Music TO GO!

2012年10月29日

ヘッドフォン祭2012秋レポート

ヘッドフォン祭2012秋は初めて2日にわたって開催されました。いままで一日ではやはりすべて見て回ることが難しいという声も多かったので、それにこたえた形です。
実際にいつもよりも全体に人がばらけた印象ではありました。ただし二日目などはいつもよりは少なめで始まったんですが、昼過ぎにはあまり変わらなくなりました。いつもどおりに最後の日の撤収間際まで人がいっぱいつめて熱心に聴いてましたね。雨だったことを考えるとけっこう人が来たと思います。ヘッドフォン祭の初期の頃は来るひとみな顔なじみという感じでしたが、ヘッドフォンマニア層以外の人も着実に増えてる感じです。女性が彼氏に連れて来られて、というのではなく女性単独のグループも珍しくなくなった感があります。日曜にやるということがやはりマニア層以外の一般的な集客にはプラスなのかもしれません。
全体にいつもの8割くらいの人が来た日が二日あったという感じでした。ばらけて見やすいという効果はあると思いますので、今後も二日開催されるようでしたら人気ブースを聞きたい人は二日目の午前が狙い目です。

私もおかげで今回ゆっくり見られました。いつもはいろいろとやることもあるので、展示については注目製品でハイクラスの興味のあるところだけをざっとカバーするという感じでしたが、今回は2日目に少し余裕があったので、1万円以下領域も含めて全体的にカバーしてみました。いつもパタパタして中身が書けないのでもしかすると今回がいままでで一番まともなヘッドフォン祭レポートかもしれません。いつものマニアック系は後の方に書いています。

まず今回の注目製品からです。今回もたくさんの新製品発表会がヘッドフォン祭で行われました。
一日目のタイムロードさんのUltrasone発表会では注目のUltrasone初のイヤフォンであるIQ、TioをはじめとしてSignature DJやEdition8 Romeo&Juliaなどたくさんの新製品が発表され、私は公開質問者として登場させてもらいました。
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IQ、Tio、Signature DJについてはこちらにレビューを書いていますのでごらんください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/298442071.html
Ultrasone新製品群はマイケルCEO&マイケルCOOに別に雑誌インタビュー取材も行いました。

Astel&Kern AK100の発表会も行われました。発表内容ではヘッドフォン・イヤフォンの伸びに比してポータブルアンプ関係の伸びも大きいという資料が興味深かったですね。iriverが高付加価値分野にAstel&Kernというブランドで参戦した意味がわかりますし、音にこだわる人たちも増えているというのは良い傾向だと思います。AK100の販売も好調のようです。AK100のように手軽で高音質の機器が音にこだわるひとたちを増やしてくれればオーディオのすそ野は広がっていくことでしょう。
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AK100についてはこちらにレビューを書いていますのでごらんください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/296384375.html

ゼンハイザーも多数の新製品発表をしました。
IE800はIE80の後継ではなくハイクラスの別機種となります。ハイクラスによくあるマルチBAではなく、シングルのダイナミックを使ったところがポイントです。しかも大口径ではなくあえて小口径ドライバーを使用しています。また内部のダンパーメカニズムからイヤチップのスナップ機構に至るまでかなりこった設計がなされています。
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聴いてみましたが、楽器の音のキレが良くハイスピードで、ハイもローもよく出ていてワイドレンジを感じさせます。細かさもBAにそれほど引けを取らないくらいあるように感じられます。
適度にダイナミックなところがあり、聴いた印象ではHD800のイヤフォン版というよりもHD700のイヤフォン版という感じに思えました。
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もうひとつの注目はゼンハイザーとしては初めてヘッドフォンアンプを開発したことです。単にヘッドフォンメーカーが作ったヘッドフォンアンプならばベイヤーのA1がありましたが、ゼンハイザーはDAC付きのヘッドフォンアンプも開発しました。HDVD800とHDV600の違いは800がUSB Class2対応のDACを内蔵していることで、アンプ部分は同じようです。
800にも600にもバランスアウトがありますが、800の場合はDACの出力をアナログアウトできて、600は入力のスルーアウトのようです。800の内蔵DACはDAC自体バランス出力できるようです。つまりDACからアンプまで内部バランス対応となっています。
800も600もバランス駆動ヘッドフォン対応ですが、注意はバランス駆動のプラグはXLR3ピンx2ではなく4ピンだということです。つまり2個あるのは4ピンバランスヘッドフォンを2個使えるということになります。
4ピン対応も最近は増えているので一概に4ピン対応が悪いというわけではありません。なぜXLR3ピンx2が多いかというと、もともとバランス駆動の発想自体がBTL的にステレオアンプを2台使うという発想であり、はじめのバランス駆動アンプのHeadroomのBlockHeadが実際に2台のアンプをくっつけたものだったため、物理的にプラグが2本必要だったという経緯に寄ると思います。
私は4ピンバランス対応はHE6しかないので、HDVD800はHD800標準ケーブルで試聴しました。
音はかなり細かくニュートラルでフラットで、HD800では試聴曲でやや高域がきつめな印象がありました。そのため帯域特性的にはHD650に良いのではないかと思いました。
こちらも別にゼンハイザースタッフに雑誌インタビュー取材も行いました。なんか試聴室の隅っこで皆に見られながらでしたけれども。

ラックスマンはやはりバランス駆動対応のフラッグシップヘッドフォンアンプ、P-700uを発表しました。
こちらはXLR3ピンx2でよく使われているので選んだということです。こちらは上に述べたようにバランス駆動では現在のところはより一般的です。ちなみに初めてのヘッドフォン祭(当時はハイエンドヘッドフォンショウ)のときに私はバランス駆動方式の国内普及のためバランス駆動アンプのGSXを持ってきたわけですが、なぜ日本語でこれを「バランス駆動」と訳したかというと上で書いたようにこの方式の嚆矢であるHeadroomがその解説文で"Balanced headphone drive"という言葉を使用していたからそれを「ヘッドフォンのバランス駆動」方式として紹介したわけです。
http://www.headphone.com/learning-center/balanced-drive.php
まあそのころは国内大手のオーディオメーカーがバランス駆動対応のヘッドフォンアンプを出すとは夢にも思いませんでしたが、、
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P-700uは手持ちのHD800にピッコリーノを使用したJabenのバランス対応交換ケーブルを使用して試聴しました。ラックスマンでは交換ケーブルに関してはSAECを推奨しているということです。
私は初代P1を持っていたんですけど、音はそれを思わせるようなきめ細やかな音表現です。とても高い透明感とSN感の高さはODNF方式が効いてるんでしょうか。帯域特性がフラットでリファレンス的な点もそのままP-1から引き継いでいます。それにバランス駆動方式でドライブ力が高くなってHD800を鳴らし切る感じですね。適度に耳に近い音表現も魅力的で、試聴ディスクのダイアナクラールの声も細やかでかつ魅力的でした。
バランス駆動をメインにしてそれを売りにするというアンプもありますが、P-700uはまずP1から受け継がれているODNFなどのラックスマンらしいアンプ設計のノウハウを生かした基本的な音性能が高く、それにバランス駆動という魅力が加わったという感じでしょうか。
いまは普通のシングルエンドケーブルで聴いているけれども、将来的にはバランス駆動を試してみたいと言う人にもよさそうです。

またラックスマンではDSD DACが出ることも注目ですね。こちらは来週のインターナショナルオーディオショウで発表するようです。
今回のヘッドフォンショウでもティアック、コルグ、ラトックもDSDネイティブ対応DACを出展していて、この分野も活気づいています。一年前のヘッドフォン祭2011秋でMytek192を見せてもらったんですが、つい一年前にはMytekくらいしかDSD対応機種がなかったことを思うと驚きではありますね。

新製品ではフォステクスが直前のRMAFで発表したTH900の兄弟機であるTH600の試聴もできました。
TH900とハウジングが異なるだけではなく、ドライバーも1テスラと900とは異なるようです。音はやはりハイスピードでキレが良く、音のバランスもニュートラルでした。コストパフォーマンスが良い感じですね。
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上右はTX50という平面型の1975年頃のヘッドフォンだそうです。音はビンテージって感じですが当時はよかったんでしょうね。
海外ではフォステクスというと平面型というイメージが強くて、たぶん向こうでは「平面型はださないの?」と必ず聴かれると思います。ここは期待に応えてほしいところですね!
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上はHeadFiのJudeからフォステクスにやってくれと頼まれて預かったHeadFiシャツをスタッフに着ていただいているところです。これは私がくださいと言ったわけではなく、Judeから特に頼まれたものです。RMAF/CanJamを通じてHeadFiとも良い関係を築いているようですね。
フォステクスさんは積極的にこの世界に入っていこうという気概がとても良い姿勢だと思います。ヘッドフォンブームだからと言って単にヘッドフォンとかアンプを出せばよいというものではなく、ユーザーが真になにを求めているかというのはこっち側の世界に入ってきてもらわないとわからないと思います。

こちらはフジヤさんで売れ筋No1という人気機種、音茶楽さんのFLAT4の新機種でFLAT4楓(KAEDE)です。 現行機種の粋(SUI)についてはこちらの記事をご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/281564120.html
楓(KAEDE)はオークビレッジと共同開発でセンターキャビネットに楓材を使用したものです。ハウジングに木材を使用したヘッドフォンのような効果があるようです。このセンターキャビネットだけではなく、ドライバーも銅メッキがなされています。
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これらによって、粋と比べても音質に違いがあります。比べると粋よりも音により厚みが加わって滑らかで豊かな音楽表現に感じられました。オーテクとかGradoがハウジングで変わる感じですね。
IQもそうだけど単に細かさシャープさを求めるっていうよりも音楽性を考えるというアプローチが増えてきたのは良いトレンドです。

今回は普及タイプも聴いてみる余裕がありました。視野を下の方まで大きく広げるとまだ玉石混交感がありますが、光るものはどのクラスにもありますね。そういう意味ではこのあたりこそ評論していくことが必要なのかもしれません。以下はiBass DX100で聴きました。

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上左はFinal Audioのheaven2で8000円くらいです。
クリアで解像感が良く、音のバランスも良いですね。ヴォーカルが魅力的で低域のインパクトもよいと思いました。上右はAKG K374で7000円くらいです。 わりとバランスが取れていて、低域もそれなりにあります。少し柔らかめでしょうか。

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上左はKOSSの il200で8000円前後ということです。
LRを互いに組み合わせられるところがユニークです。音もベースヘビーながら音場感が良く、エンヤみたいな曲を聴くのに雰囲気表現がよい感じです。上右はATOMIC FLOYDのPowerJaxで14800円とのこと。ダイナミックドライバーです。これはATOMIC FLOYDらしいヒヤリとした硬質感があり、Klipsh S4iIIあたりをさらにシャープにして明瞭感を高めた感じです。アコギなんかはかなり良い再現力があります。別な言い方をするとSuperDartsから低域を削った感じでしょうか。

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上左はオーディオテクニカのCKS99iで1万ちょっととのこと。ソリッドベースということで低音の迫力も高いけど他の帯域もオーディオテクニカらしくそつなく良い感じですね。上右はCKS1000の限定色LTDで2万円半ばくらい。CKS1000になると低域モデルというよりも聴きやすいバランスとなり、中高域のクリアさも高くなります。

一万前後では老舗ShureのSE215も来週新モデルのSE215 Special Editionの発表会があります。

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ヘッドフォンアンプも少しHD800で試聴しました。上はnuforceのプリ・ヘッドフォンアンプで、HAP100です。 12月発売で6-7万くらいになりそうということ。
これはアナログアンプですが、ある意味ニューフォースらしい音です。音の明瞭感が際立っていて楽器音の分離感が気持ちよく、ベースもレスポンスは控えめだけど正確で制動感が高いですね。ニューフォースはまあ外れないところではあります。
上右はバーソンの新型Soloistで、好評のHA160が硬質な音だったのに比べると同じ細かさでもかなり滑らかでスムーズになった感じです。高い性能を維持しながらもより音楽的で美的表現ですね。

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共同通信のブース、いつも満員盛況の角田さん講演です。共同通信では新しいオーディオ雑誌Gaudioを11/30に創刊するそうで、もっと親しみやすいスタイルになるそうです。こちらも書店で見かけたら新装なったオーディオ雑誌に注目ください。


この辺からはマニアックな世界に突入して私のピックアップコーナーとなるのですが、まず今回は何と言っても期待のHifiMan HM901のほぼ正式なお披露目となりました。
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HM901はデュアルES9018採用というアキュフェーズのDACなみの豪華さで、専用のドックが組みになるのも目新しいところです。このため豊富な入出力系はドックコネクタとして底面にまとめられています。ちなみにHDとかVintageというのはローパスフィルターの設定切り替えです。音源はすべてSDXC(max 128GB)です。
少し使用した感想はまずHM801に比べるとUIが大幅に進化しています。ころころ転がるユニークなUIは見た目も面白く使いやすいですね。音も簡単にiBasso DX100と比べてみましたが、やはりAndroidベースのDX100は透明感で妙な鈍さを感じます。これは特にJH16/Twagでは顕著です。901はさすがにデュアルES9018で音の密度感が高く感じられました。音のレベルの高さはほとんどホームオーディオレベルで、据え置きドックがついているのも納得します。基本的なドックの機能はデジタルインアウトとアナログアウト、チャージャーです。HM802と同様にアンプカードを変更することができます。カードソケットは電池室の奥にあります。これは生産モデル直前くらいのデモ品を貸与してもらったのであとで詳しくレビューします。
またHifiManでもう一つ注目は新イヤフォンのRE600です($400くらい?)。
これは「裏のIE800」という感じでマルチBAに対するIE800のアドバンテージがそのままに当てはまるなかなか優れたイヤフォンです。基本的にバランス仕様でHM901と合わせるとバランスの効果でグッと音場が広がります。シングルエンドアダプターを使用することで普通のDAPにも使用できます。

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JabenのブースではMP3プレーヤーのBiscuitが注目でした。これはWAVとMP3のみ再生可能ですが、おそろしくコンパクトでこのくらいになるとほとんど持ってる感じしないですね。それでいて音のレベルはかなり高いものがあります。ランダム再生がないのが残念なところです。今回の目玉の一つはベイヤーT1/T5pのバランス対応改造品で、これはプラグの出来が良いですね。あれ、はじめからこうだっけ、と一瞬思ってしまいました。音もT1/T5pらしさそのままに厚み豊かさがさらにました感じでかなり良いです。
JabenからはGo-Vibe miniとBiscuitを景品として提供していただきました。また、T1/T5pについては大島さんのブログでチャリティーに供する予定があります。
http://blog.livedoor.jp/yosoys/
またJabenが企画した日本のヘッドフォンブックの英語版の計画があります。海外では日本の製品だけでなくレビューも尊重されるということで、これも面白い展開になりそうです。シンガポール・アジアだけではなく欧米にも出版する予定があるそうです。
広告を募集しているそうなので、興味のある会社の方は企画・編集している(株)サイクス小松さま、あるいは直接Jabenに連絡願います。海外に出ていきたい日本メーカーの方たちは良いのではないでしょうか。

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こちらは新規ベトナムのサンライズです。出展者の都合で日曜は展示できなかったんですが、音はイヤフォンもポータブルアンプも良かった。これもデモ機を預かったので後日改めて紹介したいですね。

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今回もHeadFiのプレスルームを用意しましたので海外にヘッドフォン祭の情報を発信していく予定です。Judeは今回も都合で来られなかったんですが、2012秋スペシャルのTシャツをたくさん送ってくれました。さっそくインプレスレッドが上がり始めています。そのうちもっと詳しいレポートが出てくるでしょう。
http://www.head-fi.org/t/631894/the-legendaris-stax-iem-strike-back-by-begining-november-2012-sr-002-srm-002-and-srm-003-mk2-srm-003/60#

今回自分的に達成感があったのはやはり念願だったRay Samuels氏を呼べたことです。
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RSAからは静電型のアンプA10とバランス駆動アンプDarkStar、そして新ポータブルアンプのThe Intruderなどを展示しました。サミュエルズさんはシカゴの人ですがやはり西部とか中西部にいそうなアメリカン・ガイという感じで食事中もずっと冗談を飛ばしてる陽気な人です。アンプも濃密なサウンドでRSAらしい力強いドライブ感があります。細かな表現も見せながら、Headroomを濃くした感じのアメリカンサウンドともいえそうです。特にSTAXは標準のアンプ(ドライバー)がモーツァルト向きというか上品な感じなので、STAXでパワフルで濃密な音が欲しい人はA10も一考の価値があると思います。イントルーダーもパワフルです。
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RSAつながりではOji specialのSR71B改造ものも会場にありました。電源周りを主に強化したようで、音は対応イヤフォンを持ってきてなかったので聞けませんが、今回はサミュエルズさんがいるので中をみていろいろやってるねーというコメントをもらったそう。

そして今回は新しい宝物が出来ました。サミュエルズさんに私のSR71Aにサインをもらったものです。これはシリアルNo002で、予約始まるまでにPCの前で待ってたのを思いだします。オリンパスの米谷さんみたいにシャーシの金属にサインできる硬いペンで書いてもらおうかと思ったんですが、ちょっと見つかりませんで鉛筆で代用しました。
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私のHeadFi活動のはじまりはやはりSR71でしたので、これはまたひとつ念願かなった感じです。

また次のヘッドフォン祭では新しい出会いがあることを楽しみにしています。
次のヘッドフォン祭は来年5月です。
posted by ささき at 23:42 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月26日

ラックスマンからバランス駆動対応のフラッグシップヘッドフォンアンプ登場

ラックスマンからヘッドフォンのバランス駆動に対応したヘッドフォンアンプのフラッグシップモデルP-700uが登場しました。
http://www.luxman.co.jp/presspro/p700u.html
プラグはXLRx2のタイプです。
ラックスマンと言うとこのヘッドフォンブームがブレークする前から本格的なヘッドフォンアンプP1を出していて私も使ってました。当時は国産ヘッドフォンアンプではP1とインターシティのHD-1Lが雄でした。また最近では多機能DACのDA200がヒットしたのが記憶に新しいところです。
P-700uは好評のP-1uの発展系でラックスマン独自の高品質フィードバックODNF回路は最新の3.0Aを搭載し、これを4チャンネル独立でバランスヘッドフォンに対応しています。またソリッドステート方式の電子制御アッテネーターLECUAの採用もポイントです。
フジヤさんのヘッドフォン祭のページにさっそくインタビュー動画が載ってます。
https://www.fujiya-avic.jp/event/1210_headphone_fes/

この本格的なフラッグシップモデルもヘッドフォン祭で見られそうですね!
posted by ささき at 11:02 | TrackBack(0) | __→ HD-1L, P-1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月21日

Ultrasoneの新製品IQとTio、Signature DJレビュー

人気のブランド・ウルトラゾーンから念願のイヤフォンが登場しました!IQとTioです。加えてヘッドフォンもDJタイプの新機軸Signature DJとEdition8のバリエーションであるRomeoとJuliaが登場してます。
このうちIQ、Tio、Signature DJを貸し出してもらえましたので試聴レビューしました。なお実際の製品の装着イメージに関しては下記のタイムロードさんの紹介ビデオを参照ください。


リリースはこちらです。スペック等はこちらを参照ください。
【 ULTRASONE Tio & IQ 】発売のおしらせ
【 ULTRASONE Signature DJ 】発売のおしらせ
【 ULTRASONE edition8 Romeo & Julia 】発売のおしらせ

Ultrasone Tio

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Tioはシングルのバランスド・アーマチュアユニットを採用するカナルタイプのイヤフォンです。
アルミ削りだしのハウジングはとても軽くコンパクトで、ストレートに耳にすっと入れ込むことができます。快適、手軽ですね。

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ハウジングとプラグにはUltrasoneのロゴが描かれています。ケーブルはマイクとリモートがついていて、イヤチップはComplyです。

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(AK100とTio)

このヘッドフォン祭の最新モードになりそうなiriver AK100をまずTioと組み合わせて聴いてみました。
ちょっと聴いただけでいままでのイヤフォンと異なる空間の広がり方と音空間の豊かさに驚かされます。音空間は独特の深みと自然なリアルさがありますね。BAらしいシャープさもありますが、尖っているとかものすごく細かいというよりもむしろ滑らかさや暖かみが感じられ、ちょっと聴きはダイナミックにも思えます。ヴォーカルはリアルで魅力的です。頭にぱっと浮かんだのはあのお茶楽FLAT4粋をBAにしたという感じです。
ただFLAT4と比べると低域は控えめで、帯域バランスは中域がフォーカスされていて、低域と高域がやや控えめというフルレンジ一発っぽいところではあります。おそらくフルレンジスピーカーがピンポイントの音像表現を聴かせるように、Tioの空間再現の独特な感じもシングルゆえのものかもしれません。ここはちょっと開発者に聞いてみたいところではありますね。
iBasso DX100に変えてみると音が美しいという感じを受け、色彩感豊かな印象です。音楽的でけっこう好きな感じです。

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(iPhone5とTio)

iPhone5だと帯域バランスが良い感じでiPhoneにわりと音は合わせているのかなと感じます。広がり感があるのでiPhoneでもスケール感があってよいですね。
TioにはiPhoneかAK100がよさそうです。

Ultrasone IQ

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IQはBAとダイナミックのハイブリッド型です。低域ドライバの配置がユニークですね。これもメタルハウジングということですがやはり軽量です。

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Tioはストレート装着が良かったんですが、IQは耳にシュア方式で巻きつけるタイプです。プラグが回転することもSE535あたりと同じです。ケーブルは着脱式でやはりマイク付きのリモート付きです。
AK100で聴いてもIQは低域の量感がかなり豊かで、EditionシリーズあたりのUltrasoneの遺伝子を色濃く感じます。空間表現の豊かさもTioに似ているところがあります。UltrasoneはS-Logicという立体的な音再現機構が特徴なのですが、やはりイヤフォンでも空間再現が特徴的というのは面白いことです。もちろんS-Logicとは仕組みは違うと思いますが、ここも開発に聞いてみたいところですね。
ライバルとなりそうなK3003と比べるとIQの方が空間表現はより広がりがあって豊かです。低域もK3003よりさらに強く量感があります。K3003がやや軽く薄く細身に聞こえるくらいにIQは濃くて厚みが感じられます。ただし中高域のクリアさや細かさはK3003が少し上のようです。IQはK3003に比べると全体により厚みがあって滑らかで音楽的です。

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(DX100とIQ)

DX100ではIQはやはり音色が良く色彩感豊かに感じられ、フルサイズヘッドフォン的な滑らかで奥行きのある音場が広がっています。音楽を分析的というよりは楽しく聴かせるタイプですね。もちろん十分シャープで音の解像力はあるけど、マルチBAトップモデルのような顕微鏡的なものではありません。反面それらよりスムーズで自然で、TioもIQもBA然としてるわけではないですね。低域も試聴レビューとして分析的に聴くと多いけど、しばらく流して聴いてるとそれほど過剰には感じないですね。全体的にスムーズだからかもしれません。
ToGo 334と比べるとやはりトップでの細かさは譲りますが、より自然で厚みがあって滑らかで聴きやすいという感じです。音の広がりは良い勝負ですね。IQは重心が低めに感じられます。
ToGo 334は音の分析力がより高く、IQはより音楽的という感じです。これは価格的に考えるとなかなか魅力的なところのように思います。

Ultrasone Signature DJ

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Signature DJは細身のポータブル用のケーブルとDJ用のカールコードがついています。これは音の差もあって細い方がよりクリアで帯域バランスが良くオーディオ的です。低域はカールコードの方が多めです。細ケーブルにはリモコンがついてます。
エチオピアンシープスキンのパッドなどSignature Pro譲りの高級なパーツが随所に使われていて、全体的にDJタイプにしてはかなりハイクラスのモデルと言えます。

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これは期待通りの音というか、Signature ProをDJタイプにしたというかSignature Proの低域を少し緩めにしてどんと量感を増やした感じです。3次元的で立体感のある音空間はいかにもS-Logicらしいところです。低域はかなり強めで重心の低さを感じます。一方で中高域もクリアで楽器の音もきれいでかっちり解像してます。ヴォーカルが聴きやすいですね。
直接比べてないので、Signature proとの中域と高域の比較はできないけど、個人的な印象はSignature proよりこっちが好きです。プロ的なものではなくコンシューマー向けの音という感じで、聴いていて楽しいですね。
同梱の細ケーブルでiBasso DX100との相性も良いです。DX100の性能の高さも分かる基本性能の高さもSignature DJは備えてます。ポータブルにも魅力的かもしれません。

またすべてのリモートについてiPhoneは標準で問題ありませんが、Androidでは下記のアプリが提供されているのもおもしろい点です。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ultrasone.iq

通して感じることはみな個性的であるということです。個性的というのはつまり音の主張があってそれが明快に分かるという意味です。
それがUltrasoneらしさということなんでしょう。
今週末(10/27,28)のフジヤさんのヘッドフォン祭にはもちろん目玉の一つとして登場いたします。
https://www.fujiya-avic.jp/event/1210_headphone_fes/?from=tl_banner

フジヤさんの販売リンクはこちらです。予約特典としてHFI-15Gがもらえるそうです。

Ultrasone IQ
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14473.html

Ultrasone Tio
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14474.html

Ultrasone Signature DJ
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14472.html

ヘッドフォン祭では27日(土曜日)10:00 - 11:00に発表会を行います。こちらではなにか面白い趣向があるかもしれませんよ。
posted by ささき at 21:32 | TrackBack(0) | __→ Edition 8, 10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月18日

CanJamとRMAF 2012

先週末にアメリカのデンバーで開催された大型オーディオショウであるロッキーマウンテン・オーディオフェスト(RMAF)とそれと合同で行われるHeadFiの全国大会であるCanJamのレポートから興味あるものをいくつかピックアップしてみました。

ベンチマークのDAC1と言えばm902と並んでヘッドフォン黎明期の代表的なDAC+ヘッドフォンアンプでした。それから改良版がいくつか出ていますが、今回メジャーバージョンアップをしてBenchmark DAC2 HGCとして登場しました。HGCとはHybrid Gain Controlのことです。USBはクラス2対応で、しかもDSDネイティブ再生対応です。DSDネイティブ再生の方式はDoPです。
http://www.benchmarkmedia.com/dac/dac2-hgc
これちょっと面白い話があって、Benchmarkは前はCentranceのAdaptive方式を使っていて、アシンクロナスを推進するWavelengthのゴードンとはディベートをしたりしてたんですが、ここでBenchmarkがアシンクロナスになったということでCAではちょっと揶揄されたりしてました。

そのゴードンですが、RMAFではいつもWavelengthのゴードンの新製品に着目してます。初のアシンクロナスUSB対応製品もRMAF、初のUSBクラス2対応品もRMAFでしたし、Decibelの原型のAyreWaveもRAMFでした。しかし。。今回は彼の原点に戻ったように300Bのモノブロックを出してました。
http://www.stereophile.com/content/wavelength-vaughn
もともとゴードンさんは真空管アンプメインの人でPCオーディオ関係はサブだったんですが、いつのまにかPCオーディオのリーダーみたいになってしまってました。今回は作りたいもの作ったという感じでしょうか。iOSデジタルものを作っているという情報もありましたが、Appleとも近しいことで(以前Appleロスレスのライブラリを作り直しさせたりしたようです)ドック変更を察知してiOSデジタルは引いてしまったのかも。

こちらはちょっと注目したいResonessence LabsのUSB DAC CONCERO DACです。
http://www.audiostream.com/content/resonessence-labs-concero-dac
低価格のなんということもなさそうなバスパワーUSB DACですが、なにが注目したいかというと、このResonessence Labsという会社はMark MallinsonというESSの元キーパーソン(Operations Director)が設立した会社で、フラッグシップDACのInvictaはESS ES9018のリファレンスとも言われています。
その会社が出したInvictaの流れをくむエントリーのUSB DACですから注目したいわけです。採用してるのは24bit ESS Saberということですが、ES9023かな?

DSD関連ではBluecoastのCookieさんがまたまた比較デモをやっていたようです。
http://www.stereophile.com/content/cookie-marenco-cream-crop

CanJamでは多くのメーカーが試聴用にLCD2あるいは3を用意していたと言いますが、Audezeの平面型ヘッドフォンはスタンダードになりました。これにはLCDは鳴らしにくいのでそれを鳴らせるという意味もありますし、実際に音も良いですね。CanJamではなんとLCDのクローズタイプが参考展示されています。
http://www.head-fi.org/t/631590/audeze-closed-back-prototypes-yeah-this-is-one-of-the-headphones-at-the-top-of-my-wish-list
LCDは密度感のある音なのでクローズタイプでもなかなか良いんではないかと思いますね。

JPS labの$5000という平面型Abyss Headphones AB1266も注目ですね。見た目はガレージっぽいですがもともとAudezeもLCD1のときはかなりガレージっぽかったです
http://www.abyss-headphones.com/index.shtml
聴いた人の感想はなかなか好評のよう。

CEntrance HiFi-M8はまだ開発に時間がかかるようで、おそらく年明け以降の出荷になるのではないかと思います。
http://centrance.com/products/new/blog/
ヘッドフォン祭には持ってきてくれるんじゃないかな?

CanJamの中で気を引いたのはこのWooオーディオのWA7です。
http://www.head-fi.org/t/630408/new-woo-audio-product-at-canjam-rmaf-2012#post_8765782
USB DAC内蔵の真空管アンプです。Wooっていうと高価なイメージもありましたがこれはかなり手頃です。
上面のガラスブロックも良いデザインのポイントです。また実際に聴いた人の話ではかなりパワフルだとか。要注目かなと思います。Wooもヘッドフォン祭に呼びたいところ。

こちらは今回のヘッドフォン祭にも来てくれるRay Samuels Audioの新作イントルーダーです。
http://www.innerfidelity.com/content/canjam-rmaf-2012-ray-samuels-audio-intruder-balanced-portable-headphone-amp-and-dac
The IntruderはUSB DAC内蔵のバランス駆動のポータブルアンプです。ゲインを高めにして鳴らしにくいヘッドフォンに対応したそう。これはヘッドフォン祭で見られそう。

Cypher LabsではCLASの新作SOLO dBとSOLO Rという新作を出してます。
http://cypherlabs.com/product
dBではバランス出力対応となっています。ただしUSB miniになってますのでご注意ください。DACはバーブラウンからAKMに変更になったよう。

ゼンハイザー(英語ではセンハイザー)はアンプを一足先に出展しています。
http://www.innerfidelity.com/content/canjam-rmaf-2012-sennheiser-hdva-600-balanced-headphone-amplifier
これもヘッドフォン祭で発表されるでしょう。

TTVJはMilletの新作を出したよう。右側があのトッドさんですね。最近買ってませんが。。
http://www.innerfidelity.com/content/canjam-rmaf-2012-ttvj-and-apex-hi-fi-audio-glacier-portable-headphone-amp-and-usb-dac

Mytekも出てたようですが、新作はないようです。あとBursonの新作のTime keeperというスピーカーアンプもなかなか興味を引きますね。
それとあの高いケーブルで有名だったPADが25周年ケーブルを出すという事前情報がありましたが、どうなったか..

CanJamではJudeが司会を務めてパネルディスカッションをしたようですね。
http://www.head-fi.org/t/623236/rocky-mountain-audiofest-denver-co-oct-12-14th-2012/60#post_8784475

またRMAFではPCオーディオエキスパートを集めてQAセミナーを開催してます。ゴードン、コッチ先生、ロブソン(Pure Music)、チェスキーと豪華な顔ぶれ。日本のショウでもこういうセミナーやってほしいところです。
http://www.audiostream.com/content/ask-experts
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2012年10月16日

横浜山手にて

横浜山手の洋館でDP1 Merrillを使って撮ってみました。

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posted by ささき at 23:57 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月14日

アップルの30ピンアダプターと互換性

iPhone5の大きな変更点のひとつはドックがiPodから続いた30ピンコネクタからライトニングと呼ばれる8ピンの小型コネクタに変わったことです。裏表関係なく接続できるなど優れた点はありますが、このライトニングはすべてデジタルになったため、アナログアウトも出せなくなってしまいました。

そこで従来のアクセサリーとの互換性を取るために30ピンアダプターが発売されています。それが届きましたので前回の記事を補完するため結果を書いておきます。

テストはフォステクスHP-P1とiPhone5を使用しました。まずライトニング直ではデジタル接続で音が出ました。ただしケーブルが長く使いにくくなります。ライトニングは認証チップが入っていてサードパーティー製のケーブルは作るのが難しいとも言います。

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次に30ピンデジタルとデジタルで接続してみました。左の小さなアダプターが30ピンアダプターです。接続と音の再生は問題なく、画面のALOのような高音質USBケーブルも使用できます。

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次にアナログ接続を試してみましたが、こちらも問題ないようです。以下のDirigentのような高音質ケーブルも使えます。

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デジタルだけのライトニングコネクタからアナログアウトを出すためには30ピンアダプターの中にDA変換が入っているということです。

この下のリンクに30ピンアダプターを分解した写真が載っています。この人はやはり中のDA変換回路を調べたかったようですが、なにかチップの中に統合されているようでよくわからなかったといっています。
http://www.macrumors.com/2012/10/11/apples-lightning-to-30-pin-adapter-torn-apart-reveals-several-chips-and-copious-glue/

30ピンアダプターも完全ではなく、いくつか制限があるようですので念のため。

* 10/19追記
Chipworksの解析で30ピンアダプターの内部にWolfson DAC発見しました。
http://www.chipworks.com/blog/recentteardowns/2012/10/18/inside-the-apple-lightning-to-30-pin-adapter/
ただし上に引用した人の話もウソではなく、たしかにオーディオ機能を持つシーラスロジックの統合チップもあるそうです。関係は不明。
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2012年10月10日

iriver Astell&Kern AK100レビュー

今年はハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー(以下DAP)が本格的に展開された当たり年でもあります。iBasso DX100とそれをベースにしたヒビノのR10、元祖ハイレゾDAPの進化系というべきHM901、そしてまた新しい『星』が現れました。DAPでは老舗と言えるiriverのAstell&Kern AK100です。このAstell&Kern(アステル・アンド・ケルン)とは星の中心という意味だそうで、 iriverの中でのフラッグシップクラスを示すブランド名になります。標準価格は54800円とR10ほど高価ではなく、この手の高性能DAPでは中間的なミッドレンジの値段となります。
評価機(FW1.0.0)を一足先に提供してもらいましたのでレビューを書きます。だいたい二週間ほど使用しています。
こちらは販売元のマウスコンピューターさんのプレスリリースです。
http://www.iriver.jp/company/press/160.html

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とてもコンパクトなサイズであのTera Playerよりも少し大きい程度です(上右画像はTera Playerと比較したところ)。そのため完全に胸ポケットに入ります。まさに「ポケットの中にありのままの音を」という言葉がピッタリときますね。原音忠実をコンセプトに据えた音はピュアで澄み切った音で、マスター音源の瑞々しさを伝えてくれます。

* AK100の特徴

AK100の最大の特徴はコンパクトサイズで192kHz、24bitまで対応するという点です。(Tera Playerは24bitはデコードしていません)そのDACチップはWolfson WM8740を使用しています。設計段階において入念なチューニングを行って8740の性能を限界まで引き出したということです。

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外観はDAP老舗メーカーがフラッグシップとして作ったというように、ソリッドでしっかりとしたつくりが高級感を感じさせます。ヘアライン加工を施したアルミボディです。この辺はいわゆるガレージメーカーものとは一線を画していますね。一番気に入った点はやはりコンパクトなところで、あのTera Playerより少し大きい程度です。それで192kHz対応までして液晶操作画面もついているのだからたいしたものです。重さも112gと78gのTeraほどではないにせよ、持ち運びはほとんど苦になりません。完全に胸ポケットに入れられます。

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コンパクトなボディには2.4型 320x240ドットのIPS液晶パネルがついています。静電容量型タッチパネルなのでここで選曲ができます。IPS液晶なのでアルバムアートも美しく表示されます。操作パネルに半透過でアルバムアートが表示されるのもうまい演出です。表示されているのはLINNのスタジオマスターのハイレゾFLAC(Barb Jungr - 88kHz/24bit)です。

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ファームウエアはDX100(R10)のようにAndroidではなくLinuxベースの独自のもので軽く安定した操作ができます。ブートもやや時間はかかりますがAndroidほどではありませんので、Androidベースが苦手っていう人にはよいと思います。ちなみに音源ファイルはハードウエアでデコードされます。イコライザーの設定もタッチパネルで行うことが可能です。

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ボリュームは向かって右側についた小さなノブを使って回転させて行います。細かい音量調整も問題ありません。左側面には小さなハードボタンが3つついていて、それぞれ早送り、巻き戻し、再生/ポーズに対応しています。再生/ポーズボタンは細かいながらも少しだけ大きめです。

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上面には長細い電源ボタンのほかに2つ端子が出ていて、左端がイヤフォン端子・兼用・光出力端子になっています。もうひとつは光入力です。AK100の大きな特徴の一つがこの光出力ができるという点です。iriverで光出力というとあのiHP140を思い出しますね。その頃はiRiverと表記されていた昔です。唯一光出力ができるDAPとしてiBasso D1/D10など光入力のついたポータブルアンプ/DACとの使用で重宝しました。私もスペアを入れていくつか持っていましたが、もうヤフオクで難儀をすることはありません。この辺はまた後で触れます。残念なのはアナログのラインアウトが無い点です。ここは改良してほしいところです。
光入力では入力チップの都合で176kHzに対応していません。(ちなみにメモリに格納した音源であれば88kHzも176kHzも問題なく再生可能です、念のため)

底面にはデュアルでMicroSDスロットがついています。引き出しをスライドさせると中にMicroSDスロットが二枚させて同時に使用できます。内蔵メモリは32GBですから、それに32GBx2を加えることができます。USB端子はデータ転送と充電のみでDAC機能はありません。このほかにはBluetooth機能も搭載しているようです。(本稿では都合で評価していません)
対応ファイル形式はWAV WMA FLAC APE OGG MP3です(現在AACは対応がありません)。下はオンラインマニュアルです(*画像中にはASF表記がありますがASFは非対応です)。

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特徴をまとめると以下の通りです。

1. 胸ポケットに入るコンパクトサイズ
2. 192kHz/24bit対応で高音質
3. タッチ操作可能
4. 光出力可能
5. 内蔵32GBメモリとデュアルMicroSDスロット
6. 手ごろな価格



* 実際の操作の流れについて

AK100をUSBでPCに接続すると充電/再生か充電/データのどちらかの接続モードを選択します。データを転送するときは後者を選びます。PCからは内蔵メモリとMicroSDカードが見えますので、そのどこかのフォルダにデータを格納します。フォルダー単位で転送しても構いません。
格納したデータのメタデータ(タグ)を曲選択に反映するためにはAK100の設定メニューから「データベースの更新」を選択します。ここで自動に設定するとPCへの接続毎に自動的にデータベース更新をしますが、更新は差分だけではなくすべてのファイルについて毎回行われるので多少時間がかかります。タイミングを見て手動でやったほうが良いかもしれません。フォルダー階層をたどれるので必ずしもタグがなくてもかまいません。

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選択はタッチ操作で行えます。またボリュームはノブを回転させることで画面にボリュームレベルが表示されます。

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操作の仕方ですが、画面にアルバムアートのみが表示されているときは画面上を左にフリック(iPhoneみたいにはじく)することで巻き戻し、右にフリックすることで次の曲に進みます(上はオンラインマニュアル)。アルバムアートをタッチすると操作パネルが表示されますのでここで巻き戻しや早送りができます。左下のメニューボタンでミュージックリストが表示されます。

IMG_0249_filtered.jpg   IMG_0259_filtered.jpg   IMG_0258_filtered.jpg

ここでアルバムやアーチスト、曲単位で選ぶメニューが選べます。上はアルバムを選択して曲メニューを開いていったところです。
また面白いのはマスター音質というメニューでハイレゾ音源のみ選ぶことができることです(下左)。メニューでフォルダーを選ぶとフォルダー階層で移動ができますので、タグがうまく作れないときはこのメニューで直接ファイルを選択できます(下のブラウザという画面です)。

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曲の情報表示の時に+ボタンを押すことでプレイリストに入れることができます。またユーザーEQも細かくタッチ操作で設定できますが、もちろんEQを切ることも可能です。

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すっとポケットに入れられ、軽く無理なく使うことができます。操作性も快適です。DX100/R10やHM801など重量級のDAPを持っている人はサブとしてもほしくなることでしょう。
再生時間も十分です。DX100のように電池の持ちを気にしながらということはありません。一日つけっぱなしにして、朝7時から夜10時に帰るまで問題なく再生でき、その段階で1/4くらい残りの目盛りでした。(これは音源にもよりますので念のため)

* 音質について

まずはじめに聴いて感じるのは高い透明感、クリアさです。そしてとても細かい音が浮き上がってくるのがわかります。普及品のDAPと比べると情報量の豊かさに圧倒されるでしょう。AKG K3003はもっともあうイヤフォンの一つですが、こうしたハイエンドイヤフォンでAK100は生きてきます。K3003ではよく伸びるシャープな高域、深い低域の重みと帯域の広さに改めてK3003の魅力を感じることでしょう。立体感もなかなかのものです。K3003が良いのは普通のイヤフォンとして使えるので、小さなAK100と使用感もベストマッチするということです。カジュアルに高音質が楽しめます。高感度イヤフォンでの背景雑音もほとんどありません。JH16+Twagリケーブルもなかなかいい感じです。
はじめはやや硬めですが、きつさは一晩エージングするとわりと取れます。

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音のひとつひとつはとてもピュアで明瞭感が高く、かつニュートラルで素姓の良い素直な音です。これは録音の良しあしをも浮き彫りにして、J-Popでは硬めながらメリハリがあり、ハイレゾの良録音192/24音源では滑らかで微細なニュアンス表現が良く伝わります。まさに原音忠実というか、録音忠実ですね。
もちろんただおとなしく無機的でいわゆるモニター的なわけではなく、低域に適度なインパクトがあってロックのダイナミックさもよく伝わります。Reference RecordsのHRX(176kHz)のブリテン「青少年のため管弦楽入門」を再生すると堂々としたスケール感に圧倒されます。一瞬再生が遅れるのでバッファに入れてるのかもしれません。
WM8740の性能を絞り出したということですが、たしかに同じ8740のSONYのPHA-1と比べても一段細かい音を聴くことができるように思います。AK100ではかなり音の細かいところまで鮮明に聴き取ることができます。
iBasso DX100と比べてみると透明感・クリアさはむしろAK100の方が良いことに驚きますが、音楽の全体的な表現力はやはりDX100の方が上回るかもしれません。これはES9018ゆえかアンプなどアナログ部分の差があるのでしょうが、おそらくDX100持っている人はAK100のコンパクトさやピュアでクリアな音表現も気になることでしょう。価格や大きさも違いますが、ライバルというよりも住み分けでしょうか。Tera Playerとは音の好みの差かと思います。滑らかなTeraとシャープなAK100という感じですね。

AK100にもっと表現力がほしいというときはiHP140の再来ともいうべき光出力機能を使うことができます。

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iQube v3と組み合わせると一つの音が磨きこまれてしっかりとした実体感を持ち、音の濃さ・厚みが向上してよりスケール感のある音が楽しめます。なにしろFLAC再生するためにRockbox入れなくて済みますし、光出力のためにQLS QA350のような無理のあるような大型DAPを付けることもありません。iQube v3にちょっとたされる程度ですからね。もちろんいまでもiHP140を使っている人はやっと解放された気持ちになるでしょう。上の写真でAK100を裏返しにしているのは光ケーブルがiHP140に合わせているからです。厚みも余ってしまいます。新しくSys-Conceptにケーブルオーダーしなければ。
メーカーの人に聞くと一時期修理に持ち込まれるiHP140の多くはRockboxがインストールしてあったそうです。私も一端を担っているかもしれませんが、もうRockboxを入れる必要もなくFLACが再生できます。下の画像はAK100と歴戦のiHP-140です。もうお休み、と言いたいですね。

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もう一つ良い点はマウスコンピューターさんが扱うということでコンピューター関連のサポートは手厚いように思います。PC関連の質問などをしても反応が早く報告も詳細でした。この辺はいまからのオーディオ機器のあり方として良い傾向かもしれません。ただ残念なのはAK100にUSB DAC機能がないことです。光入力だけでなく、もう少しPCオーディオ的な機能が強力ならばマウスコンピューターさんとの連携も意義のあるものとなっていくでしょう。またこれからのAstell&Kernの展開も楽しみになってきます。

iPodや普及クラスDAPからステップアップしたい人にお勧めで高性能イヤフォンの真価がわかることでしょう。またすでに高性能DAPを持っているけれども重さに辟易している人にも良いですね。
発売開始はヘッドフォン祭当日の10月27日です。予約は本日開始です。フジヤさんの販売予約のページはこちらです。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14429.html
フジヤさんの販売価格は49800円です。なおおまけに32GBのMicroSDカード(標準添付は2GB)がついて、中には聴き比べ用の192kHz、96kHz、48kHzのサンプル音源が付属するということです。

ぜひヘッドフォン祭の楽しみに加えておいてください !
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2012年10月08日

真空管オーディオフェア2012

真空管オーディオフェア2012に行ってきました。場所の損保会館をiOS6の新マップで見るとこんな感じです。
IMG_8604.PNG

下は山本音響工芸の新ヘッドフォンアンプHA-03です。今度はシーメンスのC3mビンテージ管を五極管接続で一段だけ使って1.4Wの出力(ヘッドフォン接続時)を出します。スピーカーアンプ兼用です(スピーカーでは1.0W)。音も艶っぽくてなかなかよかったです。回路は無帰還です。山本音響は前のHA-02もWEのビンテージ管を一段だけシンプルに使っているのが良かったですね。こうした設計は真空管の味がよくわかるんでしょうか。
ちなみに価格は128000円です。

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サンバレーのブースでは面白いことにDSD対応の真空管DACでデモしてました。手前グレイのCDP下の白いやつだと思います。SV-192S/DSDというもので今年中発売とか。

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このSV-192SのDSDオプションということのようで、DSD付きのSV-192Sは148000円ということです。
PCとはUSB接続のFoobar2K再生のよう。しかし真空管フェアでDSDとは。

http://www.kit-ya.jp/product_info.php?products_id=395

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2012年10月04日

iriverからハイレゾ対応ポータブルプレーヤー登場!

ポータブルプレーヤーでは老舗のiriverからなんとハイレゾ対応の小型ポータブルプレーヤーが登場します!国内ではマウスコンピューターさんから発売されます。

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iriverでうちのサイトを検索してもらうと分かりますが、一時期はiHP140で盛り上がりました。私もiHP140を2台か3台持ってました。待っていた本格的なiriverの新機種です。

Astell&Kernはモデル名ではなくブランド名になります。モデル名はAK100です。特徴は最大192kHz/24bitのハイレゾ音源再生に対応、デュアル microSDHCカードスロット搭載、ヘアライン加工を施したアルミニウム素材の高剛性ボディなどです。

開示できるのは現時点ではこのくらいですが、近いうちにもっと詳しい記事をアップしますのでお楽しみに!
音についてはすごく期待して良いと思いますよ。

プレスリリースはこちらです。
http://www.iriver.jp/company/press/159.html
posted by ささき at 17:01 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月01日

ヘッドフォン祭2012秋 詳細発表!

本日フジヤさんのブログで発表があり、ヘッドフォン祭の詳細が少しずつ明らかになってきました。
http://www.fujiya-avic.jp/blog/?p=7082
今回はなんと2日開催ということで、いままでゆっくり見られなかったという不満も解消されそうです。
また、いつものように新製品発表会もたくさんありますが、今年はまた面白くなりそうです。
これからの新製品情報にも注意していてくださいね!

hpfes2012autumn_regular.jpg
posted by ささき at 23:39 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする