Music TO GO!

2012年12月31日

今年のMusic To Go記事振り返りとオーディオのトレンド

今年の記事の最後としてMusic To Goブログの記事を振り返ってオーディオのトレンドを読み解くという、総集編企画をお届けします。
ちなみに2011年度の振り返り記事はこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/243739589.html

PCオーディオ関係では今年はなんといってもDSDですが、まずDSDのネイティブ再生の流れを追っていくと、はじめにPlayback Designsが昨年(2011)夏頃に独自方式で実現させますが、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/223087523.html
その後に昨年(2011)9月にいわゆるdCS方式というのが提唱されました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/227606034.html
ただこの時点ではPlaybackの方式とも異なって併存していて、この先どうなることやらという感じではありました。ちなみに正しくいうと「dCS方式」と言う言葉はなくて、"USB Link...なんたら"というdCSが付けた名称があったんですが英語で長いので私が勝手にブログで「dCS方式」と書いていただけですので念のため。
この時点では音楽再生ソフトもdCS方式かPlaybackの方式のいずれかの独自サポートが必要でした(Aurdivanaなどは両方やっていた)。それが今年の2月頃に海外で標準規格らしきものができるような情報が流れてきました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/253189067.html
次にBlue CoastのCoockieさんのやってるDSD-Guide.comにもそれが掲載されます。この記事をきっかけにCoockieさんと知り合いになります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/254364075.html
ちなみにこのときは1.0ということでDSD on PCMという名称ではなくUSB Link for DSD Audio via PCM Framesという名称でUSBが名についていました。仕様と名称的にはdCS方式の流れを汲みますが、なぜかコッチ先生も連名だったのを不思議に思ったのを覚えてます。
その後、4月頃にその標準規格が1.1となってDSD128をサポートするとともに、名称がいま知られているDSD Audio over PCM Frames(DoP)となります。つまりDoPという名がついたのは1.1からです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/263097793.html
このころから急に下リンクのChord QuteHDをはじめとしてDSDネイティブ再生を始めから想定したDACが現れはじめ、低価格化もはじまります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/270805691.html
またさきに書いた記事を契機としてオランダのChannel Classicsとも仲良くなります。きっかけはBlue Coastもそうですが、私が書いた記事でアクセスが伸びたということで、向こうからtwitterなどのアドレスを調べてコンタクトしてきてくれたものです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/273253728.html
あとのDSDの普及は他でも書かれることが多くなったと思うので省略します。
今年の初めの時点ではPCM384kと32bit対応の方が2012年の主流かとも思われたんですが、DSDの方が伸びが大きかったですね。ただDoP1.1で5.6M搬送するためには352kHzが必要なので、そのうちまた384k対応は早晩ポイントになってくるでしょう。

今年はプレーヤーソフトはDSD対応が大きな流れで、それ以外は大きな動きはなかったのですが、Audirvana Plusではダイレクトモードが搭載されてライオン以降でも再びインテジャーモードが使えるようになりました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/267858777.html
ダイレクトモードは4月頃からベータで搭載されていき、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/272513977.html
12月の1.4で正式搭載されます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/306486267.html
ダイレクトモードとインテジャーモードの違いについては下リンクにまとめています。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/272746069.html
それ以外ではAmarraが少し大きく変わりました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/268509557.html
来年はJ River Media PlayerがMacの選択肢に加わります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/286237710.html
ちなみにWinのJRMC18はもうリリースされています。

今年のもう一つの特記事項はいわゆるハイレゾDAPの盛り上がりです。
これはまず今年の一月のiBasso DX100祭りみたいな盛り上がりからはじまって、1stバッチは瞬殺し、私も2ndバッチでオーダーしました。このころからわたし的にはAndroidと24bit出力の可能性と実装に着目を始めます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/251928177.html
そして2011年暮れに出たAltmann Tera Player(記事は3月)を入手して紹介します。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/255880650.html
DX100は3月頃に少し手直しをして私はそのあとに入手します。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/261547910.html
DX100系はDX100をベースにしたHDP-R10の国内リリースでひとつの頂点を迎えます。
その次は老舗のiriverがAK100をデビューさせて世間を驚かせます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/296384375.html
AK100はヒット商品となり、海外でもニールヤングのPONOを食ってしまうと評判です。VinnieさんがiModのような改造を行ったりもしています。
そしてこの分野の嚆矢であるHM801の後継機のHM901が発表されます。残念ながらまだ発売はされていません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/303979241.html
ソニーがHPA-1を出したようにポータブルアンプがごく一般化したというのも今年のポイントではありますが、一般人がポータブルアンプを認識しだすと、マニア層はハイレゾDAPに一歩トレンド先に進んでいるという感じでしょうか。
ポータブルアンプ系ではAppleが長らくしたしまれた30pinコネクタを新規変更したのも重要ですね。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/292306243.html
個人的には今のポータブルアンプはiPod/30pinコネクタ時代のものであるので、iPhone時代のポータブルアンプにはワイヤレスタイプ(あるいはWiFiタイプ)のポータブルアンプが必要になるのではないかと思います。ルーター不要のアウトドアWiFi接続はデジカメでは一般的になってきたので何とか活かせないかと思いますね。


イヤフォン・ヘッドフォンについてはまず昨年(2011)のUltrasone Signature Proから続くサブ$1000のハイクラス機ということでShure SRH1840とSenn HD700が今年の初めのトレンドではありました。しかし実のところヘッドフォン関係よりもやはり2012年はイヤフォンであったと思います。そういう意味ではUltrasoneが初のイヤフォンであるIQ/Tioを出したのは注目されることでしょう。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/298442071.html
また今年はポータブルアンプ同様にカスタムIEMも一般化してきました。その中でFitEar To Go 334などカスタム相当のユニバーサルIEMが出てきたことも注目に値します。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/253318386.html
それとFocalなどスピーカーメーカーがヘッドフォンの開発を行い、今年後半にはマーチンローガンまでも追従しました。Spirit Oneの完成度は高いと思いますのでこういう感じでやって欲しいものです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/260057987.html
こうしたマニアックが普通になる中で、FLAT4などユニークなイヤフォンもきちんと評価されるベースが出来てきたのは良いことです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/281564120.html


音楽配信ではニールヤングに振り回された一年でもありました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/249652534.html
しかしAppleから出てきたのは24bitではなく、CAF(Core Audio Format)を中間フォーマットに使うMastered for iTunesでした。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/253750773.html
Appleでは新楽曲フォーマットの噂もありましたが、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/254615445.html
これはのちにニールヤングがなにかやってるという話になり、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/262455301.html
PONOの登場となります。これもハイレゾDAPにつながる話ではあります。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/294652130.html
ただ、これらの新フォーマットで噂されたアダプティブ(適応型)というタイプはOraStreamで試行されていて、一つ注目ポイントになるかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/274617721.html


スマートフォン関係ではAndroidでのハイレゾオーディオの扱いを研究する一方で、
http://vaiopocket.seesaa.net/article/263653182.html
Android 4.1でUSB Audio(iOSのデジタルアウト機能に相当)が発表されたりしましたが、現在でも活用されてはいません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278202078.html
http://vaiopocket.seesaa.net/article/281978580.html
一方iOSではAudioBusがリリースされ、Androidとのオーディオ機能の優位を広げます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/300522308.html
Androidではオーディオの動きが鈍い一方で、ワイヤレスのMiracastは予想より早くAndroidに取り入れられます。ただしAirPlayミラーリングに似た機能です。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/293712825.html

今年のヘッドフォン祭ではいよいよ二日開催になるとともに、念願のSamuelsさんを呼べたのがうれしかったですね。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/299556400.html
HeadFiともヘッドフォン祭を軸に定期的に関わり合いを持つようになってきました。

さて、来年はどうなるか、また楽しみなことではあります。今年のご愛顧ありがとうございました。
posted by ささき at 09:27 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月29日

Recomposed Four Seasons - Max Richter

これはあの有名なクラシックの名曲であるヴィバルディの四季を"リミックス"したものです。タイトル通りに言うと四季の再作曲ですね。クラシックのアレンジというと原曲にビートをアレンジするというパターンがほとんどですが、現代音楽家のマックス・リヒターは本作で文字通り楽譜レベルから四季の再構築を行っています。四季とは異なったメロディーラインに絡めて四季の有名なフレーズをループさせるっていうミニマル手法が斬新です。こちらにYoutubeの試聴リンクがありますのでご覧ください。アルバムから冒頭のSpring 0とSpring 1です。



ビートが入ってないのに気持ちよく躍動的に感じられるところも良いですが、ドラマティックに見せかけていて終結部がなく唐突に終わるのも現代曲を思わせます。Richterは元の四季のスコアを音符レベルで再構築して、結果的に3/4を捨てたけれども元の曲のダイナミックさとエッセンスを抜き出したと語っています。Max Richterのインタビューもあります。



Max Richterは元は現代音楽ユニットであるピアノ・サーカスのメンバーでした。ピアノサーカスは6台のピアノを同時に使用するスティーブライヒのSix Pianosを演奏するために結成されたユニットで、その後もグラスなどミニマル音楽を中心として活動しています。Max Richterは最近ではエレクトロニカのアーティストとして有名になりいくつものアルバムを出しています。現代音楽家でもあり最近ではエレクトロニカで有名というと、少し前に紹介したヒラリーハーンと共作したハウシュカを思い出します。こちらのリンクです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/272154203.html
本作もハウシュカのSilfraと同様にクリエイティブにクラシック音楽の再構築をしています。

ちなみにピアノサーカスのSix Pianos演奏はこちらのiTunesリンクでどうぞ。
https://itunes.apple.com/jp/album/reich-six-pianos-riley-in/id206660790
ここでカップリングされているテリーライリーのin Cはミニマルの名曲、というよりこの曲でミニマルという音楽が創始された記念碑的作品です。Cはハ長調のことですが、それまでの現代音楽の代表だった無調が調性を否定しないと自由で創造的な作曲はできないという主張なのに対して、調性を持っていてもこれだけ創造的でかつ人が楽しめる音楽が作れるという意味がタイトルの"in C"に込められています。
そうしたミニマルムーブメントを受け継いで、最近のポストミニマルの傾向はもっとカジュアルな音楽に寄ってきて、こうしてゼロ年代音楽の代表ともいえるエレクトロニカと融合してきていますが、このRecomposed Four Seasonsもその流れと言えるでしょう。
Recomposed Four Seasonsのアルバムはドイツグラモフォンからリリースされています。

posted by ささき at 19:31 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月24日

Heir Audio Tzar 350と90 - ハイインピーダンスの高性能イヤフォン

Heir Audioはカナダ・中国系の会社で、主にカスタムイヤフォン(CIEM)のメーカーとして知られています。Heirは王位継承者(読みはエア)ということでしょう、エンブレムは王冠になっています。
こちらはHeir Audioのホームページです。
http://www.heiraudio.com/

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AK100とTzar 350

Heir AudioはカスタムIEMで知られるメーカーではありますが、今回紹介するTzar 350/90はユニバーサルタイプです。つまり耳型なしの普通のイヤフォンです。
Heir Audioにはいままでも3.Ai、4.Aiというそれぞれ3.A、4.Aというカスタムイヤフォンに対応するユニバーサルイヤフォンはありました。これはつまりFitEar MH334に対応するToGo 334のようなものですね。それに対して11月に発表されたこの新しいTzar 350とTzar 90はカスタムのベースモデルがないオリジナルのユニバーサルイヤフォンです。あとで書きますが音的には従来品に比較すると350が4.Ai、90が3.Aiのラインに対応するようです。
価格はTzar 350が$399、Tzar 90は$369です。

* Tzar 350/90の特徴

両者とも特徴はまず350オーム(Tzar 350)や90オーム(Tzar 90)という高いインピーダンスを持っているということです。
一般的なイヤフォンは普通は32オームですから従来にはあまりなかったタイプです。強いていうとあのEty ER4Sですね。Head-FiではよくER4Sと比較して言われてます。もう一つはYuin PK1/OK1です。どっちかというとこちらに近いかもしれません。

ヘッドフォンでもスピーカーでもそうですが一般にインピーダンスが低いものは緩め、高いものは締まった音になる傾向があります。
特にヘッドフォンはインピーダンスの幅が大きいのですが、もともとゼンハイザーなどのハイインピーダンスのヘッドフォンってスタジオなんかで複数台を並列接続させるのにインピーダンスが下がりすぎないようにという配慮もあるようです。
ポータブル用と言われるイヤフォン・ヘッドフォンのほとんどが32オーム程度のインピーダンスなのはiPhoneなど「非力なソース機器」でも鳴らすことができるということが説明として言われます。ER4SやYuin PK1/OK1の時代に比べるとはるかにたくさんのイヤフォンが選べるようになった今でも、そうしたハイインピーダンス系統のイヤフォンというのは多くはありません。またそれがER4Sがいまでも支持されているゆえんであると思います。
今はポータブルアンプが一般的になってきたので、こうしたアプローチが一般的になっても面白いかもしれません。実際にHeir Audioは独自にRendition 1というポータブルアンプも開発中です。これもイヤフォンメーカーとしては面白いところです。
ただしTzarがPK1やOK1とやや異なるのは、音量を取るためにヘッドフォンアンプ必携というわけではないということです。これはインピーダンスは高いけれども、能率も高いと言うことですね。このインピーダンス:高、能率:高という組み合わせというとヘッドフォンで言うとベイヤー T1の考え方に近いと思います。

ドライバーの構成でいうと350も90もドライバーの構成は1 High、1 Mid/Lowというデュアル・バランスドアーマチュア構成です。
面白いのはドライバーの数の多い3.Aiや4.AiよりもTzarの方がより高価であるということです。Heirの"Wizard"氏がいうにはTzarでは位相問題を考えてあえてドライバーは2個で作ったということです。また、使用しているBAドライバーはWizardの話によると補聴器などに使われるタイプの流用ではなく、純粋に音楽用に作られたものであるとのこと。
音導口はシングルボア(ひとつ穴)です。

350と90の違いはというと、Tzar90は単にインピーダンスを90オームに下げただけではなく、ドライバーの種類も音の作りこみも違うとのことです。音は350がいわばモニターライクなのにたいして、90ではVシェイプといってますがいわゆるドンシャリ的な派手な音作りにしています。
もちろん単に下げただけ、と言っても90オームはかなり高いのであとで書くように350と90の音の共通な印象は他のイヤフォンとは際立っています。

こうしたリファレンス系(350)と楽しみ系(90)を分けるというのは従来のカスタム・ユニバーサルでも同様で、3.Aiが90に相当する楽しみ系、4.Aiが350に相当するリファレンス系として音づくりをしていたということです。


* Tzar350と90のインプレッション

両方とも予定通り12/15近辺に発送され、一週間ほどで届きました。HeadFiのスレッド見てても私の予約はけっこうはじめの方だったと思います。UPSで発送されました。

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TZarはコンパクトで軽いイヤフォンです。ウッドのフェイスプレートも良い感じで、モールドは滑らかで悪くないですね。私はこれが初Heirなんでわかりませんが、他に試したHeadFi系の人は数ヶ月前に入手したHeir製品より良いと言っていました。音導口の穴の仕上がりは雑ではあります。耳へのフィットはそこそこですね。ユニバーサルIEMでチップは音に大きく変化与えるので、添付チップのみならずいろいろ試してみると良いと思います。

まず始めにいうと、350も90もiPhoneやゲイン切り替えのないAK100でも十分に音量が取れます。インピーダンスは高いけれども、能率がかなり高いようです。
音量レベルからいうと本当にハイインピーダンスかと思うんですが、音を聴くと納得します。

- Tzar 350について

少し試してみて相性が良いと思ったAK100での感想です。チップは標準の赤でケーブルも標準です。(Magnusリケーブルオプションは取らなかった)

まず感心するのは透明感が素晴らしく音が濁りなく澄んでいる点です。音の響きは高原の水のようにピュアです。背景はハイインピーダンスらしく漆黒で、それに切り立ったシャープで端整な楽器音が浮かび上がるという感じで、横の広さはあるわけではありませんが3D映画のような立体的な空間表現も特徴的です。
他のイヤフォンとは際立った感覚ですが、音の印象はあとで書くようにベイヤーT1が最も近いと思います。「高能率+ハイインピーダンス」という点も似てます。よりシャープなT1という感じでしょうか。

350の良い点は帯域バランスが良くて整ってますが、完全にフラットというより、ベースがちゃんとあるところです。低域は張り出しすぎない程度に量感もありますし、当然のようにタイトで締まったインパクトのあるベースラインです。
一つ一つの楽器音はシャープで切れ味がよく、歯切れが良くアコースティックギターの音色やピッキングのキレの良さは聞いたことがないくらいのレベルです。甘さ緩みが皆無ですね。弦楽器では「ヤニが飛び散るような」音再現の細やかさが堪能できます。
K3003に変えて聴き比べるとK3003は全体に甘く聞こえます。低域は比べるとさすがにK3003の方がずっと多いのですが、細かさはK3003に負けることはありません。

もう一つ良い点は音調が暖かくはないけど無機的でもないところで、器楽曲の再現はかなり良いですね。ロックポップもあまりきつくない音源だとリズムの刻みが切れよく小気味良くいい感じです。チップやケーブルできつさを抑えられたら意外とメタルもカッコよくならせるかもしれません。

シャープな反面で欠点は音がきつめに出るところです。ダイナミックではないのでバーンインしても完全には解消されないかもしれません。ただしギラギラしたって言うよりは録音をそのまま出す、ということかもしれません。高域がたっぷりあっても良録音盤だと痛さが出にくいですから。
良録音盤ではAK100で176kと88kの違いもよく分かります。

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- Tzar 90について

90は350と同じデザインなので同時に届くとどっちがどっちかわからなくなりますが、音を聴くとすぐ分かるくらいの個性の差があります。350と90の違いは松竹梅のグレード差ではなく個性の違いです。
ただしハイインピーダンスイヤフォンとして350と90の音は共通したところがあって、聴き比べないとどっちかわからなくなるかもしれません 笑。つまり350と90では差が明確だけども、350と90の共通部分は他の一般的なイヤフォンとは明らかに異なるということです。
ちょっと分かりにくい書き方をしましたが、350と違って90はちょっと判断に困るタイプではあります。350はハイインピーダンスとしてはいわば正道の音つくりで、イヤフォンではいままでなかったけれどHD800やT1の延長で捉えられる音です。端正でニュートラル・フラット(に近い)といういわゆる「ハイインピーダンスでモニターライクな」音調です。
でも90はそのハイインピーダンスにもともと32オームで一般的な派手で強調感の強い音つくりを組み合わせています。これはかつてなかった音です。強いてあげればHD700だけれども、もっと派手で極端ですね。

前置きが長くなりましたが、同じくAK100で聴くと、350との共通部分から行くと、クリアで音の描き出しは非常に細かく、基本的に漆黒の背景に端正で切り立った音像が浮かぶ上がるところは同じですが、その音がすごく強調感あって派手なところが違いです。また切り立つレベルもインピーダンスの差からか、90方がやや自然です。350は背景と音のコントラストがポップアップするように非常に鮮明ですが、90はそれがもう少し自然です。また350の客観的な表現よりは90ではノリの良さも感じられます。ヴォーカルにはやや甘さソフトさも出ています。ただしシンプルなギターソロを聴くとこっちが350だっけかな、と迷うようなシャープで端正な明瞭感の高さも残しています。

Wizardが言ってるVシェイプって日本でいうドンシャリみたいなものだとおもいますが、感覚的にはイコライザーを全域でフルに上げたって感じの賑やかな音ですね。低域も量感は多めです。こういうイヤフォンはたいてい甘くて緩いけど、90はその緩みがなくひきしまってます。ベースの切れの良いピチカートを聴くとよく分かります。背景や楽器音の一つ一つに注意して聞くとハイインピーダンスらしいかちっとした端正さがあるのが面白い点です。

面白いけどぱっと聴くと微妙という感じとも言えます。350はなにと組み合わせてもその音になると思うけど、90はアンプやDAPによってはなにこれ、ってなりかねません。ただポテンシャルはあるので組み合わせるのが決まるとすごく良い音世界を作れます。90は柔らかいTera Playerとの組み合わせも良いと思います。90とAK100だと添付のダブルフランジも面白く、本気で作った高性能ドンシャリイヤフォンっていう感じで妙味が味わえます。
下画像は標準でついてくる3タイプのチップです。

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350も90もチップでいろいろ変わると思います。リケーブルもいいんですが、両方ともいわゆるウエストンタイプというかカスタムで一般的なコネクタなんでJH/UE/Westoneなどの交換ケーブルがつきます。ただモールドが柔らかいのか、いったん抜くとプラグが緩みやすいように思えます。

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ヘッドフォンで例えていうと350はベイヤーT1、90はT5pという感じですが、350はT1よりシャープで90はT5pより派手という極端な性格付けされてます。
350も90も万能ではなくて使うところに使えば他のより光るという感じだけれども、350は使うところがはっきりしてるけど、90は使うところ難しいというところでしょうか。例えばよりロックポップ向けなら32オームの普通のイヤフォンの方がノリがいいんじゃないかとかありますので悩むところではあるかもしれません。

Tzar 350と90にはそれぞれTzar 350+と90+というバージョンがありますが、これは通常はカスタムとは違って自由に選べないカラーやフェイスプレートが選べるとともに、ケーブルがオプションのMagnus1にアップグレードされ、Wizardのサインが付くというものです。イヤフォンの中身自体は通常品と同じはずです。
ちなみに二個買う時は普通にオーダーページから二回買うと送料が二個分かかってしまうので、私は直接Heirに連絡してインボイスを別に発行してもらいました。

* Heir Audio

Heir Audioの"Wizard"は自分で使うために作った風なことを書いてました。Tzar向けのポータブルアンプであるRendition 1の開発もイヤフォンメーカーとしてはユニークです。(JHAがJH3A、UMがpp6とか作ってますが) Rendition 1はFacebookに最近製品版ができたむねが書いてありました(プロトは黒い箱でした)。
https://ja-jp.facebook.com/HeirAudio
Heirはクロスオーバーでもビシェイの抵抗を売りにするなどけっこうパーツにこだわっていますが、興味深いメーカーです。最近はUnique Melodyとか1964Earsとか新興カスタムIEMメーカーもいろいろと出てきました。以前カスタムIEMには第一次低コストIEMブームのようなものがあって、たとえばFreQとかLive Wiresとかいくつか出てましたが、これらにあまりいい思い出がありません。Live Wiresは長いこと注文を忘れられ催促したら耳型をなくしたとのこと、FreQなんかは何回やりとりしたかわかりませんが結局まともな音になりませんでした。それ以来UEとかWestoneあたりのメジャーで実績あるところ以外はあまり頼みたくなかったというのが本音です。
TzarはユニバーサルということもありますがHeir Audioのそうした独自色が興味を引いたので買ってみました。Tzar 350のカスタム版があっても面白いと思いますけど、ハイインピーダンス版のカスタムが出たらちょっとHeirもいってみたいところです。
最近ではUE900とかも良いかもしれないけど、ちょっと食傷気味ではあります。やはりTzar 350/90のようにユニークで尖った個性的な製品が出てくるとワクワクとしますね。
posted by ささき at 23:56 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月20日

Neutron Music Player - Androidの本格的な高音質再生アプリ

Neutron Music PlayerはAndroidの本格的な音楽プレーヤーアプリで、高音質に特化したものです。スマートフォンの音楽再生アプリはどちらかというとデザインとか機能に行きがちですが、こうしたアプローチはAndroid Rockbox以外ではいままでにはありませんでした。内容的にもPCやMacなどの音楽再生プレーヤーに近いような本格的な再生アプリです。というか、HQ Playerなみのかなりマニアックなソフトウエアです。
Walkman ZやiBasso DX100にも使用できます。Walkman Zが一番素晴らしい組み合わせです。
以下の画像はNEONの項のDX100のHardware表示以外はすべてWalkman Z(Android 2.3)でデバッガー(ddms)を利用してスクリーンキャプチャしたものです。DX100も同様にddmsでスクリーンキャプチャしています。

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* Neutron Music Playerの特徴

1 64bit処理

Neutron Music Playerは32/64-bitの切り替え可能なオーディオレンダリングエンジンを採用しています。Aurdivanaなどでうたっているような64bit処理がスマートフォンでも可能となります。
64bit処理と32bit処理の切り替えは設定メニューから動作中に可能です。64bit処理の利点としてはEQやリサンプリングなど計算を伴う信号処理をしたときの計算精度が高い(音質が高い)ということですね。こうした64bit処理やディザ処理には1GHzを超えるスペックのCPUが推奨とされます。

2. NEON対応

Neutron Music PlayerはNEONに対応した別バージョンが用意されている点も特徴的です。普通にGoogle PlayからインストールするとNEON非対応版がインストールされるようです。NEON対応版のダウンロードはNeutronのホームページのDownloadリンクから行います(これはapkインストールになります)。
NEONは大量のデータ処理を効率よく行うものでAdvanced SIMDと呼ばれます。このSIMDというのは一つの命令(Single Instruction)で複数のデータ(Multi Data)を同時に処理する演算器のことです。これはマルチメディア処理に大きな力を発揮します。これ自体は珍しいわけではなくPentiumの昔からMME/SSEとしてプロセッサに入っています。

NEONが使えるかどうかは設定のAudio Hardware画面で確認できます。下記にWalkman ZとiBasso DX100を例示します。CPUの欄を見て、ARMアーキテクチャの隣に+NEONと表示されてあればそのプロセッサではNEON対応しています。VFPはNEONではなく前の規格です。

device-2012-12-15-221411.png     device-2012-12-15-223003.png
ハードウエア表示(左: Walkman Z、右:iBasso DX100)

iBasso DX100のARMプロセッサはNEONに対応してるのでNEONバージョンをインストールできます。上のDX100の画面はNEONバージョンを導入済です。
AudioHardwareのところのVECがNEONになってればNEONバージョンが動作しています。VECはベクタープロセッサーのことでしょう。ベクター演算とは行列演算のことで、SIMD演算器みたいに並列処理できるプロセッサのことです。対して一般的なCPUはスカラープロセッサと言います。
と、いう情報処理講座はともかく、NEONだと25%ほど処理性能を改善できるそうです。DX100のNEONバージョンだとiBasso音楽アプリに対してもなかなか引けを取りません。Android標準のAudioFlingerのAudioTrack APIでオーディオデータを書きだしているので44/16しか対応できないのが残念です。これはiBasso APIを使わないとだめですね。この辺はオープン化してほしいところです。なぜAndroidは標準のAPIを使うと16bitが限界なのかはこちらのRockboxのときに書いた記事をご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/251275779.html

Walkman Zで使われているTegra2は残念ながらNEONに対応していません(Tegra3はNEON対応)。代わりにVFPを使用します。これははじめのVでわかるようにやはりベクター演算機能です。(NEONはVFPの置き換えになります)
一方でこの開発者の弁によると、Tegra作ってるNVIDIAはGPU使ったデータ処理にたけているので、Tegra2でNEONが使われていなくても、他の同クラスARMチップよりは効率よくNeutronに向いているとのこと。ですのでWalkman Zが必ずしもNeutronに向いていないことはないようです。Nexus 7はTegra 3なのでNEON版が使えます(後述)。

NEONとかVFPってスマートフォンを普通に使ってるぶんにはユーザーが意識する必要はありませんが、たかが携帯って言っても現代スマートフォンの中にはこれだけ先進的な機構が入ってるということです。


3. ネイティブコード実行

Neutron Music Playerのもうひとつの特徴はAndroid SDKを使用していないということです。
これはRockboxでも一部そうですが、AndroidのJAVAフレームワークではなく、既存のマルチメディアライブラリをCかなんかで流用しているのだと思います。つまりそれだけ実行は早いということです。これはNeutronの音の良さの大きな理由の一つでしょう。ただし容量は多少かさみます。またNeutronはUI操作や表示がAndroid標準ではなく使いにくいところがありますが、それもSDKを使用していないからのようです。
ソフトウエアの構成としてはAndroid Rockboxアプリに近いですね。もちろん実験的なAndroid Rockboxよりは完成度はずっと高く普通に使えます。また他のOSに移植性も高いでしょう。実際にBlackberry版もあるようですが、もしかするとBlackberryがオリジナルなのかもしれません。

4. 豊富な機能

Neutron Music Playerは機能設定がとても豊富で、ギャップレスやリプレイゲインなどの機能もありますし、クロスフィード、ディザ処理など信号処理系もそろっています。信号処理系を使う時は64bit処理モードにすると良いでしょう。イコライザーもクロスフィードも細かく設定が可能です。イコライザー設定はアルバムごとに設定することが可能です。これは後のノーマライゼーション設定でも使います。

device-2012-12-15-221130.png   device-2012-12-15-221144.png   device-2012-12-15-221159.png
設定リストとイコライザー、クロスフィード画面

ちなみにクロスフィードとサラウンドは排他関係です。これはクロスフィードはヘッドフォン用でサラウンドはスピーカー用の設定だからということのようですが、Neutronはヘッドフォンだけではなくスピーカー用の機能もいろいろとあるのが特徴です。おそらくAndroid Rockboxみたいになにかの汎用マルチメディアライブラリを使用するということなのかもしれません。

Neutron Music Playerの機能のなかでも面白いのはノーマライゼーションキューという機能です。音が割れるようなオーバーロードする音源ファイルの適正化(ノーマライズ)をバッチ処理で行うことができます。ノーマライズするためにはいったんファイルのなかを解析して最大音量部分を検出しなければならないので、これはリアルタイムではなくバッチ処理で行います。Neutronでは音源ファイルをリサンプリングするのではなく、ファイルは修正しないでイコライザーなどで補正するパラメーターを作成し、さきに書いたイコライザーのアルバム別設定機能を使用して音を変化させるという手法です。

device-2012-12-16-225848.png   device-2012-12-16-225928.png   
左はBind EQ設定、右はBind EQを適用した後のノーマライズ設定

まずノーマライズしたいAlbumをどれか選んで長押し、Bind EQを選んでからNormaliseを選択すると曲別にノーマライゼーションをバッチで実行します。(数値が入ってる曲が解析済み)

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左は処理中、右はノーマライズ適用したアルバム

画面はアルバム"12&1 Song"にノーマライズを設定したところです。Unbind EQをすると設定を簡単に解除できます。64bit処理と併用するとクリアさはさほど遜色なく、割れるような曲をスムーズに再生できます。これはちょっと他にない長所ですね。

device-2012-12-15-221222.png   device-2012-12-15-221234.png   device-2012-12-15-221255.png
設定リストとリサンプリング設定、ノーマライゼーションキューの説明画面(作業中は進展が表示される)

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設定リスト

またリサンプリングもユーザーが変換品質を設定可能です。ここでいうリサンプリングは44kHz以外のサンプリングレート(48とか96)の楽曲を再生するときに44kHzにリサンプルするための設定です。Androidですので出力は44/16固定になります。これはAudio Hatdware表示でも確認できます。前にも書きましたが、iBasso APIのような特殊な仕組みがない限りはAndroidでは44/16が限界です。
よくDAPで24bitファイルや96kHzが再生できたからハイレゾ音源がDAPで再生できたという人がいますが、実際にはiBasso DX100やiriver AK100のようなハイレゾDAP以外ではこうしたOSのボトルネックやDACの制限などで、仮に再生できたとしても実際は44/16に切られるか丸められています。NeutronのResampling設定はその丸めを明示的に行うことができるというものです。


* Neutron Music Playerの音と使用感

再生フォーマットはかなり豊富で有名どころはほとんどカバーしてます。(もちろんDRM付きはサポートしてません)
MP1, MP2, MP3, OGG (Vorbis), FLAC, WMA, WMA Lossless (16-bitのみ), AC3, AAC, M4A, M4B, M4R, MP4, 3GP, 3G2, MOV, ALAC, APE (Monkey's Audio), WV (WavPack), MPC (MusePack), WAV, AU, AIFF, MPG/MPEG (audioのみ), AVI (audioのみ)
以上はホームページから記載

device-2012-12-15-220947.png   device-2012-12-15-221052.png   device-2012-12-15-221107.png

アルバムアートをダウンロードする機能は付いていません。埋め込まれていれば表示できる。ただアルバムリスト画面ではPowerAmpなどが取ってきた画像を表示しているようですが、再生画面ではそうした画像は表示されません。

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曲の長押しメニュー

アルバムや曲メニューの上で長押しするとその曲をキューに入れるか、プレイリストに入れるかの選択ができます。

音楽ライブラリのスキャン(データベースの再構築)は初回にスキャンするか聞いてきます。手動でやるときはArtistやAlbumの選択のある階層の下にSourceというメニューがあり、そこでRefreshを選択すると再スキャンします。Playlistメニューの長押しでもRefreshできるようです。また実際は自動でもスキャンしているようです。
タグのデータベースだけではなく、フォルダー階層たどれますので、タグ付けされてなくても大丈夫です。

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Androidらしく、Widgetも用意されています。


実際に音を聴いてみるとWalkman ZではPowerAmpなどと比較すると明らかにわかるくらいの透明感と空間表現の向上があります。PowerAmpとMeridianやWinAmpを比べても微々たる音質差しかありませんが、そうした差とは大きく異なります。Rockboxよりもさらにクリアで上質ですね。
PowerAmpとWalkman Zの組み合わせだと音がドライで薄いところがあったので、イコライザーとかトーンでごまかしてたところがありますが、そうすると音がやや曇りがちです。Neutronではクリアでかつ自然で豊かな音が楽しめます。イコライザーは必要な時だけ本来の目的で使えば良いことですし、同時にイコライザーでの音質低下も最小にできるので積極的に使えます(ノーマライズも同様)。

Walkman Z持っている人はその実力を見直すことでしょう。K3003とかFitear togo 334などの高性能イヤフォンと組み合わせると性能の高さを堪能できます。Walkman Z単体でPCオーディオやっているような雰囲気が味わえるのが面白いところです。Neutronでいろいろと設定を変えて、いかにWalkmanのS-Masterのもともと持ってる性能が引き出されるかということですね。
ただMP3などのビットレートの低い音源を再生すると悪さもそのまま出てしまいますので、そうした低ビットレートの音源についてはWalkman付属のソフトで高域補完などDSP処理をして再生した方が良いと思います。

Walkman Fでも使えると思いますが、Android4.0の場合は設定メニューが2.3のようにハードキーでは出ないので、いったん設定アイコンのあるメニュー画面に戻って設定が必要です。
Android WalkmanはもともとAndroid端末してはそれほどスペックが高い方ではないので、もっとハイスペックのスマートフォンならNeutronの性能を引き出せるかもしれませんが、そうしたハイスペックのスマートフォンではWalkman Zのような高度なオーディオハードウエアを搭載していませんから悩ましいところです。

iBasso DX100でも使うことができて、なかなか良い音を聴かせてくれます。さきに書いたようにDX100ではNEON版をインストールしました。DX100の場合はNeutronがiBasso APIをサポートできればもしかすると最強となるかもしれませんが、なんとかしてほしいところです。DX100の兄弟機であるHDP-R10ではGoogle Playが無効化されるそうなのでインストールについてはコメントできません。
Nexus 7ではTegra 3を使用しているのでNEONバージョンを使えます。NEONバージョンのNeutronはなかなか音質も良く感じられます。

それとAndroidのマスターヴォリュームとの連携がうまくないのかそういう仕様なのか、Neutronの再生画面を出してるときにボリュームを上下させると、AndroidのマスターボリュームではなくNeutron内部のゲインが上下するようです。いったん再生画面を閉じてウィジット状態でボリュームを操作するとAndroidのマスターヴォリュームで操作できます。妙に音が小さいという時の原因はこの辺を確認ください。

Neutron Music Playerではスピーカーを使用するシステムも考慮しています。マルチチャンネルも考慮しているのですが、仕様からするとスマートフォン向けというだけではなく、やはり汎用のミュージックプレーヤーライブラリを流用しているように思えます。

Neutron Music PlayerはWalkman ZでDAPがAndroid化した利点を存分に生かせるアプリという感じです。
Neutron Music Playerの購入はGoogle Playから可能です。こちらはGoogle Playのリンクです。無料版もありますので試してみてください。

Neutronは音は良いし機能豊富ですが、UIが分かりにくく使いにくいのが難点です。UIが使いやすいのはSelect! Music Playerなどが最近の新しいのでは良いのではと思います。画面の広いタブレットでカジュアルに使うにはSelect! Music Playerをチェックしてみると良いかもしれません。
下はNexus 7でのSelect! Music Playerです。Select!では波形が表示されるのも面白いところです。
Screenshot_2012-12-19-22-35-18.png
Select! Music Playerのリンクはこちらです
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2012年12月19日

Song of the Lonely Mountain - 映画「ホビットの冒険」

映画「ホビットの冒険」を見て来ました。なかなか面白く気に入りました。
映画の予備知識をあまり持っていかなかったんですが、指輪と違って原作って一冊だったのでかってに一話完結で指輪の外伝っぽく作るのかと思ってましたが3部作とは驚きました。はじめなぜ「思いがけない冒険」とサブタイトルつけたんだろうと思ってましたがこういうことだったんですね。
映画のエンドロールで流れるエンディングテーマの"Song of the Lonely Mountain"もなかなか気に入ったのでさっそくiTunesダウンロードで購入して聴いてたんですが、聴きながら"Song of the Lonely Mountain"って「はなれ山の歌」っていうより「おさびし山の歌」だよなあ、とか思っていろいろ見てたら、実はトーベヤンソンがフィンランド版のホビットの冒険の挿絵を書いてたようです。こちらです。なんとなくムーミンタッチですね。
http://www.zepe.de/tjillu/hobbit/s/title.htm
フィンランド語でおさびし山をなんというかわかりませんが、面白い一致だと思ってもう少し調べたらやはり「ホビットの冒険」の方が早いのでトーベヤンソンもなんらかの影響は受けてたんでしょうね。それだけこの原作は影響力が高い物語ではあります。
ホビットの冒険は書かれたのは戦前で、指輪物語は戦中ですが、指輪物語が第二次大戦の隠喩となっているとはよく言われます。そうしてみるとホビットの冒険に出てくる故郷を追われてさまよえる民族になっているドワーフ族が奪還を目指そうとしているLonely Mountainってもしかして中東の。。と思ってしまいます。
ただ正直言ってトールキンって作家というより研究者なんで、言語を含めた作品世界の造型に比べると小説としてはだるいところがあります。それは指輪物語と同年に出版されたポールアンダーソンの「折れた魔剣」の物語としての圧倒的な面白さと比べると明らかです。映画としてあれだけ面白く作ったのは監督の功績だと思います。

それと見てて思いましたが、さらに前の時代設定の「シルマリルリオン(シルマリルの物語)」もおそらく映画化するつもりでしょうね。ちなみにシルマリルリオン(Silmarillion)はあのマリリオン(Marillion)のバンド名の元です。ですからあのバンド名はマリリオンって呼んでるけどホントはマリルリオンなんでしょうね。

こちら"Song of the Lonely Mountain"のiTunesリンクです。
https://itunes.apple.com/jp/album/ying-hua-hobitto-siigakenai/id587778989

AmazonでのCD購入はこちらです。
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2012年12月18日

Jouluyo - Rajaton

iTunesにHolidayというタグ項目があります。これは直訳的な意味での祝日というのではなく、クリスマスを意味します。音楽ですからクリスマスソングですね。
日本では正月が特別なようにアメリカではクリスマスが特別な意味を持ちます(日本のクリスマスというイメージとはやや違いますけど)。しかしクリスマスというとキリスト教の意味を持つので、多民族国家のアメリカでは一般的に12月はホリディシーズンと呼びます。

この季節になると音楽もホリディソングがたくさん発売されます。今回紹介するのはフィンランドのアカペラグループ、RajatonのJouluyoです。これは前作のJouluという二枚組のホリディアルバムがヒットしたのを受けての続編です。Jouluがわりと伝統的・宗教的で他の国では知られていない曲をメインにしていたのに対すると、本作Jouluyoではより知られている曲、またポップな志向を取り入れています。
ため息の出るような美しい男女混声のアカペラ曲を堪能できますが、なかでも特にお勧めは映画「スノーマン」のテーマ曲である有名な"Walking in the Air"のカバー曲です。これは名曲なのでたくさんのカバーが出ていますが、Rajaton版はアレンジにおいて群を抜いて素晴らしいものです。バスパートがビートボックスを演じて背景のコーラスとともにポップでかつセンスの良い仕上がりになっています。
先月清里に行ったときに「えほんミュージアム」でスノーマンの原画が展示してあり、この曲をふと思い出しました。清里自体はそれほど雪はないようですが、牧歌的な雰囲気の中でいまころは静かな冬を迎えているのでしょう。そうしたイメージがふと頭を横切りました。

RAJATONのホームページはこちらです。
http://www.rajaton.net/en/frontpage

Jouluyoは多分普通には売ってないと思いますので、Amazon経由で海外のショップで買うか、試聴とともにiTunesでどうぞ。iTunesリンクはこちらです。
https://itunes.apple.com/jp/album/jouluyo/id474307722

Amazonのリンクでは左がJouluyoで右が前作のJouluです。
     
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2012年12月15日

タイムロードのショウルームオープンとChannel Classicsとのキャンペーン

タイムロードさんのショウルーム「遊」が六本木にオープンしました。GEMのある六本木AXISの4Fです。
http://www.timelord.co.jp/blog/news/roppongi-showroom-open/?mode=consumer
中は大きくディスプレイコーナーとデモルームに別れてます。

IMG_0603_filtered.jpg   IMG_0605_filtered.jpg   IMG_0594_filtered.jpg

ディスプレイコーナーではデスクトップシステムやヘッドフォンなどが置かれています。元のGEMは時空のイヤフォンだけになって、ウルトラゾーンのヘッドフォンなどはこちらの方に持ってきたそうです。

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デモルームは茶室をイメージしたという入り口(頭上注意)をくぐると、スピーカーやホームシアターのデモができる部屋に入ります。本日はオープンイベントとして角田さんの解説でChordの新型ネットワークプレーヤーでデモを行っていました。パワーアンプはApril Music S1、スピーカーはRhaido S2.0でした。これらは今年の新顔です。あらかじめ予約してもらえば希望の組み合わせでシステムを聴くこともできるそうです。

こちらはChordの新型ネットワークプレーヤーDSX1000です。上にあるのは操作用のiPadです。LINNのuPnPアプリで操作していましたが、来年にはChord独自のアプリも出るそうです。

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それとタイムロードさんではあのDSDの取り扱いに力を入れているオランダのクラシックレーベル、Channel Classicsとの提携でキャンペーンを始めました。CHORD QuteHD, QBD76HDSDを買い上げた方にクーポンをプレゼントするというものです。これは一回しか使えませんがその時に何枚でも買い上げができて50%オフになるというお得なクーポンです。(2012年12月15日AM0:00から2013年3月14日AM0:00まで)
http://www.timelord.co.jp/blog/news/campaign_channel-classics/?mode=consumer

そこで期間中にこのショウルーム「遊」に来訪してアンケートを書いてメールアドレスを書いた人にもこのクーポンをもらえるということです。この機会にどうぞお出かけください。
posted by ささき at 21:53 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月13日

Shure SE215 Special Editionレビュー

少し前の記事でShureの新製品であるSE215 Special Editionの発表会報告を書きましたが、実機を使うことができましたのでそのレビュー記事です。なお"SE215SPE"は商品型番であって紹介記事のなかでは正式名称の"SE215 Special Edition"と表記してほしいとShureの方から言われてますので文中はSE215 Special Editionと表記します。

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SE215 Special Editionは2011年4月に登場したShureラインのエントリーモデル、SE215のスペシャルバージョンです。SE215はダイナミックドライバーを採用していますが、バランスド・アーマチュアドライバーはやはり性能を発揮するにはマルチウエイありきなので、このくらいの価格帯ではダイナミックタイプの方がより良い選択なのではないかとも言えます。

1. SE215 Special Editionの特徴

SE215 Special Editionのオリジナルモデルとの違いはまず美しいトランスルーセント(透明)ブルーのカラーです。実物を見てもなかなかセンスの良い仕上がりで、ブラウンよりもコンパクトに見えます。iMacみたいと言う人もいますが、私にはeMateに見えました(ちなみにeMateからがジョナサンアイブのデザインです)。ただしShureの人に聞いてみると、特になにかを意識したわけではないとのこと。スマートフォン市場や女性ユーザーなど新しいターゲットを意識したとも言います。

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またケーブルはSE535 Special Editionと同様にオリジナルモデルの1.6mから1.16mと短くしています。SAECの交換ケーブルでも短いものが人気でしたね。もともと1.6mという長さはステージで使うイヤモニに合わせたということです。またケーブルカラーが黒ではなくダークグレーというのも変更点です。線材はオリジナルと同じということですが、このケーブルは交換可能なうえになかなかに質が良く、隠れたSE215のポイントの一つです。

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このほかにもパッケージが刷新されています。後でまた触れますがShureではプロ・コンシューマー統一ブランドですが、Special Editionは全体によりコンシューマー向けを意識したものになっているのが分かります。

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そしてオリジナルモデルとの違いは音の作りこみにあります。どう変えたかというと、20Hzから1kHzまでの低域から中音域にかけての範囲を2dB増やしています。(上左図参照、画像は発表会の資料)
1kHzというと通常のヴォーカル帯域はほぼカバーされていると思います。さらに高域は変化させていません。これはコンシューマーのフィードバックをもとにロックポップ向けにチューニングしたということです。実際にどこを変えたかというと、ドライバー後方の音響抵抗スクリーンのチューニングを変えて行っているということです(上右図参照)。以降書いていきますが、これは単に低域を盛り上げたベースブーストモデルというのとは違うようです。

2. SE215 Special Editionの音の印象

最近人気のiriverのハイレゾDAPであるAK100と組み合わせてみました。(AK100の記事はこちら)
SE215 Special Editionは低価格のダイナミックドライバー機だからといってこもったような音ではなく、クリアで明瞭感が高く楽器の音もきちんと分離しています。音のリアルさも感じられ、あまり人工的な感じがなく自然な再現性を感じます。ただしバランスド・アーマチュアに比べれば線は太めで、ダイナミックドライバー機らしく全体に暖かみがあって骨太の印象です。

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AK100で聞くとベースが膨らんだとか誇張されたという印象ではなく、ロックでのベースやドラムスの重みと量感がほどよく再現され、AK100のよく整った音表現のバランスを崩していません。AK100はフラット基調であり、イヤフォンによってはベースが物足りないと思えることもありますが、SE215 Special Editionでは気持ち良いベースのレスポンスがありますのでちょうど良いですね。ヴォーカルものを聴いても明瞭感は十分にあって低域によって中域がマスクされてしまうということはありません。かつ、さきに書いた中域での2dBプラスの効果もあるのか、音の厚みが適度な甘さとなって良い感じです。


AK100とはお勧めの組み合わせといえるでしょう。AK100は音がかなり細かくローノイズフロアなのでバランスド・アーマチュアとの相性が良いのですが、反面で音がドライな方にいきやすいので、SE215 Special Editionを使って暖かみのあるダイナミックな良さを引き出してみるというのもお勧めです。AK100のまた別な良さも発見できるでしょう。
落ち着いた音で高域などのきつさも少なく感じられます。またAK100に見合うくらいの性能もSE215 Special Editionは備えています。ハイレゾ音源の良さもわかりますね。

SE215 Special Editionでは他のペース志向イヤフォンのように低域が盛り上がっているというよりも、中低域の範囲の全般的に厚みが増えてベースの充実感につながっていると感じられます。全体的な音傾向は通常モデルSE215とほぼ変わらないのが興味深い点です。ベース志向だから低域をポンと盛り上げて全体のバランスが崩れたり中域がへこんでしまうというようなものではありません。
たとえばアカペラ曲を聴いても印象は異なります。声だけにおいても中域の増強が厚みや豊かさにつながっていて好印象を受けます。通常SE215に戻して聴くと、音傾向はやはり同じで音が痩せたというかすっきり細身になるという感もあります。

3. SE215 Special Editionの位置づけ

SE215 Special Editionは今年聴いた中では一万円前後の一押しのイヤフォンです。
従来品も併売されますが価格的には従来品よりやや高めであるようです。細身ですっきりした音が好きな人はあえて従来品を選ぶ手もあるけれども、一般にはロック・ポップだけではなくさまざまなジャンルで豊かな厚みのあるSpecial Editionの方が良いと感じることも多いと思います。従来品と比べると多少高くても私はSpecial Editionをお勧めします。もともとSE215でも線は太いほうなので、細身ですっきりした音が好きな人はBAタイプを選んだほうが良いでしょうね。
逆にいままで高級機のBAモデルを聴いている人もSE215 Special Editionはダイナミック型としてのもうひとつの選択肢として選べるイヤフォンとなる魅力があると思います。単にエントリークラスの良品というだけではなく、上級ユーザーにもお勧めでダイナミック型らしい良さが楽しめるでしょう。

フジヤさんの販売リンクはこちらです。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14555.html

Shureはやはりプロ機材のブランドであるというのがポリシーのようです。そのためSE215の前任のSE115あたりでは多少コンシューマーサイドに降りすぎたという反省もあるようです。2011年あたりではさらにプロラインとコンシューマーラインとの統一をモデル的にも音的にも考えていて、SE535ではSE530とはやはり音傾向も違うし、SE215もSE115とは違います。ハイクラスもエントリーでも極端な音作りよりはバランスのとれたプロ向きの音作りが前提にありますね。そして現在では基本的にプロとコンシューマーを分けるという製品開発はしていないということです。裏を返すとコンシューマーが使うイヤフォンでも耐久性も含めたプロ向けの基準を満たしているというわけですね。

一方でコンシューマー向けにはやはりそれなりの味付けのモデルが必要ということで、SE215 Special Editionではカラバリを取り入れたり、ロックポップ向けの音の味付けを試行したのだと思います。しかし上で書いたように実際に聞いてみると他のメーカーのベースヘビーイヤフォンとは異なるアプローチを取っているのが分かります。単に低域を盛りつけないで、上手にチューニングすることで全体のバランスは崩さずに中低域での物足りなさを解消させています。
これがコンシューマー向けとはいえ、他のメーカーとは一線を画したShureのプロメーカーとしての矜持なのでしょう。SE215 Special Editionはエントリー価格帯とはいえ、そういう点から見て他のブランドとは一味違ったShureならではの品質と魅力を楽しめるイヤフォンであると思います。
posted by ささき at 23:11 | TrackBack(0) | __→ Shure イヤフォン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月11日

Audirvana Plus 1.4リリース

人気のMac用再生ソフトであるAudirvana Plusの1.4バージョンがリリースされました。
今回の目玉はダイレクトモードの採用です。
screen.gif

ダイレクトモードってすでに入っているのですけれども、ベータ扱いだったんでしょう。もともとダイレクトモードが入るのは1.4からサポートするという予定で、下記の記事でも4月頃にもう書いてますがのびのびになっていました。ダイレクトモードの安定性を見極めるのに時間がかかったんでしょうか。あるいは途中でマウンテンライオンがリリースされたのでそこでも対応に時間がかかったのかもしれません。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/267858777.html

最近仕入れたFusion Drive搭載の新Mac Mini(マウンテンライオン)でさっそく試してみました。
Computer Audiophileでも話題になっていますが、ダイレクトモードなしで聴き比べてもより透明感も増して音質が上がっているように感じられます。また、1.39のダイレクトモードではマウンテンライオン上で不安定なところがありカーネルパニック(Windowsで言うとブルースクリーン)に陥ることがありましたが、1.4では安定度が上がっているようにも思います。ただこの辺はもう少し見てみないとなんとも言えません。
*ちなみにFusion DriveはSSDとHDDをOS上で統合してひとつのボリュームとして使用できるというものです。つまり見た目は単一のドライブですが、使用頻度が高い部分はSSD、あまり使われないものはHDDに置くということでSSDの速度とHDDの容量を両立させています。

私はテスターライセンスを供与してもらってるのでちょっとわかりませんが、たしか1.39からのアップデートは無料で行えたと思います。ぜひお試しください。
こちらはAudirvanaホームページです。
http://audirvana.com/
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2012年12月10日

AudioBusリリース

うつで何回か書いてきたiOSで音楽アプリの相互接続を可能にするAudioBusがリリースされました。iTunesリンクはこちらです(850円)。また、これに伴ってLoopy HDやNLog Synthなど対応アプリのセールも行われています。
https://itunes.apple.com/jp/app/audiobus/id558513570?mt=8

AudioBusを立ち上げるとInput/filter/outputの各スロットに追加ボタンが現れますので、これを押下すると現在インストールされている対応アプリが選択できます。また、App Storeを表示する機能もあるようです。こちらはiPhoneの画面でNLog SynthとLoopy HDです。
IMG_9158.PNG     IMG_9159.PNG

下記ではさっそくAudioBusを使って作った人の曲がアップロードされています。これはglitchbreaks(ビートボックス)とsunrizer(シンセ)をAudioBusを介してMultiTrack DAWで録音したものということです。
https://soundcloud.com/#distraub/audiobus-init
これでまたiOSの音楽世界も開けていきますね。
posted by ささき at 23:52 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月09日

千葉・本土寺の紅葉

今年の紅葉の締めくくりとして千葉の本土寺の紅葉です。土地自体は平林寺ほど広大ではありませんが、ここは撮るポイントがたくさんありヴァリエーション豊かに撮ることができます。

今回もメインはSigma DP1 MerrillとDP2 Merrill(以下DP1M, DP2M)の二台体制で撮ってきました。
IMG_9134.jpg
iPhone5

さまざまな撮り方のできる本土寺での紅葉撮影は、まさにDP1 MerrilとDP2 Merrilの圧倒的な描写力のショウケースになっていると思います。

SDIM0846.jpg   SDIM0722.jpg   SDIM0730.jpg
DP1M, DP1M, DP1M

SDIM0731.jpg   SDIM0818.jpg   SDIM0467.jpg
DP1M, DP1M, DP2M

SDIM0781.jpg   SDIM0769.jpg   SDIM0737.jpg
DP1M, DP1M, DP1M

SDIM0720.jpg   SDIM0429.jpg   SDIM0450.jpg
DP1M, DP2M, DP2M

SDIM0518.jpg   SDIM0544.jpg
DP2M, DP2M

SDIM0842.jpg   SDIM0530.jpg
DP1M, DP2M

SDIM0767.jpg
DP1M

0518と0818の回廊は同じ場所からDP1MとDP2Mで撮り比べたものなので、それぞれ画角の違いとそれによる表現の違いも分かると思います。またここは徳川家康の側室である秋山夫人の墓があるところで、0731は秋山夫人の墓です。

さて、これで今年の紅葉も終わりです。フォビオンMerrillセンサーもこれ以上ないというくらいの画質で答えてくれ、この本土寺の撮影でかなり満足してしまいました。また来年はまた別なアプローチもしてみようと考えています。
posted by ささき at 22:05 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

Channel Classicsのサイトに私の紹介文を掲載

クラシックのDSD音源に強いサイトとして以前オランダのChannel Classicsの紹介記事を書きました
この記事を向こうの人も気に入ってくれましたので、あらためてPDF版にして向こうのサイトで掲載することになりました。こちらのリンクです。
http://www.channelclassics.com/media/media/introduction.pdf
良録音で演奏も良いクラシックのDSD音源を探している人はぜひ下記のChannel Classicsを訪問してみてください。
http://www.channelclassics.com/
海外サイトですが買い方も上で解説していますのでよろしくお願いします!
posted by ささき at 00:17 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月05日

Kindleアプリの使い方とLearning CoreAudio

日本でもKindleストアが開始され、Amazonから電子書籍の洋書を買うのが簡単になりました。KindleはAmazonのリーダーでなくてもiPadやAndroidのKindleアプリでも閲覧可能です。
この機会に今年米国Kindleストアから"Learning CoreAudio"を買った経験を書いてみようと思います。というかこの記事を夏ころ書こうとして忘れてました。
日本のKindleストアからの購入は検索するとたくさん出てくると思いますのでそちらを参照ください。以下の例は米国Amazonで購入する際の話です。またKindleストアは日本と米国では異なるアカウントに基づくということにご注意ください。(統合にはまた注意が必要です)

* Learning CoreAudio

まずLearning CoreAudioについて説明します。これはMacのCoreAudio解説本の決定版といえます。日本語でもiOSのCoreAudio解説本はあったのですが、MacのCoreAudioを中心に本格的に解説した本はありませんでした。これは実のところ海外でも同じです。Amazon.comのコメント欄を見るとみな4-5☆の高い評価に加えて、いままでいくつもの文書を見なければならなかったけどこれでまとめられるとあります。
この本は2年前くらいからアナウンスされていたのですが、今年春くらいにようやくリリースされて私もKindle版で入手しました。Kindle版は$14.4でした。
ちなみに日本Amazonで紙の本も購入できます。


この本は割と平易でわかりやすく、段階的にCoreAudio APIを使用したプログラミングを解説していきます。はじめに音源ファイルを読んで属性を表示する簡単なHello World的なイントロから解説し、PCMなど音声処理の基本の解説、そして録音・再生・変換とAudioQueを用いた高レベルAPIでオーディオデータを扱うアプリケーションの流れを解説し、さらにAudio Unitなどの細かいAPI解説をします。そしてiOSとの違いやCore MIDIなどの解説があります。
なぜ再生ハードウエアに書きこむときにバッファリングが必要か、というところもノイマンのボトルネックなどコンピュータ工学的観点から説明しているのがちょっと面白いと思います。

ソフトウエア解説本としては例を引きながら章のテーマ別にプログラムを組んでいくという実践的な解説本です。CoreAudio APIを使用したMacのオーディオソフトウエアの基礎を学ぶという感じですね。プログラムに関してはステップバイステップで細かく丁寧に書いてありますが、プログラミングの知識は前提条件です。iOSではObjective-Cの比率が多くなるけど、それはハイレベルフレームワーク(Androidのメディアプレーヤークラスみたいなやつ)が導入されるからであって、CoreAudioの基本はC言語です。またGUIには触れていないのでそこで悩む必要はなくて音声処理に集中できるのも上手な書き方です。

つまり一般のオーディオファンがCoreAudioってなに、というのを知るための本ではありませんが、そうした記事はまあ当ブログなどをご覧ください笑。
CoreAudioってWASAPIとかASIOなどと「音を良くするもの」ってカテゴリでいっしょくたにされるんですが、それらとは別なものです。そもそも「CoreAudioの設定画面」なんてないですし、ユーザーではなくプログラマのためのものです。さらにやる気になればHALも含めてCoreAudioを使わないことも可能です(AudirvanaのDirectモードがそうです)。

とはいえ基本的な解説も多いのでユーザーサイドのオーディオファンでも勉強になることも多いとは思います。たとえばCore Audio File(CAF)の利点としてはタイムテーブルを持っているのでMP3のようにある時間に飛ぶのに計算コストがかからないということや、CAFはすべてのデータフォーマット(CODEC)を入れることのできるファイルフォーマットである、という点からはなぜMastered For iTunesで中間形式にCAFが使われるかというのが分かると思います。

* iPadなどでのKindleの使い方

ここでKindleのiPadなどでの使用を解説します。(私はKindleデバイス自体は持っていません)
KindleはAmazonの電子書籍リーダーで、Kindleには専用のKindleストアがあります。Kindleで読むための電子書籍はKindle Editionと付いていますので確認が必要です。以下、例は米国アカウントにのっとっています。買った時点では米国のみだったからです。(Learning CoreAudioに関しては現在は日本語Kindleストアでも購入可能です)
基本はKindle電子書籍リーダーで読むためのものですが、iOSとAndroidにはKindleアプリがあり、PC/MacにはKindle Cloud readerというウエブベースのリーダーがあります。

まずiPadのKindleアプリを使う例を書きます。注意点はiPadでKindleアプリを使っても直接アプリからAmazonのストアにはつなぐことができないので、購入自体はいったんPC(またはiPadのブラウザ)でAmazon.comで行います。

1. US Amazonにアカウントを作ります(少なくともKindle Editionについては日本のクレジットカードが使用できるようです)
2. iPadのKindleアプリをインストール
3. iPadアプリを立ち上げてUSアカウントでログイン。Kindle機器として認証がされる(5台まで)
4. PC(またはiPadのブラウザ)でAmazon.com(アメリカの方)を開け、Kindle Storeに行く
5. 書籍(Kindle Editionと書いてあるもの)を選び、buyを選ぶと右側に"send to"でiPadの登録名が表示されていることを確認。購入する。
*テストでsampleを送れるので初めての時はやったほうが良い
6. iPadにおいてはアプリの立ち上げ時に同期するので、Kindleを立ち上げていたら終了させる(ホームボタン押すだけではなく終了させるのが確実)
7. iPadのKindleを立ち上げると同期される (Androidは明示的に同期するというメニュー項目がある)
8. iPadのKindleの「端末→本」に入っているはずです

これをiPhoneでも読みたいときはiPhoneでKindleを立ち上げてクラウドを選んでください。すると端末にダウンロードされます。iPadで読んでいて続きをiPhoneで読むときはしおりがクラウドで同期します(同期しないときもしばしば)。AndroidではNexus 7でも試してみましたが、片手で軽くもてる7インチタブレットは電子書籍を読むのにかなり便利です。

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左はiPadのKindleアプリ、右はNexus 7でのKindleアプリです。

米国Kindle Storeで扱っている本は言うまでもなく英語版のみですが、コンピューターをやってる人ならだれでも知ってるオライリーの解説本も買えます。なかでもWhat is HTML5やWhat is ePub3など無料本もゲットできるのでこれを試しにダウンロードしてKindleの使い方を覚えるのも良いでしょう。(サンプルだとクラウド上には置かれないのでこうした無料本はテストに便利です)

IMG_0117.PNG
What is HTML5 (O'Reilly)

実際にKindleの世界は大中小どの端末でも読めるし、同期も取れるのでとても便利で自由です。音楽もそうですけれども、日本のネット世界からアメリカのネット世界にいったとたんにぱっと可能性と自由度がひろがるというのは残念な事実ではありますね。

ただKindleがすべてではないと思います。上のオライリーの話をさらにつづけると、オライリーの本は電子化が進んでいて翻訳版もDRMフリーでePubで入手できますので、まじめに買うときはそちらをお勧めします。電子書籍もkoboだのkindleだのとデバイスやストアではなく、音楽のMP3のようにフォーマットで語れるようになれば普及が進むと思うのですけれども。電子書籍のあり方というのは音楽配信と同様にどうあるべきか、という点から考えていくべきだと思います。
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2012年12月04日

AudioBusのリリースは12月10日

何回か書いてきたiOSのAudioBusのリリースは12月10日に決まったようです。価格は$9.99というので日本円で850円だと思います。
iOS6でのInter-App Audio機能の発表の後でAudioBusのサイトがしばらく沈黙していたので、買収かともうわさされていましたが、OS機能とは別のアプリとして発売されるようです。ただし先に書いたようにかなりシステムに近いアプリです。

AudioBusは(UNIX的に言うと)他の音楽アプリの入出力をリダイレクト(入出力先変更)してパイプ(相互接続)する機能をもったアプリと言えますね。外部機器なしでiPad上で複雑な音楽制作が完結できます。
具体的にはInput->Effects(Filter)->Outputの3つの役割スロットにそれぞれAudioBus対応アプリを割り当てます。現状での対応アプリはこちらのAudioBusのtumbleに記述があります。
http://audiobus.tumblr.com/post/37118123240/audiobus-launch-on-december-10th

ひとつのスロットに複数割り当てることも可能なようです。たとえば下記のデモ動画では複数の演奏アプリをInputスロットに割り当て、マルチトラックレコーディングアプリ(MultiTrack DAW)をOutputスロットに割り当てています。アプリ間はVirtual MIDIで連携しているようです。
MultiTrack DAWではAudioBusで立ち上げた時は自動的に接続された各アプリのトラックを作成するとのこと。


またEffectsスロットにFilterとして演奏アプリ(下記デモではNLogシンセ)を割り当てるという重ね合わせもできるようです。


マニュアルなどは現在作成中とのこと。この分野ではiOSがますますアドバンテージを得ることでしょうね。
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2012年12月01日

平林寺の紅葉

新座の平林寺の紅葉です。
なかなか素晴らしくタイミング良いときに行けましたが、ここは広大な敷地にたくさんの紅葉が楽しめます。下はパノラマ写真です。
IMG_9111.jpg
iPhone5

今回もメインはSigma DP1&2 Merrillで撮っています。DP1 Merrillが広角28mm相当でDP2 Merrillが標準45mm相当です。

SDIM0640.jpg     SDIM0630.jpg
DP1 Merrill

境内は武蔵野の面影を感じさせる木々が茂り、古刹がその中にたたずんでいます。大回りで散策するとかなりの時間がかかります。

SDIM0687.jpg     SDIM0663.jpg   
DP1 Merrill

フォビオンセンサーはとかくシャープさが取り上げられがちですが、この新世代メリルセンサーは諧調再現の豊かさが特徴的です。よくトーンの豊かさを表現するのに白の中の白、黒の中の黒、という言い方をするんですが、ここではまさに赤の中の赤、という感じですね。

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DP2 Merrill

SDIM0679.jpg          SDIM0388.jpg
DP1 Merrill(L)、DP2 Merrill(R)

DP1とDP2のどちらの使用頻度が多いかは場所によって異なるんですが、今回は広角中心で撮っています。
でもやはりこの写りで交換レンズ式ミラーレスがほしい。。
posted by ささき at 23:59 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする