Music TO GO!

2013年02月26日

JRiver Media CenterのMac版がダウンロード可能に

Mac版のJRiver Media Center(JRMC)の動作可能なアルファ版がダウンロードできるようになってます。アルファ版というのはつまりベータ版の前ですから、機能も実装未了が多く、バグもたっぷり残ってるバージョンです。
3月までの制限付きですが試す分には無料で試せます。公的にダウンロードできるようになったのはむこう時間の22日からですが、今週以後はウイークリービルドで毎週最新に変えるとのこと。なおJRMCは動画再生も含めたメディアプレーヤーですが、Mac版の現在はオーディオのみサポートされてるそうです。
Mac版のJRMCはライセンスはWindows版とは別で今購入すると早期割引で$24.95(一月ごとに5$ずつアップして最終的には$49.98になるそう)で購入ができます。
ダウンロードはこちらのリンクです。
http://yabb.jriver.com/interact/index.php?topic=78427.msg533299#msg533299

jrmac-mac1.gif     jrmac-mac2.gif

ダウンロードしてみましたが、実のところけっこう使えます。ボタンがWindowsっぽいところがありますが、これはそのうち修正するとのこと。
設定でWindows版ではWASAPIとかASIOを設定してたところでCoreAudioと書かれているのが新鮮です。
一番確かめたかった自動サンプルレート切り替えはすでに入ってるようです。サンプルレートの違う曲を再生するとAudiMidi設定を自動で合わせてくれるのでビットパーフェクトが成立します。
まだまだ未完成ですが、ちょっと楽しみにしていきたいソフトウエアです。
posted by ささき at 21:13 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月25日

「羅漢」 - DP3 Merrillによるモノクロ作品

フォビオンセンサーを使用した高性能コンパクトカメラ、DP Merrillシリーズ待望のDP3 Merrillが発売されました。オーディオ系でも興味ある人も多いようなのでこちらにもポストします。マニアックなもの好きな人には琴線に触れるカメラですね。
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従来のDP1(28mm相当)とDP2(45mm相当)に対して、DP3 Merrillは75mm相当と中望遠レンズの領域のレンズ固定カメラであることが新鮮です。これはカメラ市場でもまれな例で他ではかつての二眼カメラ・テレローライがあったくらいです。これは中判カメラで35mm換算でやはり75mm相当でした。テレローライは主にスタジオ用途でポートレート撮影を行うためのカメラですので、スナップなど向きのコンパクトカメラで中望遠固定というのは前代未聞のユニークさです。

またDP3 Merrillのもう一つの特徴は新しいモノクロームモードです。通常のデジタルカメラの(ベイヤー)センサーではカラーフィルタによって透過した光だけを使うので光のロスを生じます。しかしフォビオンはカラーフィルターがないのですべての光を露光できます。フォビオンはローパスがないシャープさというのがよく特徴として言われますが、こうした特性もあるわけです。その特性を生かしてモノクロを生成するモードです(従来のモノクロモードはカラー画像の彩度をゼロにするだけでした)。

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これらのDP3 Merrillの特徴を生かすため、ひさびさに川越市に行って喜多院の五百羅漢を撮ってきました。全体は上画像のようなものです。
羅漢とは釈迦の弟子のことで、喜多院の五百羅漢は特に有名でさまざまな表情を見せてくれます。それをDP3 Merrillで表現してみました。写真はすべてSigma DP3 Merrillです。

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75mmは50mmに比べると望遠らしい遠近感の圧縮効果があるのでその辺を使うのもポイントだと思います。風景写真では広角は広く撮るもの、望遠は遠くを撮るものと考えても良いですが、こうしたスナップ写真では広角は(被写体と背景の)遠近感を誇張するもの、望遠は遠近感を圧縮するものと考えるのがポイントです。
DP3 Merrillでは今回近接性能(マクロ)が強化され、そのためAFがやや遅くなっていますがフォーカスリミッタにより最適化できます。

川越は小江戸と呼ばれ、古くからの商家である蔵つくりの街並みでも有名です。一般的なカラーでのDP3 Merrillの画質作例はこちらでどうぞ。

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ちなみにもうひとつ川越で有名なのはサツマイモです。よく焼き芋の売り文句で「栗(九里)より(四里)美味い十三里」といいますが、この十三里とは江戸から川越までの距離です。こうした語呂合わせは名前そのものを言わない江戸らしい粋な言い方ですね。

最後にDP3 Merrillの画質についてちょっと驚く例を挙げておきます。下は例によって買った直後に撮った国際フォーラムでの写真ですが、左の写真の左側中部分を100%(等倍)で切り出したものが右です。シャープネスはかけていません。(DPは緑被りしやすいのでカラー補正のみしています)

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等倍の右写真の椅子などをみてもこれがデジタルカメラの等倍画像とは思えないでしょう。普通のカメラなら縮小したような絵を等倍で可能にしているのです。こうしたずば抜けた描写性能をみせるDP3 Merrillを使いこなしていくというのは楽しみなことです。
ちなみに上の国際フォーラムの画像の絞りは開放(F2.8)です。最高のレンズと最高のセンサーのハーモニー、それがDP3 Merrillです。
posted by ささき at 23:01 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月20日

欧州の新しいPCオーディオブランド、iFiのDAC・アンプとiUSB Power

iFi(アイ・ファイ)はポタ研のさいにトップウイングのブースで展示されていた新オーディオブランドです。
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今回はヘッドフォンアンプのiCan、USB DACのiDAC、そして「USBクリーン電源」のiUSB Powerを発売に先行してお借りしたのでレビューします。下記では親会社のAMRの技術者に直接聞いてみた情報も反映させています。

* iFi とAMRについて

iFiというのは新しいブランドですが、AMR(Abbingdon Music Research)というイギリスのハイエンドオーディオメーカーの新ブランドです。AMRというのも日本ではなじみがないのですが、クラスレンジは数十万から百万くらいだと思います。私はAMR DP-777というDACは知っていたんですが、これはAudirvanaが初期のころにインテジャーモードをテストするのにダミアンがAMRとタイアップして進めていたので名前を覚えていました。私が訳出したインテジャーモードの白書にも書いてあります。また実際にAudirvanaのショウデビューもイギリスのオーディオショウのAMRブースでした。

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AMR CD-777

AMRの人の話によると、AMRは過去と最新の技術の良いところどりをするというのが開発哲学であるということです。英国オクスフォードにあるAbbingdonというのは大型車を打ち負かすような高性能の小型車ラリーで有名なところだということで、AMRも電源やアンプを分離しないでコンパクトなワンパッケージとして、かつ大きなセパレートタイプのシステムに対抗できるような製品を目指しているということです。(たとえばプリとパワーを分けないでプリメインで高性能を目指すという感じ)
なかでも先に書いたDP-777というDACはユニークで、16bitのDACチップと32bitのDACチップをいっしょに搭載しています。それを切り替えて使えるという仕組みになっていて、かつアナログ回路には真空管を使っているというものです。DACチップ切り替えは入力によるようで、16bit DACはフィリップスのUDA1305ATという「最後のマルチビットDAC」をNOS(ノンオーバーサンプリング)で使用しています。これと真空管を組み合わせるのですから音はだいたい想像はつきますね。つまりアナログっぽい滑らか志向の音楽的な音なんでしょう。一方でハイレゾは32bit DACで再生できるというわけです。こちらはWolfsonを使用しているようです。ちなみに定評あるマルチビットDACのTDA1541はおそらくAMRが世界で一番ストック持ってるんじゃないかと言ってました。(PCM1704は一番ストックあるのはAudio-gdのような気がしますが)
AMRの音再現の方向性というのがこれらからわかるのではないかと思います。
こちらはAMRのホームページです。
http://www.amr-audio.co.uk/index.php

AMRの話を長めに書いたのはこれらの技術やポリシーがiFiに受け継がれているからです。

iFiはほぼAMR出資の子会社で、2011年のRMAF(ロッキーマウンテンオーディオショウ)のときにデビューしました。新ブランドの目的としては、従来AMRが対象にしていた伝統的なスピーカーオーディオに対して、動きが早く若者向けのヘッドフォンオーディオに特化した製品開発をするということです。やはり若年層の顧客開拓というのが大きい理由のようですが、この辺の事情は日本とも似ているところが興味深いところです。
そのために価格は手頃な現実価格にするけれども、技術的にはハイエンドのAMRを受け継いでいるということです。たとえば下記で紹介しますが、A級増幅、TubeState、DirectDrive(ダイレクトカップリング)、オーディオ品質の電源供給などです。(価格的にはAMRが$3000-$5000くらいなのに対して、iFiはいずれもUS$200-300くらいの価格帯です)
ですから新ブランドといっても出自があやしいものではなく、血統正しく技術的にも確立した安心できるブランドであると言えるでしょうね。

こちらはiFi audioのホームページです。
http://ifi-audio.com/en/index.html

以下製品紹介をしていきます。
このシリーズはすべてコンパクトな同一サイズでまとめられていますし、パッケージもデザインも共通しています。アクセサリーは異なりますが、おおむねはじめからケーブルなどが付属していて初心者でも困らないように考えられています。上面に状態表示のLEDがついているところも同じですが意味は機種で異なります。プラグ等は入力と出力がそれぞれ反対側にまとめられています。機器間のケーブル接続の間に挟まるようなイメージですね。
価格も安く設定されていて、コンシューマー向けブランドを思わせます。国内価格は完全に決まっていないので、参考として現地価格を乗せておきます。

* ヘッドフォンアンプ iCanについて

iCanは純粋なヘッドフォンアンプでデジタル入力など内蔵DACはありません。現地価格は$249。アクセサリーはRCAケーブル、ミニミニケーブル(iPodなどからの入力用)、電源アダプターが入っています。

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入力はRCAのほかにステレオミニ端子も用意されている点はiPodなどやiPhoneなどからの使用も考慮しているのでしょう。ミニ端子からミニ端子への白いケーブルが付属しています。
付加機能としては低域強調のXBassや音場感を広げる3D Holographic Soundなどが用意されています。
3D Holographic Soundというのはヘッドフォンの頭内定位を解消するというものです。従来技術ではクロスフィードがありましたが、これは独自の技術を使用しているということです。特徴的なのはこうした機能はたいていDSPなどデジタル領域で行うものですが、この技術はアナログ回路で設計されているということです。この辺のこだわりもハイエンドメーカーの気質を受け継いでいるのでしょうか。

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もうひとつの機能であるXBassはいわゆる低音増強のベースブーストです。こちらもヘッドフォンが低域特性に個性差が大きいので、低域不足と感じるヘッドフォンに対して補正するという考えのようです。ですから低域を足すというよりも、低域をあるべきレスポンスに戻すという考え方で設定しているということです。
これらは従来スピーカー向けに作られていたAMRに対して、iFiではヘッドフォンオーディオがメインターゲットになっているので、基本機能に加えてこうしたヘッドフォン向けの付加機能をプラスしたという風にも考えられます。AMRから受け継ぐ基本機能というのはたとえばDirectDriveやTubeStateと呼んでいるものです。
DirectDriveというのは後段に通常ある抵抗やコンデンサーをバイパスしてアンプ部からヘッドフォンアウトにダイレクトに出力するというものです。つまりはこの前RWAK100で書いたような改造を純正でやっているような感じでしょうか。これにより出力インピーダンスは1オーム以下となりヘッドフォンの制動力も高くなるということです。
TubeStateというのはTube + SolidStateというような意味らしく、真空管のように滑らかな音をソリッドステートのように歪みなく再生するというもので、技術というより設計ポリシーのようです。

* USB DAC iDACについて

iDACはバスパワーで動作するUSB DACです。現地価格は$299。RCAケーブルとUSBケーブルが付属します。
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USB DACとしては192kHz/24bitまでサポートするUSBオーディオクラス2.0(UAC2)に対応しています。XMOSを使用しているのでアシンクロナス転送に対応しています。つまりMacOS 10.6.4以上であればドライバーのインストールは必要ありません。Windowsではドライバーをインストールする必要があります。

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しかしながらAMRの技術者に聞いてみたところ、UAC2に対応していないOSの場合にはフォールパック機構(失敗したときに働く機構)としてオーディオクラス1(UAC1)ドライバーで働くようになるようです。これはAyreのQB-9ではファームのスイッチで切り替えたりできましたが、iDACでは自動で行われるようです。この辺はAMRのファームによって動作しているようです。
ただし開発者の言うことにはiFiの提供するドライバーを利用した方がバッファの制御などで優れているので44kだけ使うとしてもこちらを使用してほしいとのことです。ドライバーにはAMRのロゴがありますのでDP-777あたりと共通かもしれません。

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DACチップは旬のESS ES9023を使用しているという点もiDACのポイントです。開発者の弁によるとES9023は競合と比べても優れたチップなので余分にデジタルフィルターなどを追加しないで、素のままで使うようにしているということ。これもAMRから受け継ぐポリシーのようです。マルチビットDACを志向しているメーカーが(Wolfsonはともかく)その対極のようなESSを使うというのも面白いですが、9023ではなるべくワンチップで完結してシンプルにDACを構成できるという点が良いのでしょうね。
またジッター低減ではZeroJitter Liteという機能を採用しています。なぜLiteかというと、この上位に当たるAMRのDAC DP-777で採用されているジッター低減技術がZeroJitterというもので、そのスケールダウン版としてZeroJitter Liteという機能をiDACに搭載しているということです。もちろんスケールダウンしたとしても十分な能力を持っているとのこと。つまりはAMRでの経験を生かして上位機種譲りの機能を備えているということですね。この辺にもAMRの技術の継承が見えます。

またiDACには内蔵ヘッドフォンアンプがついていて、ミニ端子ですがこれ単体で音楽を聴くことができます。ボリュームもついていますが、これはおまけかと思いきや意外と力があります。

* 「USBクリーン電源」 iUSB Power

iUSB Powerはユニークなラインナップですが、USB DACへの給電をクリーンにして音質を向上するというものです。現地価格は$199。使用する際には外部電源が必要です。ACアダプタとUSBケーブルが付属します。

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一般的なUSB DACでは全体をバスパワー給電したり一部を給電したりしますが、PCからのこうした信号はたいていノイズで汚染されています。そのUSB電源をクリーン化するのが、このiUSB Powerです。使用法としてはPCとUSB DACの間に挟むようにして使用します。

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つまりPCからUSBケーブルをiUSB PowerのUSB Bプラグに接続します。そして反対側のAプラグからもう一本USBケーブルを使用して、DACのBプラグに接続します。またiUSB Powerには外部電源が必要です。反対側に二口USB Aがあるのは後で発売されるGEMINIという電源・信号別になったUSB ケーブル(あのアコリバのやつみたいなもの)を使用するためです。通常は一口(信号+電源の方)のみ使用します。コンシューマーブランドではありますが、こうして電源にこだわりを見せるのも伝統的なオーディオメーカーらしいところです。

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電源ノイズ (iFiホームページから)

カタログの方には面白い紹介があって、普通は電池から給電するのが一番安定しているのでノイズレスでクリーンだと考えられますが、実のところは充電池ではそれほどクリーンでもないというのがiFiの主張です。そこでiUSB Powerでは電池よりもさらにクリーンな電源供給を実現しているということです。

またユニークな機能としてISOEarthというスイッチがあります。これは仮想アース?のような機能によって、グランドループを断ち切って電気的にPCとDACを分離するというような機能のようです。これによってノイズフロアを下げることができるということ。これはAMRの技術者に聞いてみたところ、機器にダメージを与えずかつUSB信号を遮断しない方法で行っているということ。ただし日本のように電源が2口プラグの環境では、やはり違いはあるだろうが大きくはないかもしれないということです。

* 音のインプレッション

試聴はWindows7にiFiのサイトからiDACのドライバーをインストールしてJRMCをプレーヤーとしたPCオーディオのシステムとして試聴しました。後でMac(10.8)でも接続は確認しています。ヘッドフォンはHD800を使っています。またRCAケーブルとUSBケーブルは聴き慣れた自分のキンバー(RCA)とSAEC(USB)を使用しています。iUSB powerについてはPC側を付属USBケーブルを使用しています。

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HD800とiCan

はじめにiDACをPCに接続して内蔵ヘッドフォンアンプで聴いてみました。HD800ではミニ変換プラグが必要ですけど、iDAC単体のヘッドフォン端子でもHD800で十分音量を取ることができます。iDACの内蔵ヘッドフォンアウトもわりと悪くはないというか、後で書くiCanを通すよりこちらの方がいわゆるESSらしい音に近い感じですね。ただそれでもDragonflyあたりに比べると滑らかでわずか暖かみがあるように感じられますので、ESSのドライな感じを適度に和らげているようには思えます。反面で高域が少しきつめに出ることがありましたが、これはエージングの問題かもしれません。また後で書くiCanを通すより音の広がりが弱くこじんまりとした音空間ではあります。

次にiDACをiCanに接続してiCanからHD800で聴いてみました。iCanを通すとより暖かく厚みのある豊かな音楽的な音になります。全体的なバランスも含めて、かなり良い感じですね。また音の広がりは3D Holographic Soundを使わなくても十分にあります。
ここでiDACをバスパワーで性能の良いWavelength Protonあたりと変えて比べてみました。iDACは透明感や解像力が際立つタイプではないけれども、適度なクリアさがあり音の広がり感や滑らかで音楽的な表現が良いと思いますね。この辺もAMRの音の継承という感じなのでしょう。また前述したようにiDACの内蔵ヘッドフォンアンプだとこじんまりとした音空間ですが、DACとして使うとiDACは意外と音が広いのも面白いところです。

iCanとiDACの組み合わせはなかなか素晴らしく、一体感のある音で組み合わせて使うことを考えていると思います。音楽的で音色も美しく、滑らかで温かみがあります。女声ヴォーカルも魅力的ですね。ただ柔らかすぎずに楽器音の分離もしっかりしていていて、ギターなど生音の切れも良いようです。ヘッドフォンオーディオ的には聴き疲れも少ない上質な音だと思います。価格的に考えると十分な能力を持っていることを感じさせますね。
基本的にはiCanは素性の良いアンプという感じで極端な帯域強調はないので、味付けは3D Holgraphoc soundやXBassの機能を使っていくことになります。

3D Holgraphoc soundをオンにすると世界がぱっとひらけて明るく広くなった、という感じになります。単に音が横に広くなっただけではなく、感覚的には帯域特性というか音の個性も微妙に変わっているように思いますね。
XBassの効果はこの手の低域増強の機能にしてはわりと自然で音質の低下も少ないように思います。「・・・」と「・」のモードがあって・だとわりと自然にかかり、・・・は効きがかなり大きいけれども、これはHD800のようなフラット傾向のヘッドフォンでビート主体の音楽を聴くときに良いかもしれません。通常は・で常用してもあまり違和感はないかもしれません。

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DragonflyとiUSB Power

iUSB PowerについてはまずUSB直結のDragonflyで試してみました。余分なUSBケーブルを追加してもなお効果があるかということを見るためです。この時の接続はこうなります。
変更前:PC→Dragonfly
変更後:PC→付属USBケーブル→iUSB Power→Dragonfly

実際に聴いてみるとDragonflyだとかなり効果はわかりやすくありますね。Dragonflyなんかは直差しからiUSB Powerについていた付属USBケーブルを追加しても、なお音質は大きく向上します。透明感が高まってクリアになり、音の広がりも向上して低域もより深みが増します。ISOEarthは微妙だけれどもやはりオンにしたほうが良いかもしれません。

次にもともと透明感の高いAudio-gdのNFB11.32にもつけてみました。USBケーブルはSAECを使用しています。
変更前:PC→SAEC USB→NFB11.32
変更後:PC→付属USBケーブル→iUSB Power→SAEC USB→NFB11.32

これはDragonflyほどではないけれども、たしかに効果はあって音の広がり・奥行き感の向上とさらに透明感も向上します。
そしていわば純正ともいえる3段重ね、iCan+iDAC+iUSBpowerだとiCan+iDACの印象をさらにひとレベル上げて豊かさを増した感じですね。

なおiUSB PowerはMac10.8でも使ってみましたが問題なく使用できました。

*

まとめるとiFiは全体的に音楽性を重視した気持ち良い音再現のシステムと言えるでしょう。またiUSB PowerはPCオーディオでUSB DACを使っている人には良い音質向上手段となると思います。
iFi製品はAMRの上位機種の技術をうまく理由することでコストパフォーマンスの高いパッケージに仕上げていると思います。低価格といっても中国製品のように原材料や工賃で安くするというのではなしに、すでに確立した技術や手法を流用することでコストを抑えるという考え方でしょう。
ちなみにAMRの技術者にこういう普及価格のDSD対応DACがほしいよ、と言ってみたら、作ることはできるけどまだ検討段階で市場を見ているところだと言ってました。そのうちにはiDSDなんていうのがほしいですね。
posted by ささき at 22:17 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月17日

JDS labsからArduino応用のポータブルアンプ登場

Cmoyなんかも作ってるDIY系のJDS labsが先日プリオーダー開始したC5はちょっと面白いポータブルアンプです。下記は製品紹介ページです。
http://www.jdslabs.com/item.php?fetchitem=70

見たところスリムな普通のポータブルアンプですが、特徴はチャンネル間のバランス問題(いわゆるギャングエラー)を低減するためにデジタルボリュームを使用したところです(前作C421ではこの系のクレームが多かったようです)。JDS labsのブログの方に詳細が書いてあります。
http://blog.jdslabs.com/?p=464

デジタルボリュームを採用したポータブルアンプはすでにいくつも出ていますが、C5のユニークな点はデジタルボリューム(DS1882 digital potentiometer)のコントロールファームウエアがArduinoベース(ATmega168というプロセッサ)であることです。製品開発にArduinoを使うとはDIY系のアンプメーカーらしいところですね。そしてそのプログラムコードをクリエイティブコモンズのライセンスの元に公開しています。これは他のメーカーにもぜひアナログボリュームの代わりにデジタルボリュームを採用することを推進したいからだそうです。
実際に先の製品紹介ページのFeaturesタブを見るとファームウエアがダウンロードできるようになっています。ホームページからドライバーをダウンロードするというのは良くありますが、ソースコードがダウンロード出来るオーディオ製品はそうないでしょう。
c5_v100_MasterFirmware104.inoというのがスケッチと呼ばれるArduinoのソースコードですね。コードを読むと電池の残量検出もArduinoコントローラを使用しているようです。ぱっと見るとCのようですが、これはArduinoの記述言語だと思います。ところどころで電源安定を待つためやボタン接触の確認のためにdelayでウエイトをかけていますね。
ソースコードを修正してC5アンプに書き込むというのも可能のようです。

Arduinoは最近ではAndroidと組みでよく応用例が紹介されます。Android 4.1のリファレンスキットもArduinoでしたが、Android ADKでも使われます。一方でこうした応用例も面白いところです。またJDS labsはNwAvGuyが設計した「オープンソースハードウエア」のObjective2アンプを製品化してますが、自身も何か寄与したいというところもあったのではないでしょうか。
posted by ささき at 22:14 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

英語版「ヘッドフォンブック 2012」のサイトオープン

この前のポタ研の記事でも少し書きましたが、日本で発行されているあの「ヘッドフォンブック 2012(音楽出版)」の英語版のサイトがオープンしました。こちらです。
http://www.themookcompany.com/

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購入は下記のJabenストアから行うようです。まだ受付していませんが、出版作業は順調に行われているようです。
http://jaben.net/shopping2/The-Mook-Inaugural.html

ヘッドフォン記事を読んで楽しく英語の勉強というのもいかがでしょうか?
posted by ささき at 11:24 | TrackBack(0) | ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月16日

DSDイベント行いました

タイムロードさんのショウルーム「遊」で行われたDSDイベント終了しました!下記facebookにその様子が掲載されています。

http://m.facebook.com/photo.php?fbid=449227495149514&id=414082108664053&set=a.420018084737122.96817.414082108664053&ref=stream&__user=795324506

今回のイベントも好評をいただきましたので、再度同じDSDイベントを3月に開催することになりました! (日時は未定)
詳しくは「遊」のFacebookを後ほどチェックお願いします。
https://www.facebook.com/you.by.timelord

今回はイベント内容もグレードアップしました。Ototoyさんの協力を得て本イベント用にPCM/DSD比較用の音源を事前に予習用に配信できるようになりました。ヒカリエでのOtotoyさんDSDイベントの生録音源です。イベントでも実際にその音源を使いました。はじめはMCや会場のざわめきはスキップしようかと思ったんですが、実際に比較してみるとそうしたところでも差が出るのであえていれました。この辺は面白いところだと思います。
また今回からは広い層を考慮してQuteHDだけではなくQBD76 HDSDも使用しています。
今回の内容は以下のようなものです。次回も基本的には下記のように進めていきたいと思います。

 DSD再生の経緯・背景
 DSDとPCM(比較試聴など)
 DSD再生の機材とソフトウエアについて
 DSDに力を入れているレーベルの紹介

また試聴や聴き比べを多く交えて行っていきたいと思います。使用機材や内容は若干変更するかもしれません。
またよろしくご参加をお待ちしております。
posted by ささき at 19:57 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月14日

イーハトーヴ交響曲 - 冨田勲

巨匠冨田勲の80歳の作品にして初音ミクが管弦楽作品で起用されたということでも話題となった公演のライブアルバムです。
本作は冨田勲氏の敬愛する宮沢賢治の作品世界を表現した合唱とオーケストラ(とヴォーカロイド)のための作品です。音楽は賢治の詩や小説の一節を合唱と初音ミクで歌い上げるもので、加えて壮大な冨田勲らしい映画のようなオーケストレーションが楽しめます。最近は惑星のリメイクをするなど積極的に活動をしている冨田勲氏ですが、TVでこの作品に関する番組を見ていたら、さすがにもう80でオーケストラのスコアを書くような細かい仕事はもう難しいと言ってましたので、300名もの合唱団を取り入れるような大規模な作品としてはこれが最後なのかもしれません。

初音ミクを起用した理由としては賢治の不思議な世界観を表現するのに"バーチャル世界の"存在が好適であると語っています。冨田勲氏はご存知のように電子楽器であるモーグシンセサイザーをいち早く取り入れた作品を発表した作曲家ですが、今回もヴォーカロイドという新しい可能性を取り入れているわけです。
しかし、この作品で特徴的なのは単に流行のヴォーカロイドを入れてみました、という以上に新しい試みも行われています。本来は「作り置き」しておく初音ミクの音楽を、11/23の公演ではリアルタイムで歌わせているのです。これはつまり録画・録音されたものではなく、きちんとその場で指揮者の指揮に合わせて歌っているということです。対していままでのいわゆる初音ミクのライブみたいなものは周りの演奏者が合わせていたわけです。これは演奏者が弾くキーボードに合わせたタイミングで歌わせるという仕組みのようですね。CGもリアルタイムということです。これで名実ともにオーケストラのソリストとして歌い踊っていると言っても差し支えないわけです。逆に言うと単に話題性とか集客効果から初音ミクを取り上げたわけではなく、真にヴォーカロイドを表現手段として起用したいからオーケストラと合わせられるように工夫したと言えるんでしょう。
80歳の巨匠の口から初音ミクという言葉が出てくるだけでも驚きのような気がしますが、いまなお進取の気鋭のある巨匠には頭が下がります。なお本作にはリボンの騎士のオーケストラバージョンも収録されていて、歌うのはもちろん初音ミクです(下記動画の後半にちょっと出てきます)。こちらは手塚治虫が生きていたら、とちょっと考えますね。

こちらにコンサートの様子が少しアップされています。


初音ミクとのコラボでは日本のノイズバンドの元祖というか大御所バンドの非常階段とのコラボ作品が最近リリースされたのも驚きです。
新人歌手としてみると初音ミクはデビュー間もないのにこんなに大御所との共演を可能としてすごい、という見方もあるようにやはり時代の寵児的な存在であるとはいえますね。もちろんスケジュールを合わせやすいとか、文句を言わない、スキャンダルもないと製作側にとって都合の良い側面もあるのでしょうけれども。

    
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2013年02月12日

MeridianからコンパクトUSB DAC登場

海外では人気のブランドMeridianからDACportみたいなコンパクトなUSB DACが登場しました。Meridian Explorerです。CESのアンダーテーブルで公開されて昨日解禁だったようでいくつかのメディアに載っています。価格は$299と比較的安価ですね。
Computer Audiophile
AudioStream

形としてはDACportのようですが、XMOSを用いて192kまでの対応が可能で出力はミニヘッドフォン端子と2Vラインレベル出力が両方装備されています。またラインアウトの方には光デジタル出力も装備されているようです。つまりUSB DDCとしても働くということですね。
円筒形に見えますけど底面はフラットで置きやすくなっているようです。DACportの改良版にも見えますね。ちなみにDACportはUSBアダプティブモード転送ですが、こちらはXMOSを使用していますのでアシンクロナス転送です。
DACチップはPCM5102で、ファームウエアでアップサンプリングなどカスタム設定が可能なようです。LEDが3つついていて入力しているサンプリングレートに合わせて点灯するということ。中身をみると大型のコンデンサーがどーんと鎮座しているところはしっかりしたアナログ回路の設計を思わせます。
音もDragonflyよりは一枚上手のようですが、反面でやや大きいということですね。Dragonflyに続いてこうしたコンパクト機材が好まれる素地というのもあるようです。
posted by ささき at 22:30 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月10日

ポータブル研究会 2013レポート

フジヤさんのポータブル研究会イベントに行ってきました。ヘッドフォン祭よりも小さなイベントですが出展は豊作という感じでなかなか盛り上がりました。下記は開場前の様子です。
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以下面白かったのをカテゴリー別に紹介します。

* Androidデジタル対応DAC内蔵ポータブルアンプ

iPod/iPhoneデジタル対応DAC内蔵アンプはFostexやSonyなど幾つか出ていますが、今回はAndroidからデジタルで受けられるタイプのDAC内蔵アンプが出てきました。注目はその方法ですね。

ADL X1
X1は多機能なポータブルアンプで、iPhone、Android(Galaxy S3など)からのデジタル入力に対応して、光出力まで備えています。AndroidはUSB Mini-Bにつなぐということです。

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PCから入力する時もAndroidと同じようにUSB Mini Bにいれます。旬のESS ES9023を採用してるようでハイレゾ対応でクリアかつ精細な音も良かったですね。iOSデジタルはその隣のUSB Aに接続します。またイヤフォンのリモコンもiPhone/Walkman両方対応しているというなんでもありの多機能ですね。

X1の背面をみるとわかりやすいと思いますが、iPhoneデジタル接続はX1側がAなのでiPhoneはデバイスとしてアクセサリープロトコルでデジタル信号を取り出しているが、AndroidはX1側がBなのでアクセサリープロトコルではなく、Galaxy S3で有効化しているUSBクラスドライバーを使用していると思います(つまりAndroid側がホストなので4.0が必要です)。だからPC入力も同じプラグに接続するわけですね。

Xduoo XP1
これはWilsonがエクスデュオーと呼んでいましたが、中国製の新製品ポータブルアンプです。XP-1は特にAndroidと組み合わせることをうたっています。DAC内蔵のポータブルアンプでDACはWM8740ですが、USBレシーバーとしてPCM2706を使用して44/16での接続を考慮しています。アンプ部もOPA627ということで強力ですね。

IMG_0018.jpg  IMG_0019.jpg  IMG_0020.jpg

これもXP-1側はUSB(micro)Bになってるのがわかると思います。また下の付属品のケーブルを見ると両端がUSB BになっているのでUSB OTGケーブルとして機能していますね。これもADL X1と同じくAndroidと言ってもGalaxy S3など一部機種で有効化されているUSBオーディオドライバーを使用していることがうかがえます。

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Androidからデジタルオーディオ出力を取り出すには二種類の方法があります。AndroidのUSBオーディオドライバーを有効化する方法と4.1で導入されたアクセサリープロトコルを使う方法です。前に書いた下記記事を参照ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/281978580.html
X1、XP1とも前者を採用してUSB OTGケーブルでUSB B - USB Bの接続を採用してるということでしょうね。アクセサリープロトコルならばiPodデジタルアウト(こちらもアクセサリープロトコル)のようにアンプ側はUSB Aになるはずだと思います。実際にネットのレビューを読むとxDuoo XP-1ではiPadにカメラコネクションキットを使用しても使うことができるようです。これも前者と同じということを示唆していますね。
ただしAndroid対応といっても前者だと使用できる機種が限られます。これもXP-1、X1両方ともGalaxy S3など一部機種の動作確認とされているようです。
Androidアクセサリープロトコルを使用してデジタルオーディオ信号を取り出す方法をサポートしているのは4.1のときに作られたarduinoリファレンスキットだけというのもさびしい話ではありますが、こちらはDAC側に対応が必要となります。

なおxDuooは後述のXD-1も含めてJabenで取り扱うと思います。こちらのJabenリンクをご覧ください。
http://jaben.net/forums/index.php?topic=24517.0

* AK100関連

人気のハイレゾプレーヤーであるAK100も関連のデモがいくつかありました。

RWAK100(改造AK100)
まず手前味噌ですが、Red Wine Audioの改造RWAK100で、フジヤさんのブースで展示してもらいました(告知が行き届きませんで私に直接聞かれた方も多くすみませんでした)。
評判を聞いてみたところ、けっこう人気でショウの後に帰ったらすぐ送るって言ってた人もいたそうです。

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xDuoo XD-01 + AK100
AK100の組み合わせでなかなかよかったのは上でも書いたxDuooのXD-1です。こちらは光入力により192k/24までデジタル入力で再生可能ということで、AK100の光出力と組み合わせると素晴らしい音質で再生ができました。

IMG_0022.jpg  IMG_0023.jpg  IMG_0024.jpg

DACチップはAK100本体と同じWM8740ですが、シーラスロジックのCS8422でASRCを行ってジッター低減をさせています。これはColorfly C4と同じですね。ASRC(非同期型サンプルレートコンバーター)はBenchmark DAC1やDigital LinkIIIでも行われている微妙にリサンプリングをしながらジッターを低減させる方式です。またこれにより192kへのアップサンプリングも可能としています(ASRCとアップサンプリングはたいていセットです)。これと強力なアンプ部があるのでトータルでは音質を向上させることが出るというわけです。AK100用のポータブルアンプとして好適ですね。

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短めの光ケーブル(角->丸)も付属しているので買ってすぐにAK100とのデジタルセットが楽しめるのも良いところです。また同軸とUSBでのデジタル入力にも対応しています。

iQube V3 + AK100
下記はタイムロードブースのAK100とiQubeの光デジタルシステムです。v3ならば光入力がついていますのでiQube v3をお持ちの方にはまずこれがお勧めです。やはり音がだいぶグレードアップしますね。

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このほかにもマウスコンピューターのブースではAK100のカラバリを展示していました(写真失念)。カラーはレッドが人気があったようでした。

* バランス駆動アンプ

CEntrance HiFi-M8
ようやく実機が聴けたHiFi-M8ですが、今回は開発に専念してヘッドフォン祭にやってこなかった開発者のマイケルさんもミックスウェーブのブースに来ておりました。

IMG_0012.jpg  IMG_0014.jpg  IMG_0015.jpg

ヘッドフォン出力は三種類のパネル交換でオプションで変えることができるようです。下記写真のように3ピンXLRx2、4pinXLR、標準プラグとRSA方式バランスの3種類が用意されているようです。HM901のようなTRSSバランスもほしかったかも。

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音はLCD2で聴くとホームアンプみたいに厚みがあって密度感のある本格的なものでした。鳴らしにくいLCD2でこれだけの音が出るならホームアンプとして買っても良いかもしれませんね。また逆に高感度のUE18でも試してみまたしが、まったくノイズが聴こえないすごくノイズフロアが低いのが確認できました。さすがこの辺はCEntranceの面目躍如たるところです、
機能としてはハイブースト、ローブーストは効き目も派手ではないオーディファイル向けの味付けで、他にもゲインとインピーダンス、またiOSデジタル入力となんでもありの多機能な面もあります。これも楽しみですね。

Jabenの音松アンプとベイヤーT1/T5p改造ヘッドフォン
これはベイヤーのT1またはT5Pとケーブルを交換してバランス改造したものと、音松アンプというオーロラサウンドの出しているキットをベースに特にこのベイヤー改造ヘッドフォンに合わせてチューニングをしたもののセットです。DACは内蔵していないので、これにDACportをつけて20数万円でネット限定販売予定とか(ヘッドフォンはT1かT5pのどちらかです)。この組み合わせだとお得感もあります。

IMG_0030.jpg

手持ちのiPhoneにコネクタつけて試聴したんですが、iPhoneから出た音とは思えないくらい豊かで厚みのある本格的な音が出てきました。このT1/T5pのケーブル改造だけでも別物という感じで、自分のT5pを持っていた人が試聴したら、やはりもう全然別ものって驚いてました。

* 真空管ポータブル

こちらは最近は海外でも話題のアナログ・スクエア・ペーパー(A2P)のブースです。
http://www.analog2p.com/index.html

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手前の黒いのは私も持ってるTu05でこちらはなんと全段真空管のフルチューブ・ポータブルアンプです。前は電圧を昇圧するところでノイズが少し出てヒスってんですが、こちらはいまでは改良されていて以前よりノイズが減りました。現状のものではカスタムIEMでも大丈夫です。これはまさにいかにも真空管という柔らかさ滑らかさが堪能できます。向こうのものは新製品のハイブリッドの06です。こちらはより小型に安価になるということです。ケースにも凝っていて趣味性の高さもアピールしているところが良いですね。

フォステクスの真空管ハイブリッド HP-V1

こちらはフォステクスの隠し玉、真空管ハイブリッドのポータブルアンプです。ピュアアナログ設計にこだわったポータブルアンプということでオリジナルのフィルムコンデンサを使ったところもポイントということです。また前後にアナログ入力を付けているというのも面白いところ。デザインはまた少し変わるかもしれないということでした。

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HP-P1からのアナログアウトを受けてTH-600で聴いてみましたが、ものすごく柔らかいというわけではなく、強く真空管を主張するというより、モニター的なHP-P1に対してアナログ然とした古風なアンプという感じです。HP-P1だと音が少し乾いた感じがするという人には良いのではないかと思います。

* イヤフォン・ヘッドフォン

Aedle VK-1 ヴァルキリー
http://www.aedle.net/
昨年発表されたデザインに優れたフランス製のヘッドフォンです。私も実はプリオーダーしておりますが、トップウイングさんによって国内販売される予定だそうです。

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本体は軽くて思ったよりも華奢な感じです。デザインだけではなく音も悪くないですね。いわばコンシューマー向けサウンドで、暖かみがあって中低域にウォーム感がある感じですね。ヴォーカルは甘くてよかったです。これはFocalのSpirit oneと良い比較になりそう。

Jaben Pro1
シングルBAのイヤフォンで一万円くらいと安価な製品です。三月発売とのこと。

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中高域のクリアな抜けの良さが気持ち良く、ベースは抑えめです。価格的には良いですね。

怪しいE2c改造イヤフォン
開場で見つけた怪しいE2c改造イヤフォンです。E2cのダイナミックドライバをそのままにBAドライバをチップマウントしたというもの。作った人はこの辺から推測できるかも。

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音もネタにしてはけっこう良かったですね。まじめにほしかったりして。

* その他

iFIのUSB機器
http://www.ifi-audio.com/en/iUSB.html
こちらはUSB DACとUSBクリーン電源などのシステムです。最近海外ではちらほら見るようになってきました。iFI自体は新興ブランドですが、ヨーロッパの大手企業がバックについている新展開製品群ということのようです。こちらは後で詳しくかけるかもしれません。

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ヘッドフォンブックの英語版
これは私も書いているところの日本で出いるヘッドフォンブックを英語に完訳したものです。これは2012年版をベースにした準備稿のサンプルです。海外では日本製品だけではなく日本の評論家の意見も尊重されるということで完訳という形になったようです。下のように私の書いたページも翻訳されていますね。

IMG_0035.jpg   IMG_0033.jpg

これはJabenがプロデュースしていて、なんと付録にJabenのアンプがつきます。価格は$45くらいになりそうということですが、まだ未定です。二週間後くらいにHeadphone mook companyと言うところから出るということです。翻訳はアイリッシュ音楽の専門家でオーディオにも造詣が深い翻訳家の大島さんが翻訳したうえでネイティブプルーフもやってますので完璧です。日本のみなさまも日本語版と両方合わせて英語の勉強にどうぞ!


ポタ研は今回は700名くらいは来てたんでしょうか。けっこう入っていましたね。初期の中野時代のヘッドフォン祭を思い出しました。はじめから終わりまでずっといるという熱心な人も多く熱気にあふれ、ユーザー同士のコミュニケーションの場でもあり、まだ学生という若い人たちもたくさん来て、オーディオ業界の希望を体現したものという気もしました。別にオーディオ産業が斜陽になったわけではなく、ユーザーが求めるものを提供するならばユーザーはやってくるということではないかと思います。
posted by ささき at 11:15 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月06日

JPlayの1.5バージョンアップと、JRMC/FoobarとJPlayの組み合わせ

Windowsのオーディオ向け音楽再生ソフトであるJPlayを以前の記事で紹介しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/206512899.html
そのJPlayがバージョン1.5に更新されて大きく機能更新しました。基本的にJPlayはStealth PlayerみたいにGUIを持ってないプレーヤーです(でした)。しかし最近のアップデートでJRMC(JRiver Media Player)やFoobarとの組み合わせが可能になっています。また独自のDSDネイティブ再生のためのDoPサポート機能をJPlayが実現しています。実際にはこれまでもいくつかバージョンアップがあって取り入れられていたようですが、1.5はその集大成と安定度向上というところでしょうか。
今回はこのJPlay1.5とJRMC/Foobarの組み合わせ、それを使ったDSDネイティブ再生の方法を紹介します。使いにくいが音質を追求したJPlayと操作性や機能の優れたJRMCとFoobarの組み合わせでWindowsのPCオーディオ再生がグレードアップできます。またJPlayの開発者にいくつか疑問点を直接聞いてみたのでそれも反映させています。


このJRMC/Foobarとの組み合わせにおいて、JPlay自体はプレーヤーソフトからはASIOドライバーとして見えます。しかしASIOをサポートしたDACしか使えないわけではなく、実際に今回の例はASIOではないChord QuteHDを使用します。つまり平たく言うとJPlayがASIO4ALLと同じように機能するようです。

以下にWindows7の例でJPlayの試用版での使い方を書きます。JRMCとFoobarはすでにインストールされているものとします。JRMCは試用版があります。

* JRMCとJPlayの設定
JRMCはv18で英語メニューで説明します。

1. JPlay試用版インストーラをここからダウンロードする
http://jplay.eu/download/
2. ダウンロードしたインストーラをダブルクリックしてインストールする(場所はデフォルトC:\JPLAY\がお勧めとのこと)。リムーバブルディスクへはインストール不可
3. リブートする。JPlayは深いところを変更するのでウイルスチェッカーにインストール動作を感知されることがあります。その場合は一時的にチェッカーを切ってください

asio1.gif     asio2.gif

4. JRMCを立ち上げて‘Tools’メニューから‘Options…’を開けます
5. ‘Output mode’をASIOにしてください
6. ‘Output mode settings…’を開けて‘JPLAY Driver’を選択してください。他の設定は触らなくても良いと思います
7. この後でタスクバーのインジケーターから音符マークのJPlay Settingを開きます
あるいはスタートメニュー内のJPlayからJPlay Settingsを開きます。* この際に音楽再生は停止させなければなりません
8. ‘Playing Via‘の項に使用しているDACのドライバーを指定します。ここではChord QuteHDを選択しています。ここでKSとかWASAPIはFoobarにあるようにWASAPIとKS(Kernel Streaming)を選択できます。主にKSを使用してみましたが、安定していると思います。XtreamモードはKSのみです。

JPlay Settingオプションの説明は下記別項を参照ください、

* JRMCとJPlayでDSDネイティブ再生するには

DSDネイティブ再生の設定には‘Playback Options‘ を開いて‘Bitstreaming’から‘Custom’を選んで、開いたダイアログで‘DSD’をセットしてください。

dsd.gif

ここがポイントなんですが、QuteHDのようにDoP対応DSD DACを使う時でもこの時に‘DoP’ではなく‘DSD’を選んでください。これはDoPを選んでJRMC側で176/24のDoPでエンコードすると信号経路のどこかでDSDを出してるはずなのにPCMが来ているとみなされてしまうからのようです。(ただしDSDとDoPを同時に選ぶのは大丈夫なようです)
DoPへのエンコード(コード化)はJPlay側で行うようです。そしてDSD DACへは最終的にDoPで出力されます。これでQuteHDで白くDSDネイティブ再生のロックがされます。

そうするとDoP以外のKORGなどのASIO対応のDSD DAC-10などでDSDネイティブ再生が使えるかが気になりますが、JPlayの人に聞いてみたところ現在のところはDSD再生はKernel Streamingを使用してDoP対応DSD DACに出力するときのみサポートしているということです。ASIOも安定度などではいいように思いますが、やはりDoPのような標準方式は広くつかわれるのでソフトウエア側のサポートが手厚くなるということですね。
ただテストするDACがないので試せないけど、必要があるならやるということではありました。

* FoobarとJPlayの設定

Foobarの設定は以前書いたQuteHDとFoobarの設定とほぼ同じなのでそちらも参照してください。簡単に言うとそこの記事のASIO4ALLをJPlayに置き換えるようなものです。
またJPlayのインストールは上記JRMCの1,2,3と同じです。

foobar-ASIO.gif

1. FoobarにASIOコンポーネントをインストールしておきます。
2. ‘File’ -> ‘Preferences’ -> ‘Playback’ -> ‘Output‘を開けます
3. ‘ASIO: JPLAY Driver’を選択します
4. この後でJRMCでの7と8と同様にJPlay SettingsからDACのドライバーを選択してください

* FoobarとJPlayでDSDネイティブ再生するには

1. foo_input_sacd.zipをunzipしてASIOProxyInstall.exeを立ち上げてインストールします
2. ‘File’ -> ‘Preferences’ -> ‘Playback’ -> ‘Output‘を開けます
3 ‘ASIO: foo_dsd_asio‘を選択してください
4. ‘Output‘からASIO設定を開けます
5. ‘foo_dsd_asio’をダブルクリックして設定ダイアログを出して、そこで‘JPLAY Driver’を選択してください
6. 設定ダイアログでDSD Playbackを‘ASIO Native’に設定してください(ただしDoPにセットしていてもFoobarでは問題ないようです)

foobar-DSD1.gif     foobar-DSD2.gif

Foobarではfoo_input_dsdiffは外してください。またDSP設定でリサンプラーなどが入らないようにしてください。

ちなみに現在foo_input_sacdの最新は0.6.1でPCM->DSDリアルタイム変換機能がついています。これもけっこう使えます。
PCM->DSD変換機能を使うときはPCM to DSD Methodをnone以外にしてください。

* JPLAYminiの場合の設定(コマンドUI)

1. JPLAYminiを立ち上げる
2. Windows上で曲ファイルを選択してコピーする(右クリックメニューなどで)
3. JPLAYminiのウインドウに戻って、スペースバーを押下する

JPLAYminiで再生できるファイルの種類は以下の通りです。
WAV, AIFF, FLAC, ALAC, DSD(DFF & DSF)

またQobuzやSpotifyのようなストリーミング音楽サービスでも使えるようですが、基本的に日本では使えないので省略します。

* JPlayとStreamerモードについて

JPlay1.5はStreamerモードという機能があります。Streamerというのはオーディオ英語でLINN DSのような日本で言うところのネットワークプレーヤーみたいな機器のことです。
これはたとえばオーディオ専用PCの役割をもったPCと普段使いのPCの両方にJPlayをインストールして、DACなどにはオーディオ専用PCを割り当ててハイバネーションモードを使用し、普段使いPCはいわばコントローラーにするということのようです。これは役割を下記設定のAudio PCで切り替えます。
この分業システムはHQ PlayerのNetwork Audio Adapterと似ているかもしれません。別な言い方をするとLINN DSのような機器がなくても、PC二台とDACとJPlayがあれば似たようなシステムが作れるということです。(ただしDLNAではありません)

* JPlayの設定について

JPlayの設定はタスクバーから音符マークのJPlay Settingを開くか、あるいはスタートメニュー内のJPlayからJPlay Settingsを開きます。この際に音楽再生は停止させなければなりません。
以下オプションの解説です。(試用版の画面)

setting.gif

Playing via: [Kernel Streaming,WASAPI, ASIO] 
ここでは実際に音を出すDACのドライバーを選択します。またWASAPIやKS(Kernel Streaming)などの経路も選択します。

Engine: [River, Beach, Xtream]
ここはJPlayのサウンドエンジンの切り替えで好みで選んでほしいとのことです。XtreamはKernel Streamingとの組み合わせのみ有効でバッファをものすごく使うので再生・停止の遅延がより大きく起こるとのこと。
ちなみにJPlayではいわゆるDSPによる音の変更は行っていません。あくまでビットパーフェクトです。JPlayの開発者の話によると、エンジンの違いはメモリ管理・キャッシュアルゴリズムの違いだということでした。これは"bit-perfect signal can sound different depending on software techniques used"、つまりビットパーフェクトであっても実際に使用されるソフトウエア技術によって音に違いは出てくる、という彼らのポリシーを表現したものということです。たしかに音が違いますね。

Audio PC:
Streamerモードの切り替えです。通常はThis computerでいわばローカル出力です。他にJPlayを搭載しているAudio専用PCがあればそれをLAN内で検知してそれに出力をリダイレクトすることができるので、それをStreamerモードと呼んでいます。

Buffer:
スムーズな音楽再生をしながらかつ最小のサイズを見つけてほしいとのこと。これはPCや出力機器に依存します。CDリッピング音源の場合は1(サンプル)が最小で、この1サンプルのバッファサイズが選択できるというのもJPlayのポイントということです。またハイレゾでは大きめに取ってほしいとのこと。

Bitperfect Volume :[-6dB,-12dB,-18dB,-24dB,-30dB]
「ビットパーフェクト・ボリューム」とはなかなかユニークな機能です。これは音質を劣化させないように-6dB単位で音量を変化できるという機能です。この辺のこだわりはJPlayらしいところです。ただし16bit音源にしか使えません。
これについてはJPlayの開発者に直接聞いてみたんですが、どうやっているかというとまず16bitのデータを24bitに左詰めして、その24bitデータを右にシフトさせます。コンピューターについて知識のある人はここでわかると思いますが、二進数演算においては1bit右シフトさせるのは2で割ることと同じです。-6dBは聴覚上の1/2ですので、これで音量を半分ずつ変化させることができます。24bitに左詰めした時点で下位8bitはヌル(0)ですから右シフトしても16bitのときのデータは欠損なくそのまま保たれます。つまりボリュームを半分にしてもビットパーフェクトでありえますので、ソフトウエア的にボリュームを変化させても音質は変わりません。このため16bitのみ使用できるというわけです。
普通のソフトウエアボリュームが音質を劣化させる可変抵抗ボリュームみたいなものとしたら、こちらは連続ではないけど音質を劣化しないソフトウエアのステップアッテネーターみたいなものともいえるかもしれません。

Bitstream :[native,24,32]
出力するビットの指定。なかには24bitとか32bit固定での出力を要求されるDACがあります。普通はnativeで良いはず。

Polarity: [normal,inverted]
これは極性の変更です。

Throttle: [OFF,ON]
スロットルモードというのはいわゆるPCの最適化モードです。他のプロセスの優先度を下げるというもの。JPlayでは他にハイバネーションモードという画面真っ暗で完全停止のすごいモードがあるんですが、これはあまりに恐ろしいので、そこまでではないけどシステムの最適化を行うというもののようです。ただマウスなどの効きが悪くなるというまだ恐ろしいところはあります。ただウエブ見るくらいだったらONのままでいいのではないかということ。スロットルはONがデフォルトです。
たしかにこの記事を書きながらPhotoshopでスクリーンキャプチャの編集をしてたら妙に動きは鈍くなりました。

Hibernate mode: [OFF,ON]
これがそのハイバネートモードです。これはオーディオ再生に関係ないプロセスはみな切ってしまうようなので恐ろしいです。と、以前の記事で書いたんですが、いつのまにかスロットルモードと分けたことでさらに恐ろしさもグレードアップしているようで、なんと再生・停止はUSBメモリの抜き差し(の割り込み信号)で行うというさらに恐ろしいもの。ただし上で書いたStreamerモードの場合は有効に使えるので、このモードは一台PCのときは使わずに、Streamerモードでのみ使用をお勧めします。PCが一台の時はスロットルモードで良いと思います。

つまりJPlayの使い方としてのベストは二台PCを用意してLANで接続し、両方にJPlayをインストールします。そして片方にDACを接続してハイバネートモードにし、もう一方ではJRMC+JPLayにしてAudio PC設定をもう一台の専用PCにする、というStreamerシステムのようですね。余裕があれば静音PCなどを買ってやってみるのもよいかもしれません。

さらに下記のレジストリーをいじることで設定を細かく変えられます。この辺はJPlayのManualを読んでください...(Packet sizeについては後述)
Computer\HKEY_CURRENT_USER\Software\JPLAY


なおQuteHDのドライバーでは問題ありませんでしたが、NFB11.32のドライバーではKSが使えませんでした(音が出ずにsettingを立ち上げるとJPlayが落ちる)。WASAPIではOKです。これもJPlayの人に聞いてみたんですが、おそらくドライバー側の問題だろうということですが、こういうときはバッファの値を1024にしてみてということで、実際にやってみると確かにそれでKSでも再生ができました。後は面倒ですが少しずつ減らしていくということのようです。


* 試用版と正式版の購入について

上で書いたように設定して、動作するけど音が途切れるというのはお試し版だからです(一分に一回1-2秒の無音部分が入ります)。試用版で気に入ったら、ホームページからPaypalで購入すると、後でメールで購入者の名前でカスタマイズされた(ライセンスされた)インストーラがメールで届きます(軽いから)。いったん試用版をアンインストールして、それをインストールし直します。すると設定画面に名前が入った版が立ち上がり正式版となります。(このときにいったんアンインストールするのでドライバーを再度選び直してください)
ライセンスはその人が使う限り台数や32/64bit OSの制限なく使うことができます。購入時に32/64を選びますが、bothにしておけば良いです。価格は同じ99ユーロです。メジャーバージョンアップでも追加料金は取らないと言ってます。

* JRMC 18とJPlay

JRMCも17から18になりました。これは正式リリース発表があったら書こうと思ってたんですが、18がベータリリースされて改善を進めていくうちにやがてある時点でホームページからのダウンロードリンクが17ではなく18の最新に移る、というひっそりとした移行でした。Mac版はまだ開発中で数週間以内には動作可能なものをなんとかアップできる、というレベルのようです。Mac版は一からMacのために書いているわけではなく、予告されたように多くは共通コードを使っているようです。Windowsとの共通というよりは機種依存しないように書きなおしたということで、Linux版もそのうち出るのかもしれません。
JRMC17から18にバージョンアップすると設定は引き継がれます。v18から使う人はDSD設定は少しわかりやすくなっていると思います。

JPlayはバッファリングしているようで少し遅れて再生されます。DAC64のバッファありみたいな感じです。また止める時にもタイムラグがあります。
追記-> JPlayの開発者にこの記事を見せたらさっそく教えてくれたんですが、上記レジストリのPacket Sizeを小さくするとラグを減らせるということです(2が規定値で0が最小)。実際に減らせますが音に影響あるかもしれないのでこれも好みで選んでほしいということ。(4を選ぶ人もいる)

音質はエンジンにもよりますが上質かつクリアで、やはりJRMCでJPlayを使うと普通にJRMCで排他モードWASAPI経由で鳴らすよりも透明感が高まります。もともとJRMCはWindowsの音楽再生ソフトの中では操作性・機能性では群を抜いて優れていますが、これで音質的にもベストになったかもしれません。
JPlayは以前の開発者インタビューなんかでもメモリ管理と低レベル処理を売りにしていましたが、低レベルのJPlayと高レベルのJRMCがうまく融合した感じです。

JPlayは上級者向けのソフトではありますが、操作性の良いJRMCと組み合わせることで手軽にJRMCの音質も向上できます。WindowsのPCオーディオの音楽再生ではJRMC+JPlayはお勧めです。感覚的にはMacでいうと使い勝手の良いiTunesの再生エンジンをAmarraにして音を良くするという感じです。
ただし価格はJPlay(99ユーロ)+JRMC($49.98)となります。

一方でFoobarは無料で多機能ではありますが、あまり過信できません。例えばFoobarとDSDネイティブ再生で注意してほしいのはDSP設定をまず空にすることです。このときにうっかりリサンプラーを入れたままだとうまく再生できません。この辺はたとえばJRMCならPCMでリサンプラーを入れていてもDSDを検知すると自動的にオーディオパスをダイレクトにしてリサンプラーをよけます。PCMを再生するとまたリサンプラーを戻します。この辺はやはり有料ソフトならではの気配りというか使いやすさではあります。
posted by ささき at 22:37| Comment(2) | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

AntelopeもDSD対応へ?

下記リンクのComputer AudiophileのポストでZodiac GoldでもASIOでのWindows 384K対応と共にDSD対応ファームを用意中という話が載ってます。
http://www.computeraudiophile.com/f6-dac-digital-analog-conversion/dsd-coming-antelope-zodiac-gold-14906/

思い出すんですが、おととしの春ころ雑誌の取材で来日中のAntelopeのCEOレビン氏にインタビューの機会がありました。当時はDSD DACはなかったけれど、私はDSDに匂いを感じてたんでひと通りZodiacについて聞いたあとにDSD対応はないの?ってあえて聞いたんだけどその時はホントにDSDに興味なさそうに「なんでそんなこと聞くの?」って感じで面倒そうにPCMで十分だからないって答えてたのを覚えてます。私は面と向かって聞いたんではっきり覚えてるけど、それを考えるにこの間の環境の変化を感じさせられます。
posted by ささき at 09:31 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月05日

DSDイベント締め切りました

タイムロードさんのショウルーム「遊」で開催されるDSDイベントの第二回も締め切りました。
https://m.facebook.com/timelord.ltd/posts/234274170042521
ありがとうございました。
posted by ささき at 17:53 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月03日

RWAK100レビュー ・ iriver AK100改造モデル(AK100のiMod)

このRWAK100は人気のハイレゾプレーヤーであるiriver AK100をあのiModで知られるRed Wine AudioのVinnieさんが高音質改造したもので、いわばAK100のiModです。
Vinnieさんから試聴用デモユニットを送ってもらいましたので、RWAK100のレビューを書きます。いままで一週間ほど使ってみました。

IMG_0628_filtered.jpg

* Red Wine AudioとiMod

私はiPodの改造モデルであるところのiModが結構好きで、第4世代iModのころから使ってます。このときはイヤフォンアウトがラインアウトになる仕様でした。次に5.5世代iModではドックからコンデンサ内蔵の専用LODを使う方式となりました。iModはiPod後段の安い内蔵回路をバイパスして音質を上げるものなので、iPodが後段をワンチップ化したことによってclassicからは提供されなくなりましたが、5.5世代のiModはいまでも主力プレーヤーの一つとして使っています。iPod Classic(第6世代)も持っていますが、比べるとたしかに細かさでは5.5世代iModより上になったかもしれませんが、依然として音楽性の豊かさではiMod5.5Gを取りたいところです。これはDACの違いもありますが、Vinnieの高品質パーツを使用した強みもあるでしょうね。コンシューマー品にありがちな音の雑味の粗さが少なく、高級な滑らかさを感じます。

ちなみにオーディオ英語では改造品はmod (=modified)、標準品はstockといいます。

* RWAK100とは

AK100は素のままでも音質は良いですが、HeadFiあたりでは当初から指摘されていた問題点がありました。それは22オームと出力インピーダンスが高いということです。
スピーカーではよく駆動力の指標としてアンプのダンピングファクターが取り上げられますが、これは出力インピーダンスが低いほどよく、いわゆる制動力が高くなって音のコントロールがうまくできるようになります。
オーディオでのインピーダンスはロー出しハイ受けするが基本なので、イヤフォンが16オームくらいなのに22オームで出力するというのは問題ではないか、ということです。

改造内容はFacebookに書かれていますが、これによるとまず出力段の22オームの抵抗をバイパスして、出力段のFETからカルダスのケーブル(Cardas copper litz solid core wire)を用いてヘッドフォンアウトのピンに直接接続したとのこと。つまり単に抵抗をバイパスしただけではなく後段の基盤もバイパスしているようです。こうしてショートシグナルパス化することで音質を上げるとともに、出力インピーダンスを1オーム以下にするというものです。
改造はこのハード部分だけでソフトは同じです。

* RWAK100とAK100のラインアウトについて

iModというとイヤフォンアウトというよりラインアウトの音質を上げるものでしたので、RWAK100もそうかと私自身も思い違いをしていた点もあるのですが、あくまでRWAK100はイヤフォン端子からの音質を上げるものです。ただし、同時に固定出力のアナログ出力にもなりえます。
と、いうのは私も初めにAK100の記事を書いた時にはラインアウトがないと書いたのですが、Vinnieが言うところによるとAK100はデジタルボリュームを使用していますが、どうやらこれはWM8740のDAC内蔵デジタルボリューム機能を使用しているようで、ボリューム位置をMax(表示上の75)にセットすることでバイパスされる(シグナルパスから外せる)ということです。
いずれにせよ、ボリュームを通らない固定出力を出せるという意味においては、もともとのAK100でもRWAK100でもボリュームをMaxにすることでアナログ出力を取り出せるということになるようです。


* RWAK100の音のインプレッション、AK100との比較

パッケージや外観上はまったくAK100の標準品と変わりありません。唯一違うのは底面にRed Wineのプレートが付いていることだけです。これはiModでは背面についていますね。

IMG_0596_filtered.jpg

ファームウエアは1.13が入っていたので1.3にあげて比較しました。
まず比較したのは低インピーダンス、高能率、高性能のカスタムIEMであるJH16(18Ω)、UE18(21Ω)にWhiplashのTWagケーブルを付けて比較しました。

UE18やJH16などの低インピーダンスIEMで聴いてみるとオリジナルとは別物か、というくらい違いますね。もちろん全体的な音の性格は引き継いでいますが、まずロックポップなどのベースのビートがある曲ではまるで印象が違うくらい低域の量感とインパクトがあります。この低域の充実感があるので、全体的な音表現もAK100のやや薄さ軽さを感じるものから、特性はそのままで厚みのある濃いものになります。

また全体に音の濃い豊かさをを感じるのは低域の充実だけではありません。たとえばアコースティックギターだけの曲でもクリアさ鮮明さがRWAK100の方がすぐ分かるくらい良好で、細かい弦のかすれる音もより明瞭に再現され情報量がさらに多く感じられます。
これによってクラシックのオーケストラ物でもより迫力を感じるようになります。

さらに注意して聴くと、細かい音の鳴り方がより洗練されて粗さのない滑らかなものになっています。これは後段に高品質の単芯線ケーブルを使用したからかもしれません。角が滑らかになって上質になった感じはiModでも感じた感覚です。

iriver標準添付のMicroSDに入っている"Spanish Harlem"ではベースのインパクトがまるで違います。ウッドベースのポンッという音の密度感や厚み、そして量感が別物です。ハイレゾの細やかさの再現性も違いが明白です。まるでアンプを高性能に変えたかと思うほどですね。あるいはなんかつっかえてたのが取れた、という感じかもしれません。
UE18とかJH16のような低インピーダンスIEMではまず低域表現はまったく別物というくらい異なり、その次によくわかるのは細部がさらに浮き上がってくるというものです。

実はこの改造に対してiriver自身がコメントをしていて、たしかにこの改造で低域のパワー感はますだろうが、かえってAK100の持っている細やかさが失われると言っています。私もこの点について一番懸念していたのですが、実際のRWAK100ではさらに細やかさが浮き出るように感じられます。もしかすると机上の理屈の上ではiriverの言うことに一理あるのかもしれませんが、ケーブルを短縮化してカルダス単芯線の良いものに変えるなどVinnieがiModでやったことが結実していると言えます。Vinnie自身もこの点についてはiriverに同意できないって言ってます。
オリジナルで聴くと音数が減ったように感じられ、オリジナルに戻すと音が全体に軽くなり、さらになにか間引かれたように感じます。
オリジナルAK100では物足りなかったところがうまくカバーされてるように思いますね。

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次に反対の特性を見るために超高インピーダンスのTzar350(350Ω)も使ってみました。ここでは低域での差が先の低インピーダンスIEMのように大きなものではなくなってくるため、全体の印象もまったく異なるという感じではなくなってきます。ただしTzar350でもiriver付属の176k/24のSpanish HarlemではやはりRWAK100の方の透明感が高く細部がよく聞こえますので、依然として差はあります。
こうしてみると、やはりRWAK100の改造効果の差は低インピーダンスのイヤフォンを使用したときの方が低域の差となってはっきりと違ってくるということが分かります。ただし出力インピーダンスを低くしただけではなく、後段をシンプルにして高品質配線にした効果というのもまたきちんと存在していることもわかります。AK100でも細部はかなり明瞭に聞こえますが、RWAK100を聴くとさらに磨く余地はあったと気が付きます。そういう意味ではAK100のベストを引き出すともいえるでしょう。

ポータブル用のヘッドフォンではオーテクのESW10JPN(45Ω)を使ってみましたが、この辺だとやはり差はあってRWAK100の方がベースの力感がぐっと力強く出てくるし、ずんと深くベースが乗ってきます。あまり派手ではない"Spanish Harlem"なんかでもRWAK100から標準に戻すと全体に力が抜けた感じに聞こえます。

AK100を使っているともともと低域の過剰なJH16などでは低域が少なめに出るのにフラットに近いTzar350では低域が十分あるように思えるのはちょっと不思議な気がしていましたが、これで謎は解け解法も提示されました。
このようにイヤフォンによって効果の差はありますが、あまりマイナスはないように思います。電池の持ちははっきりとは言えませんがあまり変わっていないように思います。減っていたとしても、半分になるとかそういうのではないですね。発熱もほぼ変わりはありません。
ただ保証はなくなるので念のため。

総じて言うと、16オームなどの低インピーダンスイヤフォンを使用している人には特にお勧めします。カスタムイヤフォンにAK100を組み合わせている人は福音となるでしょう。AK100をまた見直すことになると思います。
また、350オームのTzar350は極端な例ですが、低域の差はあまりなくなっても細部の差はあるので実際はほとんどのイヤフォン・ヘッドフォンで差があるのではないかと思います。


* 購入の仕方

これは新規で買うのと、手持ちのAK100を改造してもらうことの二通りあります。新規だと$895+$45(送料)で、改造は$250+$45(送料)です。送る際の送料もかかりますが、いまの円安を考えると日本の場合は日本で買ってから送った方が良いでしょうね。
改造は送ってから約一週間くらいでやってくれるそうです。

もちろん保証がなくなる改造品ですのでそれを承知の上で注文してください。改造部分の不具合などはまた向こうに送れば修理してもらえると思います。

詳しくはこちらのAudio CircleのRed Wine Audioフォーラム内のRWAK100記事をご覧ください。
http://www.audiocircle.com/index.php?PHPSESSID=aob5s3i1hrfv08r497pe9djcs6&topic=113484.0

*試聴について

やはり自分で聴いてみないと、という方のためにお願いして今週末のフジヤエービックで開催されるポタ研に私のいま持っている試聴機を置かせてもらおうと思います。
https://www.fujiya-avic.jp/event/potaken2013_winter/
ぜひこの機会に聴きに来てください。
posted by ささき at 12:42 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする