Music TO GO!

2009年08月29日

ヘッドホンラボ、レポート

本日ヘッドホンラボに参加してきました。
皆さんお疲れ様でした。

今日のサプライズゲストとして話題の20万円イヤホンのファイナルオーディオのイヤホンが午前だけ参加してくれました。すべてのタイプを持ってきていたと思いますが、なにぶん時間がないのでわたしは一番高い20万円のクローム製のものだけiMod+SR71Aで聴きました。

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たしかに音は悪くないです。BA的な細かさはありませんが、音の再現がしっかりとしていて自然でリアルです。これは単純なことですが、簡単なことではありません。また音場の広がりもよく、低域もきちんと出ています。基本性能はきちんとある様に思います。
ただ装着と使用は問題外ですね。カスタムIEMのほうがトータルではずっと良いです。家で使うものとされていますが、そもそもクローズで能率も低くないで外で使えない理由が分かりません。またクロームしか聴かなかったけど、クロームでないと成立しない音ではないと思います。ドライバーは良いからちゃんと使える筐体で、それなりの価格でまた考えてほしいですね。

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さてショウですが、組み合わせを変えながらKrel、Wadia、Ayre、Chordなどのソース機材とIntercityやM81、P-1uなどのアンプといろいろと試して聴きました。

明瞭さと鋭さが出ていて性能のよさが分かりやすく、メリハリ感があり元気良く鳴らしてたのはKrel Evo505とM81(新型)で、M81はたしかに電源強化したよさは出ているかもしれません。

またChordのQBD76とIntercityもなかなかハイエンドっぽい音の精緻さと正確さがうまくバランスが取れていたように思います。

P-1uも並べてみるとオーディオメーカーらしいいぶし銀のようなよさがあり、HD800のニュートラルさにはあっているように思えますね。

ただ一般にみな音がソース機材に引きずられているか、ソースの良さを生かしきれていないところも感じられて、こうしてスピーカーオーディオで鍛えられたハイエンド機材と発展途上のヘッドホン機材をくっつけるとアンプがソース機材に負けていてHD800を鳴らしきれていないようにも思いました。ゲインが足りないアンプもいくつかありました。HeadroomではHD800でもそうは感じませんからね。

といいつつ、うちのブースではHeadroomのアンプと電源の接続ケーブルを忘れるという凡ミスのために急遽DAC1を使ったのでちょっと残念でした。

うちのブースではHD800のPiccolinoでHD800がどう向上するかとか、HF-2でフラットパッドのありなしでグラドらしさがどう変わるかとか、楽しんでもらいました。また、先に書いたAudezeはわりと好評で、会場からさっそく注文の問い合わせをする人もいたくらいです。
またninaさんにはiPhoneの魅力をエンジョイしてもらえたことと思います(^^

それと今回またインタビューを受けました。業界誌と言うことで一般の目にはつかないかもしれませんが、インタビューされるのはこれで三回目になります(以前はオーディオベーシックと宝島モノマックス)。これもヘッドホン文化がかなり注目されているということでしょうね。

秋はまた趣向を変えてまた楽しみたいものですね。
またよろしくお願いします。

2009年08月28日

ヘッドホンラボ2009

さて、明日はフジヤさんでの「ヘッドホンラボ」というか久々のハイエンドヘッドホンショウです。
わたしもいろいろと持って行きます。iTransport(mod)とdesktop balancedアンプがあるのでiPodでソースを持ってきてもらうと自分の音源で試せます。
出典するのはHD800(自前)とpiccolinoケーブルがシングルエンドとバランス、それとHD25-1とpiccolino senn用も持って行きます。それとGRADO HF-2もフラットパッド、先に書いたAudezeです。Audezeはバーンインでかなり滑らかになってSTAXっぽさも兼ね備えてきました。またGO-vibeのアンプもいろいろ持って行きます。

ちょっと忙しくなりそうですが、余裕があればiPhoneを使って写真入り実況中継をtwitterでやろうと思います。下記アドレスです。
http://twitter.com/music2go
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2009年08月26日

Audeze LCD-1 平面駆動の新たな夜明け

*前口上

またヘッドホンの世界に新星の登場です。しかし、これにはいささかの前口上が必要になります。
すこし前にCanJam2009の記事を書きましたが、実はCanJamでその高い音質でけっこう話題になっていたけどその記事では触れなかったものがありました。これは書けなかった、というのが正しいのですが、そのときは何者かよく分からなかったからです。

それがこのAudez'e LCD-1です。最近正式にリリースされました。
これは説明が必要かもしれません。

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まず写真に写っているヘッドホンの「ガワ」はNadyというブランドのものらしく数十ドル程度のものです。
Audeze LCD-1はその中身をそっくりAudeze独自の平面駆動のドライバーに換装して、ケーブルをモガミのものにリケーブルしてノイトリックのプラグをつけたものです。
つまりAudeze LCD1はヘッドホンの名称というよりはドライバーの名称と言ったほうが良いでしょう。Audezeはアメリカのガレージメーカーでスピーカーの技術を応用してヘッドホンの平面駆動形式を研究するところのようです。LCD-1はそのためプロトタイプ的に作られた製品ということになります。
Audezeのホームページはこちらです。ちなみにLCD1は約$400です。
http://www.audeze.com/

平面駆動というのは普通に見られるドライバーのように一点とかリング状のようにマグネットやコイルが形成されているのではなく、振動板全体が信号に応じて動く方式の総称でSTAXのような静電型やTakeTのようなハイルドライバーも含まれます。
ここで言っているのはこれを従来と同じダイナミック型で行うもので、YAMAHAではオルソダイナミック、FostexではRP(Regular Phase)などと呼びます。またアイソダイナミックとも呼びますが、みな同じものです。海外では端的に平面という意味でプラナー(Planar)とも呼びます。
Planarタイプは固定ファンも多く、海外ではPlanartariumというこうしたページもあります。
http://planartarium.fortsigma.net/index.php?title=Main_Page
余談ですがカールツァイスにPlanarというレンズ構成がありますが、これは像面が均一で平坦であるというひとつのレンズの理想を意味しています。

平面(全面)ドライバーであろうが、リングドライバーであろうが、一箇所にマグネットとコイルがあろうが、結局振動板全体から音が出ているのはみな同じです。 なにが違うかというと、振動している部分から振動板全体への音の伝わりかたです。これが振動板の振動の仕方に不均一を生むことになります。
平面駆動方式については、以前YAMAHA HP-1の項で書きましたのでこちらも参照ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/4708524-1.html


*Audeze LCD-1

さて、実際の製品としてのLCD-1は箱には入っていませんが、キャリングバックに入って届きます。
見た目はわりと悪くありません。装着も特に書くことはありません。つまり物理的なものはやはりメインではありません。
ただロゴ部分はAudezeの手が加えられています。

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肝心の音はHeadroomのDesktop balancedをシングルエンドで使って聴きます。やはり能率はかなり低めですが、このくらいのアンプなら問題ありません。

予想としてはFostex T50RPの音の傾向から静電型に近いものを予想していましたが、それよりはどちらかというとバランスドアーマチュアを巨大にしてこのサイズにするとこんな音になるのではないかという感じです。
解像感が高く、とにかく音が速い、切れが良い、もちろんBAとは動かせる空気のマスは段違いです。特に低域での切れのよさは圧巻ですね。

それと空間表現がかなり独特です。HD800を知っていてもなおそう思います。いま時間がありませんが後で比べてみたいと思わせます。平面的にも広いんですが、立体的な表現と言う意味で独特です。
もちろん高い方から低い方まで全域でのバランスも良く、低域もかなり深く出ています。
これについてはヘッドホン自体の実験的な要素も強いので、いろいろなオーディオチェックのソースで性能的な面からざっと確認してみましたが、なかなか基本的なところもしっかりしています。それとバランスというよりもスムーズさですね、仔細に聴くとまだ硬さや荒さが見られるのでこれらはもう少しバーンインしてから見ていきたいと思います。

これ、すでにリケーブルされているということを加味してもすごいと思いますね。これは箱を開けたばかりの感想ですし、$400という価格を考えるとさらに驚きます。


*平面駆動の新たな夜明け

こうした方式の原理的な利点としては振動板の剛性や物性的な依存が低いので周波数全体にディップやピークが発生しにくく、特に高い周波数の方向が改善されるということがあります。ただ基本はそうでも実装はそう簡単ではないのでしょう。たとえばFostexのRP方式ではジグザグのパターンでコイルを構成して不要な共振を減らしているとあります。やはりこの辺はメーカーのノウハウが必要です。
平面駆動は70年代を中心としたオーディオの古きよき時代にひとつの理想として複数の会社で研究がされてきましたが、研究開発よりコスト優先的な合理化時代になると次第に消えてしまいます。当時はYAMAHAやFostexのラインは当時としては高価な価格で堂々と登場していましたが、現在はFostexのRPのラインが数千円から一万前後のところで細々と続いています。

しかしいまこうしてヘッドホンの時代がまた訪れているときにこれは見直されても良いのではないでしょうか。
かのときから30余年も経て現代ではマグネットや素材などが大きく進歩しているので現代の技術を投入された平面ドライバーのフラッグシップクラスを作るというのは魅力的に思えます。またもうひとつ言えるのは平面駆動の場合は一般に能率が低いので、現代の優れたヘッドホンアンプを持って鳴らしたいということです。YAMAHA HP-1やFostexの初代T50はいずれも高い音質評価がありますが、同時にとても能率が低く鳴らしにくいことでも知られています。
はたしてHP-1や初代T50の時代にそれらをきちんと歌わせるようなヘッドホン向けのオーディオ環境があったのでしょうか?
ここに平面駆動ドライバーがいま復権する価値があるといえます。

こうしてHeadroomの高性能ヘッドホンアンプとあわせたAudezeの平面ドライバーはちょっとした驚きをもたらしてくれます。
Head-direct(HiFiMan)もCanJamに平面駆動タイプを出品しましたし、Audezeも来年はさらに本格的に始動する予定ということです。

ヘッドホンっていろんな製品が出てますけど、実はまだまだ可能性が広がることを感じさせてくれますね。オーディオの黄金時代は過去へ去ったのかもしれませんが、ヘッドホンの黄金時代というのがもし来るとするとそうした多様性がもたらすもののように思えます。

今週末のフジヤさんのショウには持参するので、参加する方で興味あるひとはそこで一聴ください。
posted by ささき at 22:35 | TrackBack(0) | __→ Audeze LCD-1,2 平面ドライバ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月25日

松島のブルーインパルス

少し遅い帰省先の宮城で、今年は良い天候に恵まれて松島での航空祭を楽しむことができました。昨年は雨にたたられましたが、今年は見事に晴れ上がり気持ちの良いショウが堪能できました。やはり飛行機に青空は映えますね。

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カメラはいつものようにEOS-1DsMkIIです。レンズはさすがにでかいEF400/4 DOはおいていったので、旅支度で軽くEF70-200/4ISを望遠に使いました。

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今回のメインは広角です。広角側は超広角ズームのEF16-35/2.8Lをもって行ったので、広い空のキャンバスを十分に切り取ることができました。ブルーインパルスの大空を背景にしたダイナミックな演技が伝わるでしょうか。
ただ松島は真逆光になるのがきついところではあります。

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松島はブルーインパルスのホームなので午前と午後に二回のショウを行います。また松島といえばブルーインパルスJrもコミカルにいつもの演技で合間を埋めてくれます。でも色物とはいえ、意外とスピード感もあって楽しめます。

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さて仙台といえば牛タン、しかし平日というのに駅構内の牛タン横丁は長蛇の列、ということで駅ビル地下の店に急遽変更しました。こちらは「きすけ」の牛タン定食(1580円)と別のトロロです。トロロは別売りのところも多いので注文のさいにはメニューを確認してください。

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帰りは駅弁にしたんですが、右は仙台駅の新作という「笹巻きえんがわ寿司」(1000円)です。これは三陸のカレイのえんがわに合わせ酢を漬け込み、軽くすだちをしぼってさっぱりといただきます。えんがわは柔らかくとろりとしてまろやか、旅に疲れた帰りにお勧めです。

しかし、むこうはもう朝はだいぶ涼しく感じられます。秋の気配だけ持ち帰った東京はまだまだ夜も暑く、夏と秋の狭間を行き来した感じです。
posted by ささき at 00:57 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月17日

三島の流鏑馬

わたしの夏の風物詩のひとつというと、例年この時期に行われる三島の例大祭の流鏑馬神事を撮りに行くというのがあります。
今年は天気にも恵まれ、なかなか良いコンディションでした。
今年はいつもと違って馬場の前の方の一の的で撮りましたが、なかなか木漏れ日が印象的に写真に絡んでくれました。しかし、木陰なので涼しくてよかったんですが、少し暗かったのと、木漏れ日があることで露出にはちょっと悩みましたね。

カメラとレンズはEOS-1DsMkII, EF70-200/2.8L IS, EF24-105/4L ISです。

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三島は水のきれいな町で、街中を流れる流れでさえとてもきれいです。
これ以降カメラはiPhone3GSです。

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水が良いということは食もいい(笑)、左は沼津で有名な魚河岸寿司・三島店の10貫ランチ(1380円)、右はうなよしのうな丼(2300円)です。
特にウナギは三島の隠れた名物で滋味豊かな味わいとふっくらでかつカリカリとした食感は素晴らしいですね。

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ということで今日の結論としては「ネタに来てもらうよりは自分で行こう」ということで(^^
posted by ささき at 23:26 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月16日

須山カスタムIEM FitEar Private 333 レビュー

カスタムイヤホンというと外国製品がほとんどですが、須山カスタム(FitEar)は国産のカスタムIEMとして知られています。

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これまでのラインナップはプロ用途を念頭に置いたものが多かったということですが、このPrivate 333はコンシューマー用に考えられた最新モデルです。
須山さんのカスタムイヤホンはモデル番号が数字で示されていますが、それぞれに意味があります。333とは3Way、3ユニット、3ドライバー(レシーバー)という意味です。これはたとえばWestone3のように3Wayであってもハイとミッドがひとつのユニット(TWFK)で兼ねられている場合もあるからです。つまりWestone3ならば須山さん流に言うと323、ES3Xは333となります。JH13は336ということになりますね。

使用感について

フィットはわたしがいままで試したUE11/ES3X/Freq show/Sleek customのすべての中でベストだと思います。
わたしはすべての耳型は須山さんのところで取っています。つまり個体は厳密には違いますが、ほとんど耳型自体はすべて同じようなものでした。それを考えると須山カスタムのレベルの高さは伺えます。

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333はぴったりと耳に吸い付くようにはまり、動いてもずれません。また、遮音性もきっちりしています。耳型を同じところで取っていても、シェルの製作に違いがあるのは興味深いと思います。シェル自体もJH13のように気泡がはいることなく、きれいなものです。
小さめのシェルはコンパクトで良く、取り外すときは耳下に親指の爪をかける切れ込みがあるという点もなかなか細かい工夫です。下の写真で指をかけているところです。

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また333の特徴は音の出るポートが3つ別にドライバーごとに分かれていることです。それも上の写真でよく分かると思います。
他のほとんどのカスタムは3Wayであってもポートは2つです。シェルの出来のよさとあわせてこの辺は須山カスタムの造形におけるアドバンテージがあります。

ケーブルに関してはちょっと取り回しに困り、わたしのものはメモリワイヤがないのも少し不便ですがこの辺はまだ改良されると思います。

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音質について

全体的な音の印象は忠実性というよりは演出感を重視して、あくまで正しく音楽をモニターするというよりは、楽しく音楽を聴くということを重視しているようです。
高い音を中心に繊細で音色がきれいな華やかさと、強調間のある低域を中心としたダイナミックなインパクトも兼備えてある、という感じです。きれいなシェル造形のように、音の透明感もなかなか高いと思います。

この他に333で感じるもうひとつの音の特徴としては重なり合う立体感
のある空間表現が特徴的だということです。音と音の重なりが絡み合う様が明確に分かり、音の混濁感がありません。
音場の横の広さはUE11ほど広くはないけれども、この独特の立体感で空間表現が豊かに聞こえます。
ここは3ポートの効果なのか、他の高性能機にはない独自の良さだと思います。複雑な音の波をうまくさばくのが得意という感じで、高性能なアンプと組み合わせると、複雑に絡み合う音の再現に感銘します。

基本的な性能面でもなかなかよく、解像感は上から下までかなり高く感じられます。ウッドベースのテストとなる前に書いたhandsでもベースの音は生々しく、楽器だけでなく背景のプレイヤーの息遣いも細かくうき彫りにします。
高域の繊細さはかなり高く、ベルの音のきれいに伸びた響きは鮮明です。きつさはP-51では気になりませんが、シャープさがあるので聴くほうの環境にもよるかもしれません。


前述したように低域は強調されていますが、これはコンシューマー向けとして意図的なものでしょうし、ロックなどのインパクトには寄与しています。たとえばJH13のように正確性優先なタイプだとロックポップでものたりないところは333では過不足なく感じられます。
強調されているといっても、ジャズトリオの軽快さを損なうようなこともありません。またインピーダンスの違いかJH13などに比べると特に低域で緩めに感じられるところはあります。
アンプについてはUE11ほど依存されるわけではありませんのでiPod単体でもわりと悪くはありませんが、P51のようなアンプをつけるとドラムの音の締まりが見違えるようによくなりリズムのきざむ小気味よさが大きく改善されます。

J-Popのような音学は得意で、今風の複雑なアレンジで音が複雑に絡んでいても、混じらずに整理して楽曲の構造が見えやすく、低域のパワフルさがあり音楽にノリよく没入できます。
全体にポップ、ロック向けに上手くチューニングされているが、いろんなジャンルにもあうようにバランスよく設計されているところもあります。全体的なレベルも他社の高性能機と比較できるようなものを持っています。
きれいな繊細さと技巧的な複雑さ、それにダイナミックさを兼ね備えています。特にP-51とSXCケーブルとの組み合わせでは華やかで演出的なきらびやかさを堪能できます。
アンプはやはり低インピーダンス傾向のようなのでUE11と似てP-51、ALO SXCとiModがわたしは好みです。ただUE11ほどはアンプ依存がないので、DAP直でも楽しめると思います。

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きれいなシェル造形、指かけや3つの独立ポートなど日本製らしい芸の細かさもありますし、音の傾向もPrivateというプロではなくコンシューマー向けとしてよく考えられています。
ちなみにFit-Earのページは最近リニューアルされて、こちらのアドレスです。
http://fitear.jp/music/
須山さんのカスタムはまだ正式発売という形を取っていませんので、興味のある方はこちらから問い合わせください。
posted by ささき at 21:32 | TrackBack(0) | __→ 須山カスタム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ヘッドホン研究室」開催

秋にはまた恒例のヘッドホン祭りが開催されますが、今月末にハイエンド品にしぼって小さめのヘッドホンショウが開催されます。(今回は予約制です)



http://avic.livedoor.biz/archives/51263501.html

これはあの「ハイエンドヘッドホンショウ」を思い起こします。わたしもはじめから参加していましたが、当初はヘッドホンだけでオーディオショウをやるという前代未聞のことになかなか大変でした。
スピーカーと違って個別に聴いてもらうための時間やローテーション、順番、空き時間の処理、オーディオ機材とヘッドホンの組み合わせの研究、果てはポータブルアンプの上手な積み上げ方まで(笑)いろいろと大変でしたし、苦労も多かったと思います。
ぽん、といまのヘッドホン祭りを見ると華やかな感じがしますが、こうした試行錯誤をいろいろとやってきた集大成というわけです。

今年はEdition8やHD800など、いろいろとハイエンド機材がでましたし、また原点に戻っていろいろと試してみたいものです。
posted by ささき at 00:07 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月15日

I Come and Stand at Every Door - This Mortal Coil

4ADというレーベルはゴシック的世界観を持ったアーチストの集うところとなり、コクトーツインズやデッド・カン・ダンスのような後に影響を与える優れたアーチストを生み出しましたが、創設者のアイヴォ自身が作りあげたディスモータルコイルのためにあったとも言えます。
http://4ad.com/

This Mortal Coilは様々なポピュラーミュージックをアイヴォ流の世界をもってカバーしたユニットです。この点でサラブライトマンの記事で書いたフランクピーターソンにも影響を与えているように思います。
すばらしい曲をたくさん残していますが、今日はそのラストアルバムからこの曲を紹介します。
Youtubeでは次のリンクで聴くことが出来ます。左がThis Mortal Coilがカバーしたもので、右はバーズのオリジナルです。

 

オリジナルの曲のメロディーは伝承音楽から取ったもので、歌詞はトルコの詩人Nazim Hikmetの詩を英訳したものを使っています。それを訳して今回は記事に代えたいと思います。

"わたしはどの家の前にも立っています
でもわたしの声なき祈りはだれにも聞こえません
ノックをしても見てはもらえません
それはわたしが死んでいるから

わたしはそのときまだ七歳でした
ずいぶん前の広島でのことです
わたしはいまでも七歳です
死んだ子供は歳をとりませんから

わたしの髪は燃え盛る炎に焼けたただれました
まわりはぼやけてなにも見えなくなり
死が訪れ、わたしの骨は塵となりました
そして風に吹かれて消えました

わたしはご飯もパンもいりません
お菓子もフルーツもいりません
わたしのためにはなにもいりません
もう死んだのですから

わたしが望むのは平和だけ
あなたは立ち向かってください、今日から
この世界の子供たちが笑い、すこやかに育つために"


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2009年08月12日

JH-13と一週間

この一週間JH13を使ってみて、いまのお気に入りはSR71A/iMod/ALO Super Cottonという組み合わせです。

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このほかにもiHP140/D10(8397)/Sys-Conceptも使いましたが、こちらで聞いているとHead-FiでよくJH13とHD800が比較されるという気持ちがわかる気がしてきます。広がりのある音場という点のほかでも、音再現のリアルさ、正確さという点でちょっと似た感じを受けるところがあるからです。
その引き締まった音からはまったくゆるみを感じることはなく、上から下まできれいにそろったフラットで過多のないきれいな音再現です。余剰がないので線が細く軽さを感じるかもしれませんが、それはアンプでも大きく変わります。
音はクリアでよどみなく、見通しの良い透明感の高さを感じます。歪み感がなく楽器の再現はリアルで忠実です。これらの点では他社フラッグシップカスタムIEMの中でも白眉といえるでしょう。
以前「JH-13のひみつ」という記事を書きましたが、その中で書いたように帯域ごとのデュアルドライバーの効果、歪みを減らしてクリーンな音を再生する力がここではいかんなく出ているように思います。

反面でiHP/D10あたりではポップやロックではきつさを感じることもありますが、これはJH13のせいではなく、録音そのものがきついということでしょう。JH13はそれを忠実に再生しているわけです。

この点でSR71Aの組み合わせでは寛容性をみせてくれます。
ポップやロックでも心地よく鳴らしてくれ、同時に高い情報量の豊かさも両立させています。ジャズやクラシックでも楽器の音を滑らかに美しく鳴らしてくれ、ピアノの響きは感動的です。
SR71Aのやや強調された低域も、ぴったりと正確なJH13でもう少し低域がほしいというときにほどよく感じられます。
D10に関してはUE11のときに考えたオペアンプ構成なので、インピーダンスの異なるJH13ではまた考え直す余地はあるかもしれません。

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JH13はUE11やES3xと比べても個性の違いはあります。UE11は音楽的でES3Xはリアルでフラットと書きましたが、ES3XはJH13に比べるとより音楽的に思えてしまいます。
JH13の入手に先駆けてUE11とES3Xのクロスレビューを書いたのは、二者だと個性の対比が分かりやすく、三者のレビューにすると個性の書き分けがむずかしいと思ったからですけど、そういう意味ではJH13を待ってからそれらの位置付けというのを再考する必要があったかと、ちょっと思い直してしまいます。
posted by ささき at 22:14 | TrackBack(0) | __→ JH13, JH16 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月06日

G_2Systems HPA-1/u "極"

G_2Systemsの新しいヘッドホンアンプ、"極"です。
情報は下記のホームページを参照ください。
http://www.acousticfield.jp/product/hpa1u.html

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なんともフロントフェイスのペイントがすごいのですが、ステップアッテネーターを使っていたり、ヘッドホンプラグが4つあったり、ゲインが5ポジションあったりと変わった面構えです。
もともとはスタジオ用のモニタを母体にしているようです。プラグが4つあるのもモニタ用と思えます。

ゲインがたくさんありますが、-6からあるのは出力するヘッドホンのインピーダンスにあわせるのではなく、入力するソースのレベルの大小にあわせるという考えのようです。HD800など高いインピーダンスにあわせるにはもうひとつ高いゲインがあってもいいかもしれません。
実際入力も豊富です。ミニプラグやUSBまであります。ただミニプラグ端子はせっかくあるならば前面にあったほうが使いやすいと思います。
ボリュームはテストした機材ではステップアッテネーターでしたが、少しガリがあって使いにくい点もあるので、製品版では通常のボリュームになるかもしれません。

音調はニュートラルで色付けが少ない正確さを重視したものです。ただしドライというほどではなく、適度な硬質感ですね。
音はクリアでタイト、明瞭な音傾向です。帯域的にもバランスがよく、これもスタジオ用途を思わせます。音と音とのセパレーションがよく、特にソースにBenchmark DAC1系の透明感の高いDACを使うと性能がより引き立つかもしれません。

HD800のような高インピーダンスで明瞭感の高いヘッドホンにもあいますが、GRADOのような低インピーダンスの鳴りの良いタイプにも意外と良い感じです。スピード感のよさが寄与しているかもしれません。Edition7/9を試したいところですが、うちにはシングルエンドがないので残念ながら試せません。

フジヤさんのTwitterにあるように一週間ほど展示を行うそうですので、興味のある方は試聴してみてはいかがでしょうか。
posted by ささき at 23:11 | TrackBack(0) | ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

GRADOのイヤホン

GRADOからイヤホンが登場するようです。
Headfiに写真と情報が載っていますね。あとALOのページにも案内があります。
http://www.head-fi.org/forums/f115/new-grado-gr8-ear-earphones-437369/
http://www.head-fi.org/forums/f70/grado-new-gr8-iem-437640/
インピーダンス120オームと言うところが味噌ですが、アンプ必須となりそうです。Moving armatureというのは分かりませんが、シングルで高音質という点がライバルと異なるといっていますので、いわゆるバランスド・アーマチュアでしょうか、あるいは上が20kHzまで書いているのでそうではないかもしれません。ちょっと不明です。
ヴォーカルが良いということを強調していますね。おそらくシングルということで広帯域は捨ててもGRADO得意の中域に良さを求めるものではないでしょうか。
またiGiという低価格のものもあるようですが、こちらは写真や詳しいスペックはまだないようです。

*フジヤさんのブログに国内販売について触れてあります
http://avic.livedoor.biz/archives/51258967.html
posted by ささき at 00:48 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月05日

JH13 pro 到着

Jerry Harvey氏のJH-13 proが到着しました。
6/22に注文したものです。カラー指定はShell:Clear Black, Cable:Black, JH girl logo:Blackです。
フィットは悪くありませんが、シェルの作りはやや雑ですね。

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空間表現が印象的でバランスの取れた音です。
音の性格的にはどちらかというとES3Xに似ています。おそらく音のバランスとかインピーダンスの関係だと思います。
P-51よりもSR71Aとあわせたくなりますが、ES3Xのときは銅線系とあわせたかったのに、JH13では銀系と合わせたくなるのでおのずと似たようなものでも違いはあると思います。
まずはもう少し聞き込んでみないと。
posted by ささき at 00:05 | TrackBack(0) | __→ JH13, JH16 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月04日

UE11とES3X 、クロスレビュー

いままでES3XとUE11を何度も引き合いに出していましたが、きちんとしたレビューをしてなかったので、ここでクロスレビューということで両者を考えてみようと思います。
とはいえ端的にいって両方ともかなりレベルが高いカスタムイヤホンです。それに多少の優越をつけるということは難しいことです。
ですので結論をはじめに書いておくと「どちらもよいところがあるし、好みによる」となります。

これ以降はその結論以外のところが知りたいという方のために書いてみました。

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1. UE11とES3Xの違いを考える

この両者をぱっと聴くと性格的な違いがまず大きいということがわかります。
そこでまずはじめにお互いの違いを見極めてみようと、ES3X、UE11とも、D10(8397)+iHP140の組み合わせにつけて比べてみました。

それぞれ端的に言うと、
UE11は相対的に明るめで良い意味の軽さと空気感があり、精細感が高く豊かな低域を基調にしたスケール感豊かに鳴らします。
ES3Xはより立体的で明瞭感がありタイトでかつシャープです。動的なダイナミックさがあり、低域も十分にありますが支配的な低域の強さはありません。
まずこの違いがわかりやすい帯域バランスあたりから考えていくことにします。

1-1 帯域バランスの違いを考える

ES3Xはオリジナルのプロ向けES3に比べてもよりフラット化を目指したIEMであり、低域が支配的とよく指摘されるUE11とは対照的といえます。そのため、帯域的な意味でのバランス感覚はES3Xの方がよく感じられます。
UE11はTF10ほどではなくともES3Xに比べるとヴォーカルが埋もれがちです。またES3XはES3に比べれば中域はフラットとはいえ、UE11に比べると明確に浮き上がり、ES3X独特の滑舌の良さ、歯切れのよさとあいまってヴォーカルは力強く明瞭です。
しかし、低域が強いからUE11が悪いというのではありません。

1-2 低域の違いをもうすこし考える

低域はオーディオのかなめになります。
あるイベントでサブウーファーをつけはずししてバイオリンのソロを聞くという試聴をやっていました。バイオリンのソロにサブウーファーが必要とは普通思わないでしょう。しかし、実際にはバイオリンのソロであってもサブウーファーのつけはずしをすると音に違いが生じます。スーパーツィーターの逆みたいなものでしょうか。
UE11についてはスケール感の豊かさというところにサブウーファー的な強みがあるように思います。3Wayというよりもサブウーファーを備えた2+1構成と言う感じでしょうか。

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また量感のほかに重要なのは、低域の質があります。
よく言われるようにUE11の低域は豊かで支配的ですが、低域における解像力も高くコントラバスやウッドベースの音はかなり生々しく感じられます。またかなり低く沈むように感じられます。このことからUE11が単に量感だけではなく、質も充実した低域を持っていることが分かります。

UE11の低域で問題になるのはコントロールの甘さから来る緩さにあると思えます。これは量とかバランスではなくインピーダンスの低さから来ていると思います。
ES3Xの低域は量感に関してはこうした比較をするときはUE11に比較すると相対的に控えめのようにも感じられますが、ES3Xだけで聴いているときはそうした感じはなく、むしろたっぷりとした量感があります。支配的に過剰な感じではないというだけです。
ES3Xではタイトさもあって、低域のアタックがシャープでソリッドに感じます。ソリッドというのは低域にたっぷりの重みが乗っているからです。この辺はインピーダンス的なところも関係しているでしょう。

このようにUE11とES3Xの低域での鳴りの違いというのは、帯域バランスというよりもむしろインピーダンスの違いから来ている相違のように思います。

1-3 解像感の違いを考える

高性能機といった場合に、おそらく焦点は解像力という点に注目がくると思います。ただ、耳は測定器ではないのであくまでこれも感覚的なものです。

聴覚より見る世界のほうが分かりやすいと思うので、ここで少しカメラの話をさせてください。
カメラの世界などでも解像力という言葉はよく使われますが、その実はわりと主観的なものです。
たとえば「シャープさ」という言葉はよく使われますが、「シャープさ」を客観的に測定はできません。また測る単位もありません。
その代わり「コントラスト差」は測定できます。これはMTFという基準があり、ミリあたりの黒白の並び(コントラスト)が確認可能な本数で表され、顕微鏡などで計測します。
しかしMTF=シャープさではありません。MTFには高周波(ミリあたり30本とか40本)と低周波(10本とか20本)の数値があり、本来は高周波数の数値が良好なものが解像力が高いといえそうですが、人がシャープと感じる定評ある名レンズには実は低周波数での数値が優秀なものが多く存在します。実際人がシャープと感じるのはかなり複合的な理由があり、そのためよく解像力ではなく、解像感と書いています。ここではそれにならいます。

つまりシャープさ、と言うと客観的な差のようにも思えますが、実はかなり主観的な判断基準と言えます。
解像力とかシャープネスというのは一見専門用語に見えるけれども、実はあいまい、といういわゆるバズワードの一種であるのかもしれません。

話を戻すと、ES3XとUE11は両者とも解像感はかなり高いものがありますが、その表現はいささか違うものに思えます。これも感覚的な表現です。

UE11では細かく微細な音の粒子を感じさせ、緻密さ、繊細さ、線の細さといった言葉が思い浮かびます。
たとえば背の高い草の草原で、風が吹くとさわさわとさざめき、ざわめきが次第に高まるような情報量の豊かさがあるといえます。

ES3Xはソリッドでシャープ感を感じさせ、明瞭さ、鮮明さ、という言葉が思い浮かびます。ソリッドでシャープな感じです。
たとえば夜の街で、暗い背景から夜に光る細やかなネオンの文字がはっきりと明確に浮き上がってくるいう感じで小さな音が明確に見えてきます。

解像感がある、と一口に言っても言葉で表現すると意外と異なるものです。

1-4 音場の違いを考える

UE11とES3Xをぱっと聴いたときに違いを感じるもとは音場の表現かもしれません。またここは音場というよりも空間表現の違いと言ったほうがよいかもしれません。UE11は音場も広く、二次元的な横方向にはES3Xよりも広く感じられますが、ES3Xは独特の空間の開けた感覚があり、開放感があります。
これと後述する音色のリアルさをあわせてES3Xはかなり際立った表現力があります。


2 それぞれの適用を考える

個性の差という点に着目して、もう少し両者を比較して感覚的に聴いてみます。

ES3Xはタイトで切れ味よくシャープでリアルに聞こえます。UE11はやや全体によくも悪くも甘くやわらかく感じます。明るめで低域の量感とともにいろんな意味で豊かさというのを感じます。
ES3Xの方がスピード感があり、比較するとUE11はややゆったりと感じられます。全体にUE11は情報量とか低域の量感ではすばらしいのですが、ES3Xと比べると音が全体にあいまいな傾向があります。
ES3XはHiFiであり音楽がリアルに聴こえ、UE11はウォーム感があり音楽性がよく聴こえるとも思います。
ただしES3Xはドライで分析的というのではなく、ノリがよくスピードとインパクトがあり躍動的な意味で音楽性をよく引き出します。


比較というならば本来は同じ環境、機材につけてA/Bで比較というのが妥当かもしれません。前の章ではそうしてみました。
しかしはじめに書いたようにこのくらいのハイレベルのものを比べて、どちらが幾分か上かと考えるのはあまり意味がないように思われます。どちらが上かというよりは、どちらが感覚的にフィットするか、という点に着目した方がよいように思えます。
つまり自分がどういう風に音楽を聴きたいか、ということと、この機材がそれにどう役立つのか、ということです。もちろんその質問の解答欄にはいくつもの選択肢があるでしょう。

説明しやすい例はアンプの相性かもしれません。

2-1. ES3Xを考える

よくいま一番聞いているポータブルの組み合わせはなんですか、と聞かれることもあります。でも、それは一概には言えません。
ES3Xを買ってからしばらくはES3X+iHP140/D10で聴いていました。これはD10+iHP140のように高い次元の再現力のソースと組み合わせたときにES3Xがかもす音楽のリアルさ、という点にいままでにない魅力を感じていたからです。

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ある曲にバイノーラルかなにかで赤ん坊の鳴き声が効果音で入ってたんですが、これ電車の中で思わず振り向いてしまいました。
ちょっとそれに自分で苦笑して、たまたま比較用にUE11を持っていたときだったので同じところをかけてみたんですが、UE11では再現性は高いんですが、そうした本物らしいリアルさは感じませんでした。
このリアルさというところがひとつのES3Xの特筆すべき点のひとつです。単に高い再現性というよりもいろんな意味でのリアルさという感じです。

そしてES3Xのよいところは、リアルだからといって分析的とかドライとかそうしたことはなく、音楽の躍動感にも優れた再現力を発揮するというところです。
iHP140/D10でしばらくずっと聴いていて、ちょっとiPodベースの組み合わせも考えようとSR71Aと組み合わせたときにまたハッとさせられました。ES3Xの立体感や先鋭さといった性能的な長所がSR71Aの音楽性とマッチして生かしあうということで良好な音のマリアージュを楽しめます。ケーブルはわりと広く合うんですが、特に銅系のケーブルが良いように思います。

もちろんSR71Aの高性能さとあいまってかなりハイレベルの音質ではありますが、音の精密さではやはりiHP/D10のシステムに一歩譲るかもしれません。しかしトータルではSR71A+ES3Xをを好む人も多いでしょう。わたしもこの組み合わせはすばらしいと思います。

またES3XのHiFiな音傾向を生かしたいときはiQubeもよい感じです。こういうときは旧世代iPodのウルフソンDACより、iPhoneや新世代iPodのシーラスDACの音調がよりマッチするように思えます。ケーブルはiPhone用のQables Silver Cab proがよく合います。
iQubeとES3Xの組み合わせは高度なHIFiな高い再現性とダイナミックな音楽性が調和した良さを感じます。

いずれにせよES3Xはかなりいろいろなアンプに、やわらかめからシャープさの追求まで、いろいろな方向で合わせられると思います。
ES3Xはプロ用だけではなく、コンシューマーも視野に入れて設計されたといいますが、かなりバランスよく考えられて設計されているといえます。

2-2 UE11を考える

一方でUE11ですが、これはまたES3Xとは別の側面を見せます。

UE11といま一番お気に入りの組み合わせというとRSA P-51です。これはRSAアンプとしてはP51はややウォーム感が押さえ気味なので、UE11のウォーム感と重なりすきない程度に、かといってドライにならないように、UE11の持ち味を生かしつつ程よいレベルにシステムを持っていけると思います。
これとALO Cryo SXCの組み合わせはUE11のポテンシャルを最大に高め、演出系と性能系をうまくミックスしたような音に向いているように思えます。そうするとUE11の持ち味のウォーム感を生かしつつ高性能を引き出して、全体を高い次元に持っていけるように音楽性と高い再現性を高次元で両立させています。
こうなるとUE11の豊かな低域は全体的な音の下支えになり、マイナス要因ではなくなります。しかし、これを引き出すにはアンプにもそれなりのものが要求されます。

過去の気に入っていた組み合わせというとMOVEがありましたが、P-51とはハイカレント・低ノイズフロアという共通点があります。
UE11がハイカレント・低ノイズフロアのアンプと合うというのは、UE11はインピーダンスの低さがハイカレントを要求し、非常に高い能率が低ノイズフロアを要求しているからです。
ES3Xの場合はやはり能率は高いのですが、全体にアンプ依存性は低く、あわせやすいというわけです。

たとえば低域において、実際はUE11の方が低域の解像力など上回っているのに、やはりインピーダンスの異常な低さというところでUE11は低域に緩さを感じてしまい損をしているように思います。
UE11は若干要求が多くわがままで個性が強いので、高いレベルの音にはなるにしろ、アンプにもそれを引き出す能力が求められます。

反面でES3Xはいろいろなアンプと音楽性にふったりHiFi系にふったりといろいろな相性で楽しめる、素直さというか素性の良さがあり、システムのベースとして捕らえやすいところがあります。


3. 結論を考える

端的にまとめるとUE11は音の繊細さ、緻密さ、明るさ、低域の豊かさとスケール感で荘厳な音世界を表現するのに適していると思います。
またES3Xは音のリアルさ、メリハリが利いてエッジがきりっと立った明瞭さ、ダイナミックさ、タイトで締まった音楽表現から生っぽい白熱した演奏などに向いています。ヴォーカルのよさもそれに寄与します。

つまりは「どちらもよいところがあるし、好みによる」と、なります。

そして結局のところどちらも捨てられない人は、両方買う、ということになります。わたしみたいに。
そして、また個性の異なるIEMをも探すわけです。この結論の解答用紙の選択欄はたくさんあるわけですから。
posted by ささき at 00:56 | TrackBack(0) | ○ カスタムIEM全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月03日

Jabenの新製品

最近評価品がいろいろと届いていますが、今回はJabenの新製品です。価格は参考ですので、購入するときはJabenのWilsonさんに問い合わせをお願いします。

Govibe Derringer

derringer2.jpg     derringer1.jpg

単四一個で駆動します。予想よりも音はずっと良い感じです。写真にあるLとストレートのケーブルがついて来ます。右の写真のイヤホンプラグの先は下のHR1です。US$68。


CrossRoads HR1

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Yuin PK1に似たコンセプトの高性能イヤホンで、木の箱に入ってきます。150オームのインピーダンスのためアンプ必須です。音もPK1に似たかなりかっちりした高音質です。US$150。ちなみに低インピーダンスのHR2もあるようです。
また、DerringerとのペアでUS$195というパッケージでも販売するそうです。

HR1は単体でAMP3にも良い組み合わせですね。こんなコンパクトな組み合わせからこんな音が出るとは。
posted by ささき at 22:58 | TrackBack(0) | __→ Jaben GoVibe | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月02日

秋のヘッドホン祭り開催決定!

春も大盛況でしたが、秋のヘッドホン祭りも日時決定したとのこと。
http://avic.livedoor.biz/archives/51255522.html
伝え聴こえるところによると秋もなかなかすごいことがいろいろありそうです。
わたしもいろいろと準備していますが、また秋も楽しみなところです!
posted by ささき at 23:03 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月01日

草津の旅

最近福島に写真撮りにいく宿として飯坂温泉を利用しだしてから、自分の温泉観というのが変わってきてます。本物の温泉に出あった、という感じですね。

火山国の日本は1000-1500mも掘ればたいていどこでも温泉が出てくるんだそうですが、よい温泉と言うとやはり限られます。
そこで日本の温泉のリファレンスというべき草津温泉に入湯して見たくなり、休みを利用して草津温泉へと旅行へといってきました。

ちなみに往きは電車、かえりは高速バスを使いました。電車でもいけるのは途中までで、最後の30分ほどはバスに乗り替えです。東京からは3-4時間ほどです。高速バスだと新宿から直行で3時間40分ほど、早割りだと片道2500円で行けます。

草津は1100mほどの高原にあり、曇ってたせいもありますが東京に比べるとかなり夏は快適です。
草津の湯の特徴はPH2.0と強酸性の源泉です。資料館には太い五寸釘が湯につけておくと9日ですっかり針金のようになる様が展示されています。これを見るとこれに入って良いのかと思いますね。


まあ理由をつけてもただの温泉旅行だろうと言われるとまさにそうなんですが(笑)、草津という土地柄であらかじめ調べてちょっとテーマを決めて見ました。
写真はすべてiPhone 3GSです。

 共同浴場

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草津には飯坂同様に温泉の町らしく、町の人たちのために共同浴場があり、無料です。

その数はさすが18箇所もありますが、その中で瑠璃の湯と千代の湯に入りました。千代の湯は特に後で書きます。
中は脱衣所だけで、観光客は貴重品は持っていかないほうが良いでしょう。湯船もいいところ2-3人入れるかというところです。
湯温はやはりかなり熱めで、飯坂の鯖湖湯と同じくらいです。おそらく45度前後でしょう。入れないわけではないですが、はじめてだと少しきついでしょう。ちなみに普通の浴場では42度くらいで熱湯になります。
ただやっぱり良いですね。疲れが抜ける感覚とともに、特に草津の湯は独特の手足先がぴりぴりとする感覚と、温浴感が素晴らしく、湯冷めしないというだけでなく遠赤外線のオーブンに入ったように体の中から温まります。温浴感はかなり続きますが、湯上りの疲れも大きいように思います。

もちろん大きな施設の整った有料の外湯もあるのですが、こういうところに地の魅力がでるように思います。とはいえ、無料というのは町内会の人たちが維持しているわけです。地元の人とか宿の人に聞いたところ、観光客が入ってもかまわないということですが、観光客は特にマナーには配慮する必要があります。
その町が本物の温泉の町かどうかはこうした共同浴場の文化でわかるような気がしますね。



 時間湯

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温泉と言うと「極楽、極楽」といいながらノンビリつかるものというイ
メージもありますが、もうちょっと別の入湯のしかたもあります。
草津は恋の病以外はなんでも治すと歌われた名湯ですが、実際に湯治でも有名です。この時間湯は草津独特の湯治のための入湯法です。これは湯治を行う入湯者がグループになって湯長というリーダーの号令の下で整然と決まった時間入湯するというものです。
今では地蔵の湯と千代の湯の二箇所で行われていますが、地蔵の湯の方は本当に湯治目的の人専用なので、観光客は千代の湯で体験できます。詳細はこちらの「時間湯」のページをご覧ください。
http://jikanyu.net/

草津は湯もみ踊りという長いヘラのような板を湯に差し込んでかき回すのが有名ですが、これは熱い湯を冷ますためです。湯畑の前にあるのは観光用で薄く軽いもののようですが、時間湯ではきちんとした板を使って自分でかき回します。
これやってみるとけっこう難しくてボートのオール漕ぎみたいです。
また、ひとりで慣れて自分のペースでやっていると、となりの人との協調が乱れてやはり湯長さんに怒られます。
均一にならないからでしょうね。これもオール漕ぎと同じでチームワークが必要です。湯治って期間が長くかかるので、仲間同士の連帯が必要とのことです。

これも熱い湯で、入ってみると普通より深い浴槽に体を沈めてじっとしてます。一回は3分だけなんですが、入っていると足先がぴりぴりとしてきます。3分過ぎてあがるともうサウナのように汗が出てきます。

わたしがはいった観光用の千代の湯でも45度前後の熱湯ですが、湯治ではもっと熱い湯を使うということです。湯治と言うと気楽な感じもするけれども、実際はきびしい世界ということですね。


 草津の町俯瞰

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これが源泉の湯畑というところで、夜のライトアップで撮ってみました。木の板は自然冷却させるための導路のようです。

共同浴場以外では施設の整った外湯がいくつかあります。
大滝の湯というところでは「合わせ湯」という、温度の違う浴槽を順に入るというこれも草津独特の入湯方だそうですが、これは残念ながら時間の都合で試せませんでした。

湯畑が観光地としての中心ですが、そのほかでは「西の川原」という場所があり、巨大な露天風呂があります。

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「西の川原」はもちろん「サイのカワラ」をもじったものですが、いってみるとよく言ったものだと思います。温泉が川になっていて、この世ではないような蒸気と荒れた河原が広がっています。

この端にある露天風呂はまさに巨大で大きなプールくらいあります。
これだけあると湯口と出水口のあたりの温度差が大きいのが面白いですね。露天風呂といっても草津だけあってしっかりした湯です。
はじめぬるいかと思っていても入っていると体の中から熱くなってくるのが不思議です。


 草津の食

草津の食というのを書きたいところですが、さすがここはあまり書くことがありません。ただ温泉饅頭がたくさんしのぎを削っていて、西の河原に行く途中で試食を盛んに進めてくるところがちょっと面白いところです。


 草津湯の花事情

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さて、おみやげに湯の花を買って帰ろうかと思ったら、聞いて見ると今は湯の花は町のきびしい管理下にあって、年に4回しか配給がないとのこと。これは例の「入浴剤騒動」があったときに草津の湯の花にも飛び火して、品質が良くなかったので町がきちんと管理するようにしたとのこと。その代わりに液体のボトルに詰めたものを売っています。
草津の湯の花というとこの通りで人気があってネットでも高値になるとのことです。


草津の滞在もあっという間でしたが、なかなか良いところでした。
今度は天気のいい時に行って、ぜひ白根山の方も写真撮りにでも寄りたいものです。疲れたときの湯はまた格別ですから(^^
posted by ささき at 22:00 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする