Music TO GO!

2009年02月24日

GRADO PS1000続報

下記のHeadfiスレッドにzanthさんのQ&Aコーナーという形でフォローアップの情報がアップされています。

http://www.head-fi.org/forums/f4/ps1000-q-zanth-410927/

GS1000のクリアさとRS1とPS1を混ぜたような音調とGS1000の音場の広さを持ったPS-1、というのが音の印象ということですのでなんとなくそれから推測すると、
性格的にはPS1/RS1系の音で、性能的には音場の広さとかクリアさをブラッシュアップされているという感じになるのでしょうか。

GS1000には名前から推してもJoe叔父に対する思いもあったのかもしれませんが、ある意味JohnさんもやはりStatementと名づけた以上はGS1000の音に自信を持っていたんだと思います。ただ予想以上にJohnさん自身が手がけたRS1系の音がGRADOサウンドというコンセンサスを持っているのに驚いたのかもしれません。


フジヤさんのブログでもアップされましたので、国内発売も期待できます。
http://avic.livedoor.biz/archives/51168314.html

時期的にはわかりませんが、、
posted by ささき at 21:58 | TrackBack(0) | ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月23日

GRADOから新フラッグシップ登場!

なんとGRADOからGS-1000のさらに上級となるフラッグシップ機が登場しました!
GRADOのページはこちらです。
http://www.gradolabs.com/frameset_main.htm
今日はHeadFiはこの話題で持ちきりですね。
http://www.head-fi.org/forums/f4/confirmed-grado-ps1000-coming-410581/
これは外見から見ると総金属のようですが、外側が金属で内側は木製の二重構造になっているようです。つまり木の要素も金属の要素も含み、ドライバーも新型でケーブルも新しく、とにかくもうRS1、PS1、HP1000の要素をすべて含め、さらにGS1000を超えるというなかなかに期待させられます。

ZanthさんのコメントによるとGRADO得意の中域はGS1000のようにやや遠目ではなく、RS1/PS1のようにより近く強調されたものになっているということで、GS1000のときにはRS1派がやはり今ひとつ感をこぼしていたのに見事に答えているようです。
高域はきつくなく、かつ滑らかで延びているということでここもGS1000の欠点を改良しています。低域はあまり強すぎず、全体にパワフルでガッツがあると称されるGRADOサウンドはそのまま生きているようです。

うーむ、見なきゃよかった、読まなきゃ良かった(笑)というコメントですが、価格はなんと、$1700!
価格についてはDrewさんのとこにまとめられています。
http://www.head-fi.org/forums/f85/new-grado-headphone-improvements-new-phone-410840/#post5451095
またGRADO謹製の木製BOXに入ってくるようです。アメリカでは3月から発売とされていますが、ここはよく分かりません。

ちなみにGS1000のGSとはGrado Statementの略でStatementとはリファレンスとかフラッグシップのような意味合いだと思うんですが、さらにその上ということですね。

他のモデルもiがついてGS-1000iなどのようにimprove(改良)されています。GS1000はマホガニーの材質や木製ハウジングの製作工程が改良されているようで、さらにドライバーやケーブルも改良されているようです。RS1iなんかも同様です。


なんとHD800、Edition8についでこの怒涛の超高性能機ラッシュ!
期せずして春のヘッドホンショウは意外と盛りだくさんかも?!
posted by ささき at 23:35 | TrackBack(0) | ○ ホームオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月21日

AVフェスタ09

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本日はパシフィコ横浜で開催されているAVフェスタ09に行ってきました。
本来はゆっくり家から出るところですが、今日はちょっと早く出ました。それは今回行う特別セミナーのAuraのミニコンサートの整理券をもらうためです。
http://www.aura-official.com/
Auraはクラシックの楽曲に本来はない歌詞をつけて歌うアカペラのグループです。今回のコンサートもPAやマイクを一切使わない生の声のみです。セミナーではまずオーディオでAuraのCDをChordとDynaudioで聴きながら評論家の解説を聴き、その後でコンサートを行うというものです。(コンサート中は撮影禁止のため写真はありません)

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コンサートは本当に素晴らしいものでしたが、気がつくのは本来は小さな人の声を唱法や5人の声を複雑に重ね合わせることでとても豊かに音楽を構成しているということです。
オーディオでの再生もそうした演奏家の表現を聞き手に伝える必要はあるのではないかと思います。思うのはそうしたことで実際大きな要素になるのはセッティングとかオーディオ機器もさることながら、録音とかマスタリング、ひいては制作側がどうCDを作ってマーケッティングしたいかということで大きく左右されてしまうということです。
ただしそこはわれわれが関与できないところではありますが、、

さて、展示としては最近の事情もあるのか参加企業も少なく、ぱっとした新製品もあまりなかったようにも思います。今回はあちこちのセミナーなどを渡り歩くのがよいかもしれません。
下記に主催者の今日のレポートがあります。
http://www.avfesta.com/avf09/gaiyo/report21.html


ちょっと面白いと思ったのはデジタルドメインのデスクトップサイズのアンプです。これは連結してブリッジにもできるところがみそです。ただし入力はアンバランスのみです。基本的にパワーアンプですがボリュームはついています。2-3kgくらいということです。
中身はB1aとは関係がなく新設計ということです。SITタイプはあとで考えているとのこと、ただし高くなるそうです。

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それと第一通信工業というところでSPDIFケーブル間にかませるジッター低減装置を50000円ほどでだしていました。iTransportでデモをしています。高精度クロックを搭載していてリクロックを行うようです。試聴できますがたしかに効果はありそうです。
またここではバランスのヘッドホンアンプも出しています。

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テイクテイではとうとうヘッドホンとスーパーツィーターを合わせ業で、ヘッドホンを聞きながらスーパーツィーターを聞くというデモを行っていました。耳以外で感じてくださいということです。
と、言われても(笑)
信じるか信じないかはあなたしだいです。

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そのうちヘッドホン祭にも頭にかぶせて音質を改善するインシュレーターとか、音が良くなる耳かきとかあやしいグッズが出てくるかもしれません。まあそれはそれでネタになるからいいけど(笑)
posted by ささき at 22:20 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月20日

Sys Conceptのケーブル

D10にあわせてSys-Conceptのケーブルを新調しました。これはプラグ間距離を2.8cmで作成してもらっています。
わたしのは以前に一度カラーシェルのないタイプを作成したのをむこうが覚えていてくれたので、今回は区別がつくように白いヒートシュリンクを使ってくれました。
これはなかなかD10にはよくあいます。

sysconcept1.jpg       sysconcept2.jpg

IEMはいまお気に入りのES3Xです。
さすがにES3Xのレベルになるとケーブルの違いもよくわかります。
90アングルアダプターを介するのに対して、こうして直接つなぐと情報量や抜けのよさで違いが現れます。
posted by ささき at 20:09 | TrackBack(0) | __→ iBasso D10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月19日

春のヘッドホンショウ開催

春きたりなば、ヘッドホンショウ遠からじ。
今年もまた春のヘッドホンショウがやってきます。

http://avic.livedoor.biz/archives/51165706.html

さて、今年はどうなるか !

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posted by ささき at 23:24 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月18日

春と梅の日

普通あまり梅はコンパクトカメラだけで撮りませんが、画角感覚を鍛えるためには単焦点一本勝負というのはいいものです。また、ここで使っているSigma DP1はコンパクトデジカメでありながら、きちんとした絞りや露出モードがあるので、一眼レフと28mmの単焦点レンズを持つ感覚で撮ることができます。(普通コンパクトデジタルカメラは開放とF8の入れ替え式だけです)

28mmで花を撮るということ自体、工夫を要しますがそうした工夫をすること自体写真のおもしろさとは言えます。
DP1はコンパクトとは言えセンサーがでかいので、たとえばこうして寄って撮り、背景をぼかすということもDP1だとできます。幹や花の質感表現もさすがにDP1です。

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Sigma DP1

こうした構図は一眼レフを持っていると望遠で切り取りで撮りたくなりますが、広角で撮るのと望遠で撮るのとは同じような構図でも違いがあります。それは被写体と背景との遠近感です。
広角では遠近感が強調されるので、遠近感が圧縮される望遠とは反対に画面内のものは適度な遠近感を保ったまま写ります。こうしたことを覚えると風景ではなく、人物を撮るときなどに足を長く撮るということにも応用ができます。

また望遠レンズは遠いところのものを撮るというよりも、遠近感を圧縮して撮るもの、広角は広いところを撮るというよりも遠近感を誇張するためのもの、という考えでいれば街角スナップ写真など特に遠景や広大なところを撮るときでなくても工夫をすることができます。
そうしていくとまた写真というものの面白さも感じられてくるのではないかと思います。
posted by ささき at 23:31 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月16日

Westone ES3X到着 !

Westoneの新型カスタムイヤホンのフラッグシップ機、3Way・3ドライバーのES3Xを注文していましたが、本日(2/15)届きました。
前の記事はこちらです。このときにインプレッションを送って、いま届きました。現在はだいたいインプレッション(耳型)の到着後に5-9日で作業をしているそうです。わたしは直接Westoneに頼みました。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/6097847-1.html

出荷通知がなく突然来たので驚いてしまいましたが、むこうにインプレッションが届いたとの連絡はきちんとありました。Westoneのカスタムは質問の回答やこうした連絡がかなりきちんとしていると思います。
UEのカスタマーサポートもフレンドリーで悪くはなかったですが、Westoneはビジネスライクで的確です。こうした几帳面さは日本人にあっていそうです。
ES3Xの価格は$850とやや高価ですが、なにぶん昨年FreQで懲りたので今回は安心感を取りました。これはよかったように思えます。
ブランドの与える安心感は一夜にして築かれるものではなく、ブランドを守るためのたゆまぬ努力により育まれる、と高名なワイン評論家の遠峰一青氏も言っています。

それはともかく、インプレッションは再度須山補聴器さんにお願いしました。もう耳型も6個目になります。フィットは今回もまさにぴったり、とてもいい感じでした。口の動かし方も板についてきたかも(笑)

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左の写真はiBasso D10とiHP140、右の写真では左側がUE11です。かなりケーブルは痛んできてますね。
ES3Xのシェルは2ピースになっていて、メインのシェルはアクリルのハードで、イヤチューブ(透明部分)はソフトの体温感知素材です。

音の印象はとりあえず簡単に。
しかしUE11を聴いてさえ、かなり驚きました。まずES3Xはスケール感が素晴らしいと感じます。単に音場が広い、立体的というだけではなく、開放的な空間感覚が新鮮です。フルオーケストラはまさに圧巻です。ここはUE11の独壇場だと思っていたんですが、、
また、細かい音の抽出が独特で、漆黒の背景から細かい楽器の音が沸きあがってくるさまは聴いたことがない感覚です。やはりインピーダンスは高めですが、これも良い要因のひとつでしょう。
全体にとても透明感があり、シャープでタイトでソリッドです。クラシックにしろジャズにしろ、アコースティックな音はとにかくリアルで、ロックはインパクトがあります。
これはHeadFiでも書いたんですが、"UE11 meets ER-4S"というのがぱっと思いついたフレーズです。

音の広がり・開放感とか、SNの高さ・クリアさはIEMでは新鮮な感覚です。しかし、これ、なんだかUE11が普通のイヤホンみたいに聞こえるんですけど(笑)
ある意味ちょっと複雑な気持ちが..
とはいえ低域は量感だけではないUE11の良さを改めて感じるし、音傾向も違うので、またあとでもう少し書いてみます。
posted by ささき at 00:19 | TrackBack(0) | __→ Westone ES3X カスタム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

ALO/RWAの新アンプ、"Amphora"

少し前に触れましたが、VinnieさんとKenさんのコラボで製作していた新型アンプがそろそろ発表されるようで、Vinnieさんの書いたスペックが少し載っていました。写真やさらに詳しいことはきちんとしたウエブサイトを作成するようです。
http://www.head-fi.org/forums/5414470-post22.html

ベースはVinnieさんが製作しているIsabellaというプリアンプの真空管を除いたものということです。回路はかなり共通ということで、バッテリー駆動です。ただしバッテリーはSLAではなくリチウムイオンとなるようです。

ちょっと注目すべきはVCap相当のiModドックがビルドイン可能ということです。アンプ側にコンデンサーを持っているのでiModはそのまま接続が可能になるようです。またアダプターで普通のiPodも使えるようです。
ターゲットはLISAIIIと聴いていたんですが、ポケットには入らないけれどもポータブルではある、というところですね。またLISAIIIとは異なりミニ入力もあります。
ALOで販売して価格はまだ未定ですが、$1000以下を想定しているということです。

ちなみに"Amphora"を辞書で引くと、古代のワインなどを入れる両側に取っての付いたボトルのことをいうようですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Amphora
Amphoraは来週のHeadFi meet、CanFest 2009でデビューするということです。


あとコラボというとこちらはToddさんとMillett Hybridで知られるPete Millettさんのコラボの新型デスクトップヘッドホンアンプです。
http://www.head-fi.org/forums/f36/ttvj-fet-amp-now-shipping-407750/
これは前段がJFETで後段がMOSパワートランジスターという構成で完全にディスクリートのようです。なめらか系のJFETとあったか系のMOSというといかにも石で球の音を出すという意図が汲み取れますが、実際にそうした音を狙っているようです。

5月にはLAでHeadFiの全国大会もありますが、新製品もにぎやかになってきましたね。
posted by ささき at 08:17 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

小田原の流鏑馬と梅

さて、流鏑馬のシーズンがまたやってきました。ということでまた恒例の小田原の流鏑馬にやってきました。小田原の梅祭りの一環で行われます。

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EOS-1Ds MkII, EF70-200/2.8L IS

まずは今シーズンの腕ならしということで、いつもの写真を撮ることを考えてスピードに慣れることにしました。

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EOS-1Ds MkII, EF24-105/4L IS

今回も女性の射手が二人出ていました。下の右の女性は昨年の映画「隠し砦の三悪人」のリメイク版で長澤まさみの馬上の代役を務めたそうです。

9399.jpg     9468.jpg
EOS-1Ds MkII, EF70-200/2.8L IS

ここは生産梅林なのですがすこしは撮ってきました。梅もそろそろ良い感じですね。もう春めいてきました。

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EOS-1Ds MkII, EF70-200/2.8L IS
posted by ささき at 21:35 | TrackBack(0) | ○ 日記・雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月10日

iBasso D10とはじめの二週間、またはオペアンプ交換日記

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0. D10といま (1)

D10が届いてからしばらく経ちますが、いま毎日電車で聴いているのはiHP140/D10にUE11と光ケーブルはSys-conceptというシステムです。
毎日聴いているのはバーンインしなければいけないからではなく、このシステムの音がすばらしいからです。UE11と組み合わせた音の情報量の多さや音の正確さ緻密さはやはりiPodベースを上回るこれならではの世界があります。
しかし道は平坦ではありませんでした。。


1. D10とはじめの数日

iBasso D10の一番の長所というとなんといってもDAC/Amp一体型としては劇的に小さくなったサイズです。
前面の面積もコンパクトで電源はボリュームを回すことでオンになります。
背面はSPDIF同軸(RCA)とTOS光(角)、USBの端子があります。USBはチャージャーも兼ねていてトグルをON側に倒すとチャージとなります。

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下記はSR71AとHeadroomのPortable2007と比較した写真です。特にHeadroomとの比較は圧巻です。

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前のD1と比べても一回り以上小さく、HeadroomのPortable2007と比べるとほとんど半分以下というかもう1/3くらいです。


ただし小さくなったのはいいんですが、D10ではD1と比べて下記の二点少し気になる変更がありました。
まずバッテリーは充電式ですが、ずいぶん小さく4.2Vと電圧が低めで容量も小さいことです。これは容積とのトレードオフで仕方がないかもしれませんが、オペアンプを低電圧で駆動せねばならず、大量に電流を流すというわけにもいかないかもしれません。実際に巨大に見えるHeadroomのPortable2007は多くが電池の容積です。
またデジタル信号のレシーバーの部分はD1と同じチップが使われていますが、DACチップはD1のシーラスロジックCS4398からウルフソンWM8740に変わっています。
WM8740はPICOやiBasso D3またONKYOのサウンドカード200PCIに使われているDACチップです。D1のときのCS4398は数十万クラスの国産CDPにも使われていたチップですので、やや気になる点ではありました。

こうした懸念点が予断になっていたかもしれませんし、期待感が高かったということもあったかもしれません。いずれにせよD10の初めの印象はかなりいいものではありませんでした。
しばらくデフォルトのオペアンプとバッファで聞きましたが、正直言ってこの時点ではかなり失望していました。
ニュートラルで色付けが少なく、低音もそれなりに出ているのはいいんですが、全体に切れが甘くもさっとした音で、とてもDAC/Amp一体型とはいえないという感じです。ある意味スムーズなところはありますが、独立したDAC付なのにiMod+P51やXM5と比べてもいまひとつという感じでした。とくにHD25/V3などヘッドホンとあわせたときに駆動し切れていないという感じが強く感じます。
バーンインの問題はあるかもしれませんが、RSAアンプなんかはたいてい箱から出してすぐにそれなりのいい音を出します。

ただしUE11で聴いてみるとノイズフロアも低くて、わりといい感じです。そこでIEM用途に絞ってもう少し付き合ってみることにしました。
まあワインでも栓を開けてすぐおいしくないからといって、それを単純に否定することはできませんからね。


2. D10と次の二週間、またはオペアンプ交換日記

iHP140から聴いても、iModで聴いてもやはり傾向は同じなので、アンプ部分がまず問題だろうとあたりをつけました。

ということで、今回はわたしにしてはめずらしくオペアンプ放浪の旅になります。
わたしとしてはサミュエルズさんアンプのように自分としての音をはっきりと持っていて、ユーザーにオペアンプ交換を許さないというほうが好きではあります。
XM5にしてもオペアンプ交換が手軽にできるけど、やはりデフォルトの134の方がXM5のキャラクターにあっているように思います。ただXM5の場合は8397にするとまた別な良さはありますので、ありだとは思います。

D10はオペアンプ交換キットとして8656が二個、6642が二個、ダミーバッファ(バイパス)が二個ついてきます。8656は前段用だとデュアルなので一個ですみますが、後段(バッファ)として使うときのために二個入れているとのこと。みなソケット式なのでハンダは不要です。これなら電子ブロックのヘッドホンアンプ版みたいなもので楽しめます。

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ただ基本ができていて好みで選ぶXM5と違ってD10の場合はまず基本があまり満足できていない状態なので、少し方針が必要かもしれません。
そこで、まず非力という印象が強いのでバッファを交換するところからやりました。
デフォルトバッファの8532では軽めで低域のレスポンスはいいんだけれどもコントロールができてないという感じが強いと思いました。
そこでバッファを6642に交換すると、少し力感が出てコントロールも良くなったという感じがします。ベースレスポンスがやや抑えめになりますが、バランスとしては悪くはありません。


一方でDACのバーンインが出来てくるとたしかに精細な表現が出来て来るというのは分かってきます。USBで聴くとDACの性格がよく分かりますが、だんだん繊細な良さが出てくる感じです。たしかにこの線が細く繊細だが薄く軽めの感じはPCI200に似ているかもしれません。特にエージングはDACの方で効いているように思えます。
だんだんと良さは分かってきたのですが、いまひとつアンプ側がその繊細さに対応できてなく、音をうまく解きほぐしていないように感じました。そこで今度は前段のオペアンプを変えてみることにしました。
前段用としてはAD8656がついてくるのですが、以前Xinのmini3をいじっていたときにAD8397が低電圧でも良好に動作するというのを覚えていたので、mini3からそのままソケット付きの8397を外してつけました。
8397は十分な電流出力があるので後段のバッファはバイパスのダミーアダプタをつけようかと思いましたが、XM5でもバッファそのままで良好だったので、とりあえずそのままでつけてみました。

結果はかなり良好で、この時点でD10が化けたという感じでした。
8397のアクティブな表現ともあいまって、デフォルトのオペアンプに比べるとD10もやっとやる気が出てきたという感じがします。
おとなしさは消えて音に力が出てきて音像の輪郭もきりっとして、明瞭です。独立したDACを使っているという気持ち良さがわかる音の響きを感じます。デフォルトのオペアンプだとDACが精細な音を出していてもそれがはっきりと明確に見えてこないという不満があったんですが、それが解消される気がします。またデフォルトでは上品な音楽以外はあわないと思いましたが、8397だとロックでもいいという感じですね。
ヘッドホンでもやや良さを取り戻してESW10はわりとよく鳴るようになります。ただしHD25+V3ではPortable2007に比べるとまだ物足りないという感じはします。
8397にすると音の個性もやや変わるので好みというのはあると思うけれども、もとのままではDAC付きのパッケージという良さを感じにくいという気がします。このよさが出ないとiModベースのほうが手軽でよいことになります。


ここで8397を固定してバッファを少し変えてみます。デフォルトバッファの8532に戻して8397+8532x2で聴いてみると好みではあるかもしれないけれども、アタック感のようなもので8397との相性がありわたしとしては6642の方がよいと思いました。
また、8397にダミーバッファだとパワフルさはあるけれども繊細さが少しないという感じです。
そこでバッファも6642に固定しました。

次にこの状態で8397と8656を変えてみます。
8656だとバランスが取れていて広がりがあり、量感、ダイナミックさはよい感じです。ただし細かい表現でほぐれていないと感じるところがあります。
8397だと音の迫力よりは鮮明で細かいニュアンスをよく伝えているという感じで、音の輪郭がきりっとしています。
8656だと普通によいという感じですが、8397だとまさにDAC/Amp、iPodベースとは違うという醍醐味を味わえます。
この点でD10には8397の方をとることにしました。

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というわけで、最終的にD10は8397+6642x2という構成に落ち着きました。
アンプ自体の性能もiPodから入力を取って聴いてもなかなかよいように思います。また8397が適度な湿り気を加えてくれて、デフォルトのやや無機的な傾向を緩和して音楽的に楽しく聞きやすくしてくれています。D10ははじめ少し薄味の傾向はあったけど8397のおかげかあまり気にならなくなったという感じです。

3. D10といま (2)

いまでは完全に単体DAC組み込みの強みが発揮されている感がします。ちょっと手放せないですね。
キーはオペアンプの選択とエージングだったと思います。特にDACはそうかもしれません。

音の形はより精緻で整っていますので、ソースの品質の差を明確にします。UE11のような音の顕微鏡的なイヤホンで聴くと、かなり緻密で高精細という高性能DACを使うメリットが享受できます。D10はノイズフロアも低く、UE11と合わせたときの明瞭感も及第点です。
また、ひとつ気がつくのは音の正確さという点です。いままでタイトさとか膨らまずにコントロールすると言うことではアンプに重きを置いていましたが、DACでもかなり違いが出るということがこのようなポータブルシステムでもよく分かります。ベースギターやパーカッション類の制動や歯切れもよく、高精度で緻密な音楽を楽しむというDAC付きのメリットを感じます。音に対するDACの強みというのを考えさせられるところです。
また音の鮮度・明瞭感も高く、余分なケーブルを通らないDACとアンプが一体であるメリットも感じられます。

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いまではPortable2007にはまだ及ばないけれども、かなり肉薄した感があります。
まだ力足らずには思えるのでHD25/V3だとさすがに差はありますが、IEMだとあまり差を感じないくらいには来ています。ただバッテリーの電圧供給の問題があるのでハイインピーダンスに弱いのは残るのではないかと思います。
前のiBasso D1と比べると差はかなり大きく、特にシステムのコンパクトさとあいまってIEMを使うシステムとしてはかなり強力です。

しかしD10ほどてこずったポータブルアンプはあまりなかったかもしれません。はじめのころはiModシステムと比べるのが怖かったくらいだけれども、いまでは録音の良いソースほどiPodシステムとの差はかなり顕著に出ます。
はじめのころは不燃物の日に出すか小物金属の日に出すか迷っていましたが、いまでは他のオペアンプ用にもう一個買おうかとも迷っているくらいです。

iBasso D10は中国という大陸的テロワールのせいか、アンプが開いていくのに少し時間がかかるタイプと言えるかもしれません。しかし熟成させればオペアンプの品種によっては芳醇な味わいを引き出し、UE11とも互いのよさを引き出して素晴らしいマリアージュを楽しむことが出来ます。
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2009年02月08日

Hello Troll - ヘルゲ・リエン・トリオと高品質配信

もう少し良質のハイサンプリングソースを紹介します。
まずはノルウエーのジャズミュージシャン、HELGE LIEN TRIOの"Hello Troll"です。

ヘルゲ・リエン・トリオというと前作の"To the little radio"が某ヘッドホン筋の人のあいだで盛り上がったのを覚えていますが、これはその最新作です。
アルバム自体はリリースされたのは昨年のことですが、最近LINNレコードからスタジオマスタークオリティでハイサンプリングの高音質ソースとしてダウンロードができるようになりました。

リンクはこちらです。
http://www.linnrecords.com:80/recording-hello-troll.aspx

もちろんヘルゲ・リエンはLINNレコードのミュージシャンではありませんが、所属するレーベルからライセンスを受けて販売するということです。
LINNレコードというと良質ですが、さすがにそうラインナップは多くはありません。そこでこうしていろいろなレーベルのミュージシャンが、高音質ダウンロードで経験あるLINNからダウンロードできるようになるというのは注目すべきことだと思います。
またLINNレコードではさらに96kHzを超える192kHzの超ハイサンプリングデータもダウンロードできるようになりました。下記リンクです。
Magnetism -Ben Heit Quartet

ヘルゲリエントリオはノルウエーのミュージシャンですが、オーディオベーシック誌に載っていましたようにノルウエーの2Lというレーベルでもハイサンプリングデータのダウンロードができるようになりました。
下記のリンクですが、こちらは無料でテスト配信をしているようなので、高品質データに興味ある人はお試しください。(ただしユーザー名とパスワードの入力が必要になりますので、中の注意書きをお読みください)
http://www.2l.no/hires/index.html
これ、なんと352kHz/24bitやDSD方式のフォーマットまであります。352kHzだと一曲で1GBというのもなかなか壮絶です。CDには一曲さえも入らないということですから。。

こうしてだんだんと高品質の配信の可能性が広がっていくのはなかなかおもしろいことです。
posted by ささき at 23:38 | TrackBack(0) | __→ ハイリゾリューション音源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月07日

ワオンレコードの高品質音源サンプラー

以前もLINNレコードのスタジオマスター(96/24 FLAC)をダウンロードしたりしましたが、ハイサンプリング・ハイダイナミックレンジの高品質ソースにも興味をもっています。
Minimaさんのところの記事で知ったのですが、ワオンレコードというところでデジタルオーディオ用のハイサンプリングソースをDVDで販売しているということで、さっそく注文しました。
ページはこちらです。 
http://www.waonrecords.jp/sampler.html
初回は品切れでしたが、二回目の増刷版がいま届きました。週末にあわせて速達で送ってくれるという親切なところも良いですね。

これはワオンレコードさんの古楽を中心としたアルバムを96Khz/24bit(一部は176.2Khz/24bit)のCDを超えるハイサンプリング・ハイダイナミックレンジの品質のデータをDVDで販売してくれるものです。
DVDにはWAVで収録されています。

わたしはPC上でSamplitudeで再生し、DAL CardDeluxe->NuForce Icon->JohnBlue JB3というシステムで聴いてみました。
(再生はWinAmpなどでも可能です)

音をだすと部屋が美しく鮮烈な音に包まれます。とにかく音がたくさんあふれるように出てくるという感覚で、ペダルなどを踏む音自体も生々しくリアルに聞こえます。
比較のためにSamplitudeでディザ処理をして44/16にダウンサンプリングしたものと比べてみると、たしかに44/16にするとこれがいつものCDの音という感じがします。
比べると96/24の音はより空間に深みがあり、より透明で響きがより豊かで芳醇です。音と音の間からさらに音が出てくるという感じで、細かい音の粉雪に包み込まれます。

録音は古楽がメインでビオラ・ダ・ガンバやバロックチェロなど古楽器が多く使われています。古楽器はいまの楽器よりもより倍音豊かで美しく艶やかな音色を奏でます。平均律以前の楽器なので純粋に美しい音の響きのみを追求したものといえます。
そうした古楽器の奏でる豊かな音色をこのハイサンプリング・ソースはあますところなく伝えているといえると思います。

もちろん録音もとても優秀です。
下の左側は波形エディターで見た「バロックな対話」の曲の一部分です。この曲はソプラノとカウンターテナーの二人によって歌われますが、真ん中のピークになっているところは二人の歌がユニゾンになるところです。このように音の強弱の幅に大きな余地があるので、ユニゾンでコーラスを太く迫力を増すという手法が効果的に聞き取れます。これがダイナミックレンジを効果的に使っている録音だと思います。
ちなみに右はポップスやロックで使われる一般的なコンプレッサーを使った録音です。強弱の差がまったくないので平板的になります。これはラジカセやミニコンポのような機器で迫力を出すためですが、こうなるともはやオーディオ側で原音忠実という言葉を弄してもあまり意味がありません。

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収録曲の内容もとてもすばらしく、サンプラーとはいえとても美しく演奏も楽しめます。
古楽が主ですが、日本の作家の現代曲やO'Carolanのようにアイルランドの作曲家の作品もあります。オキャロランはうちのブログでも何回か書いていますが、いつも現代風にアレンジされたアイリッシュものばかり聴いているので、こうして当時の同時代的な演奏で聞くとかえって新鮮です。
個人的には上畑氏の曲やグリーンスリーブスの変奏曲なんかがとても気にいっています。

なかなかすばらしいサンプラーだと思います。もっといいシステムでも聴いてみたいものですね。
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2009年02月05日

JohnBlue JB3 、小型スピーカーの探究2009

小型スピーカーの探究ふたたび

PCシステム用のスピーカーとしてはAudioengine 2で十分に満足していたのですが、これもやはりCardDeluxeの導入で音を突き詰めてもう少し行けるんではないかと感じ始めました。Audioengine 2はアクティブスピーカーとしてはかなりよく出来ているんですが、いかんせんアンプ一体型のアクティブスピーカーではやはり限界があります。
そこで高性能のNuForce Iconをアンプとして、パッシブスピーカーを探してみることにしました。小型スピーカーの探究2009と題しましたが、候補は2008年のラインナップを中心にしています。

Iconと組み合わせる小型のスピーカーというとS-1がすぐに思い浮かびますが、もう少し性能的に上を狙いたかったのでとりあえずS-1は置いておくことにしました。また思ったよりもS-1が大きかったので、このサイズを許容するならばもっと選択肢があるのではないかと思ったこともあります。B&WのM-1も当初考えたんですが、バナナがつかないという問題があります。あとは定番のEntry-Siなんかもありますが、こうしたあたりはスタンダードではあるけれどもそれゆえに少し食傷気味ではあります。

ひとつの候補としてはわたしは47研究所の4722とか、パストラルシンフォニーのCZ302ESのような大村氏ユニットが好きなので、大村氏自身が設立したAMMラボの新型ユニットを採用したAMM-105に興味があります。これは音がまだ未知数であるということ、また価格がやや高いのでこのクラスだと試聴してから買いたいものです。
このクラスだとPCスピーカーとしてはオーバースペックですが、今回のスピーカー選びについてはPCスピーカーの単なる代替というよりも、CardDeluxeの項で書いたようにサブシステム的なものを組みたいという気もあるので、このくらいのクラスのものも選択肢としては残しておきたいと思ってます。
これについてはまた別に検討ですね。

そうするとわたしとしてはやはり海外に目が向きます。しかしスピーカーを輸入するときの問題点は輸送費です。
スピーカーはけっこうかさばって重いので、価格が安くても送料が高くついてしまいます。前から気になっているのはいくつかあるんですが、小さくても重いので少し困っていました。

JohnBlue JB3

jb3a.jpg

そこで目を付けたのがこのJohnBlue JB3です。
これは台湾のメーカー製です。Nuforceも広い意味では台湾系ともいえるので、台湾製オーディオもなかなかレベルが高いものがあります。
型番の3は3番目のモデルではなく3インチ(約7.6cm)のユニットであることを意味します。JB3はこの名の通りに3インチのシングル一発を使ったフルレンジの小型スピーカーです。他には4インチのやや大きいJB4や8インチのフロア型、JB8もあります。4インチだと約10cmで、このくらいがふつうは小型フルレンジの代表的なものでもあるので、それよりも小型ということはかなりコンパクトなモデルといえます。
JB3はペアで$350と価格も安く、大きさもAudioengine2よりやや大きいくらいで、重量もさほどではないのであまり送料もかかりません。
デザインした人はけっこう有名な人らしく、技術コンサルタントにはリッツ線の発明者などもいるそうです。
前モデルであるJB4は真空管向けに作ったそうですが、JB3ははじめからコンピューターに使われることを想定して音がきつめにならないようにしたとのことです。

メーカーホームページはこちらです。
http://www.johnblue-audio.com/

もちろん価格が安く小型なだけではありません。
かなり音質的な評価が高く、特に6moonsで年間アワードを受けるほど性能に対する評価は高いといえます。6moonsは王道のStreophileとはまた違ったマニアックな視点で選ぶので、ちょっと興味を得ました。

6moonsのレビュー
http://www.6moons.com/audioreviews/johnblue/jb3.html

購入はAudioengine2と同様にALOのKenさんのところから買いました。もともとKenさんのリストから選んだわけではなくて、JB3を選んでからGoogleで検索して通販先を探したんですが、そこでALOでも扱っているのを見つけました。さすがけっこう注目されるものはチェックしてますね。
色はピアノ仕上げの黒でなかなか精悍で価格よりも高く見えます。他には赤と白もあります。

jb3c.jpg

Audioengineよりやや大きいけれども、重さはかえって軽く感じるくらいです。いずれにせよデスクトップスピーカーとかPCスピーカーといっても違和感ないくらいの大きさには収まっているという感じです。また、Audioengineと違ってサランネットがついてきます。
しかしAudioengine2が小型ながらツィーターとウーファーに分かれた2Wayだったのに対して、シングルユニットのJB3は一見ダウングレードにも見えてしまいます。はたしてそうでしょうか。

JB3とフルレンジ

jb3b.jpg

JB3はシングルのフルレンジユニットですが、写真からわかるように少し変わった二枚羽のコーン(内側は黒)とジェットエンジンのようなセンターキャップに目が惹かれます。二枚羽のコーンは一見して同軸ユニットにも見えますが、同軸2wayではなくWhizzerコーンというものです。これは別個のドライバーを持つのではなく、小さなコーンがメインのコーンと同じマグネットに直接ついているものです。利点としては高域再生に有効と言われています。日本ではダブルコーンやサブコーンと呼ばれていますが、DIY用のユニットなどでは特に珍しいものではありません。また新しいものでもなく60年代くらいのビンテージスピーカー時代からすでにある確立された技術です。センターコーンがジェットエンジンのノーズコーンのようなものは位相変化を抑えるためということです。
またコーン紙自体もかなり軽量なものを使用しているようです。

フルレンジというと上下のレンジがせまく、性能的にはいまひとつと考えられがちです。
しかしその一方で複数のユニットがないので位相差による悪影響がなく、点音源的なので理想的なピンポイントの定位が得やすいという特徴があります。またクロスオーバーもないので電気的にもシンプルで余分な抵抗要素がありません。
フルレンジの問題点は技術的なものよりも「フルレンジ=シングルユニット=廉価品」という商業的なイメージがあるせいだとおもいます。フルレンジのもつ定位のよさとか、クロスオーバーという付加物がないことの利点を積極的に生かす姿勢があればよいデザインを得ることができると思います。そしてJB3はそのよい例になっています。


JB3の音

システムの接続はCardDeluxeのアナログアウトからKimberのHEROでNuForce IconのRCAに接続します。Iconからは付属のCAT5ケーブルでつなぎバナナプラグをJB3の端子に接続します。いうまでもありませんがJB3はシングルポストです。JB3は耳から数十センチの位置に置きます。

実際に音出しをしてちょっと驚きます。
まずこれ音の立体感がただものではありません。audioengine2もかなり音像がピンポイントですけど、JB3に比べると奥行きに欠けています。JB3はかなり三次元的に前後の奥行きを感じます。空間のこの場所から音が聞こえるのが指差せるように思えます。
ニアフィールドで聞くとかなり気持ち悪く、まったくサラウンドの仕組みがないのにサラウンドみたいに聞こえるという不気味さを感じます(笑)。
当然Iconの性能もあると思うけれどもちょっと驚きます。以前47研究所の4722の改造モデルを聞いたときもさすがにシングルのフルレンジと思ったけれども、これも安い価格でよく、と思いますがかえって低価格ゆえのシンプルさでまじめに作ればこういうものが作れるのかもしれません。

次に気がつくのは小さい音がよく聞こえるということで、システムとしての明瞭度が高くSN感が高いと感じます。小さな音が漆黒の背景から少しずつ浮き上がってくるさまがリアルです。このように弱音と強音のレンジの差がとても明確で、音楽のダイナミズムを感じさせます。
小さい音でも音痩せもなく、夜間でもBGMでよく働いてくれるでしょう。
またここまで聞いてきた範囲においては高い方も低い方もかなりよく伸びてレンジの狭さというのはあまり感じられません。特に低音はかなり出るのには驚きますね。
実際に20hzとか25hzの音を出しても、もちろんレベルは下がりますがそれなりに聞こえるのに驚きます。

またJB3は厚みがある豊かな音でオーディオ的な鳴りを楽しめます。Audioengine2はJB3に比べると少しモニター的ですが、もともとAudioengine2は前に書いたようにスタジオモニターをベースにしているのでそれは意図したことです。
Iconをまったくデジタルと感じさせずに良い面だけ引き出している感じがして、音色も美しく感じられます。
Icon+JB3だとまぎれもないオーディオシステムという感じがしますね。


JB3とNuForce Icon

ここでこのシステムの要にもなっているIconの話が少し必要かもしれません。
JB3はスピーカーとしては能率は87dBと現代スピーカーとしては標準的ですが、インピーダンスが6Ωとあわせてややアンプを選ぶタイプといえるでしょう。小さいから鳴らしやすいということはないので、小さくても鳴らしきるためにはやはりきちんとした駆動力が必要です。駆動力というとやや抽象的ですが、アンプの力は出力だけではないのでやはり抽象的な表現になってしまいます。

一般にアンプの低域のコントロールをはかる目安は出力インピーダンスですが、Dクラスアンプの場合はもうひとつ考慮点があります。
通常Dクラスアンプでは増幅後にローパスフィルターを入れてからスピーカー出力につなげる必要があります。これは通常Dクラスアンプで使われるノコギリ波によるPWM変換にともなう高周波の副作用をとるため(ローパスというのはハイをカットするということです)ですが、ローパスフィルターがここにあるとスピーカーの逆起電力などでローパスフィルターの効率が影響をうけてしまうという難点があるそうです。
Nuforceのスイッチングアンプは特許を売り物にしていますが、その特許請求項の利点としてそもそもPWM変換するときにノコギリ波を使わないのでこのローパスフィルター自体も不要になるということです。そのため、Nuforceのスイッチングアンプは特にインピーダンス変動の大きい低域で強みを発揮するというのが隠れた特徴です。IconもNuForce特許の利点を享受しているということなのでやはり同じように低域方向で特に強みを発揮するでしょう。

ちなみにIconの強化電源はかなり効果的です。音がよりびしっと締まり、気持ち悪い立体感がよりいっそう気持ち悪くなります(笑)
これこそニアフィールドリスニングの醍醐味と言えるでしょう。ニアフィールドならではの世界がここにはあります。
posted by ささき at 21:41 | TrackBack(0) | __→ Audioengine 2, JB3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月03日

プロ用サウンドカード DAL CardDeluxe

いまちょっとこっているのはPCベースでオーディオのサブシステムを作るということです。メインのオーディオにPCトラポとして組みこむというのではなく、PCを中心としたサブシステムとして別に組むということです。
最近XM5の委託レビューとかCES関連その他いろいろで書くことが多かったので書く暇がありませんでしたが、話は少し前にCardDeluxeを導入したときにさかのぼります。

PCのシステムとしては前に書いたAudioengine2とONKYOのPCI200Ltdという組み合わせでなかなか良いので満足していました。ヘッドホンで聴くときはステレオのシステムからケーブルを延ばせるのでまじめに聞くときは、GS-XやSTAXで聴きますし、ネットのサンプルを聴くときとかPCから取ることが必要な時はPCと組み合わせやすいのでiHA-1 v2などを使っていました。
そんな感じである程度はPCで音楽を聴くということは完結していました。

とはいえスタジオ用の高性能カードというものにも興味は持っていたので、少し前にDAL CardDeluxeをAES/光TOS出力カード付きで入手しました。
CardDeluxeはいまさらここに書くまでもないくらいくらい、ハイエンドというかプロ用のサウンドカードでは名の知られたものです。いまでは他にも優秀なカードやオーディオインターフェースはあると思いますが、10年近く前からまだ第一線というのはたしかな品質を感じます。PCの周辺機器ですがAudioengine2と同じくStreophileにもレビューがあります。
CardDeluxeはもともとDTM用途のものなので、わたしのように再生専用に使うにはいささか機能をもてあましますし、PCI200Ltdのシステムでも悪いとは思っていなかったのですが、やはり今以上の音、というところにひかれたわけです。

1. CardDeluxeとアンバランス(RCA)接続

インストール自体は最新のドライバーを取ってくるということのほかには普通のPCIカードと同じです。実際ONKYOのPCI200Ltdは銅のシールドがかっこよかったので写真を撮りましたが、CardDeluxeはただのボードなので特に写真は撮ってません。(こんなに記事が長いのに写真なしはめずらしいかも)

ただ注意する点は基本的にDTM/プロスタジオ用途のカードなのでコンシューマー環境で使うには多少使用に考慮が必要であるという点です。

まずアナログ接続について、プロ用途のものなのでアナログ出力はバランスのみです。それはケーブルを長くひきまわすときにバランスだとノイズの影響を受けにくいということによるようです。これはうちで書いているバランスヘッドホンアンプがブリッジ構成の利点を享受するというのとはちょっと違いますが、もともとはバランス接続の利点はこうしたスタジオ環境で使われることを前提にしているわけです。またカード内部がどうかはわかりませんが、バランスであればPC内部のノイズの影響もうけにくいとおもいます。

ここで注意したいのはカードのバランス出力プラグがオーディオでよくつかわれるXLR(キャノン)ではなくTRSフォーン端子(ヘッドホンの標準端子のようなもの)を使用しているところです。そのためRCAのアンバランス出力が必要なものについてはTRSフォーンとのアダプタが必要です。
またオーディオ用のバランスケーブルを使いたいときはフォーンとXLRのアダプタがやはり必要です。TRSフォーン出力から機器のXLR入力に直接接続するようなケーブルはおもにスタジオ機器のプロショップなどで扱っているようです。

また、CardDeluxeではアンバランスで使うときはボード上のジャンパーをデフォルトの+4dBから-10dBのコンシューマーモードに切り替える必要があります。
この辺はGenelecの6020Aのようにスタジオモニターでもアンバランス入力を持っているのは同じだと思います。

次にデジタル接続についての注意点です。CardDeluxeは単体では同軸のアンバランス・デジタルアウト(SPDIF)を持っていますが、拡張ボードを使うことでAES/EBUのバランスデジタルアウトと光デジタルアウトを使うことができます。このボードはPCIスロットに差すわけではなく、端子はCardDeluxeのボード上にあるコネクタから取りますが、PCに据え付けて出力の口を出すためにPCIスロットをひとつ消費します。
接続はPC環境だと電気的なノイズの影響を受けない光デジタルがよいように思えたので、TOS経由でSAECの手持ちの光ケーブルOpt-M1を使用しました。この辺はまたあらたな旅の始まりになりましたが、それはまた別の話です。

2. CardDeluxeの音質

かなり人気のあるボードなので期待していたのですが、確かに性能の向上は期待以上のものがあり、PCでこんな音が出せるのかという感じです。「こんな音が出せるのか」、という意味は単に音がきれいというのではなく、高精度できっちりした音という意味です。ぱっと聴いて綺麗に聞こえるONKYO PCI200Ltdと違い、ニュートラル基調なので一見地味ですがオーディオ的な性能の向上はあらゆる点でひとクラスかふたクラスは上です。
出力にはアナログとデジタルがありますが、傾向は同じです。デジタルはもちろんDACで違いますが、その前にトランスポートで音がいかに違うかというのを考えさせられます。

まずアナログ(アンバランス)の音をAudioengine A2やiHA-1 v2のRCA入力、その他のヘッドホンアンプでKimberのHeroをつないで聴いてみます。
構成はDELL(WinXP) -> CardDeluxe -> フォーン/RCAアダプタ -> Kimber hero(RCA) -> Audioengine2となります。
再生ソフトはAppleロスレスを使う関係でSongbird(またはWinamp+ALACプラグイン)を使います。

音の印象はさきに少しふれたように、全体にプロ機らしくニュートラル基調でかっちりして精緻な音です。
またかなり制動が利いた音で、全体に力強く引き締まっています。低域はベースがより引き締まって力強い音を感じさせます。ヴォーカルも質感が高くリアルで、情報量が多く厚みもあるのでとても力強く思えます。シャープで研ぎ澄まされ、形が整って芯がしっかりした音で、クロックの効いた高精度な音のように思います。
ポイントは力強く芯が明確という点で以前のONKYO PCI200Ltdと比べると、たしかにPCI200Ltdは全体にきれいに聞こえます。線が細いのは単体で聴くと繊細で美しいという感じですが、CardDeluxeと比べると弱々しく薄い音と感じてしまいます。とはいえCardDeluxeがドライとか無機的なのではなく、CarDeluxeはダイナミックさもあり音楽的にもよく聞こえます。性能的な面で見てみると、CardDeluxeの方がストレートでニュートラル基調、上下のレンジも広くより情報量があり、さきに書いたように高精度ということを思わせます。

オーディオ機器としてはPCI200LtdとCardDeluxeは格の違いがあるという感じで、全体的にPCI200Ltdに比べると音の質はひとつかふたレベル以上は上だと思います。音がしっかりしていて、クロックなんかもきちんとした感じで音が綺麗と言うよりも音の形が上質できれいという感じです。Stereophileにも載っていますが、数百ドルクラスのDACとしてみてもかなり良いと思います。ただし無機的ではありませんが、やはりプロ用機器なので感覚的な好みというのは出てくると思います。
PCI200Ltdは音を綺麗に聞かせようというやや演出した良さはあると思います。基本的な質も高いのですが、そこが価格以上によく思わせている点だと思います。価格を考えるとPCI200Ltdはアナログアウトに関しては検討していると思います。

しかしCardDeluxeで驚いたのはどちらかというとデジタルアウトの品質です。
アナログの方はONKYO PCI200Ltdでもまあいいじゃないと思わせるところがありますが、デジタルアウトの品質、つまりトランスポートとしての性能は比べるまでもなくCard Delexe+AES/TOS拡張カードの圧勝です。
デジタルアウトはAES/光拡張ボードの光TOS端子からSAECのOpc-M1光ケーブルでiHA-1につなぎます。ヘッドホンアンプはアナログとデジタルが比較できますし、デジタル入力も豊富なのでiHA-1 v2を光接続で使います。
それまでiHA-1ではUSB->iHA-1、PCI200Ltd->光->SAEC->iHA-1のいずれもさほどいいとは思わなかったんですが、CardDeluxe->拡張ボード->光->SAEC->iHA-1だとiHA-1がまるで見違えるようによく鳴るようになります。iHA-1は便利だけれども音的にはそれほど好きというわけではありませんでしたが、CardDeluxeに変えるとまったく見違えるようになりオーディオとして豊かに力強く高精度で鳴るようになります。もちろん音の性格が変わるわけではありませんが、あえて言うならばまるで別人という感じです。対するとPCI200ltdのデジタルはかなり薄くて軽いという印象です。音自体もかなりあいまいです。
もともとiHA-1も味系ではなくともニュートラルな良さというのがあると思いますが、CardDeluxeの高精度でニュートラルなデジタルアウトと組み合わされることでそれが十二分に引き出され、逆にPCI200Ltdのあいまいなデジタルアウトだと輪をかけてさえない感じになるという感じでしょうか。

環境やケーブル・アンプは同じでカードを変えただけなんですが、まさにiTransportに引き続いてトランスポートがいかに重要かを思い知らされました。そしてここがまた新たな旅の始まりとなったわけです。

3. PCベースのサブシステムへ

DACで音が変わるのは感覚的にも良く分かりますが、単にデジタル出力をするトランスポートでもこんなに音が変わるというのは驚きです。しかもCardDeluxeはPCカードとしては高価とは言え、一般のオーディオ機器として考えるとかなり安価です。このくらい音のレベルが高いのならメインのオーディオシステムのトランスポートに使いたいという気持ちはよく分かります。
実際にONKYOのPCI200Ltdでもそれなりに良い音で満足していましたし、完結したものと思ってました。たまたまCardDeluxeを入手しなければこのままだったかもしれません。しかし、CardDeluxeを入れたことで、かえってもっと上を見たいという気がしてきたという感じですね。

ただしさきに書いたようにうちのPCのメインの目的は写真の画像処理なので、もしそうしたPCトランスポートのようなものを作るならば別な静音システムをひとつ組みたいところです。なにしろいまのパソコン(DELL XPS)を選ぶ時に選んだ基準が電源が一番大きくてファンも一番でかいものということで選んだくらいですし、次もそうするでしょう。
それはそれとして、いまのPCをベースにしたシステムの向上も考え出してきました。つまりPCで作業をしながらリスニングをする上でのメインとは別なサブシステムです。

うちではメインのオーディオといえるものはLINNの90年代モデル一式とDynaudioの25周年スピーカーです。こちらは自分としてはそれなりに音の統一性をもって取り組んできたのですが、そうするとその方向とは別な性格のものをいれにくくもなってしまいます。そこでサブシステムを1からくんで、少しまた傾向の異なったシステムをいろいろまた試すというわけです。ある意味、この環境でないと実現できないようなシステムも試せます。
最近のPCベースのデジタルシステム・ハイサンプリングデータを試してみるにも好適ですし、ニアフィールドリスニングならではの試行もできます。

なんだか自分にむけて稟議書を書いている気がしてきました(笑)
ということで、スピーカー関係、ヘッドホン関係、再生ソフト、その他もろもろのところでまた見直しをしているというわけです。
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2009年02月01日

2009年のスーパーボウルと1984年

さて、明日(米国時間の今日)はいよいよスーパーボウルの開催日です。
今年のスーパーボウルはカージナルスとスティーラーズというほとんど考えてなかった組み合わせでした。シーズンもわりと混戦で、タイタンズのように途中まで全勝チームはありましたがどこが飛び抜けてと言うわけでもなかったように思いますのでまあ妥当とはいえるかもしれません。

カージナルスは初めてのスーパーボウル出場ですが、名門スティーラーズは過去何回も出ているといっても、その多くはQBブラッドショーの時代のものです。かたやカージナルスのQBワーナーは何回かラムズ時代にスーパーボウルに出ていますので、その差は大きくないかもしれません。そうするとカージナルスの強みのパスオフェンスと伝統的に守備に強いスティーラーズの対決というのは意外と面白いのかもしれませんね。
とはいえ、シーズン中盤くらいで言われてたようにニューヨーク対決とかいうような華やかなものになったら起きて見てようと思ってたんですが、明日はまあ寝ると思う(笑)


しかし今年はちょっと書いておきたいことがあります。
今年はMacがデビューしてから25周年記念の年になります。四半世紀という言葉があるように、25年というのはむこうの人にとっては大きな意味があります。
Macがデビューしたのは1984年、1月24日の大学での発表会ですが、一般の人々にMacというものの存在を強くアピールしたはじまりは25年前のスーパーボウルです。その中でこのCMが流されました。



ブレードランナーの世界を思わせるこの作品はリドリースコットにより監督されたもので、このCMはおそらくすべてのCMの中でももっとも有名なものの一つでしょう。実際にスーパーボウル中で流されたのはたった一回ですが、その後に何回もTVでは放映されました。当時支配的だったIBM PCを皮肉ったこのCMは見ていた人々に新時代の到来を強くアピールしました。だれにでも(rest of us)使えるコンピューターの時代がくるということです。

ちなみにこのCMにはMac自体の姿は出てきませんが、これは1984年のスーパーボウルは上記の発表会の2日前の1月22日に行われたからです。つまりは最後のところで"1/24にMacintoshという何かが出てきて時代を変える"というメッセージはいまでいうところのティザー広告みたいなものですね。
ちなみに発表会の様子はこちらで見られます。



ジョブズ若い!そしてフロッピーをふところから取り出すような演出も、発表会の熱狂的な雰囲気もまったくいまと変わりません。
わたしもPlusから使ってましたのでMacのこの形はなつかしいんですが、わたしもアメリオ時代に見切りを付けてしまいました。
とはいえこの記事もドラフトはiPodで音楽を聴きながらiPhoneで書いたんですが、Newtonのところでも書いたようにAppleの遺伝子というのはまた別のところにあるとも思います。

アメリカではこんなに景気が悪いのにAppleはどこ吹く風で好調ではあります。しかしどうもジョブズの体調は思わしくないようですが、上記の発表会のような「現実歪曲空間」の魔法をかけられるリーダーがいなくなるとどうなっていくのかというのはちょっと心配でもあります。
posted by ささき at 21:30 | TrackBack(0) | __→ iPod, iPhone, iPad | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする