドフォンが多いのが特徴です。K3003、K701からHD800まで用意されています。

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こちらにaccudioが対応しているイヤフォンとヘッドフォンの一覧があります。
http://accudio.goldenears.net/SupportProdList
この中でEQ Adaptabilityというのはこの最適化モードによってどのくらい音質を上げられるかという尺度です。

このGolden Earsという会社はもともと音響機器測定の会社らしく、こうした測定データをたくさん持っているようです。ちなみに他にも同名のアプリがありますが、Golden earsは良い耳という意味です。目が良いという場合はEagle eyesとか言いますね。(Eagles eyesはカールツァイス・テッサータイプレンズの初代のキャッチコピーでした)
下記ページではイヤフォンの特性をどう測定したかについて書いてあります。さまざまな測定機材を使用しています。
http://accudio.goldenears.net/Accudio/325

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補正の仕方としては周波数特性がフラット・ニュートラルになるように補正していくようです。上のK3003のチャートをみると緑がオリジナルで青が補正後ですから低域はかなり抑え気味であることが見て取れます。ただしピークやディップは意図的に補正しない場合もあるということ。これは聴覚上の問題からということです。

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上のオーディオテクニカESW10では実際に試してみると、オリジナルに比べて中音域の明瞭感が感じられすっきりとこもり感がなくなり、低域はふくらみが抑えられています。低域の深みはそのままなので、印象はふくらみが消えて明瞭感が上がったことによって、たしかによりフラット、クリア、ニュートラルを考えたHiFiよりの音となりESW10がひとレベル高価になったような気はしますね。ESW10ではけっこうaccudioは効いているように思えます。

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同じイヤフォン設定が可能なEarPodsでDirac HD、audyssey music playerとaccudioをそれぞれ最適化して再生して比べてみると個人的にはDirac HDが一番好ましいように思えます。これは人の好みによるかもしれません。おそらくDiracは特性がフラットになるようにというよりも聴覚上好ましいように調整しているのではないかと思います。

* Simulation ModeとCustom Mode

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もうひとつaccudioで他に無いユニークなのは"Simulation Mode"です。これは上のようにK3003であってもER4S「風」に味付けするとか、ESW10をDT770「風」にするというものです。もちろんこれはちょっと遊びの部類ではありますが、音を広げたいときなど訳だったりもします。

またaccudioではReference ModeとSimulation Modeのほかに"Custom Mode"というモードがあり、細かい設定を手動で行うこともできます。

* FLAC再生

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高音質再生ではiPhoneで使用するいつものiPodライブラリの楽曲と、FLAC Playerのようにアプリローカルに格納するFLACやOGGなどの音源をいっしょにリストで選曲することができます。FLAC/OGGはiTunesのアプリタブからiPhoneに転送します。
上はLINNサイトからダウンロード購入したヘルゲリエンの192/24の音源をそのまま再生しているところです。もちろんダウンサンプリングしていると思いますが、問題なくそのまま再生可能です。

* 多言語ローカルエンコード対応

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またaccudioのもうひとつの特徴は多言語に対応していて、UNICODEだけではなくたくさんのローカルエンコードのタグ文字列をサポートしているということも挙げられます。

* 購入リンク

accudio proの購入は下記リンクです。
https://itunes.apple.com/jp/app/accudio-pro/id553759905?mt=8
いくつか制限のある無料版accudio freeもあります。
https://itunes.apple.com/jp/app/accudio-free/id551297705?mt=8


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2013年03月22日

AK100のオプション品追加と新生活セットのカスタマイズheavenIV

ポタ研で参考出展していたAK100のカラバリのうちで世界的に集計した結果、ゴールドとシルバーの発売となりました。細かい部品までしっかりカラーリングしているのがポイントとのこと。

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日本のポタ件の集計ではレッドが多かったと思いますが、これは日本だけだったようです(赤って日本のイメージカラー?)。

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それとAK100の専用ケースが発売されました。ケースについては以前ネットでも販売されていたようですが、今回は不要と思われたパーツを取るなど改良をしたうえでメーカー純正品として発売するようです。色も多少異なるということです。カラバリ、ケースともに限定数販売という形で4/6(土)発売の予定になります。
** ゴールドモデルの発売は4/20となりました。

* 新生活セットでのFinalのheavenIV

少し前にAK100のお得なセット商品として「新生活応援セット」が発売されています。これは好評のfinal audio designのheavenIVをAK100向けにカスタマイズして組み合わせ、e-Onkyoのダウンロードクーポン5枚とmicroSDカード32GBをセットにして販売するというものです。
AK100向けにカスタマイズされたheavenIVというのはなかなか興味あるところですが、今回このカスタマイズされたheavenIVを使用して、AK100(標準品)と組み合わせて音のインプレッションを書きます。

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heavenIVはfinal audio designが開発したバランスド・アーマチュア(BA)のシングルドライバーを採用したイヤフォンです。
このカスタマイズ版のheavenIVの通常版との違いはブラックメタリックの限定カラー、Astell&Kern とfinal のロゴ刻印、そしてAK100に合わせた音のチューニングです。こちらのfinal audio designのホームページに書かれています。
http://final-audio-design.com/archives/1851

イヤフォン自体がわりとスリムで挿入しやすいのは良い点で装着感も優れています。フラットなケーブルは適度な反発があってからみにくいのも良い点です。

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イヤピースは二種類入っています。開口部が小さくずんぐりしたほうが遮音性の高いAタイプで、より円錐に近い方が共振音の少ないBタイプです。これは低域の出具合とか音の全体のバランスなどを比べてみて自分の好みに合わせた自分ながらのチューニングをして楽しんでみると良いと思いますね。
final audioは筐体の素材にこだわるメーカーですが、上位機種のheavenVIがクロム銅を採用しているのに対して、heavenIVではステンレスを採用しています。

final audioのheavenシリーズはBAM(Balancing Air Movement)というイヤフォン内部のエアフローを調整する仕組みで音質を高めている点が特徴です。ShureのSE215SPのところでも書いたようにイヤフォンは内部のエアフローのチューニングが重要です。特にheavenシリーズは帯域が狭くなりがちなシングルBAドライバなので、エアフローのチューニングで低域の領域拡大を行っているようです。今回のAK100向けにカスタマイズしたモデルでもそのチューニングを改良しているようです。
半面でシングルBAの場合はクロスオーバーの必要がなく、マルチドライバー機のようにそれぞれのドライバーからの音がずれる位相問題がないので、上手に設計すればコストパフォーマンスの高いイヤフォンを作ることができます。

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音の印象ですが、AK100と組み合わせて聴きました。
一般的な音の印象はバランスド・アーマチュアらしい細かい音ですが、ありがちな高域のきつさが少い点がよく設計されていると思わせてくれます。
低域も十分で全体にバランスが良く、空間的な広がり感を感じられるのも良い点です。音楽の雰囲気もよく伝えてくれます。音色も良く、ステンレスの金属筐体は付帯音も少なくピュアでクリアな音再現に貢献していると思います。
たしかにカスタムモデルのベースとして、コストパフォーマンスが優れているイヤフォンという感じはしますね。

次にAK100との相性ですが、カチッとしたAK100の折り目正しい正確な楽器音再現を上手に引き出している点がまず好印象です。高能率のBAだとノイズを拾って曇りがちなイヤフォンもありますが、このheaven4はそうしたこともなくAK100の強みの透明感もあますところなく伝えてくれます。また余分な付帯音も少ないので、AK100の特徴である音源素材の音そのものを楽しめるという利点も生きていると思います。
ポイントの低域は膨らみが多すぎない程度に十分量感も確保されてベースラインも気持ち良いですね。このカスタマイズされたheavenIVでは上位機種のheavenVIに近い内部構造にすることでより重心が下がるようにチューニングしたということですが、よくAK100向けにバランスが取れてると思います。heavenIVはもともとバランスは良いと言っても、インピーダンスは16オームなのでRWAK100の記事で書いたように高めの22オーム出力インピーダンスのAK100がやや苦手にするイヤフォンです。そのために重心を下げたのは良い改良だと思いますね。

AK100だけでなくiPhone5と組み合わせてもよいでしょう。エントリーBA機にしてはきつさも少ないのでAACの荒い音源でも上質な音再現を聴かせてくれます。UBiOなどのアプリと組み合わせると良いですね。iPhone5と合わせても低域の量感は十分あります。

セットとしての価格ですが、下記のフジヤさん販売ページでは54,800 円(税込)でこの「新生活応援セット」を販売しています。同内容をばらばらにそろえると1万円近く高くなると思いますのでお得なセットだと思います。AK100が気になっていたけれども考え中だった人には好さそうですね。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail19641.html
もちろん限定カラーでAK100向けにチューニングされたheavenIVはこのセットでないと入手できないので、既存のAK100ユーザーは悩ましいところかも知れません。

heavenIVとAK100でハイレゾのSpanish Harlemなどを聴いても、ハイレゾの魅力が十分伝わると思います。e-onkyoのチケットを活かしていろいろ好みの音源をダウンロードしてください。そうするといろいろな発見もあると思います。
音質の違いもさることながら、ハイレゾ音源では音源のマスタリングの考え方が違うので、たいていCDリッピングした音源より音量レベルが低いので新生活のビギナーは注意して欲しいと思います。こうしていままでのAACやCDリッピング専門から一歩抜け出して高音質音源の「新生活」を楽しむためにはそれに応じた機材が必要です。そしていま手にするheavenIVとAK100がその一歩となるでしょう。
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lessloss audioのSDデジタルプレーヤー Laminar

lessloss audioが最近開発していたデジタルプレーヤーの構想図みたいなものが乗ってました。
http://www.lessloss.com/laminar-streamer-a-48.html
これはLaminarというSDカードを使ったデジタルプレーヤーです。
面白いのはOSにはLinuxも使わないでaudiophile operating systemを一から書いたっていうところです。
クロックにはオーディオと同じクロックを使用して、サンプリングレートに応じてシンクロするように設計してるとのこと。これによってジッターのない滑らかでアナログ的な音にすると共に、起動時間0.1秒を達成するということです。Tera Playerのデカイ版?
ちょっと面白そうです。ただし24Kgということでポータブルではありませんので念のため。
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2013年03月20日

フランス製のデザインに優れたヘッドフォン、Aedle VK-1 ヴァルキリー

Aedle VK-1 はフランスの新興ブランドで、昨年のはじめくらいにデザインが優れたヘッドフォンとして話題をまいていました。VK-1は愛称をVALKYRIE - ヴァルキリーと言います。クローズタイプのポータブルヘッドフォンです。

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こちらにホームページがあります。
http://www.aedle.net/

はじめはデザインだけのプロトタイプかと思っていましたが、昨年後半になると真面目に生産に向かってやってるらしいという情報が伝わってきて、上のホームページに制作過程を描いた動画がアップされてたりしました。そして昨年暮れにプリオーダーを取ったのでカッコよさに惹かれてさっそく注文をしてみました。価格は250ユーロで送料は30ユーロでした。
その後今年のCESで実機が展示され、日本でもポタ研でデモ機が展示されたりしました。当初は二月末出荷予定でしたが、少し遅れて私のも含めたはじめの500台がファーストバッチとして3/15に出荷されました。(Classicが400台でカーボンが100台)
現在は品切れ状態になってます。

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これはVK-1 Classicというタイプで、金属のフレームとハウジング、革のパッドとヘアバンドが素晴らしく美しいヘッドフォンです。他にはカーボンブラックのタイプもありました。

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250ユーロにしてはパッケージのプレミア感はありますね。中には保証書代わりに金属のタグが入っています。背面にはシリアルが入っています。私のは110番台でした。(予約開始から2-3日くらい遅れてたかも)
パッケージには少し大きめのヘッドフォンポーチもついています。

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VK-1はデザインの良さがポイントだけに航空機グレードのアルミニウム切削ハウジングやラムスキンイヤパッドなど高級感と洗練されたデザインがいい味出してます。見て楽しむヘッドフォンでもありますね。縫製は手縫いのようで荒さもありますが微妙な不揃いさに味があります。

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ハウジングのイヤカップはオンイヤー型で耳にぴったり収まる感じ。ヘッドバンドの長さはヘッドフォン基部の金属のパイプの上下によるのであまり幅は大きくはありません。その分で見た目はスッキリして良いところもありますね。わりと側圧もしっかりしていて遮音性もそれなりにあります。ポタ研でみたデモ機よりもがっちりした感はあります。
ケーブルは着脱式でミニとミニの接続です。二種類のケーブルが付属していて片方にはiPhoneリモコンがついています。

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火曜に届いて一日くらいエージングしてからiriver AK100ストック(標準品)で聴いてみました。(画像にはxDuooも映っています)
全体的な印象は甘くて柔らかめでベースヘビーという感じです。また空間表現はコンパクトな割には意外良くて雰囲気の再現も良いですね。AK100単体でもかなりベースのインパクトがあり、ポータブルアンプを足すとベースヘビー感は強くなります。ただし単に膨らんでるということだけではなく、ソリッドなインパクトもあるのでパワフルなベースと感じます。コンパクトなわりにはベースの重厚感があって迫力もたっぷりあるという感じですね。和太鼓のインパクトも打撃感が十分伝わってきます。高域が抑えられていて全体にも甘い感じではあるけれども、音色自体は悪くないですね。金属のベルなど楽器の音自体はきれいです。
高域は刺激が抑えられていて、ヴァイオリンなどはくっきりした明瞭さやシャープ感はないけれども、反面でまろやかで聴きやすく聴き疲れはとても少ないですね。高域の感じはB&WのP5みたいな抑えられた感じです。
男声ヴォーカルは太くて迫力がありますが、女声ヴォーカルは少し弱めにはなります。音の広がりというか空間的な豊かさも割と良いので、音楽を分析的ではなく雰囲気で楽しむタイプですね。高域の痛さもなくベースの迫力はすごいのでロックにはなかなか良いと思います。

iPhone直で聞く時はSonicMaxみたいに細かくイコライザーが調整できるものが良いでしょう。それと良かったのはaudyssey music playerで、もちろんVK-1はないけどDreのBeats Soloあたりと同傾向だろうと思ってSolo設定にしてみたらけっこう当たりでした。中域のクリアさをこれで少し出すことができます。Solo HDよりもSolo設定の方が良いと思います。

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このFugenn & The White ElephantsのPraysみたいにノリの良い打ち込みエレクトロニカ系とかダンス系には良いヘッドフォンだと思います。Deleriumなんかの系も良いですね。

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同じフランスのポータブルヘッドフォンということでFocalのSpirit Oneと比べてみると、VK-1は215gSpirit One(225g)よりやや軽量でオーバーイヤーのSpirit Oneに比べてオンイヤーのVK-1の方がかなりスリムでコンパクトに見えます。ただし多少折り曲げられるSpirit Oneに比べるとVK-1は折り曲げできません。デザインや作りこみは金属と革のVK-1はブラのSpirit Oneを圧倒しています。音に関してはSpirit oneの方がクリアでVK-1は甘め、低域はVK-1の方がよく出て量感もたっぷりあります。


VK-1は難しい顔をしてクラシックやジャズのハイレゾを聴くヘッドフォンではなくて、スタイリッシュなデザインのヘッドフォンを外に持ち出してノリの良い打ち込みたっぷりの曲を楽しく聴くのに向いていますね。AK100でクラブ系を聴きたいっていう人にも良いでしょう。一方で器楽曲をゆったりと聴き疲れなく楽しみたい人にも良いかもしれません。
アメリカでは高いながらDreのヘッドフォンがかなり売れていて、ちょっと高めのDJタイプのようなジャンルがあるようですが、VK-1はそれをフランス風にセンスの良いデザインをアレンジしたもの、という見かたもあるかもしれません。

私的にはヴァルキリーというとXB-70なんですが、XB-70は航空機史上もっとも美しい機体と言われていて、メディアに出てくるたいていのヴァルキリーというメカの愛称はこのXB-70がもとになっていることが多いほどです(もともとはワルキューレなのにヴァルキリーという英語読みのほうが広まったのはこのため)。このVK-1も美しいデザインで、持つ喜びを持ったちょっと眺めていたくなるヘッドフォンと言えますね。
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2013年03月16日

ヘッドフォンブック2013に執筆しました

発売中のヘッドフォンブック2013に記事を執筆しました。
まずヘッドフォンアワード2012のコメントを書いています。昨年ベストがFitEar Togo 334というのは音質的にも独自のジャンルを切り開いたという点でも納得でしょう。ただSpirit Oneについては本来はミドルクラスに入れたかったのですが、ちょっと国内価格が高いのが難ですね。もっとブレークするポテンシャルを秘めた真面目に作られた製品なのに残念です。

次に注目してほしいところはP119からのゼンハイザー、ウルトラゾーン、ウエストンのインタビューです。これは昨年の秋のヘッドフォン祭のときに私が直接インタビューしたものです。全体ではもっとやってるので後で録音の聞き起こしが大変でしたが、字数の都合で割愛したところもあります。
ゼンハイザーのインタビューはデモルームの中だったので見てた人も多いかも。ゼンハイザーのアクセルはさすがまじめという感じで話しやすかったですね。アクセルは技術者なので私も話しやすかったです。インタビューを終えたときに「いい質問だった」と言われてちょっとうれしかったですね。
ウルトラゾーンのマイケル・マイケルは個人的にもけっこう知っているので和気あいあいと進められました。中で「IQは世界中の音楽関係者に意見を求めて開発しました」っていうところで私が「But you didn't ask me! - 私には聞いてないよね」って突っ込んで、全員爆笑したりしました。
ウエストンについてはこのときはダイナミック市場は先という話をしていたのにインタビューが出る前にCESでダイナミックの参考品を出されてしまい焦ったりしました 笑。あと記事には書いてませんが世間話的な会話の中でヘッドフォンも実は匂わせてたんですが、これはちょっと別な形になりそうですね。

それと「ポータブルオーディオ強靭化計画」という特集でHDP-R10、AK100、HM901のレビューとTera PlayerとColorfly C4にも触れています。記事では書いてませんがこの時借りたデモ機でHDP-R10と自分のDX100を比べましたが、やはりR10の方が音質は上だと思いました。
それとこの記事ではOnkyoの開発中のも含めて音楽再生アプリ14本を一挙コメントを書いています。書いてみると結構たくさんあって選外になったものもいくつかあります。iOSが多いのは私がiOSメインということもありますが、Androidの音楽再生アプリは数は多くとも並べてしまうと際立つ個性差が少ないということもあります。
また音楽再生アプリについてはiOS/AndroidともFLAC Player/Golden Ear/Neutronなどのオーディオ向けグループとRADOSONとかUBiOのようにDSP主体のカジュアル向けと分ける必要があると思いますね。

このほかではP37からの製品レビューでDENON D7100、D600、FitEar Togo 334、Ultrasone Tio、LCD2 Bambooを書いてます。私はLCD2は自前で持ってますが、LCD2 Bambooは軽くなってて驚きました。LCD2はとにかく重いのが難点でしたからね。

付録としてはハイレゾ音源データやアニソン・ヘッドフォンブックもついています。ボリュームたっぷり、見どころたっぷりなのでどうぞお買い求めください!



またヘッドフォンブックについては英語化プロジェクトも進行していますので、英語版の方もチェックしてくださいね !
http://vaiopocket.seesaa.net/article/323325414.html
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2013年03月14日

Class DSD - DSDフルデジタルアンプの可能性

PS Audioのポール社長のブログでDSDを利用したフルデジタルアンプの可能性について言及されていて興味を引きます。
http://www.pstracks.com/pauls-posts/class-dsd/9902/
これは一連のアンプ話の流れでデジタルアンプ(D級アンプ)に言及したものです。

上記ページの図を見てもらうとわかるのですが、一般のPWM方式のデジタルアンプで入力信号の他になぜ三角波を使うかというと、コンパレータ回路(比較器)を通して入力信号と三角波(基準波)を比較してPWMでパワーICを制御するためのパルス幅を決定するためです。
連続的なアナログ的にパワーICを制御するためには元の入力信号が連続的に遷移するアナログのような信号である必要があります。(連続的と言ってもスイッチングノイズが出るので後でフィルターなどで取ります)

よくCDのデジタルアウトをデジタルアンプに接続すると全行程フルデジタルに思えますが、実際はそう簡単ではありません。まずCDで使われるPCMとデジタルアンプで使われるPWMはまったく違う方式です。そしてPCMのままで電流を増幅する(パワーICを制御する)ということはできません。PCMでは信号として見ると連続的な遷移ではないので、そのままコンパレータ回路を通すということは意味がないからです。そのため多くの場合は、入力がデジタルでもいったんアナログに変換してからコンパレータ回路に通してからPWM信号を取り出すわけです。
しかし、DSD(PDM)はデジタル信号ですが0/1の粗密の連続的な遷移による信号ですから、PCMとは違って直接あるいはローパスフィルターを使ってコンパレータ回路に通せるのではないかと言うわけです。
これは今年の夏にPS Audioが出すというデジタルアンプの前振りのように思えます。

またこのPS Audioが出すというデジタルアンプの特徴はHypexのモジュールを使用するということです。これは低インピーダンス出力と先に書いた後段のノイズフィルタリングの両立ではHypexの技術が群を抜いているからとのこと。
HypexはあのiQubeのデジタルアンプを設計したBruno Putzeyの会社ですね。iQubeのリファレンス的な性能の良さもわかるというもの。ちなみにHypexの技術を採用したもので日本で他に入手しやすいのはB&WのZeppelin Airがあります。ここでは電源とアンプにHypexの技術が使われています。(Zeppelin Airのホームページには言及ないと思いますが)
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2013年03月05日

DSD256(11.28M)対応DAC登場

DSDネイティブ再生対応DACもDSD64(2.82M)が標準的になりつつも、一部にはDSD128(5.64M)対応DACが出始めてはいるというのが現状です。この64とか128というのは64fsとか128fsという意味で、1fsはCDの44kHzを表すのでDSD64ならCDの64倍も高いサンプリングレートという意味です。
その上はDSD256(11.2M)となるわけですが、そのDSD256対応のDSZd DACが登場しました。このexaSoundのe20 DACです。市販品では初となりますね。シカゴで開催されるAXPONAショウでのお披露目となるようです。
http://exasound.com/e20DAC/e20DACOverview.aspx
液晶表示を見ると11.28MhzとDSD256対応が示されていますね。e20はPCMも384kHzまで対応しています。e20は既存製品なのでファームウエアアップデートではないかと思います。

問題のDSD256(11.2M)を達成するDSDネイティブ再生の方式ですが、Computer Audiophileフォーラムでexaの人に聞いて見たところ以下の回答がありました。
http://www.computeraudiophile.com/f6-dac-digital-analog-conversion/exasound-e20-dsd256-update-15221/
これによると今回のDSD256対応はまずWindowsでASIOドライバーによって対応し、Macは後でDoP1.1の705.6KHzレートで対応するようです。この件ではAudirvanaとなにかやってるようですね。

でもDoPって1.1でもDSD256サポートしてないじゃないって書いてみたら、HQ Playerの人(Mishka)が05/FAはシングルワイヤーの意味しかないんで、HQ Playerでは実際は24.5Mまで可能に作ってるってレスがありました。じゃあ、e20って384Kまでサポートだけど705.6K(=352.8 x 2)サポートがいるんじゃない?と書いていてはたと気がついたけど、考えてみるとMytekも192KサポートだけどDoPの時だけ384KサポートしてるってMytekの人が書いてました。e20もファームアップデートでそういうのが加わるのかもしれません。また、Mishkaが書いてるような"Virtual"ワイヤリングという可能性もあるかもしれませんね。
Macの場合はCoreAudioを通過させる都合上で擬似PCM(DoP)にせざるを得ないという不利な点はあります。MacでASIOみたいにDSDそのまま(native DSD bitstream)を通すにはインテジャーモードのサポートが必須だね、とまえにDamienとも話してたことがあるんですけど、ご存知のようにライオン以降はその穴がふさがってしまいました(ドライバーの工夫でこれをどうにかできるかは分かりませんが)。Windowsであればドライバーに対応が必要ですが、ASIOでなくとも排他WASAPIでもnative DSD bitstreamを通せるはずです。
Macは一般的にはオーディオに向いているとされますが、必ずしもそうではありません。先行していた分で設計が古いというデメリットもあるわけです。

一方でDSD256のソースはっていうと結局考えてみるとPCM384KサポートをうたうDACも同じですからね。バッチにせよリアルタイムにせよ変換とかなんとかして用意するっていうことになります(PCMは一部でDXDなんかがありますが)。そうしてみるとそろそろDSDも天井が見えてきたということも言えるかもしれません。ハードが先走ってもソフト面ではまだまだDSD再生とはというのを啓蒙していかなばならない段階ですからね。
(ちなみに例の遊でやってるセミナーは今月は都合によりお休みします、すみません)
posted by ささき at 11:43 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする