Music TO GO!

2011年05月28日

フェーズメーション HD-7A 192と新ファームウエア

今回のサブタイトルは「XMOSの内蔵ソフトウエアの違いで音が変わるか」です。

角田さんの試聴室でフェーズメーション(フェーズテック)の最新のUSB DAC、HD-7A 192の製品版ファームの試聴をしてきました。

昨年ブレークしたUSB DACのHD-7AはUSBのコントローラとしてルネサスのチップを使ってましたが、これはFull Speed(USB1.1)までの対応なので上限は96/24までとなります。
HD-7A 192では192kHzを達成するためにUSB Audio Class2対応のXMOSをUSBコントローラとして採用してます。XMOSについては下記の記事に書いてます。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/181376037.html

上を読んでもらうとわかりますが、信号制御するためのチップと言ってもXMOSはハードウエアというより小さなコンピュータで、中のソフトウエアで制御をします。そのため、ソフト(ファームウエア)を書き換えれば音も違ってくるというわけです。
とは言え、全部プログラム書くのは大変なのでたいていのメーカーはXMOSについてくるあらかじめ用意されたコードを流用しているようです。

フェーズメーションはHD-7Aのファームも自社で開発しましたが、今回もXMOSとUSB伝送の研究を行い、独自のソフトウエアを開発したということです。
そこで、XMOSが提供する他でよく使われるいわばXMOSオリジナルファームウエアと、今回のフェーズメーションのカスタムファームウエアを切り替えて聴けるようにした開発用HD-7A 192で双方の音質を聴き比べてみました。

IMG_2374.jpg

環境はMacbook proとAudirvanaをプレーヤーに使います。アンプはアキュフェーズでスピーカーはフォーカルです。
MacのAudirvanaのインテジャーモードはクラス2ではトラブルもありましたが、最新の版ではHD-7A 192はOKです。ただし0.9.1以上が必要で、試聴に使った0.9.2の方が安定しているようです。

曲は前に書いたヘルゲリエンのnatsukashiiのLINN Records 192kハイレゾ版です。
http://www.linnrecords.com/recording-natsukashii.aspx

実際聴いてみるとフェーズメーションのカスタムファームウェアはXMOSオリジナルファームウエアに比べてより透明感が高く、HD-7Aの高い鮮度感がよりクリアに研ぎ澄まされるということを感じます。細部表現がより鮮明です。
そして曲が進むにつれて驚くのはウッドベースの深みやシンバルの鮮烈さです。高域や低域、特に超低域の帯域特性がかなりワイドに向上しているのがわかります。特に超低域は驚くほどで、ウッドベースの鳴りも本物よりリアルという感じで、あまりいままでに聴いたことがない感覚です。超低域の再現がゾゾゾとここまで出るのかという感じですね。
XMOSのオリジナルファームウエアに戻すと先の製品版カスタムファームウエアと比べると物足りなさがあり、ある意味おとなしく普通という感じですね。

まさに192kハイレゾの豊富な情報量を余すところなく再現させてる感じですが、XMOSの内蔵ソフトウエアの差だけでこれだけ違いが出るというのは興味深いことです。
フェーズメーションではXMOSとUSBの研究に基づいて処理を最適化、軽量化したということです。ポイントはDAC/XMOS側だけではなく、さらにPC側の処理も軽くなるようにしたということです。これは毎回PC側に演算をさせないようにして、より音楽データを流すのに注力させるということによるそうです。
USB DACの192k対応がXMOSの採用で肩を並べてきたいま、このカスタムファームウエアは同じXMOSを採用する他の192k対応のUSB DACに対しての強みのひとつになりそうです。

HD-7A 192は来月から発売されますが、リリースされるHD-7A 192は全てこのファームウエアとなるということです。
なおこのファームの適用は今回の試聴が始めてということで、いままでデモでHD-7A192を聴いて良いと思った人はさらに製品版では良くなってるのではないかと思います。
posted by ささき at 21:00 | TrackBack(0) | __→ USB DAC全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする