Music TO GO!

2017年09月20日

AK70の新型AK70 MKII登場、Michelleにも新型

好評のAK70に新型が登場します。AK70の後継機としてエントリーを超えたプレミアムモデル、"Your Next Premium"のキャッチフレーズで発表された、その名もAK70 MKIIです。

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価格はオープンですが参考の直販価格は79,980円、本日から予約受付開始で発売は10月14日の予定です。

* 改良点

端的にいうとAK70MKIIでは好評だったコンパクトな外観はほぼ変わらず、中身の音質に関する回路部分が大きく向上したと言えます。
AK70からの改良部分は主に下記の2点です。

1. アンプ部の強化
SP1000の回路設計を踏襲してバランス再生時の高出力化と低い歪みを達成しているということです。

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Astell & Kernの音の変化の歴史としてはSP1000の音は躍動感という点においてAK70の音の延長にあると言ってもよいかもしれませんが、さらにSP1000のエッセンスがAK70にまたフィードバックされたという感じでしょうか。

2.デュアルDAC化
DAC IC自体は同じくCS4398ですが、DACがデュアル化しました。これでDAC部分に関してはAK240と同じになったということになります。

外観デザインはほぼ同じですが、わずかに大きくなっています。デュアルDAC化のためにバッテリーも増えて再生時間は変わらないということです。
PCM/DSDの再生フォーマットも同じです。BT機能 、USB DAC 、AK connectも同じです。USB端子もMicroBです。

SP1000のときに今後のAstell & Kernの製品はA&なんとかというネーミングになるという話でしたが、今回はAK70と同じラインということで名称変更はないそうです。

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* インプレッション

実際に発表会で実機(量産前モデルなので写真のMicroSD表記が逆になっています)を使わせてもらいました。そこで現行のAK70を持って行って音の比較もしてみました。使ったイヤフォンはAZLAで純正バランスケーブルも使用しました。

手に持った感触としては少しだけ重く大きくなったという感じです。見た目にはほとんどわかりません。また外観ではシックにブラック(Noir Black)となりましたが、音質重視という渋い改良ポイントからすると納得できます。またよく見るとボリュームノブのデザインも変わっています。デザインもわずか違うだけだが、高級感が感じられます。

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音は標準ケーブル(シングルエンド)で聴いても音に重みが乗っています。しかし、違いがもっともよくわかるのはバランスです。

シングルエンドでも音に重みが乗って聴こえる。よりはっきりした違いがわかるのはバランスだ。音の明瞭感の差がシングルエンドとバランスでは大きく違います。

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AZLA純正バランスケーブル使用

AZLAのバランスケーブルで聴くと音質はかなり大きく違って、MkIIの音は力強く熱気が感じられ、楽器音のひとつひとつがより鮮明に聴こえます。MKIIではよりワイドレンジで中高域も鋭くシャープですね。低域もより豊かで躍動感が違います。
バロックバイオリンではAK70では普通のバイオリンと音色が区別できないが、MKIIだと倍音の豊かさと音色の違い、中高音の鋭さも違いがわかります。
MKIIでは弱音の再現性も高く、アカペラの冒頭に息を吸い込む音が入ってるんですが、前のAK70では息吸ってるのがわかるくらいだが、MKIIではリアルで息遣いが強弱まで聞き取れます。
MKIIではAZLAのベースの重みがより魅力的に感じられる。ロックポップではパンチがある。AK70に戻すと軽く気が抜けた感じになる。

AK120を聴いた時にこれならAK200で良かったんじゃないですか、って言ったんですが、今回もAK80とか別の名前にした方が良かったんじゃないかと思います。そのくらい音質部分はグレードアップしていると思います。
ぜひバランス駆動を楽しみたいと思っていたユーザーはこの機会にこの世界に来ることをお勧めします。

* Michelle Limited

またMichelleもリミテッドバージョンが発売されます。

ファイル 2017-09-19 22 15 31.jpg  Michelle Limited_04[1].jpg

本体デザインを変更してチューニングをし直したモデルです。3Dプリンタから金型(モールド)に変えたことで低価格化をはたしたということで、65980円から49980円に変更になっています。あのMichelleがずいぶんとお得になりました。

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左がLtd

それで音質はというと、オリジナルのMichelleと聴き比べてみましたが、より低域が深く豊かでヴォーカルが明瞭でリアルに感じられます。音質は向上していますね。全体に音が変わった感じがするのはユーザーなら比較しなくてもわかるレベルくらいには大きいと思います。

* AK Ripper MKII

AK CD RipperもMkIIとなりました。

ファイル 2017-09-19 22 09 23.jpg  AK CD-RIPPER MKII_02[1].jpg

本体デザインが一新されたのが大きいように見えますが、中身もTEACのハイファイグレードのCDドライブを採用しているようです。また実際に持ってみると重くてダンパーがしっかりしているので、かなり高級CDプレーヤー感覚があります。見ると結構物欲がわく作りになっています。

AK CD-RIPPER MKII_08[1].jpg

消えつつあるCDプレーヤーもこうした形で残っていくのかなとふと思いました。

*追記
9/25日にAK70MKIIおよびMichelle Limitedの先行試聴会を行うということです。詳しくは下記リンクをご覧ください。
http://www.iriver.jp/information/entry_1001.php
posted by ささき at 11:14| __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月05日

WestoneからワイヤレスアダプターとシングルBAイヤフォンのセット、WX登場

先日WestoneからBluetoothのワイヤレスアダプターが発売されました。iPhone7からイヤフォン端子がなくなったことで、Bluietoothの注目度が高まっていますが、このアダプタはMMCXのコネクタに汎用にイヤフォンを接続できるものです。
今回はそのアダプタにシングルBAドライバのIEMがセットになった「WX」が発売となります。9/12発売予定で、予定価格は23,000円です。アダプタ単体で実勢価格が19,800円くらいですから、お得なセットと言えます。

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基本的な使い方は現行のBluetoothアダプタと同じで、Apt-Xにも対応しています。
持続時間は8時間ということでかなり長持ちです。BT4.0対応で10m届くと言うことで距離的には十分でしょう。エージングするときにとなりの部屋にこのワイヤレスアダプタをおいて音がうるさくないようにしたのですが、数メートルは余裕で届きます。身につけるものなのでIPX4防滴対応がなされています。

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ケーブルはしなやかで平たいもので、首の後ろに回して、余りをチョーカーで締める方式です。
完全ワイヤレスほどではないけれど、かなり自由度はあります。左右分離の完全ワイヤレスではないので首の後ろに感触はありますが、私のように始終スマホ持ってると、手が自由ということがうれしいですね。
完全ワイヤレスだとまだ左右接続が音切れする問題がよくあるので、そうしたことが嫌いな人にも向いています。
本機はBT4.0対応なので電池残量はiOS9.0以降では通知センターとステータスバーで分かります。

都内をぐるっと回って実際に使ってみると音の途切れは場合によってごくまれに出ますが、おそらくWiFi干渉とかいう理由によるものだと思います。このアダプタ自体は優秀で、けっこうな距離届きますし、iPhoneを尻ポケットにいれたり、iPhone側もアダプタ本体側もアンテナ部分を手で覆ってみてもなかなか途切れません。
操作性も特に問題ないと思います。
ただ装着に関しては耳に回す方式(Shure方式というとカール兄弟に怒られそうですが)よりもストレートに入れるほうがネックバンド方式だと装着しやすいかなとは思います。
このタイプのBTのみ機はエージングしづらいのですが、電子部品が多いのでエージングした方がいいとは思います。

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このモデルが良いところはなかなか音が良いところです。
低価格モデルという先入観を持っていたんですが、実際に音を聴いてみると、ちょっと驚くくらいには思ってたより音が良いというのが実感です。
シングルBAとは思えないくらい高い音から低い音までよく出てますが、イヤフォン部分はなにか従来モデルがベースになっているのかわかりませんが、BT部分になにかアンプのような電子機器があってそれが音質を高めているようにも思えますね。音の均一感の良さを考えるとこのアダプタに合わせてなんらかのチューニングをしているようにも思えます。
普段使いなら十分かと思えるくらい。立体感もわりといい感じです。イヤチップはStarだと少し腰高になるのでフォームのほうが良いと思います。
パンチもあってロック聴くにも良いし、Westoneらしい温かみも少しあって、Westoneファンも音に納得できるでしょう。

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わたしだとiPhoneから直で聴きたいのはBandcampで新曲のチェックとか、この人がこういうの買ったのかとかSNS的側面でチェックしたいことが多いので、BTイヤフォンはそういう風にスマートフォンをカジュアルに使いこなす時に向いています。
イヤフォンとアダプタは分離することができ、BTアダプタとして他のイヤフォンと使うこともできるそうです(ただしその取り付けたイヤフォンについては保障外)。なのでこのBTアダプタが気になってた人は、付属イヤフォンのついたお得モデルとして買っても良いと思います。ただそういう意図で買ってもおそらくこのWXのまま使い続けてしまうのではないかというくらいには音にアダプタとの一体感があって満足できると思います。
posted by ささき at 13:22| __→ Westone ES3X カスタム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月16日

64 Audioの新機軸ハイエンドIEM、tia Fourteレビュー

64 AUDIOは2010年創業の新世代のアメリカのカスタムイヤフォンのメーカーですが、いまではカスタムイヤフォンの中堅メーカーといえるでしょう。

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当初の会社の理念はカスタムイヤフォンを手ごろな価格で提供するというものだったのですが、最近ではカスタムを取り巻く環境も変わり、ハイクラスなメーカーを目指していると言うことです。後でまた触れますが、本レビューで紹介するtia Fourté(ティア・フォルテ)の開発もその差別化戦略の一環と言えるでしょう。

ちなみに本稿ではTiaやAPEX、CenterDriveなどの基本的な解説は省きます(うちのサイトで検索すると出てきます)。代理店のミックスウエーブの製品ページは下記リンクです。
http://www.mixwave.co.jp/dcms_plusdb/index.php/item?category=Consumer+AUDIO&cell002=64+AUDIO&cell003=tia+Fourt%26%23233%3B&id=143

特徴

tia Fourteはドライバー数4つで、ダイナミックとBAのハイブリッドIEMです。
私もそうだけれども、たぶんtia Fourteに対してのまず抱く疑問は、「A18/U18が高いのは18個ものドライバーが入っているのだからそれは分かる、しかし4つしかドライバーがないFourteがなぜこんなに高価なのか、」ということではないでしょうか。

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その答えというのはメーカーに聞いてみると、簡単に言うと内部の音響設計がいままでのイヤフォンとは大きく異なり、それに多くの開発費が費やされ、工作精度がとても精密なものであり、製造にもコストがかかっているからということのようです。

A18/U18ではtiaは高域ドライバーのみにtia、つまり不要な共鳴を取って透明感を上げるアコースティック・チェンバー(音響室)が適用されています。Tia(Tubeless in-ear Audio)とはチューブレスのことですが、チューブ自体が問題というよりも、むしろチューブに通すためにBAユニットの音の出る穴が小さいのに無理やりつめるというのが問題ということのようです。
一方でtia Fourteの"tia system"ではHighとMid/Highユニットにtiaの名称が冠されています。さらに内部図解を見ると、4つのドライバーすべてにモールド(区画割り)が施されています。Campfire Audioのアコースティック・チェンバーと異なり、64 Audioのモールドはドライバー全体を包み込むようなものだということです。これは64 Audioの採用するBAドライバーがオープンBAということも関係しているとのこと。(またこれで特許回避もできると思います)
Highドライバーのアコースティック・チェンバーはステム自身でもあり、ファイナルチェンバーと呼ばれます。またダイナミックドライバーもすっぽりとアコースティック・チェンバーに入っていますが、これはより空気の容積が必要なためということです(AZLAの大柄のシェルみたいなものでしょうか?)。

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tia Fourteのアコースティック・チェンバー(モールド)の配置

逆に言うと、そのモールドスペースを十分に確保するために4つしかドライバーがないということになりますね。またこの設計のゆえにtia Fourteではユニバーサルのみで、カスタムは作れないそうです。
tia Fourteではこのようにドライバーがそれぞれ専用の気室に入っていて、エアフローを調整しているというわけです。64 Audioではシングルボア(音の出る孔)を特徴としてますが、音は全て最後はファイナルチェンバーであるシングルボアに直結するチェンバーに集められます。

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Tia オープンBAドライバー

またFourteに採用されている技術のうちでパッシブラジエーターとは低域と中音域ドライバーと相互作用する振動版(ダミーコーン?)で、ファイナルチェンバーに送ってHigh(Tia)とHigh/Mid(Tia)と音を合流させるために使われているということです。これで金属シェルの不要なレゾナンスを減らすことができるということ。

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internal APEXの配置

このパッシブラジエーターを効率的に動作させるためにAPEXモジュールが使われています。(適切にベントを促しているようです)
tia ForteではAPEXはフェイスプレートに露出してなく、M20ユニット相当の機構が内蔵されています。これをinternal APEXと呼びます(上図参照)。これはパッシブラジエーターを機能させるためにフェイスプレートに突出物が設けられないからだそうです。これはTia Forteの底面にあるベント穴に通じているようです。
ちなみにTia技術は正圧(Front Pressure)に関係しています。ですのでこのベント穴は通常の背圧を逃がすものとは異なるかもしれません。その辺はよくわかりませんが、オープンBAということも絡んでの関係があるのかもしれません。

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tia Fourteのベント穴

筐体はアルミニウムの無垢材を機械加工し造り上げ、 フェイスプレートには耐久性が高いパティナ仕上げ(緑青仕上げ)の銅を採用しています。

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このようにTia Forteではとても複雑でかつてないような入念で精密なエアフロー設計がなされているのが分かると思います。これらのことからtia Fourteが高価な理由、そしてtia Fourteではカスタムは作れないという理由もわかってもらえるのではないかと思います。

音質

音の全体に感じられるのは豊かさと倍音のような高級感のある厚みのある豊かな音です。痩せて薄い音の対極にあるような上質な音です。
またこれも独特の空間表現があって、ちょっとUMのMAVISIIに似た感じがあるように思いました。オープン型BAドライバーというのも関係しているかもしれません。音の広がるホールのように聴こえます。
中域から高域は透明感の高い気持ちの良い音ですが、低価格機のような薄手のものではなく豊かな倍音のような厚みが聴こえます。低域もバランスよく、ダイナミックらしい重みのある音を生かしています。

十分な高域と低域がありますが、18ドライバー機のようにワイドレンジ方向には欲張らずに中域を中心に、音の質感に焦点を当ててうまくまとめた設計が感じられます。

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tia FourteはAK380よりもSP1000のように音の質感が高いとそれをストレートに再現してくれます。SP1000はAk380よりもさらに一段以上音質が高くなっています。そこはいままでのスピーカーのハイエンドオーディオのような細かな音再現の品質でもあるわけですが、tia Fourteはそうした領域にも踏み込んで品質の向上を味わわせてくれます。むしろtia FourteはAK380よりもSP1000で能力を発揮するようにも思えます。

まとめと考察

U18は少し前に雑誌でレビューを書いた時に試聴したのですが、ワイドレンジで余裕のある音でいかにもドライバー数が多いという感触でしたが、tia Fourteでは一つの音が余裕があり豊かという感じです。
U18とtia Fourteのどちらが好きかと聞かれたら、個人的にはtia Fourteと答えます。どちらが高性能か、と聞かれると答えに窮しますが。
端的にいうと、U18は音の領域全体が進化し、Fourteでは音それ自体が進化したという感じでしょうか。

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つまりA18/U18のような従来の多ドライバー化とは別のベクトルをもって、少ないドライバーのそれぞれの音の効率を最大に引きだしたものがこのtia Fourteということができます。

64 Audioは冒頭にあげたような高級ブランドへの転換にあたって、二つの戦略というか方向性を考えたと思います。ひとつは従来のトレンドのさらなる追求(さらなる多ドライバー化)、そしてもうひとつは従来にない方向性の模索です。前者がA18/U18 Tzarであり、後者がこのtia Fourteに行きついたのでしょう。
64 Audioは地味に良い仕事をしながらも、この業界ではどちらかというと手堅い裏方にいた感じはあります。このtia Fourteで今後ちょっと楽しみなメーカーになりそうだと、ふと思いました。
posted by ささき at 07:36| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月15日

JH Audio初のハイブリッドIEM、LOLAレビュー

LOLA(ローラ)は、Jerry HarveyのJH Audioが初めて開発したハイブリッドIEMで、シリーズとしてはPerformanceシリーズとなります。調整できる低域ノブなど、Sirenシリーズの特徴も兼ね備えています。ちなみにLolaはKinksの曲名です。
LOLAはカスタムとユニバーサルの二つのタイプがあり、本記事はユニバーサル版のレビューです。
製品名はJH Audio社ユニバーサルフィットIEM 「LOLA HYBRID UNIVERSAL IEM」でミックスウェーブから2017年7月13日(木)より発売されています。

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特徴

通常ハイブリッドというと、中高域がBAで低域がダイナミックを採用するのが普通です。これはよく中高域が伸びて整ったBAドライバーと、迫力のある低域を再現するダイナミックの良いところどりをしたいという構図と言えます。
それに対してLOLAのアプローチは異なっていて、高域、中域、低域のうちの中域にダイナミックドライバーを採用し、高域と低域はBAを使用しています。また中域のダイナミックドライバーもD.O.M.E(ドーム)という独自技術を採用しています。これは人の声や楽器の多くの再現の基礎となる中音域に暖かみのあるダイナミックを用いるということです。またD.O.M.E.は2基のダイナミックドライバーが対向型で駆動するというもので、より広い振動版を採用したのと同じような効果があるということです
ドライバーのカバー領域は低域がBAの2ドライバーで10-200Hz、中域がダイナミックの2ドライバー(DOME)で200-3kHz、高域はBAが4ドライバーで3kHz-20kHzとなります。

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パッケージはなかなか豪華なもので、従来のSirenシリーズのような構成を取っています。ケーブルもSirenシリーズと同様のようですね。

音質

AK380でまず聴いてみました。低域調整ノブは2時で固定して聴きました。高域はシャープだが厚みがあって高級機であることを感じさせてくれます。中高域ではバロックバイオリンの倍音表現は見事なものがあります。またジェリーらしい低域にたっぷりとある低域がロックを心地よく聞かせてくれます。打撃感も強く、ドラムやベースのインパクトは気持ちよく楽しめます。LOLAは他のJHAのSirenシリーズのように低域ノブを調整することでまた異なる面も聴かせてくれます。
フラッグシップらしい堂々たるスケール感や豊富な情報量、JH Audioらしい音の濃さとたっぷりしたベース、またプロデューサー向きともいえるような客観的な音つくりはLAYLA2とよく似ていると思います。その点でアグレッシブなRoxanneとLOLAは異なるタイプと言えます。

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LAYLAとLOLAの違いをアカペラヴォーカル(Rajaton)で比べてみると、LOLAの方が中域をはじめ全体に音に厚みや豊かさがあります。反面でLAYLA2の方がBAらしい精緻ですっきりした感はあるので、違いというのは好みの要素も働くでしょう。LAYLA2とは性能の差ではなく個性の差だと行ったほうが良いかもしれません。
ただしLOLAは、いわゆる古風なダイナミックドライバーでありがちな厚みがあるけど緩い音とは違って、よく整って引き締まった音ですのでいままでのハイブリッドとは異なって、ちょっと聴くとダイナミックっぽい感じではないと思います。これはDOMEの効果というのもあるかもしれません。

AK380からSP1000SSに変えると、音性能が上がるだけでなくカッコ良く鳴りますね。よりジェリー作品らしい感じです。この辺はAK70の遺伝子をもったSP1000の良さをうまく引き出しているように思います。

まとめと考察

LOLAは細かいところでの違いはありますが、LAYLA2に似た高度な音再現レベルであり、異なったテイストを持っています。両者の差は好みの問題になるかもしれません。

Lolaで、なぜ中域のみダイナミックかということについては、春のヘッドフォン祭で私が司会をしたジェリー・ハービーのインタビューにおいて少し聞いてみました。
まず完璧なマルチドライバーイヤフォンを開発したいというところからはじまったということで、いままでの試行錯誤から、ダイアフラムスピーカー(ダイナミック)のスイートスポットが高域でも低域でもなく、200hz - 3000hzの中域にあるということがわかったということです。
なぜ一基ではなく二基かというと、まずインピーダンスを下げて感度を上げたかったそうで、向かい合わせにしてその間の空気を調整することで求めるハイミッドの周波数特性が得られたということです。二基の4.9mmドライバーで9.8mm相当のドライバーにすることができるからということもあります。これによりひずみが起きる前に求める出力をえることができるからということ。
なおクロスオーバーは、ガンズのギターを正確に再現できるように変えていった。中域重視の設定になっているとのことです。

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このインタビューでジェリーは自社ブランドで一番気に入っている製品は、LAYLAとLOLAのどちらかだけれども、いまは中域の音質が気に入っているからLOLAがよいと思うとのこと。
LOLAは設計するときの音つくりにおいて、おそらくジェリー自身も気に入っているLAYLAをリファレンスにして作ったのだと思いますが、新開発のD.O.M.E.もダイナミックをよりBAのような整った音に近づけるように使われているように思います。ダイナミックとしての暖かみとかインパクトの特色を出すよりも、むしろBAと融合させてより自然な音にするということですね。

LAYLAがある意味でJHAイヤモニの完成形のようなものなので、この音質レベルで別なアプローチがしてみたいとジェリーは思ったのではないでしょうか、そしてこの独特の中音域ハイブリッドという形式に至ったのではないかと思います。
今後JH Audioがこの形式を継承していくのか、今作限りなのか、そこも注目してみたいと思います。
posted by ささき at 08:44| __→ JH13, JH16 カスタムIEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月14日

UMの新しいエントリー機、MACBETH II Classicレビュー

MACBETH II ClassicはUMエントリークラスのユニバーサルモデルとして好評を博したMACBETHの第2世代モデルです。

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改良点とIIのデザイン

改良点としてはまず筐体サイズを小型化してフィット感を向上し、UMのほこるモールディング技術や新しいファイバー素材を採用した新しいシェルデザインがあげられます。これは3Dプリンターは使わずにカスタムIEMに使用している樹脂を筐体素材として使用し、3人の職人が1つずつ手作業で模様を作っていくというもので、ランダムに混ぜ込まれたファイバーがひとつしかない個体の個性となっています。3Dプリンタのような新技術ではなく、こうしたカスタムイヤフォンのような昔ながらの手作りをしているので、クラシックという命名をしているそうです。

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またサウンドチューニングの再デザインがおこなわれ、ドライバーは前モデルとは異なるものを採用しています。オールジャンルに対応したサウンド・デザインを目指し、描き方は筐体に設けた「ポート・チューニング」やプラチナ塗装の金属製サウンドチューブ(音導管)の採用など、他の第二世代モデル「MAVERICK IIやMAVIS II、MASON II」で実現してきた独特の空間の描き方を応用しているということ。クロスオーバーやドライバーの構成は非公表です。

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このイヤフォンも好評のミックスウエーブ宮永氏によるチューンが施されたモデルです。
MACBETH II Classicのポートチューニングは、低域の量感と音空間を調整するのに使用しているとのこと。低域は減らす方向に、音空間は広くなるように調整しているそうです。ポートは一般的なアンビエントポートと同様の設計になっていますが、アンビエントポートだと外部の音が入ってくるので、アンビエントポートに特殊なフィルターを詰め込み、その問題を防ぎつつ、そのフィルターで低域の量感や音空間のチューニングを行っているということです。

音質

AK380で聞いてみると、高域はきつすぎない程度にシャープで、気持ちよくよく伸びる感じです。
低域は抑えめで上品な感じのベースで、ドラムのパンチも良好で歯切れ感も良いと思います。クリアで帯域バランスもすっきりしているのでヴォーカルも良好に聴くことができます。女性ヴォーカルは特にすっきりと美しく聴くことができるので、JPopやアニソンに向いた感じがします。

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少し細身でコンパクトですが、透明感が高くクリアでよく整ってまとまっている感じです。中高域がよく伸びて低域が抑えめという音バランス自体は少しqdcの2SEを想起しました(音自体は別のものですが)。

まとめ

魅力的でコンパクトなシェルデザイン、良くまとまって高品質なサウンドを持ったイヤフォンで、前のマクベスの延長線とはまた違った意味でUMのエントリー機として人気を博していくと思います。
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2017年07月19日

Bluetoothにメッシュ・ネットワーク機能が追加

Bluetooth LEにメッシュ・ネットワークという新しいネットワーク機能が提唱されています。下記リンクです。
https://www.bluetooth.com/what-is-bluetooth-technology/how-it-works/le-mesh



メッシュネットワークとはどういうものかというと、まずBluetoothは下のように1対1でした(画像は上の動画から)。これは一般的なBTイヤフォンなどです。(1:1)

写真 2017-07-19 6 04 13.jpg

それがBLEでブロードキャスト機能として1対多数に発展しました。これはアップルのiBeaconなどがそうです。(1:n)

写真 2017-07-19 6 04 38.jpg

そしてそのネットワーク・トポロジーが多数:多数に発展したものが、今回のメッシュ・ネットワークです。(n:n)

写真 2017-07-19 6 04 59.jpg

これはIoTを念頭にしていますが、オーディオ機器がIoTを志向していけばいずれは関係するでしょう。
posted by ささき at 06:25 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月13日

CTMからユニバーサルIEMが発売

カスタムIEMで知られるCTM(Clear Tune Monitors)からユニバーサルIEMが発売されます。国内発売はテックウインドになります。発売は7月19日を予定しています。

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CTM VS2、VS3、VS4

* CTMとVSシリーズについて

CTMはフロリダ州のオーランドを拠点とするカスタムIEMブランドです。
CTMの創設者Cesar Milanoは音楽プロデューサー及びコンサート会場の監督であり、レコーディングやロックミュージシャンを手掛けていました。設計はCastor MilanoがWestoneでいうカール兄弟のようなエンジニアとなっているようです。プロフェッショナルサウンドと装着感、軽量性をコンセプトとしているとのこと。

発売されるのはビンテージ・シリーズというラインナップで、CTMとしては初めてのユニバーサルモデルです。デザインコンセプトが50年代から60年代のアメ車やジュークボックスとなっています。なぜビンテージかというと、その頃はいわばアメリカの黄金時代で音楽も輝いていたのでそのオマージュということです。
ユニバーサルモデルはペイントがない分で没個性的になりがちなので、こうしたコンセプトは面白いと思います。

こちらにCTM ビンテージシリーズの紹介ビデオがあります。(英語)


ビンテージシリーズは4ドライバ、3ドライバ、2ドライバの3ラインナップ、カラーはそれぞれのモデルでダスティ・ブルー、インテンス・レッド、パッション・ピンク、ダースブラックの4色が用意されています。
VS-4は4ドライバ構成で高域×1、中域×2、低域×1の3Wayです。 (価格はオーブンで想定価格は7万円前後)
VS-3は3ドライバ構成で高域×1、中域×1、低域×1の3Wayです。 (価格はオーブンで想定価格は5万9千円前後)
VS-2は2ドライバ構成で高域×1、中域×1の2Wayです。 (価格はオープンで想定価格は4万7千円前後)
BAドライバーはKnowles製で、シリーズの各モデルはそれぞれ個性と特徴があります。

このビンテージシリーズでは音導管にソフトシリコンを採用しています。メタルやプラスチック素材の音導管ではドライバから出て来た音、特に中音域の周波数が音導管内で反響し、素材の音が出てしまいますが、ソフトシリコンを使うことによって音導管内での不要な反響をなくし、素直で暖かな音を得られるということ。これはカスタムインイヤーモニターにおける長年の経験から、人間の耳の中には固い部分や直線がなく、全て柔らかな曲線であることからヒントを得たものということです。
たしかにどのモデルもシャープで鮮明さが高い割にはきつさ・痛さはあまりありません。

* 実機インプレッション

3モデルとも箱が凝っていてデザインが良いですね。ビンテージシリーズということでジュークボックスをモチーフにしてアメリカ製っていう感じです。箱のデザインが一モデルごとに違う点も面白いことで、VS3だけわざわざ横型なのもあまり他ではないですね。箱の横にはイヤフォンの特性や分解図も載っていて、情報的にもよくできたパッケージです。

フォームチップとラバーチップが箱の反対側に付いてるので開ける時に注意してください。またダブルフランジがひとつ付属していて、これはボックスの中パッキンの底にケースと一緒に入っています。
箱から出すと本体もビンテージっぽくアレンジされてて個性的です。雰囲気が昔のアメ車みたいですね。イヤフォン本体ではステムが太くWestoneと好対照です。イヤフォン本体は3機種ともコンパクトで軽量で、装着感も良いです。

音質はAK380で試してみましたが、どのモデルもAK380の性能にもつりあうくらい優秀です。すべてのモデルにおいて共通するのは非常にクリアで見通しの良いサウンドであるということです。
高域はわりと3機種とも似ていて、シャープでクリアです。ただ3機種で上への伸びやかさはちょっと異なります。VS2が一番鋭く、VS3が一番まったりしています。
このように高域はとてもきれいに伸びるイメージですが、仕様上は15.5kHzとか16.5KHz上限と正直に書いてあるところは好感が持てます。いずれにせよ聴覚上はVS2やVS4はハイレゾを標榜するどのイヤフォンとも譲らないような優れた高域特性があると思います。(VS3はやや緩やかです)
スペックを伸ばすために無理してないせいか、あまりきつくなりすぎていないのも良い点です。
中域・低域は3機種で個性が異なります。音の広がりかたも少し異なりますね。

-- VS2 --
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VS2はエージングなしでもはっとするくらいクリアでシャープです。イヤチップはダブルフランジが一番良いです。
かなり解像感が高く、上によく伸びます。それでいてスケール感もあるのに驚きます。2ドライバーイヤフォンも激戦区だけど、音的にはかなりの上位にいきなり食い込む感じですね。端的に言ってかなり良いです。
低域は量は標準的でやや軽めだがよく引き締まったベースラインが聴くことができます。3機種では一番ベースは軽いという感じですね。ただタイトで質のよい低域とは言えますね。

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高域はVS2が3機種で一番伸びてシャープに聴こえる。それでいてそれほどきつさを感じません。透明感も高く、VS2は単なる低価格モデルではなく、シンプルな良さが出てると思います。


-- VS3 --
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VS3とVS4はエージング1日した方が良いです。たぶんクロスオーバーなどのせいでしょう。
VS3は迫力があって、ノリが良いタイプです。VS2よりも厚みが増えて、音楽的な豊かさが重視されています。イヤチップは普通のラバーが好みです。

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低域はより豊かで、かなり量感があります。これは3機種で一番です。多少緩やかな反面でパワフルで、たっぷりとした低域が楽しめます。
少し平面的ではあるけれど、横方向はVS2よりスケール感があります。ロックなどでは音の塊感があって、迫力はありますが、複雑な音楽だとちょっとガチャガチャしやすい傾向はあります。
音再現が分厚く、一番演出的で音楽を楽しく聴けるイヤフォンです。
エレクトロ系とかロックに良いですね。能率は3機種では高めです。


-- VS4 --
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これは一番モニターっぽく、いわゆるプロデューサー向きと言う感じですね。音性能はワイドレンジで、周波数特性も整って3機種のなかで一番高いです。イヤチップはダブルフランジが一番良いです。
シャープ感も高く歯切れも良いですね。低域は量感があるというよりも、タイトで整った感じです。これもクリアさが高いのですが、音に余裕があるためVS2のように痩せたように感じられる点はなく、豊かな音だと思いのます。横だけではなく立体的に音場が広がります。音は濃いめで情報量も高いですね。
高域はやや抑えめで落ち着いた印象を受けますが、VS3よりはシャープで伸びていく感じです。細身になりすぎないで、ヴァイオリンの音色も豊かさが感じられます。

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複雑でもごちゃごちゃした音楽でもきれいに解きほぐして、ガチャガチャしません。それぞれの楽器パートが整理されて聴こえます。
鮮明さに秀でたVS2や分厚さのあるVS3は一芸に秀でたタイプだが、VS4はマルチドライバーの余裕で優等生タイプの音作りです。

* まとめ

音楽の相性で端的に言うと各イヤフォンは次のようになると思います。
VS2は小編成アコースティック、ジャズトリオなど、VS3はロック・ポップ・エレクトロなど、VS4はクラシック向けとも言えますが、合う範囲は広いと思います。VS2、VS3は個性が強いので相性がありますが、VS4はわりとなんにでも合うと思います。

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とても個性的なラインナップであると思います。パッケージやイヤフォンのデザインも個性的ですし、音質もたんなる松竹梅のクラス分けにならずに3機種ともに個性があります。たとえばVS2もたんなる低価格モデルとはちがいますね。低コストゆえのシンプルさを逆に透明感の高さに生かしています。
CTMはカスタムメーカーとして知られていましたが、ユニバーサルでもっとユーザーを獲得するのではないかと感じさせてくれる製品群です。
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2017年07月12日

PhilewebにボブスチュワートとのMQAインタビューの記事を書きました

PhilewebでボブスチュアートへのインタビューをもとにMQAの記事を書きました。
我々が検証した記事の結果を作った本人に確かめてもらうという点であまりなかった記事だと思います。下記リンクです。

http://www.phileweb.com/sp/interview/article/201707/12/471.html

ここではこの前書いたMQA-CDの検証記事の内容をボブスチュアートに検証してもらうという形で、この前の記事の我々の結論とMQAの理解が確かめられたと思います。前回記事にも追記しました。こちらもまたご覧ください。下記リンクです。

http://www.phileweb.com/sp/review/article/201704/17/2496.html

それにしても今回の記事の2ページ目のボブスチュワートがわたしに答えてくれてる写真見て、しかめっ面してる自分見て自分で笑ってしまいましたが、英語で理論派のボブスチュアートと「空気分子の運動で発生する熱が」とか、「君はディザリングのことを知ってるかね」、とか話してたらホントに頭が痛くなってきたのを思い出しました 笑

丁寧で紳士的な人で、静かで熱いロブワッツともまた違った感じの英国技術者だなと思いました。
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2017年07月11日

ユニークなハイブリッド・ドライバーの新鋭ブランド、AZLA(アズラ)レビュー

韓国の新鋭イヤフォンブランド、AZLAがデビューします。国内ではアユートから発売されます。
AZLAは韓国のオーディオ業界で活躍してきたAshully Lee氏が今年立ち上げたブランドで、今回の製品名もブランド名と同じくAZLAとなります。それだけこの初回の製品にこめた思いが強いと言えます。

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AZLA silver

色はLunatic Silver(シルバー)とMeteor Gray(グレイ)の二色があり、透明のシェルの中に見えるドライバーの色とバックカバーの色の違いとなります。価格はオープン(参考直販価格 49,980円税込み)で発売日は調整中ということです。

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AZLA Gray(下)とSilver(上)比較


* 特徴

AZLA(アズラ)とはフランス語のAZUR(天空)とラテン語のLAPIS(石)の「天空のかけら」を意味しているとのことです。ちょっとジブリアニメを連想しますが、これはいままでになかった新しい音の世界を意味しているということで、目指すものは新次元のサウンド、そして聴いて楽しい音を目指して、開放型のようなすっきりとした空間表現と、密閉型のような豊かな低域を両立させることだそうです。
それを実現するため、AZLAには大きな特徴が二つあります。


AZLA テクノロジー イメージ動画

1. BAとダイナミックの同軸ハイブリッドドライバー構成を採用 (BED)

AZLAはBAドライバーとダイナミックドライバーを同軸で組み合わせたハイブリッド構成を採用しています。このためにふたつのドライバーの位相差を減らすことができるとのこと。これはあたかもシングルドライバーのようにふるまえるということで、音場とか立体感で有利になるでしょう。
ドライバーの担当はダイナミックドライバーはフルレンジ的な使用をし、BAドライバーは中高域を担当しているということです。

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BAとダイナミックドライバーの同軸配置

ドライバーはDynamic Motionの協力を得ているということで、ダイナミックドライバーは11mmでダイアフラムの素材は2層素材を特徴としているということです。また同軸の構造についても、磁石でなく振動板に特色があって他メーカーとは異なる独自の特徴があるということです。

2. 中は開放、外は密閉の独自のエアフロー技術 (Infinity sound technology)

イヤフォンはドライバーとシェルの二重構造になっていて、中のドライバーユニットにはダイナミックドライバーを効率よく動かすための空気抜きのベント(ポート)がありますが、透明の外殻(シェル)にはベントがありません。つまりイヤフォンの形式としては密閉型ですが、ドライバーの外に適当な空間があって、そこがチャンバー(空気室)のようになって、ダイナミックドライバーの背圧を適度に逃がして効率が高まるようです。これでクリーンなベースが確保できるということです。

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ハウジング内のエアフローの概念図

この二つの技術によって作られたドライバーをInfinity driverと呼ぶそうです。中のドライバーはアルミの切削加工による2ピース構成で、シェルはUV加工されたポリカーボネイト製です。ポリカーボネイトはイヤフォンに使われる一般的なシェルの材質よりも加工は難しいが、より傷に強く透明度が高くてきれいということで採用したということです。

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イヤフォン構造

また隠れたところでは内部のケーブルも芯の数が多いものを採用しているのがひそかなポイントだそうです。

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AZLA Gray

またメインのドライバー以外でもマニアックなこだわりを見せているところがAZLAのポイントです。
最近では標準ケーブルに高級ケーブルをはじめから添付する例が増えていますが、AZLAでも香港Labkable(ラブケーブル)社製のSilver Galaxy Mix MKIIをベースにしたAZLA専用設計のケーブルが標準でついてきます。これは高純度銀と6N OFCのハイブリッドで、単体で買ったとしてもそれなりの価格になりそうです。2.5mm 4極版もそう遅くない時期に出すということです。

それにポータブルオーディオ界隈で良く使われるDignis製のイヤフォンケースも付属してきます。
ファブリック製のケースは撥水加工のあるコーティングがなされ、内部の仕切りにも工夫があるのがポイントだそうです。

* インプレッション

外観は近未来的なカッコ良さがあり、インナードライバーのアルミとアウターシェルの透明なポリカーボネイトが良い組み合わせです。標準でリケーブルされたような高級ケーブルが付いてくるのも良いですね。
装着感は良好で、シェルが耳にすぽっと入るのもきちんと固定されている感じがあります。

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AZLA silver, AK70

再生のリファレンス機としては、Astell & KernのAK70とAK380、SONYのWalkman WM1A、WM1Z、そしてiPhone6だそうです。スマートフォンでの仕様も考慮しているそうです。
ダイナミックが入っているので50時間はエージングしてからAK70で聴きました。(100時間やるとレビュー書く時間なくなっちゃうので)

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AZLA silver, AK380

聴いてすぐに感じるのは立体的に空間が広がるような独特の音世界と、躍動感があり低域のたっぷりとしたインパクトのある個性的な音です。支配的なのは厚みとか重みのあるダイナミックの音ですが、中高域に傾聴するとアコースティック楽器の音もきれいで明瞭に聴こえます。
モニター的に録音の粗を探すのではなく、好きな音楽を聴いていると音楽世界に没入できるようなイヤフォンです。

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AZLA silver, AK70

低域は量感があるだけではなく、深みとインパクト感があります。低音のドラムスやベースのアタック感は緩くはありませんが、鋭利と言う感じでもありません。低域はたっぷりとありますが、ヴォーカルが埋もれるほどではなく、声ははっきりと聴こえます。中高域の解像感も十分にあり、アコースティックギターの鳴きや残響感もリアルに聴こえます。
躍動感があってAK70にはよく合いますね。AK380を使用するとさらに立体感の良さが際立ってきます。380のようにDACが強力なプレーヤーでは楽器の重なり表現が見事です。

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AZLA silver, iPhone6

iPhone6でもそれほどボリュームを上げずに7割程度で音量は取れます。FLAC Playeで上原ひろみのAliveなんかを聴くとやはり音の広がりが良くたっぷりと低音が乗ったダイナミックな音が楽しめます。音再現も滑らかで楽器音もきれいです。ただ立体感に関してはやはりDAPを使った方がより感じられますね。独特の立体感がiPhone直ではいまひとつです。


* まとめ

AZLAは個性的なイヤフォンで、デザインも個性的でよく、音も個性的で良いですね。
まず立体的な広がりのある音再現が独特であり、ベースを軸にしたダイナミックな音作りも楽しめます。ヴォーカルや生楽器もなかなか良いです。
アユートさんが言うには、この価格帯での新しい定番にしたいということです。ケーブル等も含めてたしかに価格を超えた内容があって、コストパフォーマンスは良いし、マニアにも訴求するような個性もあると思います。
特にAK70ユーザーにはお勧めのイヤフォンです。

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AZLAは楽しい音作りというターゲットがあって、ダイナミックドライバーを選びBAで強化し、そのため同軸ハイブリッド化し、
低音と音の広さ・開放感のために独特のベント構造を撮った、ということで、明快な作り手の主張を明快なロジックで作り上げたイヤフォンだと思います。
それにマニアックなケーブル ケースがついて、少し上のマニアにも訴求できるというところもポイントでしょう。
実際の音にもそれが結びついていますし、なかなか面白いブランドが出てきたと思います。
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2017年07月09日

ポタ研2017夏

週末はポタ研2017夏に行ってきました。

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上はA2PさんのTur-08最終改良版です。真空管の前の入力レベル調整(左)と後のボリューム(右)の二つの調整で真空管のノイズを受けにくくしたそう。左ツマミでまずメーターの真ん中くらいに調整してから右ボリュームで聴きたい音量にするという操作がアナログ感覚で面白いところ。音も真空管らしい暖かみを感じるいい音でした。

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ラズパイゼロに操作ボタンを付ける点がユニーク。emerge+ショップのアクリルベース。

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上のNobleのユニバーサルはエミライさん取り扱いに代わります。標準ケーブルも前の黒からオプションだったより音の良い白のケーブルに変わるとのこと。パッケージもリニューアルということで、単に代理店の変更だけではないようです。

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上はいきなり出てきたULTRASONEのDAC内蔵ポータブルアンプのNAOS。画像はiPhone向けケーブルです。軽くて小さいのですが、音は結構良くてロックに良い感じでした。ちょっといいかも。

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アユートさんのところのSP1000は盛況で、SSとカッパーの人気投票なんかやってました。このときはカッパーが優勢でしたね。

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投票と言えばFitEarのAya新色投票第二段というのもやっていました。
posted by ささき at 13:49 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする