Music TO GO!

2013年01月09日

ONKYOがDSD再生可能なiPhoneのHDオーディオアプリを開発中

いまアメリカではCESが開催されていますが、ONKYOでは新製品のヘッドフォンが発表され話題を呼んでいます。オフィシャルはGibsonブースでの展示だそうです。
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そしてある画期的なアプリも参考出品されています。
それがこのONKYOがヘッドフォン用に開発中のiOS向け音楽再生プレーヤーアプリです(名称未定)。CES展示ではヘッドフォンのイコライザーアプリとしてまず紹介されていますが、実はそれにとどまらない、なんとDSD再生も可能な画期的なHDオーディオプレーヤーのプロトタイプです。
これについては開発中の試作版を少し前に試用させてもらう機会がありましたので、それも交えて紹介いたします。なおスクリーンショット、説明内容はすべて開発段階のものですので念のため。

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まずCES展示ではONKYOの開発したヘッドフォンのための再生アプリとして紹介されています。
ただしこのアプリは最近よくあるヘッドフォン・バンドルタイプのアプリとは一線を画したものです。実際にイコライザーはかなり強力で、64bit処理のモード(HQモード)を持っていて、20000タップのFIRフィルタで高品質な処理をします。だいたい通常のイコライザーが1000タップ程度で、プロ用でも4000タップくらいということなので精度の高さが分かると思います。普通イコライザーをオンにしただけでも音質が劣化しますが、この64bitモードと高精度デジタルフィルタによって高音質でイコライジングすることができます。
そして今回発表されたヘッドフォンに合わせた特性のカーブがあらかじめプリセットされています。そのため最適な音質で再生することができます。

opt for oh.png

こうしてプレーヤー側の高品質なイコライザーで周波数特性を補正してあげることで、手頃な価格でかつ高音質なヘッドフォンリスニングが可能となるでしょう。これは前に書いたEarPods用のDirac HDアプリや、さまざまなヘッドフォン特性がプリセットされたAudyssey Music Playerアプリにも通じる考えですね。ONKYOのアプリでは64bitモードをも持つことで、イコライザー使用による音の劣化を防ぎながら帯域特性を向上させることができるので、この手法が効果的に効いてきます。イコライザーを使用することで音質が劣化したのでは意味がないですからね。またこの高精度なイコライザーを使用して、プリセットされたものだけではない、音のカスタマイズ提案の可能性も考えられます。

しかし、このアプリは単なるイコライザーアプリに留まりません。高音質オーディオプレーヤーアプリとしてハイレゾ音源を再生可能で、さらになんとDSD音源をiOSで再生することができます。
実際に試作版を手元で試す機会がありましたが、自分の買ったDSD音源を使えてiPadでDSDが再生できたのはちょっと新鮮な感動でした。下記はBlue Coastから買ったDog Songを再生しているところです。

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いままでのRadsonやSoundmaxなどに直接比較して比べてもずっと洗練された自然で音痩せのない上質感のある音でした。
このアプリではイコライザー以外の部分での音の処理ではDSP処理はしていないとのことです。かなり本格派というか正統派の音楽再生アプリです。前にNeutron Playerの記事を書いた時にも思いましたが、もうスマートフォンアプリだから、という時代ではありませんね。最新のスマートフォンの能力はもはや玩具ではなく、十分な可能性を感じさせます。DSDネイティブ再生の可能性はどうだろう?。。見ていると期待が広がります。

なお出力するさいには下記の選択が可能のようです。 *1
DSDはおそらく1と2でPCM変換対応可能だと思います。
1. すべての音源を48kHz/24bitにリサンプリングする
たとえば192/24のHD音源ならダウンサンプリング、44/16のCDリッピングならアップサンプリングとなります。これはiPhoneやiPad単体で聴くときのモードのようです。
2. 指定のレートにアップサンプリングする
たとえば44/16のCDリッピング音源を192/24に変換する。
iPad/iPhone単体では192にしても意味がないので、これはiPadでの外部デジタル出力を想定しているのでしょう。
3. そのままで変換しない

このONKYOのアプリは単なる再生アプリというより、ヘッドフォン製品の帯域特性改善、ハイレゾ音源・DSD音源の再生、オーディオ機器やネットワークへの可能性など、ONKYOが今後展開するだろう各分野でのさまざまなオーディオ戦略の中核ともなりうる可能性を秘めたソフトウエアだと思います。たとえばe-ONKYOの配信で購入したハイレゾ音源をONKYOのヘッドフォンで最適EQで再生でき、その音源はiPhoneではなくリモートにあっても良いかもしれません。製品群や製品戦略がスマートフォンという次世代の主役を軸に有機的につながってきますね。
こうしてコンピューター・ソフトウエアというインフラをあらかじめ考慮した製品戦略というのが、ひとつのPCオーディオのあるべき姿であるように思います。


*1 - 仕様について加筆訂正しました。(1/10)
posted by ささき at 15:06 | TrackBack(0) | __→ スマートフォンとオーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする