Music TO GO!

2018年04月17日

UM MAVERICK IIカスタム レビュー

UM MAVERICK IIカスタムはUMのIEMの中でも代表的なモデルの最新カスタムバージョンです。
まずこのシェルの美しさに惹かれますが、音質もまた改善されています。

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*MAVERICKのおさらい

まず簡単にもともとのオリジナルのMAVERICKのまとめをしておきます。
MAVERICK(マーベリック)はカスタムIEMで知られるユニークメロディ(UM)が開発したユニバーサルIEMとして登場してきました。UMの取ったアプローチは国ごとの代理店と共同開発でその国の事情に「カスタム化」した音決めや開発をするということです。日本からはミックスウェーブの宮永さんがUMに赴いて開発に参加しました。普通代理店はメーカーに意見を言うくらいの影響力のように思いますが、このUMのユニバーサルIEM開発においては代理店とメーカーの共同開発と言ってよいほどかなり深く関与しているのが特徴です。

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初代MAVERICKユニバーサル

MAVERICKはダイナミックとBAのハイブリッドで5ドライバー。ネットワークは4Wayです。高域がBAx2、中音域がBAx1、そして特徴的なのは低音域にBAとダイナミックを両方配置しているということです。
ハイブリッド構成では繊細なBAが中高域、迫力のダイナミックが低域という分担が一般的で、同じUMでも以前のCIEMであるMerlinはそうなっています。MAVERICKもはじめの予定ではMerlinのようにダイナミック一発で低域を担当する予定だったそうですが、開発していくうちに20〜40Hz辺りのバスドラムのアタック感が関係してくる箇所がダイナミック一発では再現出来ず、結果的にBAでその部分を補ったということです。
これが音質的に低音域の質を向上させる大きな特徴となり、「独自路線を歩む人」のような意味である"MAVERICK"という名前の由来ともなっています。

*MAVERICKカスタムへの進化

MAVERICKをユニバーサルからカスタムに再設計するにおいては、ドライバーをそのままにしてチューニングを徹底して行うという方針を立てたということです。
なぜかというと、当初ユニバーサルIEMであったMAVERICKをカスタムIEM化するうえでは、まずユニバーサルモデルをそのままカスタム化するという手法も試してみたということですが、全くといっていいほど意図していない音になったということです。

チューニングでは具体的にいうと、MAVERICKカスタムではカスタムシェルにした状態での位相調整、低域の量感調整、4ウェイのスピード調整等を行ったということです。これは主にフィルター、レジスタ(クロスオーバー)、チューブの長さの3点をMAVERICK・カスタム向けに調整したということです。ドライバーユニットユニバーサルとカスタムでは変更していません。
チューニングの方向としては元々宮永氏がドラムなど楽器をやっていたこともあり、楽器の音(特にドラムなどリズム隊)を中心にチューニングしたということです。

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左が初代MAVERICKカスタム

またチューニングのさいにポイントになったのはカスタムとユニバーサルの根本的な違いであるダイナミックレンジだそうです。カスタムでは遮音性が高いために静音がより聞こえる、つまり大きな音と小さな音の差のダイナミックレンジが大きくなるわけです。
MAVERICK・ユニバーサルの時も楽器メインでチューニングを行っていますが、MAVERICK・カスタムとでは使えるダイナミックレンジが異なるため、その点はカスタムモデルが有利になります。これがカスタム化の大きなメリットであり、それを生かしたということですね。

*MAVERICK IIへの進化

低域における大型ダイナミックとBAのハイブリッド構成は変わりませんが、ポート(ベント穴)がMAVISのように二つになっています。またドライバーも初代からはダイナミックドライバーと中高域用のBAドライバーが変更されています。これによりクロスオーバーの最適化、音導管にプラチナ塗装の金属チューブを採用しています。

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左がMAVERICK IIユニバーサル

MAVERICK IIでは全体の音調とか個性は初代と似ていますが、全体に音がより明瞭になり解像力が上がったように思えます。低域もMAVERICK特有のパンチの強さがよりはっきりと感じられます。
良録音のジャズヴォーカルでは初代よりも鮮明にヴォーカルが聞こえベールを1枚取ったように感じられます。初代カスタムと比べた場合でもMAVERICK IIのほうがより明瞭感が高くクリアでよりパンチが鋭い感じで、メリハリがより濃く感じられます。特に一枚ベールを取ったような鮮明さはやはりMAVERICK IIの特徴です。女性ヴォーカルもMAVERICK IIのほうがより聴き取りやすいと思います。

MAVERICK IIでは兄弟としてのMAVERICK+も存在しています。ただし名前が示すような上下関係ではなく、ドライバー違いの兄弟のようなものということです。

*MAVERICK IIカスタムへの進化

そしてMAVERICK IIのカスタムモデルとしてMAVERICK IIカスタムが登場しました。

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このデザインはマクベス2とも似てUMが最近取り扱いを始めたファイバーシェルというタイプです。MASON IIカスタムもシェルが美しいIEMでしたが、MAVERICK II カスタムも負けません。

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紫のIEMはMASON IIカスタム

MAVERICK IIカスタムも宮永氏のチューニングでMACBETH II Classicと同じころに実施したということです。MAVERICK IIカスタムについても初代MAVERICKユニバーサルとカスタムの関係のようにドライバーは同じでチューニングをし直しているそうです。チューニングでは評判のよかったMAVERICK+の意見も考慮しているということ。

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私の持っている初代MAVERICKカスタムに対して、MAVERICK IIカスタムでは2ピンプラグが引っ込んだものに変わっています。よりがっしりと固定できるというプロ仕様ですね。

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左が初代MAVERICKカスタム

* MAVERICK IIカスタムの音質

音質はまず標準ケーブルで比較しています。

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全体にMAVERICKらしいシャープでパンチの効いた音の個性は変わりません。ピアノの打鍵の気持ちよさはピアノが打楽器であるということを教えてくれるようです。MAVERICK IIカスタムで向上したのは透明感だと思います。全体にクリアさを増してより音の明瞭感が高くなった感じです。また楽器の音がより整って歪み感が減っているようにも思いますね。
初代MAVERICKカスタムと比べると音がやや中高域よりになっているようにも感じますが、どちらかというと初代MAVERICKカスタムの中高域のクリアさと伸びがいまひとつなので、ワイドレンジ化したようにも聴こえます。MAVERICK IIカスタムと比べるとですが、初代MAVERICKカスタムは少し詰まって低域よりの音に聞こえます。初代MAVERICKカスタムからMAVERICK IIカスタムに変えると、音世界がぱっと広がり音がよりクリアに聞こえます。中高域の伸びもより気持ちよく伸びていきます。
中高域の楽器音はそれを反映してより鮮明に聴こえ、特にヴォーカルが聴き取りやすくなって歌詞がはっきりと伝わってくるように思います。

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MAVERICK II カスタムの高性能はA&K SP1000で真価を発揮します。標準ケーブルのままでもその音の透明感や深みは感動的なほどですね。Mojo+Polyで聴いてみると歯切れの良さ、透明感の高さがUM MAVERICK II カスタムによく合う感じです。

*MAVERICK II カスタムとリケーブル

MAVERICKでは以前からBeat Signalが良く似合うと思っていたので、MAVERICK II カスタムのケーブルをSignal標準とSignal8芯で聴いてみました。すると8芯の方が音が自然でより細かな音が聴こえます。SP1000CPのほかのDAPにないような音の深みが気持ちよく引き出せる感じで、MAVERICK II カスタムとSignal 8芯はかなり相性良いと思います。SP1000SSと組み合わせると音の透明感がひときわ高く、細かな音がざわざわっと湧き上がるSN感の高さに感動するほどです。
MAVERICKシリーズらしいドラムスやパーカッションの打撃感もいっそうキレよく気持ち良く楽しめます。

ただSignalがよく似合った初代MAVERICKカスタムとは音がやや変わっていて、もともと中高域がよく伸びるので、Signalよりは中高域を抑えたケーブルのほうが良いかなという気もします。MAVERICKIIカスタムはいままでのMAVERICK系よりも違ったケーブル選びが必要かもしれません。

それとMAVERICK II カスタムは標準ケーブルでも良いと思います。UMはMavis、Masonもそうですが、標準ケーブルで十分と言うものが増えてきたように思いますね。


* MAVERICK II カスタムとUM IEM群

初代MAVERICKカスタムと比べて、MAVERICK II ユニバーサルはよりクリアだがスケールダウンする感じです。これは低域の出方のカスタムとユニバーサルの差になっているかもしれません。
MAVERICK II カスタムだとMAVERICK II ユニバーサルよりかなりクリアで、さらに初代MAVERICKカスタムよりスケールアップしてる感じですね。加えて低域もより明瞭になっています。音の個性的にはMAVERICK II カスタムは初代MAVERICKカスタムよりも、特に中高域の伸びやかさと全体の透明感でMAVERICK II ユニバーサルに似ています。MAVERICK II カスタムはMAVERICK II ユニバーサルよりもカスタムの分だけよりユニバーサルよりもよくなっているように感じます。

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左はMAVERICK IIユニバーサル

MAVERICKとMavisは低域(20-40hz)の質の向上というテーマに関しては、それを異なる手段(MAVERICKなら大口径ダイナミック+BA、Mavisなら小口径ダイナミック2発)で実現した兄弟機ともいえる面もあります。しかしながら、それよりも違いはむしろ全体的に異なった音の個性を目標に作られたと言う方が正しいようです。(BAドライバーもMAVERICKとは異なるようです)
それはMAVERICKでは楽器音を鮮明に聞くと言うことを目指しているのに対して、Mavisでは音楽全体を楽しく聴くというコンセプトのもとに設計されているからだそうです。
このようにUMファミリーはそれぞれにテーマがある個性的な製品群です。

* まとめ

MAVERICK II カスタムはシェルの美しさに目を引かれますが、音質もだいぶ良くなってます。

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音としては透明感の向上と楽器音の正確さにこれまでのMAVERICKファミリーとの差が感じられます。向上の幅もより大きい感じですね。
つまりMAVERICKの初代と2の音質改善の上に、MAVERICKユニバーサルからカスタムへの向上もなされているということです。
UMのIEMの進化というのがよく感じられるのが、このMAVERICKシリーズであり、力の入った代表モデルにふさわしいと思います。


posted by ささき at 20:54| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月07日

CanJam SoCal プレビュー

今週末開催されているHeadFiのCanJam SoCal(ロサンゼルス)のプレビュービデオが下記リンクで公開されています。
https://www.head-fi.org/threads/canjam-global-2018-event-thread-nyc-singapore-socal-london-rmaf-shanghai.860196/page-50#post-14149439

ブランド別のタイムテーブルは下記リンクに掲載されています。
https://www.head-fi.org/threads/canjam-global-2018-event-thread-nyc-singapore-socal-london-rmaf-shanghai.860196/page-53#post-14154113

ざくっと興味のあったところでは、
金属筐体のCampfire Audioの新IEM、Cometは新フラッグシップでVegaのようなダイアモンドコート振動板ですが、8.5mmから10mmに大型化されています。またPolarisのチャンバーシステムも採用されているようです。
Atlasは低価格のシングルBAでチューブレスですが、JudeはシングルBAとは思えないビッグサウンドって言ってますね。
AudezeではMobius(モウビウス)というアクティブアンプ、サラウンドプロセッサ、BT、ヘッドトラッキングの採用された平面型のゲーミングヘッドフォンが出ています。これはIndiegogoでクラウドファンディングで予約がされています。
またLCD-4Zという鳴らしやすい低インピーダンスタイプも出ています。Zはインピーダンスの意味ですが、Zタイプはたしか前はハイインピーダンスタイプだったような(真空管や電流駆動アンプ用の)。これはマグネシウムハウジングで従来機よりは軽いと言ってます。
面白いのではAAW x ShozyコラボのPolaで、静電型とダイナミックのハイブリッドのイヤフォン(世界初って言ってます。披露は三月のCanJamシンガポール)が出ています。静電型ドライバーはトランス使うエレクトレットタイプのようです。セミオープンで遮音性は悪くないともSingapore CanJamレポートでは書いてます。USD 600-800だそう。
BenchmarkからはDACのほかにヘッドフォンアンプが出ています。これはHPA4というもので、THX AAAモジュールの入ったウルトラローノイズのアンプです。
ポールバートンのPSBからもイヤフック形式の完全ワイヤレスが出てます。
EchoboxからはTi-22BT 全チタンのBTイヤフォンも出てます。
Moon Audioはブロンズドラゴンという動線主体であったかみのあるタイプの新製品が出ていますね。

ただ私が知っているのでまだ出ていないのもあるので、その辺はヘッドフォン祭に出るのかも。
posted by ささき at 13:35| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月04日

Bulk Pet方式の記事をPhilewebに執筆しました

USB DACでの話題の新技術、Bulk Pet方式の記事をPhilewebに執筆しました。
https://www.phileweb.com/review/article/201804/04/2995.html

そもそもBulk Pet方式とは何か、技術解説、長所と短所、従来方式と各モードでの聴き比べなどまたまた濃い内容となっていますのでお楽しみください。
posted by ささき at 19:09| __→ PCオーディオ最新技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月01日

怪奇と正義 - 科楽特奏隊

ウルトラテーマのロックアルバムを出したグループ、科楽特奏隊の3/28リリースのセカンド。特撮主題歌のロックアレンジアルバムです。
01. 恐怖の町 (「怪奇大作戦」より)
02. 戦え!アイゼンボーグ (「恐竜大戦争アイゼンボーグより」)
03. 夢のヒーロー (「電光超人グリッドマン」より)
04. レッドマン (「レッドマン」より)
05. アンドロメロス (「アンドロメロス」より)
06. 快獣ブースカ (「快獣ブースカ」より)
07. ミラーマンの歌 (「ミラーマン」より)
08. ファイヤーマン (「ファイヤーマン」より)
09. ULTRA 7 (「ウルトラセブン」より)
10. TACの歌 (「ウルトラマンA」より)
11. マイティジャックの歌 (「マイティジャック」より)

ある世代にはよく知られてますが、若いミュージシャンが演奏するとは思えないテーマの主題歌がずらっと並んでます。欲を言えばこういうのならマッハバロンやれよ、って話もありますが、ローリーがすでにカバーしてるので避けたかも。

うまく原曲をロックンロールに乗せて曲ごとにアレンジもなかなか面白い(ミラーマンとか)ところ。ワンダバのTACの歌や、Ultra 7(ワン・ツー・スリー・フォーの歌)では"フォースゲートオープン"とか泣かせどころのSEも入ってます。最後を冨田勲の特撮テーマ代表曲ともいえるマイティジャックで閉めるのもかっこいいところ。

こちらは紹介動画で、アルバムタイトルの怪奇大作戦のテーマ。なんかそれっぽくMVも作られています。



購入はこちらです。

posted by ささき at 00:00| ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

Roon1.4の検証記事をPhilewebで執筆しました

Roon1.4のiOS対応の記事をPhilewebに執筆しました。
https://www.phileweb.com/sp/review/article/201803/05/2949.html

システムはどうなるか、実際の音質の検証、およびDSDやMQAなど最新のフォーマットには対応しているのか、という点について検証を行っています。
機材については最新のAcro L1000なども使用してますので、興味ある方はぜひお読みください。

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posted by ささき at 12:48| __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

アップルからヘッドフォン発売か?

アップルからヘッドフォンが発売されるのではないかと複数の海外メディアが書いています。
http://appleinsider.com/articles/18/02/25/apple-to-launch-branded-over-ear-headphones-upgraded-airpods-this-year
情報の出どころはアップル自身が投資家にあてたノートの中で述べた情報から、KGI証券のよく知られたアップル事情通のMing-Chi Kuoが推測したものです。Beatのリブランドにしろ、おそらくW1チップを使ったワイヤレスという線は堅いのではないかと思います。
まだ推測の域を出ていませんが、アップルロゴがイヤカップに入ったヘッドフォンはなかなかに魅力ではありますね。
posted by ささき at 21:19| ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

CanJam NYのプレビュービデオ

HeadFi TVでJudeがCanJam NYのプレビューとして製品紹介をしています。
こちらのリンクです。

MrSpeakersからVOCE(ヴォーチェ)というのが出てますが、ETHER ESが名称変更されたように思えます。
もちろんCampfire Audio CASCADEも公開されています。
DEKONI(デコーニ)というヘッドフォンのイヤパッドのサードパーティーメーカーも面白そうです。ここはフォステクスとのコラボヘッドフォンも出しています。
シャオのイレブンオーディオもいろいろ出しているみたいです。HiFimanはシャングリラジュニアという真空管アンプが面白そうです。

各ブランドごとの時間割はこちらのポストに書かれていますので参照ください。
posted by ささき at 22:05| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The sun's gone dim - Johann Johannsson

アイスランドは多彩な才能を音楽シーンに送っていて、ヨハン・ヨハンソンもその一人でしたが逝去の報を目にしました。ロック巨匠たちとは異なってまだ若いので残念です。エレクトロニカ方面から映画音楽、現代音楽方面でも活躍がありました。
ここでは映像的でドラマティックなThe sun's gone dimを紹介します。アルバムとしてはIBM 1401, A User's Manualに収録されています。ユーザーマニュアルを歌詞にするという現代音楽的なものですが、The sun's gone dimはシングル発売された曲なので他のトラックとは多少曲調が違います。
R.I.P.



posted by ささき at 09:37| ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月10日

ポタ研2018春

今日は恒例のポタ妍に行ってみました。今日はとても混んでましたね。
写真はすべてiPhone Xです。
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参考出品のACRO L1000との相性が良さそうなスピーカーS1000。今はあんまり音大きくできないのでなんですが、前にフォステクスで聞いたのと合わせてもL1000って音の広がり感がいい気がします。
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ACRO S1000スピーカーの平面ポートはツイーターの背圧ではなくウーファーから引き回したバスレフポートのようです。振動板もチタンやケブラーとか、ロングストローク設計とか、もっと大きな音で鳴らせるところで聞いてみたいですね。
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KANNは新ファームでラインアウトが4段階でなく可変段階で出力できるようになったそうです。
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AKGはN5005で大盛況。なんとなくK3003の後継にも思えますが、K3003はあくまで併売するとのこと。手前はK3003。
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Nobleのダイナミック、EDC Velvet。ダイナミックらしく低域強めながら中高域も鮮明なのでレンジは広く感じます。価格にしてはいい感じ。
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A2Pさんのポータブル真空管アンプ。後段が真空管でSTAXの据え置き真空管アンプと同じですね。
音はポータブルとはいえ上から下まで過不足なく出てる感じ。STAXはやっぱり真空管と合わせるのが良いですね。
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CASCADEとJabenブースのPhatlabファンタジーアンプを組み合わせてみました。音に余裕のある据え置き感がいい感じ。
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FitEarも透明カラバリが。けっこうきれいですね。
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おまけに。
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Finalさんはイヤフォン作成教室風の自作イヤフォンをクラウドファンディングmakuakeで展開してます。
https://www.makuake.com/project/final/
マルチBAもあって自分の音も変えれるというもの。クロスオーバーはチップ抵抗を積むそうです。
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iFiのところにあったノイズ遮断シート。写真のようにプレーヤーとアンプに挟んでノイズを減らすもの。切ってサイズを合わせるそうです。
いやでもこれポタピタシートよりも気分的にいいかも。
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くみたてLabさんのポータブルアンプは聞けず。。
posted by ささき at 19:31| ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

Campfire Audioのヘッドフォン、CASCADEレビュー

Campfire Audioの音がヘッドフォンになりました。

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いよいよ噂されていたCampfire Audioのヘッドフォンが登場します。その名はCASCADE(カスケイド)。端的に紹介すると、トップクラスの音質を持ったクローズタイプのポータブルヘッドフォンです。

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私はデモ機を貸与してもらいましたので、使ってみたレビューをします。CASCADEには驚かされますが、ポータブルヘッドホン世界にとってはEdition8以来の衝撃といえると思います。
本記事は海外情報によるもので、Campfire AudioのCASCADEのページは以下です。海外価格はUS$799です。
https://campfireaudio.com/shop/cascade/


* 機能と特徴

1.ポータブルを念頭に置いた設計がなされている

形式としてはダイナミック型のクローズタイプのヘッドフォンです。腕を曲げて折りたたむことができ、またイヤカップの可動範囲の自由度が高いのも特徴です。これで耳にフィットして装着感と遮音性を両立しやすくなります。

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振動版はCampfire Audioらしくベリリウム振動板を採用しています。外装はダイキャストアルミでCNC加工をしたものです。サイズ調整のスライダーはステンレス・スチールです。
ヘッドバンドはPUレザーで、イヤパッドはラムスキン皮革を使用しています。
ケーブルも短いポータブルの長さ(1.2mくらい?)で、3.5mm端子です。

2.リケーブルが可能、HD800プラグを採用

リケーブルが可能で、プラグはポータブルにしてはかなり頑丈なHD800プラグを使用しています。HD800プラグはKenさんがいままで見たなかでもっとも信頼性が高いからだそうです。デザイン的な特徴にもなっていますが、プラグの丈夫さというのもCampfireというかALOのKenさんらしいところです。Campfire AudioはMMCXでもかなりがっちりとしたプラグを採用していましたね。

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またALOでHD800用の交換ケーブルが出ているということもあります。これらを付け変えて家ではHD800の長いケーブルでバランス駆動対応などすることができるでしょう。
もちろん外で使うような短いケーブルもALOでバランス駆動用の端子(.2.5mm/4.4mmも含む)も別売で用意しているようです。

*Edition 8 EXのLEMOとHD800プラグは多少異なるようなので注意が必要です

3. ダンパー交換で音質を変更できる

また特徴的なのはイヤパッドを開けてダンパー(薄いシール)を貼ることで音質を変えられるということです。イヤパッドは磁石で簡単に取り外しが可能です。

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イヤパッドを開けると上下にホールがあり、そこにダンパーを貼り付けることで低音を増強できます。下のダンパーははじめから付いた状態のはずです。

* 使用感・インプレ

箱はCampfire Audioの大きな箱という感じです。

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やはりCampfire Audioの大きなケースが付属しています。

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CASCADEの良い点の一つは装着感が良く、遮音性が高いという点です。この点においてもいままでのヘッドフォンの上位にあると思います。

イヤカップの自由度が高く、密着して装着感も良いです。側圧は適度で軽くもないし、耳が痛くなるほどぎっちり強いわけでもありません。ヘッドバンドのサイズは十分で日本人だったら頭が大きめの人でも十分入ると思います(わたしで実証)。ヘッドフォン自体の重量もそれほどではないので、装着感は良いと思います。実際にKenさんは3回ほどヘッドバンドを大きく改良して開発しながら1年遅れたほどだそうです。

遮音性もかなり高く、駅のアナウンスや電車の暗騒音を聞いても、カスタムとは言わずとも優秀なユニバーサルのカナル型と同じくらいは遮音すると思えます。
大きめに音楽再生しても、静かな部屋で耳を近づけて少し聞こえるかと言う程度です。周りに迷惑かけにくいとともに、電車の中でも騒音がかなり低くなるので細かい音も聴きやすいのが利点です。解像力が高いヘッドホンですので、遮音性でSNを確保できるのは有利です。
外観はごっついプラグが特徴的で、ポータブルで折りたたみでこうしたプラグは初めてではないかと思います。Kenさんのこだわりの凄さを感じますね。

ただし、たたむ時はプラグを取る必要があります。プラグはごっついですが硬くなく、軽く付け外しができます。
また首を回してフラットにもできます。大きめで平たいカバンならこっちが良いかも知れません。この場合はプラグつけたままでも良いように見えますが、プラグとハウジングが擦れるのでやはりプラグは外した方が良いです。

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* 音質

でもCASCADEの最大の長所はやはり音質の高さです。ポータブルでは良いという程度ではなく、音質のレベルは家で使ういまのハイエンドクラスのヘッドフォンとくらべてもさほど引けを取らないほどです。もちろんクローズとオープンの違いはあり、初代HD800よりも音場とフラットさを除けば、解像力や立体感など音質はすでに超えているようにも思いますね。クローズならではのかたまり感・迫力もCASCADEの良いところです。

音も個性的で、初めてCampfire Lyraを聞いた時のように独特の音です。KenさんはVEGAのような音をイメージしているとのこと。たしかに透明感が高く、SP1000SSなどを使用していると、あまり解像力のすごさに身震いしてしまいます。
ヘッドホンでBAがあるとこういう感じかもしれませんし、あるいはヘッドホンなら低域ダイナミックで中高域が静電型のハイブリッドに近いと言えるようにも思います。
イヤフォンでいうとやはり良くできたハイブリッドという感じで、中高域の情報量豊富でシャープさと低域の深い重み迫力を両立しています。

ダイナミックらしく躍動感にあふれて、ノリ良く聴くことができます。低域はたっぷり出ていて迫力もひとしおです。クローズタイプらしい、音の深みが感じられますが、解像力が非常に高いので音は良くほぐれて聴けます。
モニター的ではなく音楽楽しむ系なので、ついつい音量を上げて迫力に浸りたくなります。

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横方向の音場の広さはクローズにしては良い方だと思いますが、奥行き方向の立体感はヘッドホンでもトップクラスに近いと思います。楽器位置の再現性が高いので、三次元的に広がる感じです。

エージングしてなくてもかなり音は良いのですが、エージングが進むとすっきりして高域が伸び、透明感が出てきます。エージングしてないとやや荒くて、これはこれでいいなあと思いつつ、エージングが進むと透明感が出て音がクリアになり、全体により滑らかで整った音になっていく感じです。エージングすると中高域は伸びていき、中域の女性ヴォーカルはひとしおで高域のベルの音も美しいですね。
だいたいはじめの10-20時間で大きく異なるので、女性ヴォーカル好きな人はたっぷりエージングしてから聴き、ロック好きな人はエージングなしで聴き始めるのがおすすめです。

振動板が軽いように思いますが、歯切れよく、スピード感があってリズムのノリが良いですね。音の立ち上がりと立ち下がりがトランジェントが高いように感じられ、音のエッジがかなり立って鮮明で歯切れが良く、透明感。明瞭感が高く感じられます。ヴォーカルの発音もよく聴き取れて発音が明瞭です。

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これはSP1000のような解像力モンスターで良録音で聴いてほしいですね。SP1000だと恐ろしいくらいの音の再現力を感じられます。ポータブルヘッドフォンではいままで聴いたことがなく、ハイエンドのカスタムイヤフォンで聴けるような繊細な音です。それがヘッドフォンならではの音圧になって襲ってくる感覚です。
能率はやや低いですがDAPで十分鳴らせるくらいです。SP1000だと120前後で普通の録音は音量は取れます。
iQube V5のように優秀な駆動力を持つアンプだと音の重さを実感できます。重みのある低音から突き抜けるように伸びる中高域までワイドレンジ感をも堪能できます。全域にわたってシャープで引き締まりタイトな音です。

ハイエンドクラスの開放型ヘッドホン(ポータブルでない)と比べても、音の広さは譲っても解像力や音再現では譲らないですね。メーカーによってはフラッグシップ並みと言ってよいレベルだと思います。

HD800とケーブルを実際に変えて据え置きのヘッドフォンアンプGEEK PULSEで比較してみると、CASCADEのアグレッシブな性格はケーブルにもよるようで、HD800の標準ケーブルをCASCADEにリケーブルしてみるとCASCADEがより落ち着いて客観的な音になります。これもなかなか魅力的な音で、クラシックなどはこちらのほうが良いかもしれません。ただベースが強めでパワフルなのはCASCADEの個性です。ケーブル自体のクリアさとか解像力はほぼ同じくらいかALOのほうが少し良いくらいだと思います(HD800の標準ケーブルもなかなか良いのですが)。ただ個性の点からはHD800にはHD800の標準ケーブルが良いとは思います。
次にHD800にCASCADEのケーブルをつけて同じケーブルでCASCADEと音質を比較してみると、能率の点でまず大きな差がありますし(HD800がかなり低い)、開放型と密閉型の違い、周波数特性のフラットさなどで個性の差が強いので比較しにくいところですが音質レベル的にはそう変わらないくらいだと思います。
いままでDJタイプとか、密閉型のポータブルというと音質的には初級モデルから普及モデルの並くらいというものばかりであったので、フラッグシップくらいの音質を持ったCASCADEは注目に値するでしょう。

ちなみに、据え置きヘッドフォンの標準ケーブルの長さが3mというのはスピーカーオーディオのCDプレーヤーなどにつないでリスニングポジションで聴いていたときの長さなので、いまみたいにデスクトップにDACを置いてつなぐ場合などは据え置きでも1.5m程度でも十分だと思います。

* ダンパーについて

ダンパーを貼る個所は左右に2か所ずつあります。下に一か所がはじめから貼ってあり、これは基本的にこのままで使い、上の空いているホールにさらにダンパーを張ると低音を増強できます。
電気的ではなく音響的に低音を足せるというのは気分的にいい感じです。効果はそれほど激しくはないので微妙なチューニングに使うと良いと思います。

* まとめ

端的に言ってこれは10年くらいの間、私がいままで欲しかったものです。このヘッドフォン世界に入りたてで、HD25を気に入り、海外通販をしてまでリケーブルしていたあの時の感覚が蘇ってきた感もあります。
私がこのブログを始めたころに使っていたものは、イヤフォンのER4、E5、それとヘッドフォンのHD25です。イヤフォンは長足な進歩を遂げ、数え切れないほどのモデルを使用してきました。しかしポータブルのヘッドフォンはEdition8があって、T5pがありましたが、はじめに感じていたHD25を気にいっていた感覚はあまり刷新がなされなかったように思います。わたしがHD25にリケーブルしていってHD25-13まで入手して実現したかったこと、それはこのCASCADEだったように思います。いままでこれがほしかったんです。

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イヤフォンは激戦区だけどポータブルヘッドホンではあまりライバルがありません。音質的にライバルになりうるのはEdition8系とかT5pくらいでしょう。Campfire以外のユーザーも、ハイエンドイヤフォン並みの解像度をヘッドホンで体験したい人は試してみてください。

名前のCASCADEとはCampfire Audioのあるオレゴン近くのカスケード山脈(Cascade Range)とカスケード滝(多段滝)を意味しています。いままでCampfire Audioのイヤフォンでは宇宙の星々の名前を取ってきましたが、ヘッドフォンでは地上の自然の名称を使うようです。これもキャンプファイアらしい名前ではありますね。新しい分野への意気込みがここからも感じ取れます。
Campfire Audioがはじめてのヘッドフォンでポータブル(クローズ型でコンパクト)を開発したのは日本市場を意識したとKenさんも語っています。また音のチューニングも日本市場を意識したということです。開発には3年をかけています。

イヤフォンだとこの迫力と音の重み、音圧は得られないので、CASCADEの音はちょっとクセになります。優秀なイヤフォンに慣れると、ヘッドホンを持ち出すのはおっくうになるけれど、CASCADEはそれを押して持ち出したくなります。音に酔ってあまり外したくない感じですね。
遮音性が高く、ハイエンドなみの解像力、畳める、手が届く価格、ドラムやパーカッションの打撃感、アタック、インパクトが重くて鋭く深い、イヤフォンでは得られない気持ち良さ、それがCASCADEです。
posted by ささき at 12:38| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする