Music TO GO!

2012年02月05日

平清盛(とタルカス) - 吉松隆

今回紹介するのは現在放送中のNHK大河ドラマである平清盛のサウンドトラックです。これは作曲家の吉松隆さんによるもので、ドラマを見てると分かりますが番組中には彼のオーケストラ版のタルカスがそのまま使われていて、ゴールデンタイムのタイトルバックに堂々とキースエマーソンのクレジットも出るという画期的なものです 笑。NHKでは坂本龍馬で元デッドカンダンスのリサジェラルドがヴォーカルに起用されたりしましたが、意外とマニアックです。
吉松隆とタルカスはこちらのリンクで記事を書きました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/157314621.html

私はこの手のサントラはまず買わないんですが、このアルバムは吉松隆さんの作品として魅力的です。吉松隆さんはタルカス演ったときはオーケストラの破壊力という言葉を使ってましたけど、この平清盛を聴くとタルカスに通じるオーケストラの破壊力と言うかダイナミズムが感じられます。タルカスのさらに吉松オリジナル版のようなものを作曲したかったんでしょう。
このアルバムを録音するときも、テーマ曲は変拍子炸裂で緩急もあり演奏側にとってもテンポの掴みがすごく難しく、どうしても尺が伸びるんだそうですがドラマの挿入曲だから時間ピッタリ演奏しなければなりません。オケのメンバーがこんなの演奏できないって言ったらしいんですが、そこで吉松さんがこう言ったそうです。
このテーマ曲はロックなんだ。丁寧に一個一個の音符を弾くから長くなるんだ。ロックのように感じればいいんだ。とにかく感じてくれ。
早い部分は端正なクラシックではなく、壊れる寸前のロック風で!

ドラマは兵庫県知事のピントずれた発言が話題となったりしましたが、平清盛という歴史ドラマの持つ武家社会の台頭というテーマがこのオーケストラの破壊力によるダイナミックさで良く表されてるように思います。

そして吉松隆さんのもう一つの持ち味である詩情性を担うテーマ曲のピアノに舘野泉さんを起用してるのもこのアルバムのポイントです。吉松隆さんは舘野泉さんに以前にも曲を提供しています。
舘野さんは病気で右手麻痺になりましたが左手のピアニストとして奇跡の復帰を果たしたピアニストです。でも、あるインタビューで、左手っていうとすぐラベルのあれをやってくれと言われるのが逆に面白くなかった、と気骨あるところを語っていたのが印象的でした。

このテーマ曲に引用されていて清盛の生みの母(役:吹石一恵)が歌った「遊びをせんとや生まれけむ」は今様(いまよう)という当時の流行歌で、いわば伝統音楽に対するポピュラーです。
清盛の生みの母は白拍子(しらびょうし)という設定ですが、この白拍子と言うのは舞いながら流行歌を歌うと言うことで、当時のポップシンガーのようなものだったんでしょう。源義経の恋人だった静御前が白拍子だったことで知られています。義経はこの大河ドラマの最終回あたりに平家の幕引き役で登場するでしょうが、静は当時の京で一番の踊り手だったと言われます。義経と静の恋と言うのは日本一のヒーローと日本一の流行歌手の恋というわけですから、後世に長く語り継がれるのも良く分かります。

紅白歌合戦とか運動会みたいにいまの日本では二つに別れるときに赤と白に別れますが、これは源平合戦から始まったと言われます。(源氏が白旗で平氏が赤旗)
いわば日本中を二分する始めての大歴史ドラマの始まりがこの大河ドラマでやってる題材です。
冒頭の館野泉さんのピアノの情感、あるいはダイナミックなオーケストラの破壊力、そのリリシズムとかっこよさを兼ね備えた素晴らしいテーマ曲を楽しみながら、毎週ドラマでいにしえに思いをはせると言うのもよいものです。

iTunesで購入することもできます。こちらの方が少し長く試聴ができます。
http://itunes.apple.com/jp/album/nhk-da-hedorama-ping-qing/id495916068

posted by ささき at 23:51 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アコースティック・アストゥーリアス教会ライブ

昨年開催されたアコースティック・アストゥーリアスの教会ライブの第二弾があったのでまたいってきました。アコースティック・アストゥーリアスはいま最も精力的にやってる日本のプログレバンドの一つであるアストゥーリアスのアコースティックユニットです。
昨年のリンクはこちらです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/195222965.html

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池袋のシャロンゴスペルチャーチと言うところで、ホールの響きが素晴らしい音楽演奏用の教会です。特にピアノに響きがよく乗りますね。ライブではギターはPAを通しますが、他のピアノ、ヴァイオリン、リコーダーは生音です。
前回もオーボエを加えたゲストコーナーが良かったんですが、今回もチェロの星衛(ほし まもる)さんを迎えたゲストコーナーが素晴らしく充実していました。星さんのチェロも素晴らしいんですが、ユニットに低音楽器が加わることでアンサンブルの厚みがましてバランスが良くなります。前回のオーボエと一緒に常設にして夜長オーケストラみたいに大所帯になってくのも良いかもと思いますね。星さんに関しては篠笛も都の無形文化財指定を受けてると言うことで、篠笛アレンジの曲も披露しましたがこれも和風テイストで感動的でした。
なお初期CDのマーチンググラス..は高値プレミアがついてるようですが、これは再発の予定があるとのこと。


アコースティック・アストゥーリアス 「凍てついた記憶」(アルバム : Legend of Gold Wind)

posted by ささき at 23:36 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする