Music TO GO!

2012年07月30日

NetAudio 7に執筆しました

本日発売のNetaudio7に連載中の最新情報記事(P50)を書きました。
高品位オーディオ再生ということをDSDとポータブルの両面から書いて、最新のスマートフォン事情も少し加えています。ポータブルでも高品位音源の再生できるものが増えてきて、いよいよDX100の国内版であるヒビノHDP-R10も登場しそうですのでこの分野も注目されてよいかなと思います。DX100なんかはスマートフォンとES9018のようなこの辺の最新トレンドを取り入れていますね。オーディオがPCで変わりつつあるのと同様に、またPCの世界自体も変わりつつあります。新しい流れというのはばらばらのように見えて、有機的につながって同じ方向に向かっています。なぜかというと同じ環境要因で変化が促されているからです。

ただしスマートフォンOSもまた完全ではなく、補完が必要です。なぜDX100では高品位再生が可能なのか、などはこちらのうちのブログ記事もご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/13805095-1.html
HDP-R10は本誌に記事があります。また本誌記事にはLINNのKIKOやQuteHDとカンタービレの専用電源など最新情報もカバーされています。
本誌付録には2.58GBもの高品位音源がついていて、DSDとWAVの聴き比べもできるようになっていますので本誌を見ながら付録音源で研究してみるのも良いですね。


posted by ささき at 22:52 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月29日

Isles of Wonder - ロンドンオリンピック開会式音楽集

ロンドンオリンピック開会式音楽集のコンピレーションアルバムが発売されています。さすがブリティッシュロックの地らしい開会式でしたね。
下記リンクはiTunesです(曲はすべてが網羅されてるわけではありません)。
http://itunes.apple.com/jp/album/isles-wonder-music-for-opening/id548480746

開会式は「エルサレム」から始まりましたが、いきなりELPかよというわけでもなく、これはもともとウイリアムブレイクの詩に曲をつけて一次大戦のころに作曲されたものです。後で出てくる炎のランナーのなかでも使われてます。(イスラエルの)エルサレムのことを歌った歌ではなく、イギリスのことを聖地に例えたものです。ELPはFanfare For The Common Manなんかでも現代曲のカバーをしてますね。またブレイクの詩に曲をつけたものではタンジェリンドリームのタイガーなんかもあります。

開会式ではイギリスのなりたちと歴史を解説していきました。イギリス人を英語でEnglishと言ってはいけません。イギリスというのはイングランドとウエールズ、スコットランドの国からなる連合国家のようなもので、イングランドはひとつの地域ですね。それを統合してグレート・ブリテンと言います。ですのでイギリスの人はBritishの方が妥当でしょう。ブリティッシュロックと言うのはこの辺から来ているわけですね。さらに北アイルランドを含めるとUK - United Kingdomとなります。
ちなみにイギリスの古名はアルビオン(Albion)と言います。白子をアルビノといいますが、アルビオンはドーバーの白い崖から来ているということです。アイルランドの古名はエリン(Erin)です。この辺はファンタジー小説を読むと出てきます。

開会式典の医療制度からファンタジーの演出のときにはチューブラーベルズが使われ、マイクオールドフィールド本人がギターを持って演奏したのには驚きました。以前書いたマイクオールドフィールド初期作の記事はこちら。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/154656059.html
バンクーバーオリンピックの開会式典のときにはやはりうちのブログででよく書いてるロリーナマッキニットが出て来たのを思い出しました。

ヴァンゲリスの炎のランナーはプログレバンド御用達のロンドンシンフォニーオーケストラ(LSO)が演奏していました。ヴァンゲリスはギリシャ人ですが、リックウエイクマンの後釜にイエスに加入するという話があったことがあり、ブリティッシュロックと無関係ではありません。
驚くのはセックスピストルズのGod Save the Queenが女王陛下列席の場所で流されたことです。これはイギリスらしいですね。ジョニーロットン(ジョンライドン)ではPILが最近新作を出したのでそちらも取り上げてほしかったところ。

聖火点灯のクライマックスではピンクフロイドのDark Side of the Moonがドラマティックに使われ、ハイライトはポールマッカートニーがヘイジュードを熱唱すると選手たちも会場も合唱するというライブかよという盛り上がり。そのほかフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドやデュラン・デュラン、ツェッペリンなどなどもあってNHK FMじゃないけどブリテッシュロック三昧な開会式でした。

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posted by ささき at 19:09 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月26日

マウンテンライオンとオーディオ

MacのOS10.8であるマウンテンライオンがリリースされました。
ちょっとまた旅行に行くので自分では試してませんが、ネットで見る限りではオーディオ周りではまずAirPlayの統合が大きいようですね。AudioMidiでも見えますし、システムのサウンドからも選べるはずです。(44k固定です)
http://www.computeraudiophile.com/f11-software/official-os-x-mountain-lion-thread-12787/#post169647

またダミアンによればダイレクトモード(およびインテジャーモード)も使えるはずです。
posted by ささき at 09:55 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月25日

QBD76がDSDに対応

QuteHDに続いてChord QBD76もDSDネイティブ再生に対応しました。こちらにリリースがあります(PDF)。
http://www.timelord.co.jp/wp-content/uploads/2012/07/chord_qbd76hdsd_pressrelease.pdf
DoP方式を採用していますので、QuteHDでの手順が参考になると思います。こちらも興味深いことですね。
posted by ささき at 23:20 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

LIFE - フライド・プライド

女性ヴォーカルとアコースティックギターによるデュオ、フライドプライド9枚目の作品。
前作がジャズスタンダード回帰で上質感を意識したトーンで仕上げられていたのに対して、本作ではもっと生き生きとしたフラプラが聴けるものになっているように思います。サマータイムやテイク5などジャズスタンダードのカバーとオリジナル曲による構成はかわらず、shihoさんのハスキーヴォイスと横田さんのスピード感あるギターのからみなど、フライドプライドらしさのあふれるアルバムで、ここからフライドプライドに入るという人にもお勧めです(試聴は下記Amazonリンクよりできます)。今回はジャズじゃないけどエアロスミスのウォーク・ディス・ウェイのカバーも聴きものです。

異色なのは最後の曲。これは宮城県の民謡、大漁唄い込みをカバーしています。おそらくは震災を意識していて今作のテーマであるアルバムタイトルもそこに関係しているのでしょう。
大漁唄い込みは斎太郎節とも呼ばれますが、松島の出てくる一番の歌詞はもしかすると他県の人でも知っているかもしれません。しかし、石巻(いしのまき)の出てくる三番は地元の人間以外にはほとんど知られていないでしょう。

松島のさーよー 瑞巌寺(ずいがんじ)ほどの 寺もないとえー あれはえーえ えとそーりゃー 大漁だえー
石巻さーよー その名も高い 日和山とえー  あれはえーえ えとそーりゃー 大漁だえー


この日和山(ひよりやま)から見る北上川河口に広がる石巻の眺めは格別に素晴らしく、この歌で取り上げられることに恥じません。しかし、いまではそこにあったものは流され消えています。
ただこの歌を口ずさむといまでも、記憶にある美しい光景でその空白を埋めることができます。それが歌の力というものかもしれません。

posted by ささき at 00:51 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月19日

AndroidでのDACの使用について

Android4.1を搭載したNexus 7タブレットが発売開始されユーザーにとどいてきたようです。
そこでさっそくUSB DAC(Fiio E7)を使ってみた人のレポートが載ってましたが使用できないということです。これは予想通りなので、やはりDACを使用してAndroidをオーディオに対応させるには次の二通りがあるということのようです。今回はまとめ形式で書きますので詳細は前の記事を参照ください。

1. Android 4.1で導入されたアクセサリプロトコル2.0を使う方式

Androidアクセサリプロトコル2.0に対応した専用のドックが必要です。(現在ASUSでNexus7用を開発中)
これはAppleでいうとiPod5.5以降のiPodアクセサリプロトコル(iAP)でサポートされたiTransportなど対応機によるデジタル出力を取り出すことに似ています。

現在対応機種 : Nexus 7およびGalaxy Nexusなど4.1対応機
OS要件: 4.1 (Jerry Bean)が必要
使用形態 : Android端末 →USBケーブル→専用ドックによるデジタルアウト

*Android4.1のオーディオ関係ではこのデジタルアウトのほかに低レイテンシー化も試行されています

2. ベンダーによる独自対応でUSBオーディオクラスドライバーを生かす方式

ベンダーによっては標準のAndroidのオーディオ周りをカスタマイズしているため。
これはAppleでいうとiPadとカメラコネクションキットを使用してUSB DACを使用することに似ています。

現在対応機種 : サムスン Galaxy SIII、ノキア N8、他Archosなど
OS要件: ベンダーによるが、USB OTGをデバイスでサポートしている必要あり
使用形態 : Android端末 →USB OTGケーブル→USB DAC

*USB DACは標準ドライバー対応のものが必要です。Fiio E7をよく使うのはE7がバスパワーによらずバッテリーから給電できるオプションがあるためです。ですのでiPadの給電制限もうけません。
USB OTGを使うのはA/B変換のためです。iPadではカメラコネクションキットに相当します。


posted by ささき at 23:24 | TrackBack(0) | __→ スマートフォンとオーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月18日

音茶楽 FLAT4-粋(sui) イヤフォンレビュー

このユニークな形のイヤフォンは音茶楽のFLAT4-粋(sui)で先日のヘッドフォン祭で限定発売されて話題となりました。
音茶楽というのは名の通りにお茶屋さんなのですが、イヤフォンメーカーでもあります。ユニークですね。
こちらはイヤフォンメーカーとしての音茶楽のホームページです。
http://ocharaku.jp/sound/

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現在販売はフジヤエービックさんのみで取り扱っています。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail12596.html

* 音茶楽 FLAT4の特徴

音茶楽のオーナーはもともとはSONYでヘッドフォンなどの開発をされてた方のようですが、自分の理想をお茶とイヤフォンで実現しようとされてるのでしょう。このお茶とイヤフォンと言うのは関係なさそうでいて、その根っこに共通する思想がありそうです。そこでまずこのFLAT4の形から見ていきます。

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この取っ手のようなパイプがまず特徴的ですが、これにはこうした意味があります。
ダイナミックとかBAに寄らず耳を塞いでしまうカナル型では耳道の中での共振によってある特定周波数(6k,12k)のピークが出来やすく、それがいわゆる耳に刺さるサ行のきつさに結びつき易いとのことです。普通はいわゆる音響フィルターでそれを打ち消すのですが、それだと他の高域も影響されてしまいクリアさが欠けてしまいます。
そこでFLAT4では経路差をつけることで位相差を付けてそのピークを打ち消すとのこと。これによって自然な中域再現と、音響フィルターの排除によってクリアな高域が実現でき、かつ耳に優しいというわけです。
もう一つの特徴は外からは見えませんが、ドライバーのユニットが対面で向かい合って音を出していると言うことです。これによって中低域に音圧感を得るとともに、振動系の反作用による機械振動をキャンセルして深い低域を実現したということ。

このように特徴的なデザインは自然な音再現を重視した設計ゆえのことと言えます。この自然な音、という人への優しさがお茶というキーワードとなにかつながっているようにも思えます。

* 音茶楽 FLAT4の音質

まずiPhone4S直で聴いてみました。イヤピースはコンプライのフォームチップでT200が指定されています。遮音性はコンプライの効果もあってなかなか良いですね。電車騒音も柔らかく低減されます。
FLAT4で聴いて、まず感じるのは音の広がりの豊かさです。豊かさと言うのは単に二次元的に幅が広いだけではなく奥行きがあり立体感があるという感覚です。この三次元感覚はまるでバランス駆動で聴いてるようで、iPhoneで普通に差してこれだけ三次元的な豊かさが得られるって言うのはなかなか聴いたことがないレベルです。

次の特徴はiPhone直でさえ低域の深さと量感の豊かさは驚くほどたっぷりとあることです。歪みなく淀みなく量感がたっぷりある感じですね。この辺はAtomic FloydのSuperDartsあたりと比べると分かりますが、ベースが多くても不自然なバランスではありません。
また、ヴォーカルも魅力的で、楽器の音色もリアルに感じられます。中域では適度な響きの良さと滑らかで自然な音鳴りの良さが印象的です。普通iPhone直だと無機的に聞こえてしまうんですが、FLAT4ではiPhoneだけでも良いかと思わせるイヤフォンの持つ音の良さがあります。
そして音響フィルターがないせいか、ダイナミック型と言っても高域のシャープさは十分にあります。また高域は優しく、サ行の擦過音など痛さを感じないけれども、よくある高いほうの伸びが詰まったのとは違いますね。きれいな中高域で、楽器の音も美しく感じられます。

音の印象をまとめると、全体に滑らかで音場が広く3次元的、明瞭感のある高域と厚みある中域、深く豊かな低域と、フルレンジとは思えないほど帯域ごとに個性があります。ただFLAT4で良いのは音の広さや帯域の豊かさのような性能面を誇示することで無機的になるのではなく、あくまで聴いて豊かな音楽体験が得られる点です。
しかしFLAT4で特に際立っている空間の広がりというのは、たとえばピークの低減とかタンデム配置ドライバーによる振動の相殺というFLAST4の売りの技術ポイントでは書いてないんですが、良い音を求めていたら自然に空間再現力も高くなったというところでしょうか。これは面白いところだと思います。

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こうした凝った機構を持ってるものは能率が低いものだけれど、iPhone直でも7割くらいで音量が取れてるのもこうしたDAPやスマートフォンと組み合わせるのに適しています。iPhone4S直ではGoldenEarアプリが相性が良かったですね。普通GoldenEarアプリではiPhoneの音の荒さが時として助長されてしまう傾向があるけど、FLAT4だと音の滑らかさが上手くそれをカバーする感じです。これだとアンプなしでiPhoneだけでもけっこう満足できます。

アンプではGo-Vibe Martini+が良かったですね。マニアックに言うとnichiconコンデンサの初代RSA Hornetもよくあいました。iBasso DX100の精細感を引き出すというくらいになるとやや物足りなさを覚えるけれども、細かさを誇示するタイプよりさきにあげたような音楽的な方向に降ったものが似合うと思います。一番気に入ったのはNOS DACのHM601で、これで聴くと自然な高音質という言葉がぴったりとはまります。
こうした自然な良い音を聴くとFLAT4の「耳に優しい音を目指す」という目的は十分に達成されていると思います。そこがお茶のリラックスした優しさと通じたものがあり、自然な音楽の美しさを楽しむのにお勧めのイヤフォンと言えます。
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2012年07月17日

DP2 Merrillのシェイクダウン

週末は横浜山手と鎌倉でDP2 Merrillのシェイクダウンをやってきました。

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さすがMerrill世代の新型フォビオンセンサーと専用レンズから得られる唯一無二の解像力と諧調再現性から得られる質感表現に圧倒されます。形はコンパクトですがこれに匹敵するためにはプロ用一眼レフ、ではなく、もはや(ほぼ業務用の)中判デジタルバックを持ってこなければならないでしょう。
さまざまな色彩と形を、いままでに見られなかったような精細さと質感で描写しています。

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また、こうしたスナップ写真を撮ってると45mm相当画角の標準レンズはいろんなシーンに対応できる柔軟さを持っていることが改めて分かります。DP2 Merrillの魅力は高解像度センサーだけではなく、自由に構図を切り取っていける標準レンズを装備したコンパクトカメラであることを忘れてはなりません。

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少し使うとずっしりした感はありますが、カメラとして格上の上質感もありますね。中判デジタルバックなみの画質が得られる「小さな巨人」であることを意識するとその重さに存在感を感じます。
DP2Mで少し大きくなったのはかえってカメラとしての存在感が増して良いかなと思う。

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旧DP2/DP1の時はシャープさが特徴でレンズを活かすセンサーだと思ってました。DP2 Merrillになってセンサーサイズが多少大きくなったせいもあるかもしれないけど厚みある描写の良いセンサーになったと思います。光と影の描写も見事です。

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しかし中判デジタルバックに匹敵するような高画質のカメラを手持ちスナップで使うのも贅沢で気持ち良いものです。

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MFリングの感触も良いですね。せっかくAF/MF(AFしながらのMF)をやるなら、背面に親指AFボタンがあると便利です。AEロックボタンにAFを割り当ても出来ますが、動画機能を考えても専用のサブAFボタンが欲しいですね。この辺は次のDP1 Merrillで検討して欲しいものです。

しかしDP Merrillシリーズで不思議なのはなぜDP1ではなく、DP2 Merrillを先に作ったかです。
フランジバックの短いDPシリーズでは広角の方がAF精度はもとよりレンズ設計が楽なはず。実際にDP2 Merrilではレンズ後方に強い光学的パワー配置をシフトさせていて沈胴から固定にしたレンズ長を短くするのに苦労してるように見えます。(レトロフォーカスの逆ですね)
そういう意味ショートフランジバックを生かせる次のDP1 Merrillにも期待が膨らみます。
posted by ささき at 00:29 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月13日

HeadFi Buying Guide2012夏号発行!

HeadFiのJudeさん指揮監修のもと、メンバーによる合作で昨年クリスマスに「書籍版のHeadFi」としてHeadFi Buying Guideが刊行されましたが、その最新版の2012年夏号が発行されました。下記の記事中のリンクから無料でダウンロードできます。少し下のCLICK HEREというリンクです。
http://www.head-fi.org/t/618255/check-out-the-head-fi-summer-2012-buying-guide

ヘッドフォン、イヤフォン、DACアンプ、DAPと広範囲にカバーされてボリュームもたっぷり、きれいにレイアウトされてます。もちろんHeadFiらしくメンバーのコメントも引用されてます。
日本からはFOSTEX HP-P1や須山カスタムMH334も入ってますよ。英語ですが、海外のヘッドフォン事情を知るにも良いでしょうね。メンバーでなくてもダウンロード出来ると思いますが、この機会にぜひアカウントを登録ください。
posted by ささき at 09:01 | TrackBack(0) | ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月12日

Sigmaの新型カメラ、DP2 Merrill到着!

予約していたDP2 Merrillが到着しましたのでさっそく取りに行ってきました。
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DP2 Merrillはフォビオンの生みの親の名前を冠したMerrillシリーズのコンパクトモデルです。
4600万画素のセンサーですが、フォビオンは3層で色を作り出しますので実質的な解像力はその1/3の約1500万画素となります。カラーフィルターが不要なため、ローパスフィルターもデモザイク画像処理も不要ですから、まさにピュアな解像力を得られます。
このMerrillと呼ばれる新世代センサーは旧タイプDP2などの従来センサーの3倍の解像力を持つものです。SD1 Merrillという一眼レフもありますが、このクラスになってくるとレンズの解像力がセンサーに対してのボトルネックとなってしまうため、振動するミラーがなく一眼レフのマウントにしばられない専用レンズを持つDP2 Merrillはまさにこの新世代センサーを生かすことのできるカメラと言えます。
DP2は30mmレンズですが、35mm換算で45mmとなるため、単焦点標準レンズを装着したコンパクトカメラとしても価値があります。

こちらにDP2 Merrillのスペシャルサイトがあります。
http://sigma-dp.com/DP2Merrill/jp/

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上の写真ではアクリュのストラップを付けています。
DP2よりは一回り大きくなりましたが、それほどの違和感はなく、かえって手の中でカメラとしての存在感をしっかりと感じることができます。沈胴ではなく固定式のレンズはMF用のフォーカスリングを装備しています。

DP2M用のSDカードとして帰りがけにSanDiskのエクストリームプロの32GB(90MB/s, 633倍速)を買い込んで入っていた残存電池でテスト撮影をしてきました。下の写真です。RAWから現像して縮小して少しレタッチしています。(撮影時はISO100で2秒シャッターで壁面を使って固定しています)

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これどうですか、いままで見たことのない驚異的な画質の高さです。解像力の高さは予期していたことですが、このトーン・諧調再現の高さが重厚感を作り上げています。まさに恐るべきセンサー、恐るべきレンズです。これが「コンパクトカメラ」から撮った写真です。

この設定(画質HighでRAW+JPG保存、計55MB/一カット)でラフに測って保存に約12秒でした。DP2Mは7枚のバッファを持っているので連続撮影が可能です。

こちらは上記画像を等倍で切り出したものです。シャープネスはかけていません。等倍でこの解像力というのは恐ろしくなりますね。看板の文字ももう少しで読めそうです。
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さて、これでまた写真を撮るのが面白くなってきました。
posted by ささき at 00:54 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月11日

QuteHDのトランス方式アナログ電源登場!

ChordのQuteHDは大好評のようですが、たしかにDSDネイティブ再生が簡単にできて、しかもパルスアレイDACの音も良く、価格も手ごろという文句の付けどころのない製品です。
しかし、一点だけ残念なのが電源がスイッチングの貧弱そうなものだということです。ここが改善されればただでさえ高性能のQuteHDがどれだけ良くなるか、と思う人は多いでしょう。

そこで画期的なことに町田のオーディオショップ、カンタービレでQuteHDの専用電源を開発中とのことです。出荷予定は8月とのこと。
Cantabile HST-QHD-PS (CHORD USB-DAC QuteHD/Chordetteシリーズ 用強化電源ユニット)というものです。カンタービレのホームページはこちらです。
http://www.cantabile.jp/
QuteHDだけではなく、Chordetteシリーズ全般に向いているようです。

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こちらリリースから引用します。


回路と使用部品に拘ったアナログ式電源ユニットを企画開発いたしました。
Qute HD/Chordetteシリーズ は、全世界での普及を見据えた極めて内容の充実した製品ではありますがその価格設定も戦略的ディスカウントプライスとなっています。
このディスカウントプライスを実現するための、1ファクターとして各国で異なる電源環境を外付けのACアダプターで対応させる事で合理的に実現していると言えます。
しかし、すでにある程度の経験を経たオーディオユーザーにおいては機器本来の能力を十全に発揮させるために、電源部がいかに重要であるかは、すでに周知の事実であります。
初めて Qute HD を試聴した時卓越した技術に裏打ちされた優れた音楽再生能力を確証すると同時に付属されたACアダプターを良質な物に変更すれば各段の音質向上が可能であろう事は容易に想像出来ました。
デジタル・データを音楽信号に変換する、最も重要なコンポーネントの電源部に良質な設計と充分な物量を投入する事は、音質の向上に不可欠です。
当製品は、QuteHDの他、同社Chordetteシリーズの各製品にもご使用出来ます。CHORD社の最新のテクノロジーと音楽再生への情熱で完成されたQute HD/Chordetteシリーズ の潜在能力を、確実に数段引き上げる事の出来るユーザー必携のアクセサリーとして、ご提供いたします。
当製品は、オーディオショップ・カンタービレのオリジナル企画/開発製品です。



■主な特長■
・トランス方式アナログ回路採用。
・DC12V/1Aで動作する、Chordetteシリーズ製品全般にご使用出来ます。
・オーディオ用電解コンデンサーを、複数パラレル接続する事で安定した電力供給と、充放電の高速化を実現。
・FURUTECH製ACインレット採用。お好みのACケーブルを使用出来ます。
・筐体はアルミ押出材ヘアーライン・アルマイト仕上。
・色は、Chordetteシリーズに合わせてブラック/シルバーの2色。
(当機の仕上とCHORD社製品とは仕上が異なりますので、完全な一致はいたしません)
■主な仕様■
*当製品は、最終工程をユーザー様に実施していただく「キット形式」の製品です。
組立作業はドライバー一本で簡単に実施出来ます。
・入力:AC100V 50/60Hz
・出力:DC12V 1A
・AC電源ケーブル/着脱式
・DC出力ケーブル/着脱式
・サイズ: w112 x h88.5 x d200mm / 足・突起部含まず
・重量:約 2.5kg / ケーブル含まず
・仕上色:シルバー/ブラック
・付属品:ACケーブル、専用DCケーブル、取扱説明書

発売予定: 受注生産品/2012年8月中旬出荷開始
標準価格 : 55,000円(税別)/57,750円(税込)


興味ある方は上記カンタービレさんまで問い合わせください。
ホームページに連絡先の記載があります。
posted by ささき at 00:34 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月10日

Apollo - Icebreaker/BJ Cole (Brian&Rodger Eno)

本作はブライアン・イーノの代表作の一つであるApolloをイギリスの音楽集団Icebreakerがアコースティックアレンジした作品です。
ブライアン・イーノは多彩な音楽家でロキシーからはじまってさまざまなジャンルで活躍していますが、一時期は「環境音楽」の祖としても知られていました。環境音楽とは「家具の音楽」とも呼ばれましたが、音楽自体が強い主張をしないで周りに溶け込むような音楽のことです。これはいまでいうアンビエントにつながりますが、ペンギンカフェなんかもこの一派に入れられます。
実のところ弟のロジャーイーノの方が室内楽的なセンスが高かったと思いますが、その兄弟合作での傑作がこのApolloの原曲です。もとはNASAの月着陸のドキュメンタリーフィルムのサントラとして制作されました。このフィルムは全編セリフとか音声が入っていません。
オリジナルのApolloは電子楽器での作品ですが、それをアコースティック楽器でアレンジをしてライブで演奏可能にしたものが本作です。(ちょっとマニュエル・ゲッチングのE2-E4のライブ盤のほうを思わせるかもしれません)
もともとはロンドンのサイエンス・ミュージアムが月着陸40周年を記念しておこなったイベントのための音楽のようです。IcebreakerはDavid LangとかMichael GordonあたりのいわゆるBang on a Canあたりの先鋭的な現代音楽家グループということです。

ライブには“moving and sublime” (感動的で荘厳)というサブタイトルがついていますが、実際に原曲の瞑想的でゆったりとした優雅さと美しさをそのままに、アコースティック楽器の深み、色彩感と豊かさを兼ね備えた素晴らしいアレンジとなっていると思います。
こちらはライブ風景のyoutube映像です。



下のアルバムは左がIcebreaker版で、右がオリジナル(リマスター版)です。

    
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2012年07月07日

ポータブル研究会2012夏

ヘッドフォン祭も大きくなったので分科会的に今回はポータブル分野に絞ったイベントが開催されました。
https://www.fujiya-avic.jp/event/potaken2012_summer/
今回はまた久々に中野サンプラザでの開催ですが、中野駅に降り立つと中野が駅前開発で大きく変わったのに驚きます。

今回は2部屋のみを使用しています。こちらまだセットアップ時ですが会場風景です。
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以下興味を引いたものをあげていきます。

Fit Ear to go 111
to go 334に続く須山さんユニバーサルモデルの第二弾で、やはりチタン製のサウンドチューブを使ったシングルドライバーモデルです。
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音質もなかなかレベルが高く、クリアでかっちりした音で、中高域よりながらバランスは良いと思いますし、ベースも十分にはあるように思いました。そしてこれもto go 334のように立体的な空間表現が特徴的だと感じました。製品としてはこのポータブル研究会での反響を見て展開を考えるということです。
また、須山さんのところではALOからいよいよ米国進出のニュースも届いています。Kenさんとのコラボが楽しみですね。
http://aloaudio.com/fitear-togo-334.html

STAXポータブル(参考出品)
私もSR001 mkIIを持っていたんですが、それにつづく久々の静電型ポータブルの登場となります。SR001とイヤフォン、おっとイヤースピーカーの部分は似ていますが、ドライバーもイヤースピーカーも新設計であるということです。

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実際に試聴ができたのですが、細やかさはあるけど、BAのように細かさが粒だつと言うよりはもっと自然な感じでした。ただ耳にいれる部分は前と同じですけど、あまりフィット感が良くないのでなんとかして欲しいところ。前はイヤフォンのように分離できたんですけど、今回はヘッドバンドは一体型に見えます。
価格は3-4万(イヤースピーカーとセット)くらいとお手ごろ感はあります。SR001 mkIIのときはいまみたいなヘッドフォンもポータブルオーディオもないので、iPodとアンプをUシェイプで接続するというお約束もなかったころで側面に入力があったりしましたが、今回のはなんとかiPodとははまりそうです。

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スケルトンモデルもあります。単三が二個使われていますね。ここも充電池を使ってほしかったところではあります。

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ムジカアコースティックのブースではユニークなデジタル入力ポータブルアンプのMyst 1866(プロトタイプ)がありました。様々なデジタル入力に加えてなんとBluetooth入力が可能です。(apt-x対応かは不明)

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これケーブル不要なのでスマートフォンに便利ですね。聴いてみると音も良かったです。ただ価格がちょっと高そうですが、ロシアの科学者が凝って作ったそう。
iPhoneみたいなスマートフォン用には合体型よりこういうやつが欲しいですね。手でスマートフォンを使いながら、アンプはカバンかポケットに入れておけます。AirPlayとかWiFiでこう言うのを作って欲しいですね。

こちらAnalogSquredPaperさんのポータブルのフル真空管アンプtu05bです。(ハイブリッドではなく前も後も真空管)こちらがホームページです。
http://www.ab.auone-net.jp/~s-and-e/PHA03s/PHA.html

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初段は1U4(もしくは1T4)で標準構成はシルバニア、後段は3S4で神戸工業(富士通テン)製だそうです。少し重いんですが、電池駆動でポータブルとなります。
製作者によるとカメラのように趣味性高く楽しめるようにということで、仕上がりも良いですね。音色がきれいで澄んでいるという感じでした。

トップウイングからはM田さんの最新お勧め品、JL Acoustic labsというところのBAB1-MC(完成品はJE)が面白いものでした。

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Digital ampと書いてるけどD級ではないそうで、ディスクリートでもオペアンプでもないMCUアンプというそう(棒読み)。これADA/DDAと書いてあるんですが、なにやらAD->なんかわかんないけどデジタル処理->DAするということです。これは前段で後段はPWMにも思いますが仕組みはちょっとわかりません。まあNuforceのジェイソンに聞いてもNuforceはD級じゃないと言うでしょうからね。
ただ仕組みは謎でも音はなかなか良くて、力強く透明感も高いですね。3時間充電で40時間もつというのもなかなか。

また同じくJL Acoustic labsの純銀ハウジングイヤフォンで4万くらいだそうです。

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左がVintageでメッキなし、音は意外と普通によいですね。高い方はよく伸びて硬い感じです。右はRhodiumでロジウムメッキされてます。こっちの方が落ち着いてバランスが良いと思います。

下左はGoDAP XでiPodデジタル対応ですが、クリアでキレがよい音でした。これはUSB DACもつくそうです。
下右はGoDAP4.0でiPhoneと一体型になるタイプです。

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この他ではミックスウエーブでユニークメロディのカスタムイヤフォンの取り扱いを行うようで、試聴は一番人気だったようです。
人はけっこう入ってましたね。ただヘッドフォン祭と比べるとマニア系の方が多いように思います。
ヘッドフォン祭からあまり経ってないにしては面白い製品がいろいろ出てましたが、この分野の人気の高さが伺えますね。

ちなみにLytroライトフィールドカメラでで展示会撮ってみるとどうなるかというこどで、ちょっと使ってみました。クリックすると任意の位置にピントが合います。
ホケ効果を得るためには近づいた方がよいのですが、最短もあるようです。もう少し修業が必要そう。



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2012年07月06日

Androidは10msの夢を見るか?

前に書いたようにGoogle I/Oカンファレンスで発表されたAndroid 4.1(Jelly Bean)ではオーディオまわりで進化があって、USBデジタルアウト対応が発表されています。前回書き忘れましたけど、ASUSではすでにNexus 7用のAudio Dockの発売をアナウンスしていますね。

このほかにもオーディオまわりでの大きな話題としてはもうひとつ、4.1での低レイテンシー化についてのアナウンスもありました。ここはオーディオ再生というよりもむしろ音楽制作にかかわるところかもしれません。
下記の4.1での新機能紹介あたりで低レイテンシー化について触れられています。(22:51付近)
http://www.youtube.com/watch?v=Yc8YrVc47TI&feature=player_de tailpage#t=1366s
この4.1での低レイテンシー化については下記のサイトにまとまっています。
http://createdigitalmusic.com/2012/07/android-high-performance-audio-in-4-1-and-what-it-means-plus-libpd-goodness-today/

簡単に言うと、現在Android4.0では100ms台とあまり良くない値のAndroid端末のレイテンシーを向上する努力を4.1から初めて、4.1では12msを目標にするが、すべてのデバイスがそうなるとは限らないそう。実のところ10ms以下のさらに低いところを狙っているが、これは4.1では終了せずに、次の4.2(?)に向かっても続けられる継続努力目標であるということのようです。

レイテンシーは非常に多くの要素が起因しているため、Androidの場合はベンダーごとにばらつきが出る可能性も多いということ。現時点ではGalaxy Nexusがもっとも優秀であるということですが、これはGoogleのリファレンス機だからでしょう(ただしGalaxy Nexusは現在米国市場ではAppleの特許侵害訴訟のため販売停止中です)。
また、これは前にも書きましたがミキサーの刷新が大きな効果を得るだろうということです。また新設計ミキサーはOpenSLなどとの親和性も良いようです。

この低レイテンシー化の背景にはもともとAndroidはMacはもとよりiOSと比べてもレイテンシーが大幅に劣っているということがあります。こちらにPureDataライブラリーを使用してAndroid端末のレイテンシーの実測をしたデータが載っています。Pure dataはクロスプラットフォームのマルチメディアライブラリなので参考値としてiOSならびにMacの値が載っています。Androidがだいたい500-700msなのに対して、iOSが90ms、Macで48msと、iOSは3.1でさえ良いわけですが、現状でこのくらいの違いがあるわけです。
http://puredata.info/docs/AndroidLatency

いずれにせよ、この低レイテンシー化でまた一歩Androidはメディア分野で先行するiOSに近づくということになります。いまではタブレットでの音楽/DTM関連ソフトというとiPadの独壇場ですが、Android関連もこれによって活性化されるのかもしれません。ただしAndroidにおいてはまずタブレット向けのアプリが乏しく、タブレット市場でのiPadの絶対優勢をなんとかする必要があるとは思います。
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2012年07月05日

21世紀の精神正常者 - モルゴーア・カルテット

本作は東京フィルハーモニー交響楽団のコンマス荒井英治氏率いるモルゴーアカルテットによるプログレ名曲の弦楽四重奏アレンジ版です。荒井氏はプログレファンであると自認していて、以前にもモルゴーアQはロックアレンジアルバムを出しています。選曲は正攻法でメジャーバンドの有名曲をカバーし、変化球はメタリカくらいです。このアルバムは私が買った時点で、なんとタワレコクラシックフロアのウイークリーチャートの一位になってました 。すごいカバーアートはもちろん宮殿のパロディですがメンバーの顔写真の合成だそう。

まずこのアルバムで良いのはカバーアルバムとしてきちんとオリジナルへのリスペクトがあることです。ジェネシスの月影の騎士はリリシズム溢れ、クリムゾンの宮殿は感動的なまでにドラマティック、締めにスターレスを持ってくるのは通っぽいまとめ方です。原曲のアナリーゼが完璧で、荒井氏はかなりのマニアとみました。フロイドの太陽讃歌なんかはシドバレット的な危うさを演出しているのも良いですね。実のところ太陽讃歌もウマグマに入ってるのはいいんですが、セカンドの原曲はいまいちだったように覚えてます。しかし、ここではシドバレットっていう狂気のイメージを使ってうまくアレンジしてると思います。太陽讃歌は他にサイキックTVがカバーしてるバージョンがあって、それもジェネシスPオーリッジのキレてるヴォーカルがやはり同じ感があったのを思い出しました。

またもう一つ言えるのはこれがやはり系統的には吉松タルカスからの流れである「ロック的なクラシック」アプローチって言うのがあると思います。吉松隆はその流れを自分で「平清盛」サントラで昇華させたけど、荒井英治氏もその流れを意識してるのでしょう。ライナーではショスタコーヴィチからの影響をあげていますが、荒井英治氏がコンサートマスターを務める東京フィルハーモニー交響楽団は吉松隆のタルカスを演奏したバンド、じゃなくオーケストラです。また吉松氏はモルゴーアQのさきにかいたロックアレンジアルバムではオリジナル曲(アトムハーツクラブ)を提供しているので、思えば吉松タルカスを東京フィルハーモニー交響楽団が演奏したというのはそうした流れがあるのでしょう。
モルゴーアカルテットには吉松隆が平清盛で自分なりに昇華させたように、この骨太のカッコよさをオリジナル曲に発展させてくれることを願います。

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2012年07月01日

AudioQuest Dragonfly - USBメモリ型の超小型ヘッドフォンアンプ内蔵USB DAC

以前CES2012のときにニュースとして書いたのですが、ケーブルメーカーのAudioQuestのDAC製品が先日リリースされました。このDragonfly(とんぼ)です。これはUSBメモリ型でコンパクトなDAC内蔵ヘッドフォンアンプです。USBメモリ型ではdenDACがありましたが、DragonflyはHD対応の本格的なものです。価格は$250となっています。こちらがホームページです。
http://www.audioquest.com/usb_digital_analog_converter/dragonfly-dac
これはノートPCのお伴としてかなり興味があったんですが、2週ほど前に発売されましたのでさっそく入手しました。

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コンパクトという点ではnuforce uDAC、HRT Head Streamerなんかも良いですが、USBケーブルを付けねばならないので結果的にかさばるのが難点です。
DragonflyはdenDACと同じようなUSBメモリタイプでUSBポート直結なのでUSBケーブルは不要です。ただケーブルメーカーのAQがケーブルレスのUSB DACを作るというのも面白い点ではあります。
そもそもなぜケーブルメーカーのAudio Questがヘッドフォンアンプ内蔵DACを、と思いますが、これはAQの技術者が自分たちがほしいものを作ったということです。とはいえ実際に設計したのはAudio Questの人ではなく、ここでも何回か書いているあのWavelengthのゴードンさんが外装以外はみな設計したということです。ただしAQからはフェイズフィルターを最小限にしてくれなどの仕様要求はあったそうで、Wolfsonなども含めたプロトタイプを5つくらい作成して、AQの人たちの試聴で音決めしていまのESS Sabreを使うモデルにしたということです。(DACチップはODACなどでも使われているES9023のようです)

つまりAQ内のたまたま設計できる人が作った未知数のものというのではなく、米PCオーディオ界トップのゴードンが設計したということで性能的には安心できるというわけです。実際にDragonflyはWavelengthのDACの流れを引く次のような特徴が見られます。

* ゴードンのコード、アシンクロナスUSB搭載

ゴードンさんといえば、Wavelength Protonで「USBアシンクロナス転送」によるUSB DACの高音質化をはたしたことで有名です。それがAyreのQB-9でも採用されてUSB DACというものがオーディオのなかで市民権を得ていくきっかけともなりました。このコントロールプログラム(ファームウエア)をWavelength Streamlengthといいます。
いまではStreamlengthはXMOSを使用した192k対応になっていますが、DragonflyではTAS1020に対応した96/24対応のバージョンが採用されています。ここでいうXMOSとかTAS1020というのはUSBの入力をつかさどるコントローラチップのことです。(TAS1020はディスコンだったような)
Dragonflyでは入力サンプルレートに応じてロゴのLEDの色がQuteHDのように変わり、現在のサンプルレート確認が可能です。

* 64ステップの内蔵式アナログボリューム

これもProtonで使われた手法です。Dragonflyには外側にボリュームつまみがありませんが、内部にアナログのボリュームが内蔵されていて、いわゆるデジタル的な音質ロスを最小限にして音量調整が可能です。音量調整はPC/Macのシステムボリュームと連動します。

- DAC内蔵ヴォリュームについては後でもう少し詳しく書きます。

* 実際の使用と音質

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箱から出すと思ってたよりも小型で本当にUSBメモリサイズです。ただ見かけよりはずっしりした感じはしますね。表面はラバーコーティングされていて滑りにくく高級感もあります。

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標準ドライバー(ドライバーのインストール不用)で素姓も良いので広く使うことができます。Macbook、Windows PC、Linuxタブレットなどで使ってみました。接続性はみな良好で簡単に使うことができます。

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まずMacbook Air 11インチで使ってみました。標準ドライバなので、Macbookに接続するとすぐに使うことができます。
実のところMacbook Air 11インチの内蔵音源もいいんですが、やはり潤いにかけます。Dragonflyに変えると音の明瞭感があがり楽器の音鳴りが鮮明になるとともに、音に潤いがあるオーディオ的な豊かさが感じられます。また内蔵音源に比べると全体的に音がかなり整った滑らかさも感じられます。中高域の透明感や低域の深みもなかなか良いですね。背景ノイズも低く高感度イヤフォンで使っても問題ないと思います。
ただし音の広がりや力感はさすがにいまひとつかもしれません。こじんまりとしているけれども良く整った音空間という感じでしょうか。またEdition8やK3003などのポータブル機では文句ありませんが、HD800ではさすがに鳴らし切ると言うわけには行きませんね。

Windows7の高性能デスクトップPCでも良い音を聞かせてくれます。もっともこの辺に使うなら据え置きのきちんとしたものが良いですが、ヘッドフォンリスニングのためにちょっと足したいという人もいるでしょう。
JRMCなどのプレーヤーソフトを使うとなかなかの高音質で楽しめます。音は細かく解像され、ベースやドラムの音のタイトさ、切れの良さ、制動力もこのサイズにしてはなかなかのものがあります。音調はニュートラルで帯域バランスも良好です。テンポもよくスピードもある方です。
ここではより音の特徴は際立ってわかるように思えます。ゴードンさんは今はPCオーディオで有名ですが、もともとは真空管畑の人なのでProtonなどもそうですが柔らかな音が好きなようです。一方でDragonflyはESSっぽいというか、どちらかと言うとニュートラル・分析的な感じがします。この辺はやはり音決めはAQの人のテイストなのかもしれません。

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LinuxではひさびさにSharpのLinuxタブレットPC-T1を取り出してみましたが、これはすばらしく相性が良かったですね。接続も問題ないようです。(多少あやしい感もありますが)
PC-T1はubuntu 9.04をベースにしています。ドライバーはOSSもALSAも使えるようですが、OSSの方が安定しているように思います。プレーヤーソフトはARM向けなので限られてはいますが、ExaileとかListenが使えます。これらは機能的には十分です。
持ち運べて最小のPCオーディオシステムとも言えますが、音質も素晴らしく良いことに驚かされます。これとEdition8を組みあわせるとちょっとこの小さなシステムの音とは思えないくらいです。
ただしPC-T1は遅くて普通にタブレット用として使えるようなものではありませんので、念のため。パワーがないのでハイレゾもちょっと難しいですが、44/16を再生するうえではかなり良い音で楽しめます。

iPad はパワー供給制限のため使えませんが、ゴードンさんによるとこれは音質の都合でアンプ部分で使う電流を大きくするためにiPad対応は意図的に削ったということです。

Dragonflyはコンパクトでいて音も良く、特にノマドワーキングをして喫茶店や図書館で良くノートPCを使いながらも、BGMを良い音で聴きたいという人にお勧めしたいですね。

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---別項 : PCオーディオのボリュームコントロールとDAC側ボリュームについて (この項は後で別に分離させるかもしれません)

ボリューム調整というのは当たり前のようでいてなかなか深く、オーディオのポイントの一つです。それはPCオーディオでもまた例外ではありません。
この項ではDragonflyやProtonのように内部にボリュームのあるDACの使い方について説明します。

1. DAC内蔵ボリューム(Device Volume)とは

PCオーディオではビットパーフェクトを保つためにPC側のボリュームはフル(100%)にしておくことがよく書かれていると思いますが、これはPC側でオーディオデータを再計算することで精度を落としてしまうという前提に基づいています。しかし、DAC側でDragonFlyのような内蔵ボリュームを備えているものにおいてはPC/プレーヤーソフトのボリュームとDACの内蔵ボリュームの連動が可能です。
つまりデータは再計算しない状態でDACに渡して、同時にボリューム位置の情報も渡すというものです。この場合はソフト側でボリュームを変えていてもビットパーフェクトになります。これはUSB Audio Class 1.0のControl規定を使用しているようで、DACがDevice Volumeを備えているかはハンドシェイクのデスクリプタ(記述子)交換でわかると思います。なおこれはCoreAudioの機能ではなく、ドライバーの機能なのでAudirvanaでダイレクトモードを使ってCoreAudioをバイパスさせても問題ありません。

DACがDevice Volumeを備えているときはDAC側では2通りの処理が行えます。ひとつはDAC側でデジタル領域で再計算するという方法で、ESSはDACチップレベルでこれをサポートしているようです。もうひとつはアナログ領域でアナログボリュームの制御に用いるというもので、Dragonflyがそうです。Protonでもこの手法が使われていました。内部ではI2CシリアルIFを使用してDACアナログ段の後のアナログボリュームをコントロールしているそうです。

2. DAC内蔵ボリュームとPC側のボリューム調整について

OS側ではシステムボリュームでも可変できますが、プレーヤーソフトではAudirvanaのDAC Only/if availableやDecibelのdevice volumeで明示的に指定ができます。Decibelの場合はDigital volumeとDevice Vollumeが独立しているのでわかりやすいと思います。このときはDigital Volumeを最大にしたままで、Device volumeで音量を調整してください。(Device VolumeがグレイになっていたらDigital Volumeを使います)

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左:Audirvana Plusと右:Decibel

Decibelのdevice volumeについての記述は下記にありますが、やはりProtonなどを対象にしているとありますね。
http://forums.sbooth.org/viewtopic.php?f=22&t=5125
WindowsではJRMCはやはりボリュームを二系統持っていて、System Volumeを選択すると上で書いているDevice Volumeと同じになります。サウンド>プロパティ>レベル(ボリューム)と連動するのがわかると思います。Internal Volumeが64bit高精度ソフトウエアボリュームです。
iTunesなどの場合はプレーヤー側のボリュームは最大にしておいて、システムボリュームで調整できるはずです。Macではこのときメニューバーにボリュームを表示させておくと便利です。キーボード上のボリュームコントロールを動かすとシステムボリュームを動かします。

ただしプレーヤーソフト側がディザ対応などの高精度デジタルヴォリュームを採用しているときはこのかぎりではないので、device Volumeとdigital volumeのどちらが良いかは自分の試聴で決めると良いのではと思います。(DAC側のdevice volumeがすべて高精度とは限らないので機器と場合によります)
JRMCではこの切り分けについて無録音テスト音源を使用して行う方法がマニュアル(ヘルプ)の中で紹介されています。

posted by ささき at 22:51 | TrackBack(0) | __→ USB DAC全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする